委員会会議録

質問文書

平成28年12月定例会総務委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	髙田　泰久議員
	質疑・質問日：	12/14/2016
	会派名：	ふじのくに県民クラブ

○髙田（泰）委員
　それでは質問します。分割質問方式でお願いします。
　最初に、まち・ひと・しごと創生総合戦略評価書案で、160ページのファシリティマネジメントの推進です。
　ＫＰＩの達成状況の指標として、ファシリティマネジメント実施方針に掲げた取り組みの達成と施設類型ごとの長寿命化計画の策定率の２つを指標として挙げています。平成27年度から平成31年度までの取り組みの中で、この計画については評価方法の整理を平成27年度にやって、施設アセスメントを平成29年度までにやって、長寿命化計画を平成30年度、31年度で策定する計画になっています。
　ＫＰＩで達成状況をチェックしながら取り組み内容を確認していくことでの指標の位置づけとしては、この２つの項目でいいのかな。評価方法の整理、施設アセスメント、そして計画の策定ということで、この５年間の中での取り組みをその時点、その時点でチェックしていくべきではないのかなと思います。戦略を組み立てる中での評価の形づくりについて、どのような計画といったらおかしいけれども、枠組みでこのようにされたのかお伺いします。

○杉山管財課長
　ただいまの御質問の中にありました施設類型ごとの長寿命化計画の策定率については、少し文言が難しいんですが、国から要請がございまして、今、我々だけではなくて、県を含め全ての自治体で策定を進めているものでございます。
　これについては、御質問の中にもあったとおり計画的にやっていくわけなんですが、現状値の考え方の御質問かと思います。
　施設類型ごとというのは今、５つ考えております。庁舎、教育施設、警察施設、職員住宅、県営住宅で、それぞれの使い方、考え方が大分異なる施設ですから、その５分類でやっていって、その他のものは庁舎等に入れて考えようとやっております。
　現在、施設アセスメント要領・長寿命化指針を作成し、アセスメントを実施しております。平成28年度まで実施が済んでおりますが、これについてはやはり管財課が主体となりまして施設の状況、劣化度、使い方、運用状況を確認して、将来のあり方はこうではないかというのを今まとめつつある状況ですが、あくまで現時点の評価になります。
　長寿命化ということでございますので、将来にどこまでそれを保持し、あるいはどの段階で廃止する、統合する、縮小する、拡大する、いろいろあります。どの時点でどのようにしていくかになってきますが、将来予測を立てる必要があるものですから、平成29年度、30年度ぐらいに入るかもしれないんですけれども、行政需要の予測に基づいた評価も必要ではないかと考えております。現在そういう段階にありまして、平成28年度中に現状の評価が終わります。平成29年度に入って、施設類型ごとですので各所管課が主体となってやっていただく作業に移っていくことで考えております。
　最後になりましたが、この現状値の書き方は、やはり施設類型を５つつくろうとしている計画の策定率ですので、まだ１つも完成を見ていないということで０％という記載になってございます。

○髙田（泰）委員
　まずは計画を策定して具体的な長寿命化への取り組みをしていくことになろうかと思います。計画を策定していく段階での指標の現状がどういう状況になっているのかを評価書の中で把握、チェックができるよということでないと、指標の挙げ方が適していないんじゃないかなという感じがします。評価書案としての委員会でのチェックということだから、私はこういう質問をさせていただいたんだけれども、その点について改めて伺います。

○杉山管財課長
　申しわけありません。
　達成状況ということで、進捗率という点から考えれば、ある程度作業を進めていることがわかる記載にしていかなければいけないのかなという御指摘はごもっともだと思います。今後検討して書き方について工夫してまいりたいと考えます。

○髙田（泰）委員
　気がついたところだけの質問ですけれども、わかりやすい展開図といいますか、評価書にしていただきたいなと思います。よろしくお願いします。

　次に、委員会説明資料の13ページの平成29年度当初予算編成方針です。
　昨日も、平成29年度の予算概要等についての説明をいただきました。部局調整案の提出基準で、戦略的重点事業あるいは部局重点事業、義務的事業等、年次計画事業を除く経費、一般財源について平成28年度当初予算額に0.8を乗じた額を範囲とするということで、各部局が提出されて大枠ができつつあるわけですが、マイナス632億円という形で出ております。11月17日の産経新聞の記事に、国税の収入が非常に鈍化していることで交付税に大きく影響してくるだろうという記事が掲載されていました。
　今まで、ある程度期間もたっていますから状況が変わってきていると思いますけれども、きょうの６番委員の質問にもありましたが、今の国の景気、税収等々から見込んで、平成29年度予算の中に国からの交付税の影響がどういう状況になっているのか、どのように把握されているのか、その見通しについて改めてお伺いしたいと思います。

○塚本財務局長
　ただいま８番委員から御指摘がありましたように、国は年度当初、57兆6000億円余程度の当初予算での税収を見込んでいたところ、１兆9000億円ほど減って55兆7000億円ぐらいになるという見通しを立てたようでございます。
　その中心は法人の年初来からの円高による影響で、法人税の関係の影響が大きいと報じられています。
　法人税について言うと、一部については交付税の原資ですから交付税全体に影響があるという、交付税の財源に大きな影響が出てくるのではないかと考えております。
　ただ、年末にならないと地方財政対策そのものは今のところまだ明らかになっていないものですから、今後、その点については非常に注意を払って、県の予算編成に大きく影響を与えるものですから、どうなっているか、それを反映して予算を編成していきたいと考えています。
　ただ、交付税全体については、今年の骨太の方針で、今後３年間について一般財源総額を昨年度と同水準に確保することがうたわれているところです。ただ、今言ったように法人税そのものの収入が落ちてくると交付税の原資が少なくなってきますので、今までの交付税のスキームですと現ナマの交付税が減る場合については、臨時財政対策債で賄う形にならざるを得ないかなと今の財政のスキームでは考えています。
　ただ、これそのものも総務省と財務省の中で、交付税総額をどうやって確保するか、また臨時財政対策債についても、その足らず米の半分が臨時財政対策債、半分は国の負担も出てくるものですから、単純に足らず米が全部確保されるということではございません。先ほど言ったように、これからの地方財政対策がどうなるか注視していかなければいけないと考えています。

○髙田（泰）委員
　ありがとうございます。
　全国知事会からも交付税と国税からの繰り入れの割合を引き上げる要望が強く出されていると記載があります。全国知事会の要望等々も受けた骨太の方針が具体化し、当然財務省、総務省のやりとり等々もあろうかと思うけれども、方向が出てきているのか、その辺の状況はどうなんでしょうか。

○塚本財務局長
　全国知事会を通じて国に毎年度要望しているのは、先ほど言ったように地方交付税等を含めた一般財源総額の確保を要望していて、先ほど言った６月にまとまった骨太の方針は、それを反映したものにはなっています。
　ただ、前年度に対する一般財源総額確保は全部の要望ではなくて、それは当面する財源確保として最低限必要ではございますが、交付税全体の問題として、やはり先ほど言ったように臨時財政対策債等で賄われるということは、もともと交付税は国が徴収している地方の特定財源ということで、法人税の33％であるとか、消費税の何％が交付税の原資になっていることは交付税法で決められているわけです。その入り口の法定税率の根本を改善していかないと、いつまでたっても地方交付税の特別会計は赤字で回していく。赤字で足りない分は臨時財政対策債を発行しているけれども、その償還についてもまた臨時財政対策債を発行するというような、言ってみれば、言葉は悪いですがタコ足のような自転車操業になっているということでございます。そこのところは最も根本的な話として国に対して要望しているところでございますが、今のところ具体的な議論には至っていないところでございます。

○髙田（泰）委員
　ありがとうございます。
　それ以上細かいことを突っ込んでも、県のサイドとしてはそれ以上の対応ができないわけですから、注視していきたいなと思います。

　次に、ストレスチェック事業のところです。
　委員会説明資料の19ページに、今年度からストレスチェックを労働安全衛生法の改正に伴って導入したということです。
　先ほどの説明では、0.5％の方が未回答者になっているわけですが、まず未回答者の中身、内容、どういう方がこのチェックを受けなかったのかをお伺いします。

○宇野健康指導課長
　0.5％の職員が回答しなかったわけですけれども、私どもとしては、回答しなかった理由等については、このストレスチェック事業自体が義務的なものではないものですから、改めて問いかけはしておりません。想像するところですけれども、当然、そういう制度の趣旨等を職員も把握した上でこの調査に臨んでいると思いますので、そういう中で本人の意思で回答しなかったと考えております。

○髙田（泰）委員
　わかりました。
　このストレスチェックの方式が、マークシート方式で高ストレスを抽出するということなんですけれども、いろいろなアンケートだとか、マークシート方式の調査はありますよね。例えば高齢者の認知度のチェックだとか、65歳以上になると各市町で住民に郵送されて、マークシートのチェックでそれをどう評価するのかわからないけれども、やっぱり個人が答えようとすると、何となくいいほうにいいほうにチェックしがちじゃないのかなという感じがするんです。
　労働安全衛生法に基づいてマークシート方式でチェックし、答えてもらって抽出していく仕組みが全て国で決められているものなのかどうかをお伺いします。

○宇野健康指導課長
　今回、静岡県ではマークシート方式で調査を実施しました。他県ではコンピューター――パソコンを使ってやっているところもございます。そういう意味では、国が何か一律に方式を決めて、この方式でなければならぬということで各自治体にこの調査を任せたということではございませんで、それぞれの自治体の事情等を勘案して、それぞれの自治体で判断したものでございます。

○髙田（泰）委員
　マークシート方式を採用したのは、何かいろいろ選択肢があってこれを選択されたのか、このストレスチェックの方法はコンピューターを使った方法とマークシート方式、それ以外にも何種類かあるのか、どうなんでしょうか。

○宇野健康指導課長
　この調査の方式としましては、今、８番委員からもお話がございましたように、マークシート方式とコンピューターを使ったインターネットでやる方式の大きく２つに大別されます。
　静岡県がこの紙の方式を使いましたのは、調査対象となる職員全てが１人１台でパソコンが使える環境にはありませんので、中には県庁以外に、例えば岩手県に派遣されている職員等にも当然調査をお願いしましたので、そういう方もおられるということもありまして今年度はマークシート方式で調査したものでございます。

○髙田（泰）委員
　わかりました。
　結果として、6.6％の方が高ストレス職員だというチェック結果が出たということです。
　カウンセラーによる予備面接は希望者が受けるということなんですけれども、6.6％の方が全て面接を受けられたのかどうか、いかがでしょうか。

○宇野健康指導課長
　6.6％の方がマークシート方式の検査結果として高ストレスと判定されたわけですけれども、先ほど８番委員からもお話がございましたように、カウンセラー面接を受けるかどうかにつきましては職員の意向というか、希望した職員に対して行うことにしておりましたので、この6.6％全てが受けているわけではございません。

○髙田（泰）委員
　受けた率はどのくらいですか。

○宇野健康指導課長
　今年度、このカウンセラー面接を受けたのが35名でございます。そうしますと370名が高ストレスで、およそ10％の職員がこのカウンセラー面接を受けたことになろうかと思います。

○髙田（泰）委員
　個人情報の問題もあったり、あるいは高ストレスという結果が出てみずから改善したいという思いの方が面接を受けるという自主的な取り組みが法律の中でも重視されているから、強制はできないと思います。県としては高ストレスと判断された該当の皆さんに、制度上は強制できないのかもしれない。一方でメンタル的な障害によって長期間休まれている方もいるでしょうし、あるいは仕事に障害が起きている方も出てきている状況の中で、実際に障害が出てくる前の予防策としてはこのストレスチェックは非常に有効なことだから、これを生かして改善していく。
　全体の6.6％が高ストレスとして判断されたが実質的に予備面接を受けたのはそのうちの10％ということで、高ストレスとカウントされた方へのサポートをどのようにしていかれるのか伺います。

○宇野健康指導課長
　高ストレスとなった職員に対しましては、一度でなく何回かにわたりまして、職員宛てにメールでカウンセラーの面接をどうでしょうかとお勧めはしてございます。
　その結果として今、こういう状況にあるわけですけれども、まずそういう職員を中心に、例えばいろいろな情報提供をする、あるいはメンタルヘルスについての冊子等を配付する等、そういう職員がストレスチェックで自分のストレス状況について気づいた面はあろうかと思いますので、そういう形で今後とも高ストレスの職員への対応を図ってまいりたいと思っております。

○髙田（泰）委員
　このフロー図では、予備面接を希望された方が次の段階で産業医の面接を受ける流れになっています。そういうことでいいのかということと、受けない方には今言われたようにサポートするよということなんだけれども、県としても産業医がいて、その産業医が各職場の状況をチェックしながら、このストレスチェックによって、まず予備面接をされた方が次の段階として、じゃあどのように対象の方にアドバイスするかということだと思います。
　今、県が指定している産業医の方がメンタルヘルス等々について専門的な知識があるのか、疑問に感じるところもあります。日常の産業医として職場の中の仕事あるいは安全面でのチェックでは幅広く対応するけれども、今度新たな法律の中でストレスということからすると専門性が変わってくるんじゃないかと思います。その産業医は十分メンタルの面でも対応ができる先生なのかどうか伺います。

○宇野健康指導課長
　現在、本県で産業医をお願いしておりますのは大きく２つに分かれます。
　１つが、保健所長にその地区の産業医をお願いしているもの、あとは民間の心療内科関係の先生に産業医をお願いしているものの大きく２つに分かれます。いずれにしましても、このメンタルヘルスの不調の問題が急に発生したわけではなくて、長年にわたりましてメンタルのことについては県庁でもいろいろ取り組みをしてきております。
　そういう中で、産業医の先生方も当然、単に身体面だけではなくてメンタル面についても十分な知識と新しい情報の吸収等をされておりますので、このストレスチェックにおきましても十分に適切な対応をしていただけているものと判断しております。

○髙田（泰）委員
　この制度は非常に有効になってくると思いますが、この制度が法改正の中で取り入れられたのと別に、メンタルヘルスの不調でいろいろな障害が出ている職員の方もいらっしゃると思うんだけれども、このストレスチェックの結果と実態とは数字的な整合性が出ているのかどうか。ストレスチェックで高ストレスとして判断された方と、実際に障害が起きて休職されている、あるいは実務に影響が出ている方とのつながりがチェックの結果として見られるのかどうか、いかがでしょうか。

○宇野健康指導課長
　今年度、ストレスチェックを受けていただいた知事部局の職員ですけれども、全ての職員というわけではございません。例えば産休とか育児休業に入っている職員は、今仕事をしていないものですから今回の対象から外してございます。それと８番委員からもお話がありました、長期療養で休んでいる職員も今仕事をしていないということで対象から外されております。
　ただ、実際に高ストレスの職員の内容を、個人的に一人一人ではございませんが私どもで、以前に長期療養した人がいる、あるいはそれ以外の何か相談があったかということと、突き合わせというほどではございませんが少し見てみました。そういう人も中にはいますけれども、今回初めて高ストレスと判定された職員もいるということで、非常にこの制度が有効に機能しているのではないかなとも考えております。

○髙田（泰）委員
　ありがとうございます。
　初めての取り組みですから、その結果の解析はこれからだと思うけれども、統計手法も使いながら現状との比較あるいは予防策としてうまくこれを活用してもらいたいと思います。ストレス上の問題はいろいろなところに波及されてきていますので、ぜひ予防策としてこの結果を生かしていただきたいなと思いますので、よろしくお願いします。以上です。

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