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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


令和3年12月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:小長井 由雄 議員
質疑・質問日:12/15/2021
会派名:ふじのくに県民クラブ


○小長井委員
 おはようございます。
 それでは、一問一答方式で何点かお伺いさせていただきます。
 まず最初に、焼津市場での冷凍カツオ盗難事件についてお伺いさせていただきます。
 半世紀ぐらい前になりますけれども、私が小学生の頃の社会科の教科書には焼津港が日本一、世界一といったことが載っていまして、非常にすごい港を持っているなと思ったことを今思い出しております。
 今朝の新聞でも、焼津港の冷凍カツオ盗難事件の新しい盗難ルートが摘発されたとのことで、水揚げされたカツオが計量場を通らずにトラックに積み込まれたと報道されております。
 市場のことはよく分かりませんが、非常に荒っぽい犯罪だなと思います。これは一部の人間だけでこういった荒っぽい事件が起きることがあるのかなと非常に疑問に思えるわけです。内部調査によりこのような事実は20年前から行われていたと報道されていたと思いますけれども、このことを市場関係者が全く知らなかったとは考えられない、考えにくい、むしろ知らなかったと言うほうが不自然に思うわけです。この事件については漁協ぐるみあるいは市場ぐるみでやっているんじゃないかなといろんな方から聞くこともあります。
 そこで、焼津港に持ち込んだ冷凍カツオが少なくなってしまうと感じている荷主さんもいらっしゃると報道されておりますが、大量の冷凍カツオを長年にわたって盗難していたことについて、もっと早い時期から知られていてもおかしくないと思うんですけれども、これまでこの件について県に通報や投書などがなかったのかお伺いさせていただきます。

○板橋水産・海洋局長
 今年4月及び7月に、焼津魚市場で魚の窃盗が行われている旨の通報が匿名の方――同一の方から電話にてありました。匿名の通報であったこと、内容的に具体性を欠いており根拠あるいは詳しい事実関係が不明確であったことから、本年度中に実施予定の卸売市場法に基づく検査の中で詳しい事実関係を漁協に確認しようと考えていたところです。

○小長井委員
 今年7月に通報があったとのことですけれども、20年前からこのようなことが行われていたならば、これだけ大きな事件になるわけですからもっと早く公になってもおかしくないと思います。
 にもかかわらず、今年7月まで通報がなかったことは非常に深刻な問題だと思うんですが、その辺についてどのようにお考えになっているかお聞かせください。

○板橋水産・海洋局長
 御指摘のとおり、長年にわたる窃盗であるのか、あるいはそのほかの損失補塡のような不正行為であるのかは別にしまして、カツオの抜き取りが行われていたことは焼津漁協の調査委員会が作成した調査報告書においても明らかになっております。これらが長年行われていて、焼津漁協の中でこれまで自浄作用により事実関係を把握したり、是正することが行われていなかったことについては、県としましても誠に遺憾であると考えております。
 昨日も7番委員の御質問に対して申し上げましたが、この問題は逮捕された職員あるいは不正を行ったとされている職員の個人的な問題ではございません。焼津漁協が組織として対応すべき問題ですので、繰り返しになりますけれども焼津漁協においては、今回の事件を契機に徹底的にうみを出していただき、漁業者、加工業者などいろいろな方々の意見が通る風通しのよい組織風土――もちろん加えて漁協内部での風通しもあります――を含めて市場運営の在り方について抜本的な改革を行っていただきたいと存じています。

○小長井委員
 この問題が発覚した後、焼津漁協へ持ち込まれる魚の量に影響は出ているか、その辺についてお聞かせください。

○板橋水産・海洋局長
 焼津漁協には、水揚げの状況も含めて頻繁に確認しております。事件発覚後の最新の水揚げ数値が確認できる11月末の時点で、水揚げする船の数、水揚げ量、魚価等への悪影響は出ていないと聞いております。

○小長井委員
 今のところ影響が出ていないとのことです。
 昨日6番委員、7番委員からいろんな質問が出ておりますけれども、その御答弁の中で新たな組織づくりを指導する方針や再発防止を検討する委員会をつくるお話がございました。
 まだこの事件については捜査中だと思います。捜査中にもかかわらずそういった方針――板橋水産・海洋局長がおっしゃることは非常に重要なことでやらなければいけないことだと思うんですけれども――を示されると、何となく一般的に早期に幕引きを図ろうとしているように思われなくもないと懸念されます。
 対応は早くしなければいけないと思うんですが、捜査がこれからどのように拡大していくのかも見通せない段階ですので、ぜひ慎重に対応していただきたいなと思います。
 それから、再発を防止し今のところ影響は出ていないとのことですけれども、ぜひとも焼津市場に対する信頼回復をしっかりと図っていただくようお願いしましてこの質問は終わります。

 次に、同じく組合の問題ですけれども林業振興課では森林組合に対して組合の検査を実施されていると思いますが、森林組合についてはどのような検査を実施しているのかお伺いいたします。

○西室林業振興課長
 森林組合の検査は、森林組合法第111条第4項の規定に基づき行政庁が各森林組合の業務、会計の状況について常例検査として定期的に行うこととされております。
 検査は、経営管理及び組織運営が森林組合法や定款などに基づき適正に行われているか、業務執行の決定及び監督の権限を持つ理事会がその役割を果たしているか、監事監査及び内部検査が有効に機能しているか、コンプライアンスの確保、不正不当事件の未然防止、不適正事案の発生防止に取り組んでいるかなど組織、会計、事業、労働安全の観点から実施しております。

○小長井委員
 これまで森林組合について焼津のような問題が出ていると聞いておりませんが、ぜひ適正な運営がされるように検査もしっかりお願いしたいと思います。

 次に、みどりの食料システムについてお伺いいたします。
 今議会の本会議でも有機農業についての御質問がございました。温暖化対策として脱炭素――カーボンニュートラルへの取組の推進が非常に重要になっており、今回農水省がみどりの食料システムとして非常に大胆な方針を打ち出しております。
 農林業やその他の土地利用で発生する温室効果ガスは、温室効果ガス発生の24%を占めると言われております。また農林業により発生させるメタンガスの30%は牛のげっぷだとも言われており、こういった時代の中で農林水産業の脱炭素化に対する取組が非常に重要になってきていることは確かなことで、今回農水省が公表したみどりの食料システムは2050年までに農林水産業のゼロエミッション化の実現、化学農薬の50%削減、化学肥料の30%削減、有機農業の面積を100万ヘクタールにする、全体の農地の25%を有機農業面積にするといった方針です。そのほかに林業についてはエリートツリーの割合を9割以上に拡大する、あるいは水産業ではニホンウナギ、クロマグロの養殖の人工種苗比率を100%にすることなども打ち出されておりますし、食品製造業では労働生産性の3割向上、輸入原材料も持続可能性に配慮したものの輸入の実現など14項目が打ち出されていると思いますが、この中から有機農業について若干お伺いしたいと思います。
 まず、有機農業の定義についてどのように定義されているのかお伺いします。

 また、県内では158戸が有機農業に携わっているとのことですが、どのくらいの面積で農地のどれくらいを占めているのか。さらにこのみどりの食料システムは最終的に2050年を目標にすると思いますけれども、それまでに県内の有機農業を実施する目標面積をどのくらいに設定しているのかお伺いさせていただきます。

○吉住地域農業課長
 定義については、我が国では有機農業推進法において化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を使用しないことを基本とし農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業と定義されております。

 本県の面積割合については、県が毎年実施する調査では令和2年度末で158戸、410ヘクタールとなっており県の耕地面積6万2800ヘクタールに占める割合の0.7%となっております。
 2050年度の目標面積の考え方についてですが、今年5月のみどりの食料システム戦略に先立ち、2020年4月に示した有機農業の推進に関する基本的な方針において、国は2030年に有機農業の面積を6万3000ヘクタールにするとしております。これは基準年である2017年の2万4000ヘクタールの2.6倍となります。みどりの食料システム戦略の2030年までの目標もこれと整合を取っており、2030年以降にその後乗数的に伸ばして、2050年の100万ヘクタールを達成することを目標としております。
 2050年の目標は、県によって有機農業の現状が異なっておりますし生産物の違いもございますので、今後期待される有機農業の伸びも違ってくると考えておりますが、県としましては国が目標とする2050年25%の耕地面積目標に向けた最大限の努力はしてまいりたいと考えております。

○小長井委員
 ありがとうございます。
 現在、県内農地面積の0.7%を2050年には国の目標の25%にするのですからかなりの努力が必要で、実現するのはなかなか大変かと思います。県によってどんな作物を作るかで大分変わると思いますが、これからいろいろ検討して目標を決めていくと思います。非常に大事なことだと思いますので、取組をよろしくお願いしたいと思います。

 続けて、同じみどりの食料システムについてですけれども、2050年の目標達成に向けて化学肥料、農薬の年度ごとの数値目標は今後設定していくのか、その辺についてお伺いさせていただきます。

○吉住地域農業課長
 年度ごとの数値目標ですが、県としましては今年度中に総合審議会等にお諮りする総合計画の目標年度――2025年までの有機農業の面積目標や、国の有機農業の推進に関する基本的な方針に基づく2030年度までの目標などを有機農業について定めていきたいと考えております。
 その他の目標については、国がみどりの食料システム戦略に係る法制化を目指して1月に国会に上程すると聞いておりますので、その状況も見ながら判断してまいりたいと考えております。

○小長井委員
 ありがとうございます。
 有機農業の農地面積0.7%から増やしていくとなると、農家をどのようにして有機農業へ転換させていくのかが大きな課題となるし非常に難しい問題だと思いますが、その辺の考え方をお聞かせ願いたいと思います。

 また、現状のところ有機農業では農薬や化学肥料を使うものに比べて生産量が減ると一般的に言われていると思いますけれども、農家を有機農業へ転換させていくのに放っておいてもなかなか行かないと思うんですが、これについて助成措置やいろんなことをやっていかなければいけないと思うのでその辺のことについてもお伺いさせていただきます。

 それともう1つは、推進に際してはJAとの連携が非常に重要になるのではないかなと思いますが、今後JAとの協議をどのように進めるのかについてもお聞かせください。

○吉住地域農業課長
 農家の転換方法については、現在の慣行農家の有機への転換や、あるいは新規参入者など有機を志向する方々に指導できるように、まずは普及指導員への有機農業の研修などを行って指導体制を強化してまいります。
 また、現在個々の生産者が生産技術を独自に模索している状況ですので、生産者間の交流を促進する形で生産技術の共有化を図ることを考えております。

 生産量の減少をどのように補っていくのかについては、御指摘のとおり有機農業の場合は単位当たりの収穫量が減少し、手間もかなりかかることがありますので手間を省力化するロボットなどのスマート化、そして研究機関による有機農業に向く、大きな収穫量も期待できる品種開発、それから生産者や研究機関との交流による生産技術の普及などを国のみどりの食料システム戦略の交付金を活用しながら進める形で生産性の向上を図っていきたいと考えております。

 国の交付金を活用する事業においてもJAとの連携は大変重要であると考えております。
 国の補正予算において、みどりの食料システム関連の交付金事業に係る県の説明会を今週末の17日に予定しており、JAにも参画頂いて活用できる事業を御紹介させていただきたいと思っております。国においても24日に経済連やJAなどに対してみどりの食料システム全体の説明会を行うと聞いております。

○小長井委員
 ありがとうございます。
 生産量が少ないことについては本会議の答弁にもありましたけれども、土壌微生物に関する技術等これから新しい技術が開発される可能性もありますので、その辺にも期待したいなと思っています。

 次に、有機農産物は値段が高く、商品を作ったはいいけれども売れないのでは困ります。見た目のきれいさや日付の新しさ、あるいは包装などがありますよね。
 これらの簡素化もこれから課題になると思うんですけれども、消費者側にそういった意識を持ってもらうことが非常に重要ではないかなと思いますが、消費者教育への取組についてどのように考えているのか。

 さらに、有機農業をこれだけ広くやろうとするとこれからの農業政策あるいは農村政策についても大きく変わってくるのではないかなと考えます。また食料自給率についての考え方も変わってくるのかなと思いますけれども、分かる範囲で結構ですのでお聞かせ頂ければと思います。

○吉住地域農業課長
 消費者への取組についてお答えいたします。
 9番委員が御指摘のとおり、有機農業は今までの価値観の上にさらに環境の負荷軽減という新たな価値を加えたものですので、生産者との価値の共有が大変重要です。そのため生産者と消費者の交流会などを開催し、価値の共有を図っていくことが大変重要だと考えております。
 また、価値を分かりやすく伝えるためにSDGsに貢献する生産者を認証する新たな制度の創設を検討していきたいと考えております。そのような形で消費者に有機農産物を積極的に御利用頂くための動機づけを行政として啓発し、そのための仕組みを整えてまいりたいと考えております。

○石川農業戦略課長
 国のみどりの食料システム戦略においては、生産性の向上と持続性の両立を目的として掲げております。県でも有機農業をはじめとする環境に配慮した生産方式の導入、定着に力を入れつつ、これまでと同様に食料の安定供給の視点から本県の多彩な農芸品の生産性向上にも取り組んでいくことが重要だと考えております。
 9番委員御指摘のとおり、有機農業等の環境に配慮し化学肥料や農薬に頼らない生産方式については、収量や品質が安定しない課題もありますので、先ほど吉住地域農業課長から申し上げた生産技術の普及やAOI−PARCなどにおける研究開発などに取り組んでまいります。
 さらに、より省力で高品質な生産物の生産拡大に向け、スマート農業などの先端技術の導入や担い手への農地集積・集約、施設園芸や畜産経営の高度化、効率化などをさらに進めていくこととしております。
 このような考え方を現在策定を進めている次期経済産業ビジョン(農業・農村編)にも盛り込み、生産性と持続性の両立を目指してまいります。

○小長井委員
 ありがとうございます。
 みどりの食料システムについてかなり細かくお伺いしました。始まったばかりで、まだまだこれから検討すること、課題等たくさんあろうかと思うものですから詳しいことはお聞きしませんでしたけれども、現時点での考え方等をお聞かせいただきました。先ほどもお話がありましたとおり、新しい技術の開発等これから起こってくることに期待しているわけでございます。非常に難しい問題、課題がたくさんあると思いますがしっかりと進めていただく、政策を展開していただくことをお願いしたいと思います。

 次に、産業委員会提出案件の概要及び報告事項21、22ページになりますが、盛土造成行為に係る点検について昨日もたくさん細かく質問がありましたので、若干お伺いさせていただきます。
 県の検査で異常が確認された箇所については、事業者や土地所有者に対して是正指導を行い、11か所が是正されたとのことですが、異常が確認された箇所のうち事業者や土地所有者と連絡がつかないところがまだあると思います。
 熱海のケースは事業者がつかめない状況になっていると思うんですけれども、事業者や土地所有者と連絡がつかないケースがあるのか。ある場合は今後どのような対応をしていくのかお聞かせください。

○宮崎森林保全課長
 県の緊急点検において異常が確認された箇所は、経済産業部所管で26か所です。いずれもその事業者については誰が行為者か把握しております。
 しかし、会社の解散等により行為者と連絡が取れなくなっているケースが4か所ございました。このうち1か所については、行為者から地位を継承している継承者を確認できましたので、そこに対して指導を行っている状況です。
 残る3か所については、行為者と連絡が取れない場合――実際取れていないところもありますけれども――行為者の法人の元役員等に対して個人、役員、会社、組織としての是正を求める対応のほか、放置された現場を監視及び調査等を行っていきます。そして法令に基づきさらなる処分の検討や警察への相談、告発といった手段等も踏み込んでいかなくてはならないと。
 いずれにしましても、厳正かつ迅速に状況に応じて対応していく方針です。

○小長井委員
 3件が不通状態で、これに対しては継続して監視、調査を進めるというお答えだったと思います。そしてさらなる処分も行うとのことですが、危険箇所が長期間にわたって放置されると――その場所の状況にもよると思いますが――大きな災害が起きる可能性もあります。警察等にも相談されるとのことですが、遅れることのないよう迅速な対応をお願いしたいと思います。

 今回3か所が不明な箇所とのことですが、今後も盛土をしてその後不明になってしまうケースが起こることも考えられますが、これは防いでいかなければいけないと思います。
 それが100年も200年もということではなく、ある一定期間――ちょっと私にはどのくらいかは分かりませんけれども――だけでもしっかりとその事業者、所有者が誰でどこにいるかの状況が分かるようにしておかなければいけないと思うんですが、その辺についてどのようにお考えかお聞かせください。

○宮崎森林保全課長
 まず、森林法においては違法な状況、状態を発見したら時期を置かずに迅速に動いて対応し、継続していくことが必要になってくると思います。仮に許可案件で開発行為がされて、途中で放置されるケースに対しても現在防災工事を先行する――防災工事を初めにやらないと次の本体工事にいけない――など安全性についての条件等をつける中で対応しております。
 さらに、森林法では土地の所有者が関係していなければ責任が及ばないですが、盛土の規制条例では所有者の責務、義務を盛り込むことで検討されると聞いております。そうした中で所有者が現場、盛土等の開発行為に対して一定の期間確認していく義務が課される条例が上程されて成立すれば、行為者不明の解消、対策にもつながっていくものと考えております。

○小長井委員
 盛土の問題に端を発して、こういった問題に対する監視や指導、あるいは調査などを実施することについて、昨日も5番委員から携わる職員の数が足りるか質問があったと思います。私も以前の本会議の一般質問の中で土木事務所等の職員がちょっと足りないのではないかと発言させていただきましたが、非常に人命に関わる問題でございます。こちらからも財政当局に人員の増強をお願いしますが、三須経済産業部長からもぜひ強く押していただきますようにお願いさせていただきたいと思います。この問題についてはこれで終わります。

 次に、説明資料62ページのふじのくに美しく品格のある邑づくりの推進で、本年度から新たに農村マイクロツーリズムに取り組んでいるとのことです。
 本年度の実施状況と、事業は終了したばかりですが成果、課題の検証と今後交流人口の拡大を図っていくための取組方針についてお聞かせください。

○前島農地保全課長
 農村マイクロツーリズムについては、コロナ禍の新たな生活様式が求められている中で邑の交流人口、関係人口を増やしていくことを目的に、今年度はモデル地区3地区で実証的に行ったものです。
 対象は、美しく品格のある邑のそれぞれが持っている食や景観、文化などの農村資源を再度訪問者目線で再構築し、近場で安全・安心を確保した上で参加者と邑が親交を深めることにより新しい価値を見いだすことを目的に行いました。
 緊急事態宣言が明けた11月から12月にかけて3地区で行いましたが、例えば富士宮市の猪之頭地区では圃場整備された水田を巡りながらまき割り体験やクレソン摘み、富士ヒノキの産地ですのでその木を使ったコースター作り等を行いました。有東木地区では茶園やワサビ田を巡りながらワサビの収穫体験、ワサビ作り体験等を行いました。久野脇地区では塩郷のつり橋や縁結びのスポットがありますので、そういったところを巡りながら地元名産の大根そば作りの体験を行いました。
 それぞれの地区で10名が参加し、参加者及び邑にそれぞれアンケートを取り今詳細な集計をしているところですけれども、参加者のほぼ100%の人が満足、約9割の方が再訪したいとの回答を頂きました。また多くの方から今回のように楽しめるイベントとセットであれば、地元の地域活動にも参加したいという声を頂いております。
 ただ、受入れ側の人数確保が課題です。こういった取組に不慣れな地元の方たちですのでスキルの問題や受入れ体制が今後の課題と考えています。
 アンケートの中には、近場なのに知らなかった、薄々は知っていたけれどもこんなに詳しく知らなかった、地元の人と直に話し生の声をエピソードを交えながら聞くことによってより理解が深まったなどの参加者の声がありますので、これらアンケート結果を今後さらに詳細に分析して今後の邑の交流人口の拡大に結びつけていきたいと考えております。
 また、美しく品格のある邑の中で結果を共有し、できるものは今後横展開していきたいと考えております。

○小長井委員
 ありがとうございました。
 次に、説明資料64ページの林業イノベーションの推進について伺います。
 近年、林業分野ではドローン等を活用した航空レーザー計測やICT等の先端技術の活用で林業作業の効率化、省力化が急速に進んでおります。
 このような林業におけるイノベーションの推進に当たり、先端技術情報を共有するための先端技術展示会を計画しているとのことです。
 私も数年前ですけれども、林業活性化議員連盟の視察で長野県にこのような展示会の視察に行きまして非常に参考になった経験がございました。
 今回の先端技術展示会がどのようなものか、具体的な内容についてお聞かせください。

○小池森林計画課長
 先端技術展示会は、先端技術企業と林業経営体などの情報共有のためのプラットフォームとして昨年度設立したふじのくに林業イノベーションフォーラムが主催するものです。テーマとして先端技術でひらく林業の未来を位置づけ、林業経営体など150人程度の参加を見込み、来年1月31日に静岡市内の「あざれあ」での開催を計画しております。県内ではまだ林業関係者に先端技術があまり知られていないため、今回の展示会ではこれまで十分に普及できていない技術などを幅広く紹介していく予定です。
 参加する企業は森林の計測、丸太検知などのアプリケーション、山間部でも使用できる簡易な通信網であるLPWA、それからドローンなどの技術を持つ10社程度を見込んでおり、会場には各社の展示ブースを設けて実際に参加者に機器に触れて体験してもらう機会を提供する予定です。
 さらに、林業経営体が先端技術の活用や現場での課題などについて相談できるブースを設け、企業と林業経営体のマッチングを図っていく予定です。

○小長井委員
 ありがとうございます。
 私もぜひ見に行かせていただくつもりでございますので、よろしくお願いします。

 最後の質問になりますが、さきに別紙で配っていただいた経済産業部関連計画・戦略の策定状況についてです。
 これを見ますと11項目あり、それぞれに脱炭素やデジタル化があちらこちらに載っており、2050年のカーボンニュートラルの達成に向けてはこういった方向性が出てくるのかなと思います。
 2025年や2026年、長いもので2030年といった短期的な計画や戦略ですけれども、今後計画や戦略の策定に際し2050年のカーボンニュートラルの達成に向けた実効性のあるものにしていかなければいけないと考えますが、どのような取組をしていくのか基本的な考えをお聞かせ頂きたいと思います。

○渥美産業政策課長
 別紙の資料は、経済産業部の持つ計画・戦略について見直しの視点と検討状況についてお示ししたものです。現在県内産業界の代表の方や有識者の御意見を踏まえて様々な検討を進めているところですが、中小事業者にとっては何から手をつけてよいか分からない、まずは現状把握と人材育成が何より重要といった御指摘を多く頂いているところです。
 これら御意見を踏まえまして、2050年に向けてカーボンニュートラルは成長を生み出す鍵であること、逆に対応しなければサプライチェーンから疎外されるリスクでもあるとの認識を持った上で、まずは県内事業者における課題の共有や、対応事例、ノウハウの横展開などを進め、実効性のある計画や戦略とするように取り組んでいきたいと考えております。

○小長井委員
 ありがとうございます。
 これで最後にしますけれども、脱炭素は温暖化対策の非常に重要な課題です。これは人類の課題というか、そのような時代になってまいりました。学者の中には温暖化の進行は既に臨界点に達しているとおっしゃる方もいらっしゃるようですけれども、今後新しい技術の開発が出てくる可能性も十分ございます。そういったことに望みを託しながら、しっかりと脱炭素化に取り組んでいかなければいけないと考えておりますので、当局の皆さんもぜひよろしくお願いします。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

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