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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成26年6月定例会文教警察委員会 質疑・質問
質疑・質問者:野澤 義雄 議員
質疑・質問日:07/02/2014
会派名:ふじのくに県議団


○野澤委員
 午前中の6番委員、それからただいまの8番委員と、少しかぶる点もあるかと思いますけれども、若干視点を変えながら3点、分割方式で質問させていただきます。
 最初に、山岳遭難の対策ですけれども、まず主に富士山について、昨年度どんな遭難事故があって、どういうような出動状況、回数や従事した隊員等の数がわかれば教えていただきたいと思います。

○櫻井地域部長
 まず、富士山の状況でございます。昨年は139件の山岳遭難の発生があったところでございますが、約70%の98件が富士山での遭難でございました。対前年比で見てまいりますと、富士山の遭難だけでプラス42件という数字でございました。このうち、死者が5人、行方不明についてはございません。負傷者40人という状況でございました。無事救出された方は61人という状況でございました。
 それから、山岳救助隊の出動状況でございますが、平成25年の山岳救助隊の出動状況につきましては、延べ154回、これは全体数でございますが、前年比プラス92回という状況でございます。人員で見てまいりますと延べ600人、これがプラス340人という状況でございました。
 このうち富士山につきましては延べ94回、前年比プラス51回、人員につきましては延べ404人で、同じく前年比がプラス210人という状況でございました。以上でございます。

○野澤委員
 ほかにも高い、登山客が好んで登山する山はありますけど、特に富士山は日本一の山というようなことで人気もありますし、大変な登山者数があるわけでありますけれども、やはり遭難事故等も大変多いと。特に近年、その遭難事故が非常にふえてきて、大変大きな課題だということも理解をできるわけでありますが、先ほど8番委員からも発言がありました、登山計画書について伺いたいと思います。
 まず登山計画書の提出というものが実際に、遭難救助等に大きな役割を果たしているのか、力になるのかという点を伺いたいと思います。
 本会議でも、登山計画書の提出について、場合によっては義務づけあるいは条例化等の方向性も必要だねというような議論もありましたけれども、この登山計画書について、まず実態はどういうものなのか伺いたいと思います。

○櫻井地域部長
 まず、登山計画書のつくりでございますけれども、住所、氏名、連絡先のほかに、行動予定とか装備を記載して、提出をしていただいております任意の書類でございます。
 目的としては、1つには登山計画書の作成による登山者の遭難事故防止の意識づけがあろうかと思います。
 2つ目は、遭難事故が発生した際の迅速な救助活動に資することができると我々としては考えているところでございます。
 特に、登山計画書を作成していく中で、登山者自身が準備不足だとか、心構えといったものを自覚できるという点がございますので、非常にそういった点では有用であると考えているところでございます。
 また、登山計画書が提出された場合には、先ほどもお答えしたとおり、可能な範囲で内容を確認して警察に提出されたものについては地域課の山岳登山の担当者等、あるいは各警察署の山岳を担当する者等が指導を実施しているところでございます。
 指導の中でみずからの準備不足を痛感して、登山を一旦取りやめたという例も過去にはあると聞いているところでございます。以上でございます。

○野澤委員
 登山計画書がいざというときには非常に役立つということは理解ができました。
 ただし、任意ですから、それを提出する人も余り多くないということも伺っておりますが、具体的にどのぐらいの提出の割合があるのか伺いたいと思います。

○櫻井地域部長
 本年の登山計画書の提出数でございますが、6月末現在、郵送が92件、ファクシミリによるものが91件、インターネットによる提出が131件の、合計314件となっておりまして、昨年の同じ時期と比べまして88件増加をしているところでございます。

○野澤委員
 それでは、郵送とファクス、インターネット等でありますから、登山口で派出所があって、そこが受け付けるということでは全くないわけですよね。そういうこともありなんでしょうか。

 それから、ことしからインターネットで受け付けをするということで、既に一定の反響はあるようであります。実際の数字はまだまだシーズンを終えてみなければわからないということだと思いますが、これに期待するというような状況はいかがですか。インターネットでの受け付けに対する期待。

○櫻井地域部長
 まず、登山口での受付はないのかというところでございます。
 警備派出所が設置をされますと、その時点で南アルプス等につきましては、非常に山が幾つにも分かれておりますので、どこに入ったかわからなくなると、その後、仮に遭難した場合に非常に救助が厄介になるというようなところがございまして、登山口の安全センターで指導をして、どの山渓にどういったルートで入るのかという確認をした上で計画書を出していただくという事例は現実にございます。
 ただ、登山計画書の効果というのは、単に遭難があった場合の迅速な対応にとどまらないという点がございます。事前の指導があって初めて、遭難事故そのものを防止できるという観点がございますので、でき得れば登山口で出すよりも、相当期間前に警察等に、関係機関に提出をしていただければ、それなりの指導等もできてこようかと思っております。登山口での受け付けも決して効果がないとは言えませんが、できれば早め早めの登山計画書の提出をしていただければというふうに警察としては考えているところでございます。

 それから、インターネットの効果については、ことしの登山計画書の提出が88件と大きく増加をしておりまして、そういった意味ではインターネットについては非常に大きな効果があるだろうと考えているところでございます。
 先ほど申し上げたとおり、県警のホームページには安全登山に関する指導等が日本語だけでなくて韓国語、中国語等の外国語でも掲載をされております。インターネットによる申請の際には、そういった点も閲覧をしていただけるであろうと考えているところでございまして、啓発という意味でもインターネットによる申請というのは効果があるであろうと我々は考えているところでございます。以上でございます。

○野澤委員
 ありがとうございました。
 それでは、本会議で少し議論があった条例化に向けて検討してはどうかというような向きの発言もありましたけれども、実際に富士山と特定をして条例化ということになると、どのような課題があるんでしょうか。
 登山客が30万人弱ですから、それが山梨県、それから静岡県にまたがっていて、本県だけでも3つのルートで10万人以上の登山者があるというようなことで、それを条例化して義務づけをして全て受け付けをするということになると大変な事務量になって、仮にインターネットとしても、それはかなりの負荷がかかってくるし、全部把握できるかなというような心配ももちろんあります。
 さまざまな課題があるんですけれども、例えば夏山のときにはそれだけの人数が押し寄せてくる。閉山をしている冬季に限って義務づけをしたらどうかというような考え方もあります。
 冬季については世界文化遺産にも登録されたというような背景もあって、なるべく登山を自粛してほしいというような思いも実はあるわけで、第一、山頂の山小屋なんかもオープンしていないというようなことで非常に危険度も増すし、条例化を考えていくと大変な矛盾をはらんでいる点もあろうかと思います。仮に条例化を検討するという段階になりますと、県警察としてどういう課題を持って臨まなければならないのかというようなものがありましたら、お答えをいただきたいと思います。

○櫻井地域部長
 登山計画書の義務化につきましては、本会議におきまして知事が言及されたことは承知をしております。
 その経緯と詳細について、私どもも十分承知しておりませんので、個別具体的な点については申し上げることはできないんですが、一般論として申し上げれば、登山計画書の義務化に当たっては、対象とする期間、提出の期限、提出先、提出後の対応、さらには未提出者に対する対処などといった仕組み、それから、関係県との連絡調整といったことも課題として考えられると我々は考えております。
 いずれにいたしましても、既に導入されている県がございますので、担当部局において、そういった先進県の取り組み結果等も参考にしながら十分な検討がなされるものと認識しておりますし、我々警察にも御相談があれば、現実に救助活動に従事している警察といたしまして経験や知識に基づく意見具申など、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。

○野澤委員
 ありがとうございました。条例化に向けて、そういう動きがあるかどうかはともかくとして、仮にそういう方向性が出てきたときには、県警察としてどのような形で加わり、また、役割を果たしていくかということで、大いに議論の中に加わっていただきながらしっかりと取り組みをしていただきたいなと思っております。

 それでは、次に移ります。
 午前中に6番委員からも出ましたけれども、違法薬物、麻薬、覚醒剤等の取り締まりの状況について伺いたいと思います。
 まず、違法薬物の取り締まりの方法です。
 例えば暴力事件だとか、窃盗事件では、被害者が明確であるわけですけれども、違法薬物ということになると末端というか、常習者というか、使用者も被害者意識はそんなに持っていないという中で、深く静かにだんだん広がってくるというような傾向の犯罪だと思います。
 それから、取り締まりの一番大事なところは、やはり常習者にならないように、青少年に啓発をしているというようなことも非常に大事だと思いますが、第一には供給源をしっかりと断つということが大事ではないかなと思います。ほかの犯罪と明らかに違った性質の犯罪だと私どもは思っておりますけれども、取り締まりで他の犯罪と比べて特別な手法なり特徴なりがあったらお答えをいただきたいと思います。

○青島刑事部組織犯罪対策局長
 今、委員から御指摘がありましたように、普通の刑事事件、暴力事件、窃盗事件と違って、薬物捜査の場合は幾つか異なる点がございます。
 まず、本来であれば、薬物を乱用している人たちは健康被害を本人自身が受けている形で本当は被害者ではあるんですけれども、結局、被害者という意識が余りないんですね。
 ですから、暴力事件と違って被害者意識が非常に低いものですから、警察の捜査により供給源を断っていく必要があります。
 当然のこととして、覚醒剤を密売している者は、いわゆる暴力団関係者であるとか、そういった者が多いわけですから、暴力団の資金源対策という意味でも供給源を断っていくという捜査の必要があります。
 委員御指摘のとおり、薬物犯罪に実際に手を染めている末端乱用者といいますか、乱用する方たちは余り被害意識がないという特徴がございます。ですから、被害者がいる事件、つまりこういう被害に遭いましたという申告を受けてやる犯罪とちょっと異なると思います。つまり、薬物を乱用している人たちも覚せい剤取締法の被疑者という形になるものですから、その人たちから自己申告が来るというのは比較的少ないケースということになります。
 ですから、潜在しているこういった薬物ルートを掘り起こして情報収集活動を行うことがどうしても必要となります。
 このためには、時にはこうした犯罪の情報を知っている暴力団関係者であるとか、薬物前歴者等から情報収集活動を行うという点が他の犯罪の取り締まりと異なっていると理解をしております。以上でございます。

○野澤委員
 ありがとうございました。
 情報収集活動が重要だというようなお話でありました。そのために情報提供者にお願いをしながら捜査をやっていくというようなことがあるんだと私も理解をしておりますが、その情報収集者の選定の基準というんですか、どういった方を情報提供者としてお願いをするのか、その辺をお答えできるならお答えいただきたいと思います。元暴力団員だとか、現在暴力団員という方もありなのか、逮捕歴がある方でもありなのか、そんなことも含めてお答えいただきたいと思います。

○青島刑事部組織犯罪対策局長
 情報提供者というのは一般的な言い方で、それ自体として何らかの法的な位置づけ、刑法とか、警察捜査としてあるというわけではありません。
 基本的には捜査等の警察活動に対して、犯罪に関する情報等を提供してくださる、協力してくださる、こういう方が広い意味での情報提供者というふうに理解をしております。ですから、捜査において情報をくださる参考人という立場になると考えております。
 薬物事犯における情報提供者については、薬物という特殊性から薬物事犯の確信情報であるとか、潜在性の高い情報を知り得る情報提供者は、いわゆる被疑者とのかかわりが深い場合もありますので、より慎重に判断をして対応をしております。以上でございます。

○野澤委員
 そうすると、例えば逮捕歴があるだとか、元暴力団員だとかというようなお答えがありませんでしたけれども、そういうこともありですというような理解でよろしいんですか。

○青島刑事部組織犯罪対策局長
 情報収集の必要性があれば、そういう方からも情報提供を求めることはあります。

○野澤委員
 それでは、捜査官が個人の判断で情報提供者にお願いをするのか――多分そうだというふうに思いますが――それは組織として、そういう関係を認知しているのかどうか。捜査官と情報提供者の間柄というか、こういう人にお願いしているよというのを、組織として認識しているのか伺いたいと思います。

○青島刑事部組織犯罪対策局長
 基本的に、私ども個人で個々の捜査員が動いているのではなく、いわゆる署の場合ですと署長をトップにして、本部であればそれぞれ部のトップのコントロールの下に捜査をしております。
 したがいまして、例えばある警察署でそういう何らかの情報収集をしたいということであれば、その旨は当然のこととして自分の上司、課長であるとか、署長であるとか、そこにちゃんと相談をして、その上で情報収集活動を行うと理解をしております。以上です。

○野澤委員
 そこには、情報提供者に対して捜査費を使うと、例えば話を聞き出すときにお茶の1杯も飲んで話をしてくれというようなケースもあろうか思います。これは捜査費の範囲の中で行われているということだと思いますが、その決裁なども当然当該の署の署長の決裁をもらいながら行うというようなことでしょうね。

○青島刑事部組織犯罪対策局長
 基本的には、署の場合の決裁は所属長、いわゆる署長までですね。所属長である署長の判断を受けて対応するという形になっております。

○野澤委員
 わかりました。
 6番委員からも、細江署の関係の捜査官が情報提供者との間で不適切な取り締まりを行ったということで逮捕されたという事案がありましたけれども、もしかすると、やっぱり県警本部でも取り締まりを強化するというようなかけ声のもとに、成果を重視する現場の警察官の勇み足というようなこともあったのではないかなという思いもするわけであります。
 実態は、まだ今は捜査の段階ですから、全容はまだわからないわけでありますけれども、少し不可解な部分があったりしながら、私の感じとするとね、その思いも一部するわけでありますけれども、いかがでしょうか。その点が1点。

 それから、1つ最後に、供給源の根絶ということがやはり一番重要になろうかと思いますけれども、この点について再度、今後の取り組みをお願いしたいと思います。

○青島刑事部組織犯罪対策局長
 今、委員御指摘のとおり、薬物乱用というのは非常に重大な犯罪でありますので、いわゆる薬物の供給源の根絶、これが一番必要だという理解をしております。
 したがいまして、この供給源の根絶につきましては、これまで以上に強力かつ徹底した取り締まりを行ってまいる方針でございます。

 あと、勇み足ということですけれど、今、既に起訴されている状態なものですから、ちょっとコメントはしにくいのですけれども、いずれにしましても、今回の事件を受けまして、各署に対する指導方針とか業務管理のあり方等の問題があれば、指導のあり方を検討して改めていきたいと考えております。以上でございます。

○野澤委員
 それでは、3番目、最後に取り調べの可視化という点について伺いたいと思います。
 袴田事件の再審開始決定が先日なされまして、再審自体はこれから行われるものの、裁判所は再審決定直後、袴田死刑囚を釈放したということであります。
 静岡県で起こった事件でありますけれども、この事件については密室における警察の取り調べや証拠品が本人のものではないといったことが取り沙汰されるなど、密室の中でかなり自白を強要され、その自白に基づいて挙がってきた証拠品が、これが非常に疑わしいと、近年になってそういう状況です。この取り調べの可視化についても、もしかしたら、あのときにもう少し透明度が高い取り調べが行われておれば、ああいうことにはつながらなかったんではないかというような世論というか、意見も国民の中にも沸き上がってきながら、この袴田事件の再審開始決定を契機に、新たな局面に向けて一つの区切りがついたんではないだろうかと思っております。
 6月30日ですか、法制審議会――法務省の諮問機関でありますけれども――その中の特別部会が最終案を示したということであります。
 裁判員裁判判決対象事件と特捜部などが扱う検察の独自捜査事件に限って取り調べ全過程の録音・録画を義務づけるほか、通信傍受の対象犯罪拡大や司法取引の導入を盛り込んだというような新聞記事も出てございます。
 したがって、この最終案によると、かなり可視化の義務づけをしながら、この部分は無理だよというものもしっかりと枠を限定しながら、なるべく可能な限り幅広く可視化が運用されることを期待するという附帯事項もつけ加え答申をしたということであります。
 それを受けて、これから法案が提出をされ国会審議を経て、可視化に向けて一定の向きが出てこようかと思いますけれども、取り調べの可視化という件については本当に私ども門外漢であります。せいぜいテレビドラマや映画で、密室で取調官が激しく机をたたいて強い口調で迫ったり、あるいは俺のおごりだと言ってカツ丼を出してみたり、硬軟取りまぜて自白に導いて、それを物的証拠のほうにもつなげるというようなイメージがありますけれども、恐らくは数十年前の袴田事件のときの取り調べの状況と、現在の取り調べの状況とでは大いに差があるようにも思います。現在の取り調べの状況についてお話を願いたいと思います。

○佐藤刑事部参事官兼刑事企画課長
 現在の警察が試行として行っている取り調べの可視化の取り組み状況について説明したいと思います。
 今、警察が行っております取り調べの可視化、特に録音・録画を今やっておるわけなんですけれども、これは試行としてやっております。
 要は、公判における被疑者の供述の任意性、信用性を立証する立場の観点から、取り調べの機能を損なわない範囲内で警察における取り調べの録音・録画を実施して、そのあり方について、今現在検討しているところであります。
 実際に今警察が行っている録音・録画の実施要領でございますけれども、今現在、警察では法制審議会が一応案で示した裁判員裁判対象事件について録音・録画を試行として行っております。
 それから、もう1つ、知的障害を持つ被疑者に係る身柄拘束事件、いわゆる逮捕した事件の取り調べについても録音・録画を実施しているところでございます。
 どういう場面について録音・録画を行っているかと言いますと、逮捕した後の弁解録取の聴取場面、実際に供述調書を作成するために取り調べをしている状況の場面、調書の読み聞かせ場面、最終的に調書にとった内容をもう1回被疑者に確認する場面、そういうところを今、録音・録画で押さえて、試行として取り組んでおるところでございます。ですから、1つの逮捕事件につき、数回録音・録画する場面というのが出てきております。
 そういう方向で、今現在可視化に向けた試行として取り組んでいる最中でございます。

○野澤委員
 わかりました。
 録音・録画についてのお話でしたが、これは取り調べ監督制度の中での録音・録画ということですね。取り調べ監督制度そのものがもう少し広範囲というか、例えば物品をそこでどういうような形で提供をしているとか、言動についてだとか、例えば部屋の状況だとか、取調官の人数だとか、さまざまな定めがあろうかと思います。
 可視化の録音・録画についてはただいま説明がありましたけれども、その取り調べ監督制度の主なところをお話いただければと思います。

○森下総務部参事官兼総務課長
 取り調べの録音・録画と取り調べ監督制度は確かに重なるところはございますけれども、これは異なった別の制度と考えていただいてよろしいかと思います。
 まず、取り調べの録音・録画については、公判に向けて供述の任意性、あるいは信用性等の的確な立証に資するという趣旨があります。
 今のところ、録音・録画を指示する対象事件は、先ほどありましたように、裁判員裁判判決対象事件等に限られておるところでございます。
 一方で、取り調べ監督制度の大きな目的というのは、過去の無罪事件等を反省としまして、警察内部の自浄機能を発揮して、不適正な取り調べを防止して警察捜査に対する県民の信頼を確かなものにしていこうということにあります。対象事件も微罪事件等を除いてほぼ全ての事件を対象にしておりまして、録音・録画で対応できないような幅広い事件の被疑者取り調べについて適正化を図っていこうというものでありますので、こういったことを考えますと、2つの制度は若干異なる議論になろうかと考えております。

○野澤委員
 わかりました。
 では、再度、可視化のほうに戻りたいと思います。現状の監督制度の中で可視化が、録音・録画が行われているということですけれども、場合によってはより一層の可視化を求められるというような方向もあろうかと思います。現状の中で特に人的なものだとか、設備だとかは十分整っている中で行われているのか、あるいはこれ以上拡大をすると、さまざまな準備をしなければならないから、そこのところは大きな課題ですというものがあればお話を願いたいと思います。

○佐藤刑事部参事官兼刑事企画課長
 取り調べの可視化に向けての動きで、現在、法制審議会のほうで警察の取り調べの全過程の録音・録画という方向性でも議論が進んでいるということは当方も承知をしております。
 実際に、今対象となる事件で、例えば裁判員裁判対象事件が起きますと、例えば静岡中央署とか浜松中央署とか沼津署とか大きい署で起きますと、そういう対象事件が二つ、三つ一遍に発生することもあり得ます。
 ところが、今の静岡県警の現状を申しますと、この録音・録画するための機材が各署に1台しかございません。それから、本部の留置管理施設に1台。計28台しか現在ございませんので、1つの警察署に2つの事件が同時に発生してしまいますと、1個の機材を2つに回せないという不都合が生じてまいります。
 ですから、今後この録音・録画の全過程がもし法制化された場合には、今の装備資器材では当然不足するということが予想されますので、機材の増配についての予算措置も当然考えなければいけないと考えております。
 それから、録音・録画をするということになりますと、取調官のほかに機械を操作する補助員もやっぱり取調室に入らなければいけません。ですから、ただでさえ忙しい捜査の現状において、新たに1人取調室へ配置するということで人的な体制についても今後検討をしていかなければならないと考えております。

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