委員会会議録

質問文書

平成26年12月定例会文化観光委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	山﨑　真之輔議員
	質疑・質問日：	12/15/2014
	会派名：	ふじのくに県議団

○山﨑委員
　最後になりますが、よろしくお願いします。
　私は分割質問方式で２つほどお伺いさせていただきたいと思います。
　まず、緑の冊子の総合計画後期アクションプラン評価書案からお伺いしたいと思います。
　冒頭に文化・観光部長から、今回の評価書案に対して、ここ最近の状況変化に応じて指標等も見直す必要があるという趣旨の言葉がありました。後期アクションプランが始まってから数カ月たったわけですが、具体的にそういった見直しをかけていく必要があろうと判断をされている指標や文言等がありましたら教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○望月総務企画課長
　後期アクションプランの中で、数値目標等の見直しを進めていくという点につきまして御説明いたします。
　全ての数値目標につきまして、引き続き目標水準を維持し、達成に向けて取り組んでまいるところでございますけれども、目標値以上の推移状況となった数値目標のうち、小柱２－１－３(3)留学生支援の推進の県内高等教育機関から海外への留学生数につきましては、来年10月に判明予定の平成26年度の実績を踏まえまして各大学の取り組み成果を検証し、目標数値の修正を検討していくこととしております。
　また、小柱２－２－１(2)富士山の後世への継承につきましては、富士山の適切な保存管理を図るため、保全状況報告書に求められる資産の全体構想及び来訪者管理戦略などの各種戦略に基づきまして、全体的な改正を行う富士山保存管理計画に対応しました保全に係る取り組みの適切な数値目標を検討していくこととしております。以上でございます。

○山﨑委員
　私も少し眺めさせてもらいまして、例えば後期アクションプラン評価書案185ページ２－２－５の一番下、(3)ターゲットを明確にした海外誘客促進の中の外国人延べ宿泊者数です。
　現状が50万人弱のところを平成29年度の目標が87万人で、推移がＣとなっております。非常にまだ厳しい見通しかなと考えていますが、この辺の厳しさはそのまま据え置いて目標値まで頑張って持っていくという御理解でよろしいでしょうか。

　それから、後期アクションプラン評価書案197ページの２－２－６(2)学住一体のまちづくりのところです。
　学生をはじめとした若者の学びや交流・社会活動などによる賑わいが増えていると思う県民の割合で、基準値、現状値とも少し下がっておりまして、目標が平成29年度は30％となっております。御承知のように少子高齢化、人口減少の中で学生も学校数も減っている中で、なかなかこれを２倍にしていくのは厳しい数字かなと思いますが、この辺についても頑張って目標値まで持っていくという意思がおありなのかどうか。
　そこだけ２点をお答えいただきたいと思います。

○神山観光振興課長
　外国人延べ宿泊者数につきまして、確かに平成25年度は約50万人という数字になっておりますけれども、今年に入りまして１月～６月までの上半期につきましては、大分中国からのお客様がふえたということも影響しているんですけれども、31万人ほどとなってございます。さらに今、中国からのお客様や台湾とかタイからのお客様についても好調に推移している状況がございまして、平成26年度につきましては60万人を達成できるのではないかと期待しております。そういうことを鑑みますと目標値87万人も努力目標としては何とか頑張れる数字ではないかと思っておりますので、このまま据え置きで考えております。以上であります。

○後藤文化学術局長
　後期アクションプラン評価書案197ページの学住一体のまちづくりの県政世論調査の数値です。
　学生をはじめとした若者という表現になっておりまして、直接の所管は企画広報部になるわけですけれども、これにつきましても、なかなか数値が上がってこないという状況ではあります。しかしこれはチャレンジする目標だということで目標はそのまま据え置いて、これに向かって各種施策を進めていくと伺っております。以上です。

○山﨑委員
　そうは言っても、後期アクションプランが始まってまだ１年ですから、平成29年度の目標に向けてしっかりと施策を見直す動きをする中で目標を達成していただきますようにお願いいたします。

　２点目の質問に移りたいと思います。
　富士山静岡空港関連につきまして３点だけお伺いをさせていただきたいと思います。
　まずは利用状況でございます。
　11月末現在の最新の利用状況が報告されたわけですが、この夏から秋にかけて非常に好調だなという印象を私は受けております。いろいろ頑張って路線数もふやしていただいている結果かなと評価していますが、実際のところ、このペースでいきますと通年ではどのくらいの利用者数を見込んでいるのか。もしその見込みが難しいようであれば、現時点において昨年と比べてどれぐらいなのか。そのあたりを教えていただきたいと思っております。

　２点目は、２番委員からもございましたけれども、杭州蕭山国際空港定期便就航促進の関係でございます。
　確かに当局としては、いろいろと期待を持たれている部分があるということは承知しました。西湖と浜名湖が湖のつながりで浜松市と協定を結んでいるということで、もしこれが実現すれば県西部の人間が富士山静岡空港を使うという機運も盛り上がってくるのかなという期待もございます。
　ただ、２番委員もおっしゃるように、それを受けて航空会社がそろばんをはじいて勘定が合えばという話になってくると思います。意向書が取り交わされたわけですが、この意向書がどのくらい効力を持っているのか。それから早期就航につなげたいという言葉がありますが、この早期というのは一体どのあたりを目途としているのか、そこについて教えていただきたいと思います。

　最後は、コンセッションの導入についてお伺いしたいと思います。
　我が会派の田口議員の代表質問でいろいろとお伺いをさせていただきました。その際のお答えとしては、平成31年度の制度導入に向けて、平成29年度には民間事業者から空港運営への参画を表明していただきたい。そして翌平成30年度に契約手続をするという段取りになっていくと。ですから平成27年度と平成28年度にはさまざまな整備をされていくと。整備というのは中長期の経営計画の作成であったり、全体的なスキームの作成。それらをやることによって民間事業者が参入しやすいデータをしっかりと開示するということになろうかと思います。
　本会議場でも服部県理事にはお答えをいただきましたが、あそこは急場のところでございましたので、じっくりとまたお答えをいただければと思います。今何をすべきなのかについて御回答いただければと思います。以上です。

○広岡空港利用促進課長
　御質問のうち、まず１つ目の富士山静岡空港の今年度の利用状況見込みという御質問です。
　本日配付いたしました説明資料11月分の右側に平成26年度分ということで４月から11月分の合計数を入れてございます。一番下のところですが、搭乗者数34万5952人ということでございます。これが乱暴な言い方ですが、８カ月分の利用者数ということでございます。これを見ますと残り４カ月はどれぐらいかなということでございますが、８カ月で約34万5000人だったということでございますので、12カ月分に直しますと約50万人をちょっと超えるような数字になろうかと思います。
　一方、空港の利用者というのは月ごとによって大分違うということもございますので、今後想定される就航便数等から考え、また昨年度の搭乗率なども考え合わせますと、約50万人前後かなと見込んでいるところでございます。
　また、先ほど去年と比べてこの時期はどれぐらい伸びているのかという御質問もあったかと思いますが、１年前のこの時期である11月末では約30万9000人の方に御利用していただいております。そういう意味からいたしますと、11％ほど数字的には伸びておるという状況でございますが、まだ今後何が起こるかわかりませんので、油断をしないように取り組んでいきたいと思っております。

　それから、説明資料11ページの杭州蕭山国際空港定期便就航促進に関する意向書の取り交わしの関係でございます。
　路線就航したときにどの程度の収支が見込めるかという航空会社側の考えも確かにございますけれども、私どもといたしましては路線就航という形になりますれば、浙江省と協力をして利用促進に取り組んでいきたいと思っております。西湖周辺等の観光地や小籠包というおいしい料理もございます。そういった観光の魅力などもＰＲしながら取り組んでいきたいと考えているところでございます。
　それから、３今後の取り組みに早期の就航を目指すとあります。言葉をいろいろ取捨選択いたしまして、早期という言葉でやられているように私どもは理解してございます。静岡県・浙江省経済交流促進機構第23回会議が開かれた場においては、例えば１つの例といたしまして、来年８月に卓球大会が浙江省で開催されるという話題なども出まして、そのときには直行便で行きたいねというようなお話なども出たところでございます。
　私どもといたしましては、なるべく早期ということで一生懸命浙江省とともに協力して取り組んでいきたいと考えているところでございます。以上でございます。

○服部県理事（空港担当）
　富士山静岡空港のコンセッションについての御質問にお答えいたします。
　本会議の代表質問に対しまして知事からも答弁を申し上げましたとおり、現在は指定管理期間が平成30年度までとなっております。早ければ平成31年度から公共施設等運営権制度を活用して、富士山静岡空港も民間事業者への空港運営権移譲をやっていきたいと思っております。
　そのためには、平成31年４月１日からこの制度を速やかに導入できるように、平成30年度のぎりぎりではなくある程度余裕をもった時期に契約手続きを済ませて、その前の平成29年度には民間事業者が空港の運営に参画したいという表明をいただけるような状況、環境を整えていく必要があるかと思っております。
　そのためには、この民間事業者が空港運営に参画するか否かの判断ができるように長期的な観点から空港運営の収支の見通しを立てて、これを踏まえてビジネスモデルを提示する必要があろうかと思います。
　我々が今年度、何をやっているのかと申しますと、富士山静岡空港と非常によく似た環境にある海外の民営化の先進国とされているイギリスとかオーストラリアといったところの空港を視察いたしまして、いろいろと調査したりヒアリングをしてまいりました。
　また、ちょうど日本国内で空港のコンセッションは、関西国際空港であったり、あるいは仙台空港といったところで準備が進められていまして、こういったところのいろいろな事例が、今まさに積み重なってきているところであります。これらを調査したものを分析して、今後の収支見通しとかビジネスモデルの構築に役立てていきたいと思っております。
　そういう意味で今後、空港の利用動向とか、さらなる潜在需要をもっと分析していく、そして今後富士山静岡空港が戦略としてどのような方向性を取るべきなのか、利用者満足度をどのように向上させていくのか、さらに一番大事なのは、非航空系収入――ターミナルビルでの収益をうまく活用して空港の運営に使っていくため、この収益をより向上させていく方策を十分検討していきたい。
　その際は、今はまだ決まってはいませんけれども、有力なコンセッションの受け皿の候補となる富士山静岡空港株式会社と協力しながら検討を進めていきたいと思っております。以上です。

○山﨑委員
　いろいろとありがとうございました。
　民間事業者が参画したいと思うような判断材料をしっかりと整えることが大事かなと思っているんですが、現実には年間約５億円程度の赤字があって、それを県から補塡している状況です。そういった赤字経営をしているところに民間事業者がそのまま入り込んでくるというパターンは平成31年度までにあり得るのでしょうか。そこをしっかり解消してからそういう話になってくるのではなくて、赤字を抱えたままでも、そういった制度を導入してしまうということもあり得るのかどうか、お聞かせください。

○服部県理事（空港担当）
　先ほど私が申し上げましたとおり、現状の富士山静岡空港は、約１億円の収入に対して約６億円の支出となっています。差し引き約５億円の支出超過という形になっております。一方でコンセッション制度の導入ということになれば、ターミナルビルでの収益が空港の運営にも使えるという形になります。そこの収益を少しでも向上させていくことが必要になってくるかと思っております。

○山﨑委員
　まだまだ平成29年度と平成30年度の話なものですから時間があるように感じますが、やっぱりしっかりと、そのあたりは早目に計画を示していただいて、どんどん参入してみたいという気持ちを民間企業に起こさせるような形で進めていただきたいと思います。
　それから、確かに中長期で示せと言っても、これから空港新駅の話もありますし、東京オリンピック・パラリンピック等の話もありますので、総合的に考えなくてはいけない部分もあるとは思います。しかし、その中でも後世にツケを残さないような運営をしっかりと肝に銘じてやっていただきますことをお願い申し上げまして、質問を以上とさせていただきます。ありがとうございました。

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