委員会会議録

質問文書

令和２年10月情報通信技術利活用特別委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	山﨑　真之輔議員
	質疑・質問日：	10/15/2020
	会派名：	ふじのくに県民クラブ

○山﨑委員
　インターネット投票の関係でお伺いしたいんですけれども、15年ぐらいやってこられて、投票率にはあまり影響がないということですけれども、例えば、年代別の投票率だと若い方が増えたとか、年寄りが増えていないとか、その辺の傾向がありましたら教えてください。

○牟田学氏
　基本的にあまり変わっていなくて、ただ、利用の年齢層については、割と高齢者の人も利用ができるようになっています。15年ぐらいやっているとインターネット投票が始まったときに40代、50代だった人が、60代、70代ぐらいの高齢者になってきて、１回使うとリピーターになるので高齢者は利用しています。ただ、各年齢層の投票率はほとんど変化はないです。

○山﨑委員
　若者の投票率というのはもともとどれぐらいですか。

○牟田学氏
　若者の投票率は低くて、一番高いのは40代、50代ぐらいの人で高齢者と若者が少ない傾向はあります。

○山﨑委員
　投票自体がかなり先進的で行われているというのは分かったんですけれども、そこに至る選挙運動に関してネットを使って何か日本とは違う特筆すべきシステムとか、アイデアとかがあったら教えていただきたいです。

○牟田学氏
　エストニアは、日本みたいに車で走って大きな声でということは基本的に禁止されているので、オンラインで選挙活動も行われますし、あるいは、街頭で何かチラシみたいなものを設置してお願いしますということで、環境に溶け込んでいる形で、金銭的に低いグッズを配ったりチラシを配ったりとかしています。エストニアの場合は基本的に比例代表制一択になっているので、政党ごとにプロモーションすることになっています。

○山﨑委員
　国民のＩＤカードと日本のマイナンバーカードの比較ですけれども、これは住所情報に関しては少し危ないのではないかという指摘があったんですが、それ以外の面でセキュリティーだとか、利便性とかで比較した場合、何か大きな差異はあるんですか。

○牟田学氏
　カード自体は基本的に大体同じような仕組みなのでそれほど差異はありませんし、例えば、偽造であるとか、ＩＣチップの耐タンパー性といわれる攻撃に対する能力は決して日本が低いわけでもなく、かえって高いぐらいです。ただ、エストニアでは、ＩＣカードのライフサイクルを考えて５年にしています。日本ではマイナンバーカードは10年ですが、セキュリティー面からするとちょっと長く、ＩＣカードに対する攻撃が果たしてセキュリティー上担保できるのかと考えると難しいと個人的には思います。
　ただ、現状を見るとカードに対するセキュリティーはそんなに遜色なくて、日本の方が優れている部分もあると思います。

○山﨑委員
　エストニアはそのＩＤカードを義務化しているからこそほぼ100％ということなんですけれども、日本のマイナンバーカードも義務化する以外、これ以上普及させる手はないとお考えでよろしいですか。

○牟田学氏
　任意のものの場合に、マーケティングだと大体15％で壁が出てくる。率先して何か面白そうだなと思ってくれる人が大体そこで終わりになってしまう。そうすると本当に利便性があって使えるようになってこないと残りの人たちに普及するまで非常に時間がかかって、ここで住基カードも挫折してきたわけです。だから、そこを乗り越えることが果たしてできるのかですが、非常に見通しが難しい。それは投資として効率的ではなくて、義務であれば、みんなが持っていることを前提にいろいろなサービスを考えられるんですけれども、それを義務化しないことによって、増やそうというプロモーションばっかりにお金をかけていて、増やすことが目的化してしまう本末転倒の話になりかねない。日本の場合は人口が多いのでそこのあたりは難しいとは思うのですが、個人的には義務化は選択肢の１つとして検討したほうがいいと思っています。

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