本会議会議録


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平成30年9月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:宮沢 正美 議員
質疑・質問日:10/02/2018
会派名:自民改革会議


○宮沢委員
 それでは一問一答方式で、若干質問させていただきます。
 まず、委員会説明資料29ページ、補正予算とも絡みますけれども新規事業でふじのくにパスポート事業が出てきております。おおむねわかるんですが、どんな概要でどういう効果を期待されているのか質問をいたします。

○花井雇用推進課長
 ふじのくにパスポート事業についてお答えいたします。
 高校生など一旦卒業されますと県外に出ている方も多いんですが、そういった方をなかなか捕捉できない、県内の情報を届けられないという課題がございました。
 これに対して私どものアイデアといたしまして、高校を卒業されるとき卒業式の当日あるいは前後に、カード形式のパスポートを先生を通じてしっかりとお配りします。できるだけ多くの方に登録していただいて、登録をいただきますと、この図にも書いてあるんですが、企業の魅力や仕事の魅力、それだけだと生徒さんもおもしろくないので行ってみたい静岡の情報などさまざまな若者に魅力的な情報を届けてまいります。
 そうしたことによりまして、大学を卒業されるとき、あるいは卒業されて一旦は東京の会社に就職するかもしれませんけれども、30歳前後になってさまざまなことを考えたときの将来的なUターンにつなげていくという効果を期待しています。

○宮沢委員
 趣旨はわかりました。
登録していただかないと情報は発信できないかと思うんですけれども、大勢の方が登録してくれて、どこにいようとも静岡県とつながっているという意識を持っていただくことは大事かと思いますので、うまくこの事業が展開していくようお願いしておきます。

 今、県のホームページなどでさまざまな情報を出しているわけですけれども、そういうところともリンクさせていくのか。具体的に決まっていないのかもしれないですが、その辺のお考えはいかがでしょうか。

○花井雇用推進課長
 県ではさまざまな情報を発信しています。例えば雇用推進課では、「30歳になったら静岡県!」のSNSを2月に立ち上げて情報発信しております。また雇用推進課以外にも、地元の魅力や地域の魅力を発信している部署があります。あるいは市町が発信している情報もございます。
 そういうところと連携をいたしまして、より多くの情報を届けていきたいと考えております。

○宮沢委員
 ありがとうございます。
人口流出を食いとめようとか、雇用、人材の確保をしようとか、さまざまなことが大きな課題になっておりますので、解決につながっていく展開をお願いしておきます。

 冒頭、有効求人倍率の話も出ましたが人材が不足しているという話もあるわけでして、非常に難しい問題だなと思っております。人材確保の観点から質問させていただきたいと思います。
 まず委員会説明資料30ページの関係ですけれども、産業人材の確保ということで高校生から社会人に至るまで、各界各層の皆さんにいろいろ事業をされているとありますが、例えば社会人の求職者を対象にUIJターン地方就職支援事業費1390万円の予算を獲得して事業をやっています。実績を見ますと相談件数744件のうち就職決定者が19人とありますけれども、どのように分析されているのかお答えいただきたいと思います。

○花井雇用推進課長
 社会人を対象としたUIJターンの就職支援の実績についてお答えをいたします。
 相談件数744件でございますが、委員会説明資料30ページの一番上の表をごらんください。サポートセンターの実績がございまして個別相談、カウンセリングとあります。そこに対面と非対面とございまして、社会人対面が196人、非対面が548人で合計しますと744人になります。対面は実際にサポートセンターなどで面談した人の延べ数です。非対面はメール、電話での相談あるいは情報提供を行ったものでございます。こうした数が入っているために、決定者数に対する相談件数が多くなっております。非対面は企業情報の提供はもちろんのこと、セミナーなどのイベント情報の提供をしていることから数が多くなっております。
 また、面談の196人に対して19件ですけれども、社会人の就職はなかなか難しくて、1年を超える長いスパンで考えている方もいらして、そういった方に就職の情報はもちろんのこと、地域の情報もこちらの市町に行けばわかりますとか、細かい情報を1人に対して何回も情報提供、面談しているので多くなっております。今後は効率的な対応に努めていきたいと思っておりますし、昨年度に比べて「30歳になったら静岡県!」の取り組みなども功を奏しているかなと思います。相談件数は昨年度の366件に対して、ことしは744件と倍増しており就職が増加したと考えております。

○宮沢委員
 対面と非対面があるようですが、いずれの方法にせよ744件の相談があったということはそれだけの方が関心を持っていることに間違いないと思うんですね。ですからその中でいろんな事情があって19人が決定ということでしょうが、決定に至らなかった理由がどういうところにあるのかをしっかり掌握して、それに対する対策、政策は次の展開として必要だと思います。この720人余の方がどうして静岡にとの決定に至らなかったのか、分析といいますか主な理由を把握していたらお知らせをいただきたいと思います。

○花井雇用推進課長
 分析といたしましては、理由を伺っております。大きな理由といたしまして2つございまして、1つは就職先でございます。首都圏などと比べまして給料が思ったとおりにいかないということでございます。もう1つは住環境、教育の問題で家族の方の対応というか理解がうまくいかなかった。また他県に就職されたというケースもございます。さまざま理由がございますので、今後もしっかり分析して対応していきたいと思っております。

○宮沢委員
 今他県にとのお話も出ましたが、恐らくどこの県でも同じような政策、取り組みをされていると思うんですね。そういう中で選ばれる県であっていただきたいなと思いますので、この事業だけに限らず展開を期待させていただきます。

 次に、委員会説明資料43ページの事業承継、これもいろいろ皆さんとお会いすると、事業や小さな会社をやっていても次にどういう展開になるか見通しが立たなくてというお話はいつも出てきます。そういう意味でしっかりとお店や事業所を継承していただく方が非常に大事になってくると思います。事業引継ぎ支援センターがその役割を果たしていただいていますが、どのような活動、事業をやられているのかお聞きさせていただきます。

○松島経営支援課長
 事業引継ぎ支援センターの活動内容についてお答えします。
 事業引継ぎ支援センターにつきましては、国の委託事業で静岡商工会議所が受託しております。静岡商工会議所の中に拠点を置きまして、県内中小企業から持ち込まれる事業承継――主にM&Aの案件について対応しております。M&Aの案件、一般的に大きな案件につきましては民間の事業者が対応しておりますが、事業引継ぎ支援センターは売上高で3億円から3000万円ぐらいの事業者を対象としてM&Aを中心に事業承継を行っております。あわせて事業引継ぎ支援センターでは後継者人材バンクを設置していまして、M&Aには至らない規模の小さな第三者承継につきまして引き継ぎをしたい方、引き継ぎ者を探している方の両者をマッチングさせる事業をやっております。

○宮沢委員
 事業承継の支援実績の中で診断件数、支援が必要、支援が必要ないという分類で分けていただいていますけれども、支援が必要ないというのはどういう状況でしょうか。

○松島経営支援課長
 支援が必要ないという案件は、後継者が既にいるという状況が一番多いです。

○宮沢委員
 そうしますと5,560件のうち4割ぐらいはもう大丈夫、事業が継承できるとの判断に至ったという理解でよろしいでしょうか。先ほど出た後継者人材バンクの実績の統計を載せていただいておりますけれども、平成29年が4件と少ない状況で第三者が事業を引き継ぐ難しさがあるのかなと思いますけれども、実績等についてどのように把握されているのでしょうか。

○松島経営支援課長
 後継者人材バンクの登録と成約ですが、県で課題を調べたところまず事業引継ぎ支援センターについての広報不足が第一に上がりました。ある商工会議所のアンケート調査では、事業引継ぎ支援センターの存在を会員の8%程度しか知らなかったという結果も出ています。なおかつ後継者人材バンクを運営していくに当たりましては、事業引継ぎ支援センターだけではできませんで、地元の商工会議所、金融機関、市町との連携が必要になってきます。そういった組織におきましても、まだ後継者人材バンクの周知が徹底していませんので、そういった組織に対して後継者人材バンクの周知と協力要請を行っている最中であります。

○宮沢委員
 後継者人材バンクそのものを知らない、啓発ができていないとのことでありまして、この点は頑張ればすぐにできることでありますので、成約に至るか至らないか以前に周知徹底を早急に図っていただきたいと思っております。

 最後になりますけれども、農業の分野においても後継者不足、人材不足あるいは高齢化という非常に大きな問題があるかと思っております。そういう意味で新規就農者の支援について資料はないわけですけれども、お聞きさせていただきます。
 そもそも新規就農者をどう捉えたらいいのか。例えば農業経営をやっている家で後継者がそのまま農家につく場合、あるいは会社に勤めていたけれどもある時期が来たら農業の経営に携わる、全く畑や農業用地、施設も機械もない人が突然農業をやり出す、いろんなケースがあるかと思うんですけれども、どう整理されているかお聞きします。

○田中農業ビジネス課長
 新規就農者につきましては、3つに分類しております。5番委員からお話がございました農家後継者が1つ、2つ目は非農家出身で新たに農業を始めるいわゆるニューファーマーと呼ばれる方、3番目といたしまして農業経営体に就職をされる方を新規就農者と位置づけております。

○宮沢委員
 委員会説明資料を見させていただきますと、認定新規就農者という言葉が出てきます。認定農家はよく聞くんですけれども、認定新規就農者とはどういう方を指すのでしょうか。

○田中農業ビジネス課長
 新規就農者の方につきまして、青年等就農計画を策定いただき、その計画を市町で認定いたしまして認定新規就農者に認定することになります。基本的に認定農業者と仕組みは同じでございまして、違いは目標といたします経営の所得、農業の所得の部分で、認定新規就農者はおおむね300万円、認定農業者は市町ごとに違いますけれどもおおむね800万円を超える所得目標を立てて、両方とも5年間の計画を認定しております。

○宮沢委員
 公的な支援を受ける場合、認定新規就農者の認定を受ける必要があるとの理解でよろしいでしょうか。

○田中農業ビジネス課長
 認定新規就農者でないと受けられない支援といたしまして、就農前後の経営安定化に向けまして就農前の研修中に最長で2年、また経営開始後の経営が安定しない時期に最長5年、年間最大150万円交付する事業がございます。また融資制度でも例えば機械の購入資金などを無利子で借り入れることができる制度がございまして、青年等就農資金と申しますけれども、それも認定新規就農者でないと利用できません。

○宮沢委員
 いろいろな支援事業の中で、経営体育成支援事業の資料に採択ポイントが上昇し支援が受けられない状況と書かれていますが、国の予算に絡みはあるでしょうけれども、県においてもそういう状況は顕在化しているのでしょうか。

○遠藤農業戦略課長
 県におきましても、ポイントをとれる方に優先して配分することはございます。

○宮沢委員
 そういうことなんでしょうけれども、支援を受けたくても受けられない方、新しく農業をやりたいんだよと認定資格を取ったとしても支援が受けられない状況はあるんでしょうか。

○細谷農業局長
 5番委員から御指摘のありました国の経営体育成支援事業につきましては、認定新規就農者も一般の認定農業者も同じ制度の中で同じポイントを争っていくことになりますので、新規就農の場合は加算ポイントがあるわけですけれども、全体の枠の中で箇所づけされていくので新規就農者が漏れる場合があると考えています。過去にも漏れたケースがありました。私どもではそういったことも踏まえまして、施設園芸のハウスの補助金を今年度新しく立ち上げたわけですけれども、こちらの県単の制度につきましてもできるだけ新規就農者の方にも使っていただきたいことから、新規就農者の加算ポイントでかさ上げして対応していこうとやっております。

○宮沢委員
 私には金の卵みたいな人に思えてならないですけれども、県単の制度でも対応できる状況にあるようですが、農業を志す方に支援がしっかり行き届く政策展開をお願いしたいと思っております。

 新規就農ということをあえて最初にお聞きしたんですが、農業関係者とお話をするとニューファーマーはいろんな支援策がある気がします。農家の後継者で農業を志すといっても、おやじと同じことをやりたいというのはいなくて、新しいことや規模を拡大してみたいとかいろんな希望を持って就農する場合もあると思います。そういう方への支援が薄いんじゃないかというお話も聞くんですが、どのように考えておられるんでしょうか。

○田中農業ビジネス課長
 農家の後継者の方に向けた支援ということだと思いますけれども、5番委員からお話がございましたように親御さんが行っていた経営とはまた違った形で新たな分野に挑戦する意欲を持っておられる方もいらっしゃると思います。ニューファーマーの支援が充実しているとのお話がございましたけれども、そういった親御さんと違った新たな挑戦をしていただく場合には、ニューファーマー同様にいろいろな支援制度を活用できる形になっておりまして、新たな挑戦をしっかりと支援していきたいと考えております。

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