委員会会議録

質問文書

平成27年９月定例会建設委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	髙田　泰久議員
	質疑・質問日：	10/07/2015
	会派名：	ふじのくに県議団

○髙田（泰）委員
　一問一答方式で質問をさせていただきます。
　きのうに続いて交通基盤部の本気度を確認させていただきますので、よろしくお願いいたします。
　昨日も、河川事業の施策体系について浜松市内の関係についての質問もありましたけれども、私は東部ですので、狩野川水系の黄瀬川の河川整備に関してお伺いをいたします。
　黄瀬川は、長泉町本宿の新寿橋を境として下流が国管理、そして上流が県管理となっている。県管理区間においては、長泉町の上流から鮎壺の滝までが河床が溶岩流になっているということで、河床高が非常に高いこともあって、その地先では県が想定をしている氾濫区域の範囲が結構広い状況になっている。一方で国管理区間は狩野川水系の河川整備計画がされていますけども、整備の進捗が遅くて長泉町本宿地先では氾濫の危険性が今非常に高い状況になっています。
　最近、御殿場市から裾野市にかけて非常に開発が進んでおりまして、黄瀬川の勾配が非常にきついことから短時間の水位上昇がたびたび見られると。平成20年７月の集中豪雨ではわずか10分間に2.7メートル以上も上昇したことで、これは国土交通省のインターネットの動画で今もそのときの映像が放映されておりますけども、そうした状況があり、その後もたびたび長泉町本宿地先で危険氾濫水位を超えることがある。また避難勧告もたびたび発せられている状況にあります。
　そこで、黄瀬川の現状認識を県はどのように把握しているのか。今後県管理区間そして国管理区間を問わず流入する支川――黄瀬川の支川の市や町の管理区間も含めて、市や町あるいは国と連携をして氾濫危険箇所をどのように改善をしていくつもりなのかお伺いをいたします。

○長縄河川企画課長
　黄瀬川の河川整備についてお答えいたします。
　黄瀬川流域は８番委員御指摘のとおり、その流域が交通の利便性がいいこともありまして、大変開発が進んだ流域でございます。
　河川といたしましては、急勾配で河床には富士山の溶岩流が出ることで、全体的にはそんなに高い堤防はなくて、割と洪水時の水位に対して極端に低い土地がない流域でございます。
　この上流域には東富士演習場がございまして、これまでも演習場周辺の事業を活用しながら流出土への対応として護岸整備等を進めてきたところでございます。
　現在の県管理区間の整備状況といたしましては、おおむね県平均ぐらいの安全度は保たれていると認識をしております。
　一方、その下流の直轄区間につきましては、御指摘がありましたように長泉町本宿地点で急激な水位上昇が起きやすいことも承知をしております。この区間については現在、直轄区間で整備が終わっているところの上流にＪＲの東海道線並びに御殿場線の橋梁もございまして、あるいは河岸で昔から用地がなかなか買えないところもあると承知しているんですけれども、下流の堤防の整備が終わった区間に比べて、まだこれから整備が必要な区間が残っていると認識をしております。
　直轄河川の整備につきましては、これまで県といたしましてもさまざまな機会を捉えて国土交通省に要望をしてきております。例えば毎年度、県として国に対する提案活動も行っておりますし、他県などと連携して行う治水大会が中部とあるいは全国でもございます。そういった治水全般に関する要望のほか、それぞれの河川につきましては国土交通省が３年に１回、事業の再評価を行います。その際に県への意見照会がございまして、県といたしましてはそういった機会を捉えまして事業進捗を要望する状況もございます。
　幸いに、黄瀬川につきましては避難勧告がございましたけれども、鬼怒川のような大きな被害は発生していないわけではございますけれども、近年の各地で記録的な豪雨が頻発する状況や先般の鬼怒川の状況を踏まえますと、国土交通省が管理する大河川の整備はますます重要ではないかと考えておりますので、これからも各市町の皆さんとか黄瀬川整備促進期成同盟会の皆さんと連携して、例えば黄瀬川であれば水位が上がりやすいといった、あるいは流域の開発が進んでいるといった特性も踏まえまして、国に対して積極的に要望をしていきたいと考えています。
　それから、各市町が管理する小河川につきましては、直轄区間あるいは県区間ほどの大きな問題はあまりないのではないかと承知しておりますけれども、合流する黄瀬川の整備とあわせて整備が必要な状況がございましたら、県としても支援をしていきたいと考えております。

○髙田（泰）委員
　黄瀬川の下流は今まで大きな実害がなかったと言われますけども、過去の七夕豪雨のときにはこの危険箇所から越流してかなり広範囲の冠水が幾つかあった事実もあるし、その危険氾濫水位をたびたび超える事実があるわけだから、そこはこの間の鬼怒川のような大きな水害が起きてから対策をするということではなくて、現状としてのその水位の状況、過去の実例等々をよく把握、認識をして国にどう働きかけるか。要望だけで済ませるのではなくて具体的にどう働きかけるかが重要ではないかと思います。
　中部地方整備局では、この狩野川流域に関して学識者による狩野川流域委員会を設置して、その狩野川水系河川整備計画の事業評価と計画変更を進めると聞いていますけども、この委員会に県は具体的にどうかかわるのか。
　こういう委員会を通じてより具体的に県からアプローチをする、要請をすることも必要だと思いますが、どうかかわるのか、それを伺います。

○長縄河川企画課長
　先般開催されました狩野川流域委員会は、河川整備計画ができてから10年を迎えたことに伴いまして今の計画がいいのかどうかの点検をする趣旨で開催されたと承知しております。
　この狩野川流域委員会と県のかかわりでございますけれども、流域委員会の委員の中には県は参画してございませんで、河川に関する有識者の方によって構成されております。県といたしましてはどのような議論がなされるのかを十分承知する必要がございますので、傍聴という形で参加をしております。
　今後につきましては、もし現在の河川整備計画を変更することになりましたら、この変更について県の意見を聞かれる場面があるんですけれども、そういった場面にとどまらず、沼津河川国道事務所とも情報を共有しながら、加えて先ほどの七夕豪雨のときにあふれたこともありますけれども、今後、国は想定し得る最大規模の洪水が発生した場合に、氾濫がどの範囲に広がるか浸水想定の見直しをすると伺っておりますので、その結果も踏まえながら、氾濫した場合の影響の大きさを踏まえながら、国交省に対して申すべきことは申していきたいと考えております。

○髙田（泰）委員
　時間もあんまりないので要望にとどめますけども、黄瀬川の流域は長泉町から上流に裾野市、御殿場市と内陸フロンティア構想等々も、あるいは道路整備等も進んで非常に開発が進んでいる地域なんですよね。愛鷹山あるいは箱根山、要は黄瀬川に流れ込むその流域面積からすると、今、森林の整備も県としても非常に力を入れて進めてくれてはいますけど、なかなか荒廃森林もまだまだ非常に多い状況で、最近の局所豪雨等々からすると、過去よりもこれからが、非常にこの水害に対しても危険性をはらんでいる地域だと思うんですね。ですから予防対策としての取り組みをしっかり今から国にも働きかけをしていただいて、具体策を、整備を進めていただくことをぜひお願いします。

　次に、都市計画区域マスタープランの見直しについて伺います。
　昨日、静岡県型地方創生の取り組みとして、美しい“ふじのくに”まち・ひと・しごと創生総合戦略の推進に関する説明を交通基盤部長からいただきました。６月定例会の建設委員会でも私の質問に対して、市町と連携した広域連絡協議会の設置など地域の実態を考慮したコンパクトなまちづくりや内陸フロンティアを拓く取り組みを積極的に支援をしていくという答弁をいただきました。
　地方の人口減少を克服して地域の活性化を生み出す地方創生総合戦略として、新東名高速道路や伊豆縦貫道などインターチェンジ周辺の新たなまちづくりは、広域交通ネットワークの利便性を生かしてファルマバレープロジェクト関連や物流拠点あるいは観光拠点など、企業誘致による雇用の創出と定住人口の増加など、期待されるところが非常に大きいものがあるわけです。これが最重要施策ではないかと考えます。
　特に、東部地域では関連する市町が一体となって魅力あるふじのくにとして広域ネットワークを形成していく必要があると考えます。これからも県も市町と連携をして支援していくことが一層重要になってくると考えています。
　そこで、今年度からの都市計画区域マスタープランの見直しについて、どのようなスケジュールで進めていくのか。そして県で推進するまち・ひと・しごと創生総合戦略や内陸フロンティアを拓く取り組みをどのように反映させていくのか、県の方針、考えをお伺いいたします。

○白鳥都市計画課長
　都市計画区域マスタープランの定期見直しのスケジュール及び計画の反映についてお答えします。
　都市計画区域マスタープランは、都市計画区域内のおおむね20年後の将来の都市像を明確にし、その実現に向けた土地利用や都市施設整備など大きな道筋を明らかにするもので、５年ごとに定期見直しを行っております。
　今回の定期見直しのスケジュールですが、県下20の都市計画区域のうち、15の都市計画区域については本年度――平成27年度末に見直しを行います。残りの東駿河湾広域を初めとする５つの都市計画区域については、関係機関協議も継続中でございますので平成28年度末に見直しを行う予定となっております。
　まち・ひと・しごと創生総合戦略及び内陸フロンティア構想への反映でございますが、まち・ひと・しごと創生総合戦略の具体的な取り組みの１つに、将来目指す都市像としてコンパクトシティー形成を目指す必要性を示しております。
　これは、人口減少による人口密度の低下が医療、福祉、介護といった日常生活のサービス機能の低下により町の衰退につながるため、都市機能を集約するコンパクトシティー形成を市や町が進めることが、これからの高齢化の進展や財政状況を踏まえた効率的で持続可能なまちづくりに必要なこととなっていくからです。
　これらを受けまして、都市計画区域マスタープランの今回の定期見直しの方向性におきましては、都市の人口減少、高齢化が進展する中、東日本大震災や新東名高速道路の開通を受け、集約型となりますコンパクトな都市づくりの推進、また静岡県の防災・減災、地域成長の両立を図る内陸フロンティアを拓く取り組みについても新たな位置づけを行い、反映していく予定となっております。

○髙田（泰）委員
　ありがとうございます。
　今、18カ所が本年度中に、または平成28年度中に見直しをするということですけども、東駿河湾広域のように広域で都市計画区域を構成している区域においては、内陸フロンティアを拓く取り組みで進める箇所の施策、それから市町の財政や地元合意などによって、進捗の違いがかなり生じてくる。実際いろんな取り組みが、市町がまたがる地域によって、その政策に差が出てきている状況であるわけですけども、県は広域内の市町の調整をどのように進めていくのか。そして都市計画区域マスタープランにどのような記載をするかお伺いをいたします。

○白鳥都市計画課長
　都市計画区域マスタープランにおける市町間の調整及び記載の方法についてお答えいたします。
　内陸フロンティアを拓く取り組みでは、これまでに各地域で推進協議会等を設置し、推進区域の指定時に取り決められた土地利用構想を実現するための整備手法やスケジュールに対し、地元の合意形成が整ったところから順次事業を実施しているところでございます。
　御質問がありました都市計画区域内の各市町間の調整につきましては、県及び市町で組織する都市計画区域広域連絡協議会を本年度土木事務所ごとに設置しております。この場で隣接市町間の細かな調整を図ってまいります。
　次に、都市計画区域マスタープランへの記載方法でございますが、それぞれの計画の熟度がどこまで上がっているかを判断いたしまして、記載の方法を決めております。
　事業手法や事業スケジュールに関しまして、協議会の場で隣接する市町との調整、地域住民との合意形成が既に図られた計画については事業箇所として記載をいたします。それ以外の今後調整が必要な箇所につきましては、開発方針のみを記載することとしております。

○髙田（泰）委員
　ありがとうございます。
　多くの権限が県から市町へとおりてきている中で、なかなか県がリーダーシップをとって市町の取り組み、調整をコントロールしていくのが難しい状況になってきていると思うけども、やはり県下の各地域のこれからのあり方を１つの筋道としてこのマスタープランに掲げ、整備をしていくことに関しては、やはり県がしっかりとしたリーダーシップをとっていただいて、方向づけをしていただく。市町の連携をさらに強化していくことが必要だと思いますので、要望にとどめますけれども、県が市町の中に入って、しっかり方向づけをしていただく体制をつくっていただきたい。このマスタープランの見直しの中に反映をしていただきたいと思います。

　次に移ります。
　ふじのくに美しく品格のある邑づくりについてお伺いします。
　開発をすべきところは効率よく開発、一方で静岡県の中にもある中山間地域の歴史と文化、あるいは保全すべき集落等々については、こうした事業をもってしっかり保全管理をしていくことが必要だと思うし、この活動が非常に重要なものだと私は考えます。
　平成24年度からの取り組みとして、平成26年度には84地区が、平成27年度には合わせて100地区が登録されたということですけども、その各地区の取り組みの活動実態にはかなり格差が出てきているのではないかと感じます。
　非常に活発に事業をしているところについては前に進むでしょうし、この目的にあった活動ができていると思いますけども、活動停滞をしている状況については今後どのような支援策をとっていくのか、また現状の課題をどう認識をされているのか、その点をお伺いいたします。

○望月農地保全課長
　ふじのくに美しく品格のある邑づくりでありますけれども、この邑は農山漁村地域の農地が今後とも将来にわたって生産基盤として農業に活用されまして、この営農活動を通じまして農地それから伝統文化あるいは景観といった地域資源を次世代に継承していくために、地域みずからが考えて自発的にかつ持続的な活動をしている地域を邑として登録しております。そういった活動を通して農村地域の農地等を保全していく活動でございます。
　そして、確かに今100の邑が登録されておりますけれども、８番委員御指摘のとおり、中山間地の邑もございますれば平地――平らな農地のところの邑もございます。そういったそれぞれの邑ごとに、景観あるいは農地といったものに、それぞれ特徴がございます。そういった多様性がこの静岡県の邑の魅力の１つであると考えております。
　そして、県下35の全市町が美しく品格のある邑連合を組織しまして、そういった静岡県の全ての邑をパッケージ化して、その魅力をＰＲしていこうという活動をしてございます。
　そういった中で、邑の活動につきまして今、「むらのおと」といった機関紙あるいはウエブページ、それからフェイスブック等そういった情報発信をしていくこと、そして情報共有をして、それぞれの一つ一つの邑がほかの邑がやっていることを十分認識しておるかと思います。そういった邑同士の連携の中で自分たちの邑に足りないもの、あるいはその先進的な事例を取り込もうという動きをしていただきたいと考えております。
　一例を挙げますと、昨年度西部地域の複数の邑が連携をとりまして研修――そばづくりに関してですけど――をしたこともあります。
　また、一つ一つの邑にとって自分の邑は少しこういったことが足りない、こういったことをやりたい場合でございますけれども、この邑づくりの支援策の１つとしまして、そういった邑にその地域が求めている専門家、アドバイザーを派遣して、活動を盛り上げようという動きもしております。
　情報共有とか研究とかアドバイザーの派遣で、全体として複数の邑を支えて魅力ある邑づくりを進めていこうという支援策をしてございます。

○髙田（泰）委員
　ありがとうございます。
　活動にはやっぱりお金もかかることですし、あるいは場としての保全、そういう意味で活動費に対する支援メニュー、一方で場の整備保全からして、集落だとかあるいは活動している農地の保全整備メニュー、そういうものは邑づくりという取り組みの中でどういうものがあるのか、教えていただきたいと思います。

○望月農地保全課長
　この邑づくりの運動の中で、各邑に対する財政的な助成支援は直接的には考えてございません。それぞれの邑が考えております活動に対しまして、人的あるいは先ほど言いましたアドバイザーのような人づくり、そういった形で支援をしているということでございまして、邑で何かをやるということでいえば、直接的にはふじのくに邑づくりの活動としてはございません。
　ですが、それぞれの邑で今、多面的機能支払制度がございまして、そういった形で交付金をもちまして邑が整備したい、例えば用水路を整備するとか補修するとか、崩れた道路の補修あるいは農地の保全につながる草刈りとかそういった活動等に対します支援策としては、その多面的機能支払制度が別途ございます。

○髙田（泰）委員
　このふじのくに美しく品格のある邑づくりだけというよりも、そうしたフィールドあるいは県内の保全すべき農地あるいはそういう農村集落等の保全という観点からすれば、この邑づくりだけにということではなくて、県単事業にしても国からのいろんなメニューにしても、財政的支援という観点あるいは連携、リンクをすることで、今県が持っているいろんなメニューについてはこの邑づくりと連携をした取り組みができるということで解釈をしていいのかどうか。全くものづくりをやっているものは別のものなんだということなのか、そこだけ確認させてください。

○望月農地保全課長
　この邑づくりは、邑づくり単独ではなくて、こういった品格のある邑づくりの活動、あるいは多面的機能支払、あるいは県単事業とか、あるいは基盤整備事業、広くそういったものを含めまして全体として静岡県の農地、農村を整備していくという、県全体の農山村づくりの一環としてこの今の邑の活動がございます。
　ですから、全てが連携をとって静岡県の農地、農村の保全活動、整備をして農山村づくりを進めていくと。その中の１つのメニューという位置づけになるかと思います。

○髙田（泰）委員
　よくわかりました。以上で終了します。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号：054-221-3482

ファックス番号：054-221-3179

メール：gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp

ページの先頭へ戻る

〒420-8601 静岡県静岡市葵区追手町9番6号電話番号(県庁案内)：054-221-2455