• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 委員会会議録 > 質問文書

ここから本文です。

委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成29年6月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:伴 卓 議員
質疑・質問日:07/25/2017
会派名:ふじのくに県民クラブ


○伴委員
 ふじのくに県民クラブの伴卓です。
 大きく5つほどのテーマに分けて、分割質問方式でお伺いします。テーマはふじのくにマーケティング戦略について、産業人材の確保、CNFプロジェクト、お茶の都づくり関連、あと富士ヒノキについて少し触れさせていただきたいと思います。
 まず、ふじのくにマーケティング戦略についてお伺いします。
 一般的に、マーケティングというものはどのような意味合いを持つのか、まず確認をさせていただきたいと思います。
 マーケティングとは、企業などの組織が市場、つまりお客様が求める商品やサービスを考えてその情報を発信し、お客様がそのサービスや品物を得られるようにする活動、あるいはお客様のニーズを解明して、それに応え得る商品やサービスを生み出すための経営戦略と言われております。一部簡略化しておりますけれども、これは公益社団法人日本マーケティング協会が定義しておるものであります。
 今回、委員会資料6ページのふじのくにマーケティング戦略の推進の中で、県内産品の生産と販路拡大を図るために会議を設置し本県独自の戦略を本年2月に取りまとめたとあります。またプロダクトアウト型からマーケットイン型に発想を転換して、農林水産業を成長産業にするとしております。
 つまり、私の解釈になりますけれども、こんな商品があるから皆さん買ってくださいねという視点から、皆さんどういった商品が欲しいですかというのを調べて、それに対して産官学一丸となって商品開発や生産を手がけていくことであると思っております。この中で農林水産品を9つに絞り込んでありますが、県が独自に選定したものなのか、それともマーケットのデマンド、需要をある程度酌んで選んだのでしょうか。
 私も、かつて小売業界に身を置いていた人間で、まさにマーケティングを担当しておる部署におりました。今の日本は本当にものがあふれていて、単に安いから買う時代でもなくなってきていると思うんです。その中で、市場の動向をしっかりと見ていいものをつくって発信をしていく時代が今、訪れていると思います。この中で今、県が9つに絞り込んでいる取り組みは非常にいいものであると思っておりますので、ぜひ回答をお願いします。

 続いて、先ほど御説明いただきましたふじのくにショールームの取り組みについてお伺いします。
 現時点で、当ショールームの計画がどれほど進んでおるのか。平成31年のラグビーワールドカップまでの開館を目標としておりますけれども、進捗状況、あるいはまだまだロードマップの策定の段階であるのか、またショールームのコンセプトをお伺いしたいと思います。
 フロアイメージということで、いわゆるアンテナショップのような物産品を主に扱うのか、観光案内も含めるのか、あるいは移住を勧める役割も、拠点も構えていくのかといった説明を以前レクチャーの中で受けましたけれども、この中でどこに重きを置いていくのか少し質問したいと思います。

 首都圏で、お買い物で回遊をされている方、新宿ですとか銀座、渋谷があると思うんですけれども、こういったところで普通のお客様がショールームに来たときに、ただの観光案内所とか静岡の宣伝だけをしている場所ですと、リピーターになってもう一度静岡の案内所に行ってみたいという人がおられないのではないかと思うんです。
 私の個人的な経験と友人との会話レベルになってしまうんですけれども、都内にはアンテナショップが多数あります。北海道や沖縄、高知、鹿児島、広島などあると思うんですけれども、お土産を買うですとか、ものを食べるスポットとしてアンテナショップ、あるいはこういう観光の発信拠点に行かれる方が非常に多いと思います。この中で、秋葉原や浅草になるんですけれども、今都内では県や市が単体ではなくていろんな自治体が一緒になって1つのテナントに入って、そこに行けばいろんなものが見られる商業施設等々もあります。私が思ったのは、例えば静岡のものが秋葉原に少し売っている、あるいは浅草にもあると。そこにまた新たに静岡県がショールームを出していったときに、ばらばらでそれぞれが持ち味を出してやってしまうのか、ある程度共通性を持たせて静岡県の情報を発信してくのか、これが少し気になります。
 例えば、首都圏に住んでおられる方が静岡のお土産を買いに行きたいと思ったときに、あるお店に行ったらないけれども、じゃあ新宿のアンテナショップのほうに行ってくださいみたいな話になってしまうと、せっかくの機会が失われてしまうと思うんです。なので最初はちょっと物産品を扱うイメージが強くなってもいいと思うので、あそこに行けば何か静岡のおいしいものがある、おいしいお茶が買える、ミカンのお菓子が買えるといったところでもいいと思っています。
 まずは共通なイメージ、ブランディング化を図るためにも、こういったアンテナショップ同士の、あるいは情報発信の拠点同士の連携は考えておられますか。

 最後に、ショールームに関して要望になります。
 実は、山梨県がもう既に日本橋にショールーム、アンテナショップを展開しております。このお名前が富士の国やまなし館で、ここはワインですとか山梨の特産品を扱っているアンテナショップのカテゴリーで、ウエブサイトを見ますと、いわゆる物産展みたいな感じだと思うんです。
山梨県と静岡県で富士山がどっちのものかという話ではないんですけれども、やっぱり私はふじのくにと言えば静岡だというイメージを持っていただきたいと思うので、ふじのくにイコール静岡だというイメージを関係する部局の方々に総力を挙げて取り組んでいただきたいと思います。
 まず、このショールームについて、当局の見解をお願いいたします。

○松村マーケティング課長
 まず、今委員から3点御質問、それから御提案をいただきました。
 まず、1点目でございますけれども、戦略においてなぜ9品目に絞り込んだかという御質問で承っております。
 まず、本県には多彩な農林水産物がございますけれども、本部会議におきましては、取りまとめる品目をもう少し絞り込んだほうがよい、まず出口対策の先行事例をつくるべきだという意見がかなり多数出てございます。したがいまして今回は本県で強みのある9品目に絞り、戦略を取りまとめたところでございます。
 また、9品目以外の品目につきましても、今回取りまとめの戦略を参考にいたしまして、マーケットインの考え方に基づいた施策を今後検討してまいる準備もございます。
 それから、具体的に日本酒、繊維、食以外のものでも、今回取りまとめた戦略が参考になる、当てはまるような事例もあると考えてございまして、この施策の検討に活用してまいりたいと考えております。

 続きまして2つ目、戦略に基づいたショールームに関することでございます。
 1つ目は機能要件について、それからワンストップ化というか静岡の全体としたブランディング化を図るべきではないかというお話で承ってございます。
 まず、繰り返しになりますけれども、このショールームは、マーケットインの考え方に基づき、マーケットの情報を収集して生産現場にフィードバックを行う拠点と考えてございます。機能要件につきましては、委員御指摘のとおり、東京にも40近くのショールーム機能、アンテナショップ等ございますけれども、多くは物販や飲食が主になってございます。
 委員がおっしゃった秋葉原の施設はCHABARAという施設になろうかと思います。ここに静岡県もアンテナショップを出しておりますけれども、物販機能のみで面積的にも非常に狭いというところがございまして、今回新たに設置しようと考えてございますのが、食の機能に加えて文化の発信基地、それから静岡県のブランディングをするということで、まさにショールームとなるようなアンテナショップの設置を目指してございます。そこで物販飲食に加えまして、食以外にはお茶の文化であるとか、自然や景観、ふじのくにの魅力を多数発信して、静岡に行ってみたい、住んでみたいと思ってもらえるような拠点としたいと考えてございます。
 情報によりますと、静岡市等もアンテナショップを東京に置くという情報も流れておりますけれども、今後はその情報もキャッチアップしながら、また新たに検討してまいりたいと考えております。

 3つ目の御提案というか、京橋にございます山梨県の富士の国やまなし館については情報として我々も得ておりまして、私も現地を見てございます。
 委員は富士市の御出身だということで、当然富士山は静岡県側からという観点かとも思いますけれども、山梨県は先行事例でございますので、よく見ながら、我々の設置しようとする新たなショールームに参考として取り入れたいと考えてございます。

○伴委員
 1つ再質問させてください。
 お土産を売っている場所、さっきのCHABARAもそうですし、例えばこれから静岡市さんが出すであろう、出された場合、県が出したお店、あとは、交通会館の中にも事業所があると思うんですけれども、こういった施設同士の連携が今の段階では検討されていないということでよろしいでしょうか。

○松村マーケティング課長
 今委員からお話ございました、CHABARAのオフィス、東京交通会館内にございますカフェスペース、こういったものも今後新たに設置する施設に、ちょっと言葉が合っているかどうかわからないですが、集約化する予定ではございます。
 ただ、当然既設のものの運営もございますので、集約化するに当たっては関係各位の御意見を伺いながら慎重に進めてまいりたいと考えております。

○伴委員
 それでは続いて、産業人材の確保の件で主に大学生の静岡へのU・Iターンについて御質問します。
 今のショールームの情報発信の成果にもなってくると思うんですけれども、静岡県の産業人材の確保について、冒頭でも人口有効求人倍率が高いということで、若い世代がこのふじのくにに帰ってくるチャンスがあるのではないかと思っております。
 有効求人倍率の急な改善に伴い、県内はこの厳しい情勢が続いておるんですけれども、そこで静岡県から大都市圏、東京や大阪、名古屋などいろいろあると思うんですけれども、あるいは既卒者、もう働かれている方の静岡への還流、いわゆるU・Iターン、あるいはJターンも含め、この静岡県に来てもらうためにどのような施策を考えておられるのか質問いたします。

 既卒者や社会人の方は、大学生に比べて静岡で働きたいという思いがあって求人等を見ておられる可能性が高い。あるいは、いわゆる介護をしなければいけないですとか、そういった家庭の事情で静岡に戻ることを前提に仕事を探される方が多いと思います。委員会資料の15ページの実績を見ますと、社会人対象の取り組みに成果が出ているように見受けられます。県としては、学生、社会人、既卒者のどちらに重きを置いていくか、まずお伺いしたいと思います。もちろん両輪として進めていくことが望ましいと思いますけれども、どちらかをもし主軸とするようなことがあればその理由をお聞かせください。

 続いて、既に大学生を対象とした取り組みとして学校訪問ですとかウエブサイトの開設も取り組みが十分されておるかと思いますけれども、主に大学生へのアプローチはどのようにされていらっしゃいますか。

 続いて、今のサイトにかかわる話で、私は今、県議会の議員の中で一番就職活動から日が浅い身であると思っております。
 私が学生のときは、リーマンショックの影響をもろに受けた時代でしたので、少なくとも学生が就職活動をしようと思えば10社から20社受けるのは当たり前、多い人で100社近く受ける仲間もいました。当時の記憶を思い起こしますと、周囲の人間で大学の就職課に足を運んで実際に求人を見て就職活動をしにいく友人は余りいなかった印象があります。今の大学生はほとんど、具体的な名前になりますけれども、マイナビやリクナビの大手のウエブサイトを使って就職活動をしております。この就職サイトはよくできていて、電子版のエントリーシートの提出、企業が主催する各種セミナーの申し込み、場合によってはその中で簡易的な一次試験なども行われていて、大手のメガバンクですとか大手総合商社といったところはすぐに予約が埋まってしまう状況があります。それぐらい機能が充実しております。
 つまり、大企業は豊富な資金があって、大きな人事部があって、大きな予算をかけてこういったサイトに求人を、就職案内を出すことはできるんですけれども、静岡県内で頑張っている企業さんも多数あります。その中で、ちゃんとした雇用環境も持っているけれども、同じ土俵で戦うと求人のコストもかさんでしまいますし、本当にいい会社なのに適切な人材が入ってこないということを現状、私も見聞きしております。
 先日も、レクチャーいただきました中でしずおか就職ネットの御案内をいただきましたけれども、これについて少し質問をさせてください。
 まず、運営開始からどれくらいがたちましたか。それに伴い利用者の伸び率はどれくらいでしょうか。実際に成果はどれくらい出ているでしょうか。

 次に、大学生に向けた就活の案内、アプローチの中で2つ、私はカテゴリーを分けて考えなければいけないと思っております。
 まずは、首都圏にいる大学進学者で、別に静岡県じゃなくてもいいという学生に対して、静岡県に来てほしい、戻ってきてほしい、静岡県にも実はこんないい会社があるんだと。あとは首都圏にいる大学生で、もちろん県内出身者も含まれますし、静岡に旅行に来たことがあって静岡県に住みたいと思う学生に対して、いわゆるJターンにもなると思うんですけれども、静岡県で働いてみませんかといったアプローチもしていかなければいけないと思っています。
 まず、いただいた委員会資料15ページの3の(1)イの説明の中ですと、就職支援協定を結んでいる16大学で静岡県出身の大学生の23.8%をカバーするとありますけれども、これがどこから出てきた数字なのか教えていただきたいと思います。

 また、先ほどの首都圏の大学生、静岡県出身かどうか問わず、この学生たちはやはり大手のマイナビ、リクナビといったサイトで勤務地を静岡県と選んで探すと思うんですけれども、こういったときに、やはり働きたい人はいいですけれども、そうじゃない方がいた場合に、何も考えていないと知名度だとか福利厚生、あるいは初任給が幾らといった判断で企業を見ていく学生も多数いると思うんです。こういったときに、誤解を恐れずに言えば、いかにして優秀な人材、やる気のある若い人材に静岡県に来てもらうようにするかということなので、これが実現していけば、静岡県の未来にも大きくかかわっていくことだと思います。
 しずおか就職ネットの説明を受けたときに、現在登録者が1,800社ぐらいだというお話を聞きました。静岡県内には一体幾つの企業があるんだということを考えたときに、やはりもう少し会社の登録数をふやしていただきたいなと思いますし、利用者である学生たちにとりましても、もしこのサイトを知っていれば、静岡県での就職がもっとうまくいったんじゃないかという人もいるでしょう。実際に利用した学生からフィードバックなどを受けておられるかどうか教えてください。

 少し厳しい言い方になりますけれども、もしあんまり機能していない、成果が上がっていないということがあれば、ここに大きな予算をつけて、行政の立場から学生を手とり足とり面倒を見ることがどこまで重要なのかなという考えも持ちました。もし同じ程度の予算をかけるのであれば、静岡県内で頑張っている企業さんに対して、大手の会社に求人を出すときの助成をしてあげる、補助を出してあげるといったことも可能ではないかなと思いましたので、こちらの所見もお聞かせください。

 余談になりますけれども、人材という字が個人的には材料の材ではなくて、財宝の財を使って、人は宝だと思いますので、誤植みたいな使い方になってしまうかもしれないですけれども、静岡県は本当に人を大事にしているという意味合いも込めまして、こういった人材という表現をひとつ変えてみてもいいのではないかなと、これは理念というか、思いということで御検討いただければと思います。
 人材に関しては以上になります。御回答をお願いいたします。

○花井雇用推進課長
 産業人材の確保について、お答えさせていただきます。
 まず第1に、どのような施策を実施しているかでございますが、御指摘のように大学生等の新卒者、それから社会人、両方に対する施策を行っております。
 大学生等に対しましては、静岡U・Iターン就職サポートセンターを目黒に設置しまして、静岡県内の企業の紹介を行ったり、就職支援協定を提携している16の大学を中心にいろいろな大学生向けのイベントを実施したり、情報提供したりということを中心に行っております。それからもう1つは、先ほど御指摘のありました、しずおか就職ネットなどによる情報提供でございます。
 それから、社会人に対しましては大きく分けて2つございます。1つは有楽町にある静岡県移住相談センターでワンストップ就職相談を行っております。それからもう1つはプロフェッショナル人材戦略拠点を設けておりまして、そちらでさまざまな企業と連携して、全国トップクラスの実績を上げております。
 以上がまず施策でございます。

 それから、先ほど御質問のありました、新卒者と社会人どちらが重要であるかということでございます。もちろんどちらも重要ですけれども、私どもとしては新卒者のほうが重要であると考えております。
 理由は2つございまして、まず1つには新卒者は必ず毎年、県内の学生さんで言いますと1万人以上の方が大学を卒業されます。全国で言えば、非常に多くの人数が毎年職を得ていくということで、まずパイが大きいということになります。
 それからもう1つは、社会人の方ですと、もちろん30代の方は若いと思うんですけれども、40代、50代になっていくと当然だんだん静岡で働く日数は短くなっていくと思いますので、そういった意味ではやはり若い方、今いろんな業界さんの声を聞きますと、高年齢化が進んでいるという問題があります。そうした中で、やはり若い方をとにかく必要としているという声がありますので、どちらかと言われれば新卒者を対象に取り組いきたいと考えております。

 それから、学校訪問についてどのようなアプローチかということですけれども、まず私どもは関東圏では約40の大学、それから中京圏、関西圏では約20の大学、県内の高校などを卒業して大学に進学した数が多い大学に焦点を絞り大学訪問をしております。重要な大学につきましては、私など幹部、あるいは県の職員が出張して訪問してまいりますし、その他のところに関しましては、委託先の東京U・Iサポートセンターの職員が定期的に訪問して人間関係の構築に努めております。

 それから、次の御質問でしずおか就職ネットについて、運営開始から約10年経ております。これに関しての成果ですけども、残念ながら直接的にしずおか就職ネットを使って就職したという数字的な実績がないものですから申し上げられません。毎年のアクセス数で申しますと、最近の推移は約7万とか8万で推移していまして、ここ数年これが伸びているかというと、大体同じぐらいの数字になっておりまして、そういった意味ではアクセスはかなりあるかなということで、一定数の学生さんに利用していただいていると考えております。

 それから、先ほどの就職支援協定を結んでいる大学で県内出身学生の23.8%をカバーできるという意味でございますが、こちらは県外の各大学に問い合わせておりまして、協定を結んでいる大学の県内出身学生数と、県内高校から大学に進学した学生数から算出した数字です。大学の名前で申し上げますと、例えば日本大学、神奈川大学、東海大学がこの県内出身者の数でも1、2、3の順位を占めておりまして、県内出身者の進学先の上位10大学のうち半分以上の大学はカバーしておる状況で、できるだけ静岡県出身者が多い大学にアプローチをしているところでございます。

 それから、いかにして静岡県に優秀な人材に来てもらうかでございますが、なかなか難しい考えですけれども、例えば静岡県だけの企業の説明会もあるんですけれども、もう1つ静岡県の中ではなくて、例えば各大学がU・Iターンということで、愛知県とか静岡県などいろんな地域が一堂に会する説明会があるものですから、そういうところにも積極的に出させていただいております。静岡県を考えていなかったという人も、隣だからちょっと来てみましたという長野県や北陸出身の方もいらっしゃるものですから、そういったチャンスを生かしているところでございます。
 それから、しずおか就職ネットに載っている1,800社の数についてですけれども、県内中小企業は約18万社という大きな数字もありますが、その中には1人とか、2人の会社も含まれております。そういった中で、私どもがどれだけカバーしていくかと考えたんですけれども、県内企業で従業員がある程度の数がないと新卒は難しいかなと考えておりまして、例えば従業員が30人以上いる会社と考えた場合は、31人以上の企業は県内には4,623社――こちら静岡労働局の統計ですけれども――そういった中で1,800社は約40%をカバーしていると。それから51人の会社で言いますと2,956社になりますので、そこまでいきますと63%になります。ただ、今しずおか就職ネットの会社には当然20人の会社もありますし、なかなか私が言った割合は一概ではないんですけれども、1,800社という数字は決して少ないわけではないと考えております。ただ、まだまだ発掘すべき会社は多くあるということで、これからも自主的に企業を訪問して、拡大に努めていきたいと考えております。

 それから、最後に、企業さんがリクナビ、マイナビなどを使う際に助成を考えたらどうだということに関しましては、それは1つの、非常にいい案ではないかと思っております。予算があれば、どこかの時点でやりたいという希望はあります。
 ただし一方で、企業の話を聞きますと、せっかくリクナビを通じ、100万円、200万円のお金を使って3人内定いたしましたけれども、結局全部大手にとられたという声も聞きます。私どもが100万円の半額、50万円助成をしても企業さんが50万円負担するわけです。せっかく企業が50万円払っても、結局1人もとれなかったというリスクもあるものですから、その辺は慎重に考えていかなければいけないと考えております。

○伴委員
 御回答ありがとうございます。企業数は確かに零細企業からずっと上がっていくので、1,800社が少ないという印象はあったんですけれども、採用できる規模、体力のある会社ということで63%をカバーしておるということは少し安心をいたしました。
 私も学生時代を振り返りまして、10年前はまだ就職活動をしていたんですけれども、このサイトを正直知りませんでした。静岡に帰りたいと思う気持ちはあったんですけれども。1つだけお願いといたしまして、やはり大学に対してもう少ししっかりと発信をしていく。
 せっかく静岡県内で6割も超える会社さんに今、御登録をいただいておるわけですので、大学に対してもう少し積極的に、今以上にアプローチをしていただきたいというのもそうですし、あとは私のころで申しますと、いわゆるOB訪問というのがあったと思うんです。
 皆さんは県職員になられますので、県庁に入りたいという方のOB訪問を受けられた方もいらっしゃると思うんですけれども、やはりそういったOBであることのつながりもあると思いますし、ここにいらっしゃる皆さんであれば、ほとんどの方が学校は出ておられると思いますので、そういった小さなネットワークも使って、大学とか、あるいは企業に対するアプローチもしていただきたいと思います。

 人材の材の字を材料の材から財宝の財に静岡オリジナルとして変えることもどうなのか、所見だけお聞かせください。

○長田就業支援局長
 人材の材の字を財宝の財という字に変えたらどうかという御提案をいただきました。
 確かに、私たちも若い人は特に、これから40年、50年働いて活躍し、県の将来の経済を担うということで期待するところがあります。また若い人にとっては、就職は一生の半分ぐらいの期間を選択していく大事なものでありますし、会社にとっても採用は2億円、3億円の買い物だという表現もございます。
 とにかく、働く人が少ない時代に人を大切にしようという趣旨で御提案をいただきましたので、その気持ちを受けとめまして今後の政策立案を図っていきたいと考えております。御提案ありがとうございました。

○伴委員
 ありがとうございました。ぜひ前向きによろしくお願いいたします。
 続いて、CNF――セルロースナノファイバーについて、素材というよりも取り組みについて少しだけ御質問させてください。
 現在、富士市には日本製紙、かつての吉永工場がございまして、7月の工場内見学に私も参加させていただきました。本当に可能性に満ちている素材であることは十分にわかりました。使い方によっては私たちの体内に入れる食品添加物としても使えますし、工業用品としてもまだまだ可能性を秘めていると思うんです。これは本当に、産学官一丸となってこれからもぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 CNFに関しては、昨今経済系の情報誌でも多数取り上げられております。その中で主には自動車部品のバンパーとかエンジンカバーの代替用品、あるいは航空機部品の中、車のインパネといった部分にも使えるのではないかという記事がありました。
 私がその中で1つ驚きがあったのが、セシウムの除染に効果があるということが取り上げられておりました。2011年の震災以降、セシウムの問題が日本各地で起きております。もちろん放射能がもともとであるもの、あるいは自然由来のものもありますので、震災以降にたまたま計測したらそこにあったとか、自然由来のものが出ているというのがあったと思うんです。
 こういった中で、セルロースナノファイバーの将来性にかけるものといたしまして、静岡県の取り組みとして今加速しておるところではあるんですけれども、改めてこの素材に対する注目と、あるいは1つ私が気になっていたのが、富士市は研究開発拠点としては脚光を浴びておりして、日本製紙、王子製紙初めいろいろな製紙会社があります。
 研究開発拠点になることはありがたいですけれども、さらに生産ラインがそこで生み出されないと、なかなか雇用がそこで生まれない。万歳と盛り上がって実際ふたをあけてみたら、つくっているのは他県ですということになる。製紙会社が頑張ってくださるのはいいですけれども、せっかく研究開発拠点が近いからすぐ横に生産ラインもつくったほうがいいというのが富士の人間としての思いだと思うんです。
 そのために、働きかけというか、富士市内とは申しませんけれどもせめて県内でそういった取り組みをしていただくように、今後要望、助成等を含めてやっていく思いがあるのでしょうか。

 もう1点、昨年も富士市でものづくり交流フェアが産業展示場であったんですけれども、このときはセルロースナノファイバー、そこまで大々的なものではなかったのですが、ことしも10月19日に通称ふじさんメッセでこのセルロースナノファイバーの展示会が行われます。
 今盛り上がっている機運の中で、国内もそうですし、世界からも場合によってはバイヤーさんというか、研究者がこられると思います。こういったときに商談会とか、あるいは座学というか、ちょっとした勉強会もできるようないろいろなチャンスを秘めております。
 当日だけではなくて、できればその前後も含めて、いわゆる内覧会的な要素も含めてやっていただくことはできないでしょうか。あるいはそういうことは考えておられますか。以上質問いたします。回答をお願いいたします。

○三須商工振興課長
 ふじのくにCNFプロジェクトの推進の中で、現在我々は施策の三本柱の1つで製造拠点の形成に取り組んでいるところであります。これまで国内のいろいろなメーカーに対して、静岡県内への誘致ということで水面下で働きかけをしてまいりました。そういった我々の取り組みが功を奏しまして、昨年12月に国内の大手製紙メーカーが富士市内に実証設備とCNFの研究所を、本店といいますか東京の本部からこちらに移転してくることが発表されたということであります。
 大手製紙メーカーの御発言を確認いたしますと、なぜ静岡県にきたのかということでございまして、当然、現在の工場が富士市内にあったということはもとにございますが、そのほかに彼らがCNFの中でも、いわゆる自動車産業にターゲットを絞っている中で静岡県内にはいわゆる自動車産業の豊富な部品メーカーがそろっている、ここを意識したと。それからもう1点は、静岡県、それから富士市がCNF産業の振興について非常に積極的であったといったことで富士市に移転することを決定したという話を伺っております。
 引き続き、誘致は誘致として取り組んでまいりますが、まずはやはり企業に来ていただくように、県外でのCNFの取り組みがこれまで以上に盛んになっていること、それからより多くの中小企業がCNFの用途開発に取り組んでいるということが大手の製造メーカーの誘致につながってくると思いますので、そういったことも含めて取り組みをしてまいりたいと考えております。

 それから、2つ目の展示会でございますが、今年度は委員からお話をいただきましたとおり、10月19日にCNFの総合展示会ということで取り組みを進めてまいります。
 昨年度までは、CNFのサンプル企業展示会という名称で主にCNFの製造メーカーを中心とした展示会でございましたが、今年度は製造メーカーに加えて用途開発企業ですとか、CNFを製造する機械メーカー、それからCNFを分析するような企業にも多く参加をしていただいて、幅広く総合展示会を開催させていただきたいと思っております。
 そういった中で、より多くの企業のビジネスマッチングにつながっていけば大変ありがたいと思っております。
 それから、委員今言われましたように、やはり商談会機能もあれば大変いいということで、今年度からは別室を用意いたしまして、個別の商談会もそこでさせていただこうと考えております。そういった中で、全国のいろいろな企業が富士市においてCNFのビジネスを展開していくということで、ますます我々の拠点性が高まっていくのではないかなと期待しているところでございます。

○伴委員
 ありがとうございます。
 1点だけ、この場で言うのもあれですけれど、今定例会の本会議の5番委員の御質問に対しての知事答弁の中で、セルロースナノファイバーのライバルは誰かと、何かというところで、知事がカーボンとおっしゃっていたと思うんですけれども、私の記憶違いであったら申しわけありません。
 富士工場を見学させていただいたときは、セルロースナノファイバーのライバルは実はカーボンではなくてガラスファイバーだと。つまり今ガラスファイバーがキロ当たり二、三百円で世の中に出回っている中で、強度とか密度とかを全部含めた上で今のままだとキロ当たり千円から二千円ぐらいだとおっしゃったんですけど、それを量産化することによってガラスファイバーに対してしっかりと対峙をしていく。
 これが実現されれば自動車部品ですとか、あるいはヘルメットなどもそうだと思うんです。知事をどうこうという意味じゃないんですけれども、こういったセルロースナノファイバーの可能性について、まだまだ市民感覚でいくと、それは食べられるのみたいな人もたまにおります。PRがどこまで必要かというのがあるんですけれども、県としても適切な情報発信をしていただければと思っております。

 また地元の話になって恐縮ですけれども、富士ヒノキの取り組みについて、県産材についての所見をお伺いさせていただきます。
 私が住んでおります岳南地域は、県内においても有数の森林資源を持っている地域でありまして、特に今、富士ヒノキがブランディング化を頑張っております。富士農林事務所からもお話を聞いておるんですけれども、現在この富士ヒノキが最盛期、いわゆる伐採をするのにちょうどいい時期にきています。樹齢でいうと46年以上の木が9割以上を占めているということで、山に木がたくさんある状況下であります。この中で1つ要望になるんですけれども、今富士市内の事業者も本当に頑張っていて、住宅メーカーと連携をしたり、庵原地域にはノダ合板があります。ヒノキを使ってベニヤをつくるというぜいたくな話ですけれども、この富士ヒノキは、一般的なヒノキと比べても品質は変わらないのにお値段が安いというメリットがあると思うんです。
 これをもっと存分に発揮していただきたいというのが僕の思いでして、ノダ合板に勤めている友人に聞くところによりますと、やはり富士ヒノキばかり使うわけにいかないので、下田とか県外から入っている材料もあると。こういったところに対してもう少し営業力を強化することが可能かどうかというのがまず1点。

 もう1つが、富士山世界遺産センターもそうですし、あるいは空港の増設の中でも県産材をふんだんに使っていらっしゃると思うんです。県庁も壁に杉板ですとかヒノキ板が使われていると思うので、こういったものをもう少し県内外の施設に普及をすることを考えていらっしゃるかどうかということ。
 あるいはそれをもっと一般レベルに引き下げて、県産材を使って家を建てよう、既に一部助成をする制度はあるんですけれども、こういった住宅の促進、プレカットもそうですけれども、県産材を使って家を建てた方に対する補助についてもう少し前向きな意見があるかどうか、厚くしていくお考えがあるかお聞かせください。お願いします。

○清水林業振興課長
 富士ヒノキの利用拡大についてお答えいたします。
 まず、1点目の県内外での利用についてですが、今東京オリンピック・パラリンピック関連施設など、木材活用の新しい需要が見込まれております。
 そういう中で今、県としまして東京オリンピック・パラリンピック関連施設の木材調達を担いますバイヤーを県内に招致をして富士地域を初めとした県内企業との商談機会を創出しまして、設計事務所の訪問、それと合わせて首都圏での展示会出展の支援によりまして、富士ヒノキを初めとした県産材の新たな販路拡大の取り組みを進めております。

 また、もう1点の一般利用、住宅での利活用の促進ですが、今現在、住宅につきましては住んでよし木の家推進事業という県産材を使った住宅の助成事業を設けております。それに加えまして、今後、店舗、社屋といった非住宅分野の木材の利活用が見込まれております。
 こういったところの需要をきっちりとつかむ中で今年度、建築士と県内の木材の供給を進めている事業者とのマッチング等も進めて、新しい需要拡大を進めていきたいと思います。

○伴委員
 御回答ありがとうございました。
 最後に要望だけ1つして終わらせてください。
 今いただきました助成について、知り合いの大工さんから御意見をいただいておりまして、制度が複雑だということがありました。これらがもっとわかりやすければ市場に流通する木材がふえていくと思いますので、またこの辺も折りを見て御相談をさせていただければと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

○野崎委員長
 ここでしばらく休憩します。
 再開は13時15分とします。

( 休 憩 )

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp