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委員会会議録

質問文書

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令和2年2月定例会危機管理くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者:小長井 由雄 議員
質疑・質問日:03/09/2020
会派名:ふじのくに県民クラブ


○小長井委員
 本日は当委員会の集中調査に御出席いただいてありがとうございます。時間も限られておりますので、事前に質問事項をお渡しさせていただいておりますが、質問項目を簡潔に述べさせていただきますのでお答えいただきたいと思います。
 まず最初に、質問に入る前に、先ほど6番委員の質問の中でこの事業が国家的な事業だと御答弁をいただきました。私はこれまで、このリニア中央新幹線事業は確かに大きい事業ですが東海旅客鉄道株式会社の民間事業だと認識しておりましたが、国家的事業と変わったのはいつからか。確かに3兆円というお金が入りますが、いつからそういう考えになったかお聞かせください。
 
○宇野参考人
 これは当初から――そういう意味で色彩というか、私も変わっていないと思いますが――基本的に全国新幹線鉄道整備法に基づいて中央新幹線整備が進められてきたことになります。基本計画が決定されてから長くたちますが、整備計画を決定する前に交通政策審議会でどこに整備主体、建設主体、営業主体を指名するかの議論も国がなされてきたと。そういったものを受けて当然私ども東海道新幹線のバスパスとして中央新幹線整備に手を挙げていたと。それも自己資金でやっていくことに手を挙げていたとの話ではありますが、国の手続を踏んで建設主体、営業主体に指名されて、国土交通大臣から建設指示をもらって初めてこれがスタートしていますので、そういった意味では紛れもなく国家的なプロジェクトの位置づけだと思います。
 その中で整備の仕方が、民間企業の自己資金であるとのことで、当面名古屋まで2段階でやることになりました。そして名古屋までできた後に名古屋−大阪間をやるといった進め方をお話していく中で、西のほうの3府県の方々から、整備時期が大幅におくれてしまうと。これを何とか早くできないかとの中で、名古屋開業後速やかに工事を連続することを目的に財政投融資で3兆円を貸し付けられた関係がございます。そのことで位置づけが変わったかというと、私は変わっていないと思いますが、より国が関与される側面はふえたと思います。

○小長井委員
 それでは、引き続き対話を要する事項47項目のうち具体的なことを伺わせていただきたいと思います。
 まず排水ポンプの設置ですけれども、千石非常口では70メートルの高さまでくみ上げられるポンプを最大6台設置する、また再見解の64ページでは、同じ毎秒1立米の湧水をくみ上げるのに12メートルの高さまでしかくみ上げられないポンプが42台も必要と書かれております。わざわざ能力の低いポンプをなぜたくさん使う必要があるのかお伺いさせていただきます。

○澤田参考人
 排水ポンプについてのお話でございますけれども、前提となった条件を話しながらお答えしたいと思います。
今、御質問のあった1月24日版の資料の29ページでよろしいかと思いますけれども、千石非常口に設置しますポンプの規模を書いてございます。どのような条件で書いているかまずお話ししないといけませんが、これまで県の専門部会の中で、トンネル湧水が最大どれぐらい出るかその前提を決めないと議論になりませんねということで、私どもは毎秒最大3トンですと話をさせていただいております。この毎秒3トンは、もともと私どもがやりました水収支解析などもベースにしておりますが、いつ出るかというといきなり出るのではなくて、トンネルがほぼほぼつながった状態、本当に長いトンネル全体から出てくる水全部合わせて3トンと想定しております。それは専門部会の中でも御説明しております。そのうち千石非常口ではどれぐらい出てくるかも内訳としてありまして、千石非常口で最大どれぐらいの水が出るかと、それをくみ上げるのにはどれぐらいのポンプが必要か、ここに絵を描いております。
 今、私が申し上げておりますのは、いきなり水が出てくるわけじゃないので計画して設置できます。計画して設置できる中で、この千石非常口は坑口までくみ上げようと思いますと高低差で300メートルとか400メートル上げないといけなくて、かつ計画的にできるのでなるべく大きなポンプを数少な目にしてあらかじめ設置すると。ここで用いておりますのは資料の33ページになりますが、2トンを超える重さであります。そういったものを置けば、3トンの中の千石非常口で受け持つ分はきちんとポンプアップできると33ページに書いてございます。
 一方で、64ページにもポンプの絵がございまして重さは1トンです。これでも相当重いですが1トンです。ここの資料の説明は何かと申しますと、先ほどありました静岡と山梨の県境を下から掘るか上から掘るかというときに、上から掘ったらどうなるかというと畑薙山断層から突発湧水が出るということで、湧水量はなかなか予想が難しいんですが、過去の事例とかいろんなことから専門部会の中で毎秒そこだけで1トンとしました。じゃあ毎秒1トンを果たしてポンプでくみ上げられるのかと。先ほどの千石沢と違うのは予想ができない、突発湧水率が予想できない状況になりますので、水が出たぞとなりますとその時点でポンプをどこかから持ってきてというのじゃなくて、あらかじめポンプをどこかに置いておいてそれを機動的に用意しないといけません。現実考えますと1トンでもかなり重いんですが2トンに比べれば機動性があり、計画して置くポンプと突発湧水に対するポンプと使う条件が全然違いますので、66ページのほうは小さなポンプを用意しています。
 ただこれでも、先ほど8番委員のお話にもありましたが、もう何十台と置かないと物理的に数字だけでいきましてもくみ上げられません。そういった安全性も考えると現実的ではないので、できれば下から掘りたいといった説明の中で使っているポンプでありますので、33ページと64ページのポンプは意味合いが少し違うと御理解いただきたいと思います。

○小長井委員
 それでは次に、千石非常口では湧水はポンプアップするけれど、本坑ではポンプアップしないとなっていると思うんです。先ほどからのお話の中で上り勾配に掘っていくとのことですから、静岡県の水が全量大井川へ戻るのはなかなか難しいと思うんですけれど、その辺はいかがでしょうか。

○澤田参考人
 少し言葉が足りなかったと思いますけれども、千石沢の斜坑は下向きに掘っていきます。そこから先進坑、本坑を掘っていきますが、まずその斜坑を掘っていくときには、出てきた水をくみ上げないと掘れませんので坑口まで上げます。その出てきた水はきちんと処理をして大井川にヤードから戻しますので、そこを掘っている間は出てきた水は全て大井川に戻すことになります。将来全てトンネルがつながった後は、トンネルの途中に導水路トンネルを設けますので、基本は自然流下で椹島までトンネルの湧水は流れる仕組みをつくります。ただトンネルの縦断勾配の関係で自然流下できないところがあります。それは主に長野県側、山梨県側になりますが、そこはポンプアップをして導水路トンネルの坑口まで持ってくる措置をいたします。
 ですから、基本的には掘っている間、それからでき上った後にトンネルから出てきた水は全て大井川に戻すと。唯一、一時期ではございますけれども、私どもの考えでは山梨県から長野県へ上向きに掘っている間、つながらない間については、そこは少し水が戻せない時期があると申し上げてきた次第でございます。

○小長井委員
 次に、発生土置き場の設計で伺います。
 燕沢には、昨年の台風19号で大量の土砂等により付近の林道が崩壊する大きな影響があったわけです。見解に示されているところでは流入量は軽微であったとなっておりますが、林道が崩壊するなど軽微とはなかなか言えない状況ではないかなと思います。こういったことが、この燕沢の発生土置き場へ今後影響してくる可能性が大きいのではないかと今思うわけですけれど、その辺についてお聞かせください。

○澤田参考人
 昨年の台風で林道の東俣線が大分被害を受けましたけれども、私どもは基本的に増水によって道路の一部がえぐられた被害が多いと認識してございます。河川の増水により盛り土等がえぐられたところが多いと認識してございます。
ですので、今回燕沢近くにつくります発生土置き場につきましては、盛り土そのものが崩れないように設計するのはもちろんでございます。川の増水といった被害を受けないように盛り土形式になりますので、川に面している部分については増水の影響を受けない設備をきちんとつくることを考えております。台風のようにある程度増水しても盛り土が流れ出ないようにすることは現実に可能だと思っておりますし、そういった設計施工をしていきたいと思っております。

○小長井委員
 今の、流れ出ないような設計施工とおっしゃったところについて伺いたいんですけれど、この燕沢の対岸にある千枚崩れによって土石流が大井川へ押し出る可能性があると、これも専門部会の中でも議論されておりました。非常に危険だというお話だったと思いますけれど、土石流が発生して大井川に天然のダムができると、こちらの見解にも32メートルの水位になる天然ダムができると書いてございました。それが決壊したときの水の高さが盛り土の部分で8メートル、盛り土の部分が2.5メートルの護岸で囲われているわけですけれども、8メートルの水が流れるということで、かなりのものが洗い流されると思いますが、その辺はどんなふうにお考えになりますか。

○澤田参考人
 今の御質問につきましても経緯をお話ししないといけないと思います。燕沢の対岸にあります千枚沢からの土石流は、今回の専門部会でお話はしておりますが、専門部会でそういう御質問があったわけではなくて、もともと私ども環境影響評価の中でそういった検討をしておりました。対岸から崩れてきたときに、発生土置き場があることによって周辺に悪い影響を与えるんではないかといった観点で土石流のシミュレーションを何回もやってございました。
 その結果は専門的な機関にも見ていただいておりますけれども、まず大井川をせきとめるような天然ダムはできません。できないという結果を御説明しておりますし、環境アセスメントのプレスの中でもそういう話をしてきました。できませんと申し上げたんですが、ある委員から仮にこれ全部土がたまったらどうなるんだという御質問があったので、結果は違いましたが、仮に土が盛ったらどれぐらいかといった検討をしました。そのときには今おっしゃったような数字の土が物理的に山としてできるといった結果をお示ししております。
そういった経緯がございますので、私どもとしては発生土置き場を先ほど申し上げたようにきちんと設計して管理していくことに尽きるんですが、対岸の千枚沢が崩れて三十何メートルものダムが突然できるとは見解の中では思っていないのが正直なところでございます。

○小長井委員
 私もそのとき傍聴しておりまして伺いました。天然ダムはできないというお答えだったと思うんですけれど、地形を見るとそこの部分に土石流帯があって、あそこの大井川は大きく蛇行していることがあるものですから過去にもあったんではないかなと。まあ素人目でございますが、そういう感じはしております。

 それともう1つです。
燕沢についてボーリング調査もされているのかなと思うんですけれども、地すべりの危険のある場所もあると、一部そういうことも言われておりますが、この辺についての確認はいかがでしょうか。

○澤田参考人
 発生土置き場をどこに置くかにつきましては、これまでも過去何が起きたかといった文献などの調査も含めてやってそこに置きたいと決めております。これからますます設計を具体化していく中では追加の設計もして、私どもはつくる立場でもありますけれども、周辺の方からの御心配をしっかりとれるように、追加調査をすることも考えながら設計していきたいと思っております。

○小長井委員
 それでは、重金属対策について伺いたいんですけれども、先ほども質問がございました。
当面、重金属を含む発生土の処理については、どこへ置くと計画しているのかお答えください。

○澤田参考人
燕沢よりもう少し下流側になりますけれども、藤島沢というところがあります。ここは河川の位置関係からいきますと、流れている大井川より最低15メートルぐらい高いところにございますので、直接的にまず増水等を心配しなくていいところであります。そういったところできちんと封じ込めの対応をして、万が一出た重金属を含んだ土は処理していきたいと思っております。

○小長井委員
 今のお話ですと、農業用水とか飲料水に使用されるかなり上流で処理されると。安全管理をしっかりやるというお話でございましたけれど、あえてそういうところではなくて、もっと安全な場所を選んでいただけたらなとは思います。

 最後になりますけれども、大井川の中下流域の地下水への影響でお伺いさせていただきます。
 大井川中下流域への影響はないとおっしゃっていたと思いますが、表流水が減る渇水期になれば影響がないことはないと思います。渇水期においての影響についてはどのように調査されているのかお伺いします。

○宇野参考人
 中下流域の皆さんに大変御心配をいただいているのは承知しておるところでございますが、まず2つの要素があると思います。1つは地下水の水位の話になりますが、それが下がるのではないかというお話がございます。当然渇水期、豊水期の話がありますが、地下水については私どもの意見の中にも書いてございますが、トンネル周辺の基本的に限られたエリアで地下水に対する影響はとどまるとまず1つお話をしてきました。それで地下水は水位の変動は生じないと申し上げてきた。そこに最近水道があってという御懸念もあったので、地質縦断図のようなものをさらに専門家につくっていただいて、基本的に縦の地層の連続であるので水道は存在する可能性がすごく少ないとのお話もいただいて、そういう形で1つは地下水の話を御説明してきています。
 あと、河川水そのものが減るのではないかというお話について言うと、基本的にトンネルをつくった段階では全てお戻しするので、まず減ることはないと考えてございます。それと先ほどの地下水の話と関係しますけれども、中下流域の地下水そのものは河川水由来のものだと、これは県の環境衛生科学研究所のレポートにも出てくるんですけれども、それらのことが言われていると。私どももいろんな水質分析、イオン分析なんかをやってさらに確認したいと思っていますが、そういうことなので基本的には川の水が減らなければ中下流域の地下水に対する影響は生じないだろうと申し上げてきています。
 そもそも工事中の一部期間の議論は残りますが、それを除けばトンネルから出てきた静岡県内の水は全て静岡県にポンプアップ、それから導水路を使って戻すので減らないと私も考えております。解析の結果ですが、そのようになっていると、その辺についてまだいろいろ議論が残っているところはさらに続けて回答、対応していきたいと思っています。

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