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委員会会議録

質問文書

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令和3年9月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:鳥澤 由克 議員
質疑・質問日:10/11/2021
会派名:自民改革会議


○鳥澤委員
 一問一答方式でお願いいたします。
 まず、食肉センターの再編整備についてお伺いいたします。
 平成26年度に食肉センターの再編整備計画が進み、一時期これが棚上げになって計画が頓挫しかけたんですけれども、ここにいらっしゃる三須経済産業部長をはじめ、細谷農林水産担当部長、前農林水産担当部長でありました志村経済産業部参事、当時の伊藤畜産振興課長、そして今の吉田畜産振興課長それぞれの皆さんが鋭意たゆまぬ御努力を頂いて今現在に至っていると思っております。この経過を見ますと2つの大きな要因が働いたと思います。
 まず1点目は、小笠食肉センターと浜松市食肉地方卸売市場の関係者と編成の背景を十分に理解された上で合意形成をしっかりと取っていただいたこと。そしてもう一つは静岡県内の市町全域にまたがって県の皆様が足を運んで負担金の徴収を説得していただいたこと。これはただ単にお金を出せばいいのではなく、裏を返せば負担金を出すことで畜産政策に結びつくことになるわけです。このような背景について今現在まで努めていただいたことは高く評価しております。
 御存じのように、豚換算の1日当たりの処理頭数は小笠食肉センターが1,200頭、浜松市食肉地方卸売市場も1,200頭。豚だけでは小笠が1,080頭、浜松が1,040頭であり、この2つを統合するため現在81億円の大きなプロジェクトが動いております。
 現在、TPPやEPA、そして令和2年1月1日からの日米貿易協定など国際的な枠組みが大きく変わっております。当初の食肉センターの背景や狙いなどのコンセプトと現在置かれている様々な背景を踏まえ、委員と県民の皆様と新たな食肉センターのコンセプトを共有したいと思います。再度基本的なことに立ち返って御返答頂きたいと思っております。
 ちなみに、政府の来年度の概算要求が農業規模では約4兆円余の金額です。この中には食肉センターの再編整備を含めた経営支援や、輸出型の施設にしていくなどのコンセプトがあるわけですが、全体的な枠組みを踏まえて食肉センターはどうあるべきか、あるいはコンセプトをどのようにしていくのか御答弁を頂きたいと思います。

○吉田畜産振興課長
 食肉センターは、県内家畜の生産振興とともに県民に食肉を安定的に供給するために不可欠な施設であると考えております。また豚熱などの家畜伝染病が発生した場合は他県の食肉センターへ出荷制限がかかることがあるため、非常時のリスク管理として県内に1つは必要な施設であると考えております。
 このため、国の食肉流通構造高度化・輸出拡大事業を活用し、海外も見据えた輸出可能な新しい衛生基準を満たす新たな食肉センターを今後県内で稼働していくため、小笠食肉センターと浜松市食肉地方卸売市場の2施設を再編整備して令和7年の供用開始を目標に進めております。

○鳥澤委員
 当初の大きな枠組みから現在の背景も踏まえて再編整備を進めているのですね。

 今お話のあったとおり、輸出型の攻めの農業をしていくことが必要だと私自身も思っています。
 今の農業を強い農業、攻めの農業にしていく上で輸出の観点からおっしゃられましたが、輸出先としてはヨーロッパやアメリカだとかなりハードルが高いと思いますけれども、どこを狙っていくお考えでしょうか。

○吉田畜産振興課長
 輸出先についての御質問にお答えいたします。 現在の再編整備では、牛施設につきましては県有施設の増築と改修、豚施設につきましては新築として進めております。
 その中で、牛施設は新たな施設をHACCPに対応し、東南アジアやマカオ、カンボジア等のアジア地域への輸出を目標としております。また豚施設は最新の衛生基準を満たし、将来的にはアメリカやEU等へも輸出できるように基本設計を行っております。

○鳥澤委員
 大変重要な位置づけだと思いますので、豚と牛を含めてそのような形で進めていただければと思います。

 また、食肉センターは採算ベースに乗らなければしょうがありませんが、集荷頭数の目標をどのように考えていますか。

○吉田畜産振興課長
 現在稼働しております小笠食肉センターと浜松市食肉地方卸売市場は、いずれも設置から年数が経過していて稼働率が低下しております。新たな食肉センターは健全経営が大変重要になりますので、稼働率80%以上となる年間の処理頭数として牛9,000頭、豚17万4000頭を目指しております。

○鳥澤委員
 ここ数年、例えば養鶏業界では飼育羽数は増えていますが経営体は減っている。これは一経営体の飼育羽数が増えているから全体的に上がっているわけなんですが、今後供給される個体数が減っていくことになると、先ほどの数字が架空のものになってしまいます。畜産振興として畜産センターの構想の実現と同時に、車の両輪ではないですが供給元の経営体を強くしていく、飼育数を増やすことで供給数も増やし固定化していく必要があると思います。
 供給は県外からも来るかもしれませんが、まずは県内の経営体を強くしていくことについて畜産振興の考え方はどうでしょうか。

○吉田畜産振興課長
 今後の畜産振興についてお答えいたします。
 1番委員に御指摘頂きましたように、長期的には個人経営などの減少が見込まれておりますが、現在畜産クラスター事業等を活用した畜産農家の規模拡大を推進しており、新食肉センターへの出荷頭数の維持と拡大を進めております。
 また、AIやICTを使ったスマート畜産技術の導入に対して助成しており、畜産農家の労働時間の短縮や省力化を支援しております。
 あわせて、しずおか和牛や静岡型銘柄豚などブランド畜産物の生産や販売を推進し、本県の畜産振興を進めていきたいと考えております。

○鳥澤委員
 御答弁にありましたブランド力をつくり出していくことは、まさにそのとおりで重要なことだと思います。近江牛や松阪牛、山形牛などそれぞれの地域でブランド力がありますが、まずはロットをしっかり確保してブランド力も上乗せし、攻めの農業で全国の販売に結びつけていくことが大事だと思います。
 食肉センターを中心とした静岡県の確固たるブランド化の方向性は、どのようにお考えでしょうか。

○吉田畜産振興課長
 しずおか和牛につきましては、もともと県内にあった地域ブランド、例えばあしたか牛や三ケ日牛などのロットを取りまとめて静岡県の和牛として県外に広げていくことを平成29年から取り組んでおります。少しずつではありますが認知度が上がり認定頭数も増えておりますので、黒毛和種が中心になりますが引き続き和牛のブランド化を進めてまいりたいと考えております。

○鳥澤委員
 そのような並々ならぬ御決意を頂いているとのことで、特色ある差別化をした畜産振興を行い、ある程度の戦略が立てやすいため輸出でもなるべくロットをそろえていくことが必要だと思っております。ありがとうございました。

 食肉センターの再編整備については、市町の協力を得るところまで持っていっていただきましたが、これは本当に並々ならぬ努力だと思います。新食肉センターの計画が様々な形で出たと思ったら消えて、また出たと思ったら消えて、これは先ほど言った要因が欠けていたことと、市町が食肉センターの必要性を感じて県と共にできることが今までなかったため、なかなか頓挫していたのだと思います。
 そこで、インフラ整備について伺いますけれども、市と町が負担する大まかな負担割合の基準はどのようになるのでしょうか。

○吉田畜産振興課長
 食肉センターの整備に当たり、市町に御負担頂く割合の考え方についてお答えします。
 本体工事は約70億円であり、そのうちおおむね6分の3は国の補助金、6分の2を県と市町が負担することとしております。残りの6分の1につきましては、公募選定の運営者に負担してもらう予定ですが、運営者分は一旦県が支出し、その後運営者の収益から利用料として回収することを想定しております。

○鳥澤委員
 今それぞれの負担割合の考え方はお伺いしましたが、運営形態はこれから様々な要因によって決めるのか。それとも既に県が基本的な形態をお決めになっているのか分かりませんけれども、経営主体である運営者が負担するビジネス負担分は様々な収入源がある中で何を想定されていますでしょうか。

○吉田畜産振興課長
 運営者の収益から負担するビジネス負担分の内容についてお答えいたします。
 食肉センターの整備につきましては、先ほどお答えさせていただきましたとおり、運営者の負担分を県が一旦支出し、その後運営者の収益から利用料として回収します。回収はインフラ整備分とは別にビジネス負担分として考えております。
 内容につきましては、生産者から支払われる畜料、食肉卸業者から支払われる部分肉の加工手数料であり、これらを収益として運営者の所得収入と考えております。

○鳥澤委員
 事業費81億円余の大きなプロジェクトになりますので、しっかりとした運営者を見定めていただきたいと思いますが、運営を行う事業者はどのような基準で選ぼうとされているのでしょうか。

○吉田畜産振興課長
 食肉センターの業務は牛と豚の屠畜、解体、部分肉加工などであり、安全・安心な県産食肉の県民への提供と健全経営のためには、食肉事業に関するノウハウを持った民間事業者に行っていただくことが必要であると考えております。今後公募により事業者を選定していく予定でありますが、現在は指定管理者制度を想定して具体的な運営体制を検討しております。

○鳥澤委員
 ぜひ適格な指定管理者をしっかりと定めていただいて、透明性を持って健全に運営されますよう御期待します。

 新食肉センターは、令和7年の供用開始を目指しているとのことで、今年度いっぱいで基本設計を進めていらっしゃると思いますが、現在の進捗状況についてはいかがでしょうか。

○吉田畜産振興課長
 現在の基本設計につきましては、今年7月に建築設計会社へ業務委託をいたしまして、来年2月には基本設計が完了するように進めておりますが、来年度には国の補助事業へ申請したいと考えておりますので、12月あるいは1月ぐらいには図面や概算金額が提出される見込みであり、それをもって令和4年度の国の補助事業に申請したいと考えております。

○鳥澤委員
 令和3年度は基本設計、4年度は実施計画、5年度から建築工事に入るとのことですので、ぜひともそのタイムスケジュールを崩さないように着実な歩みを続けていただきたいと思います。
 要望ですが、先ほど新食肉センターのコンセプトなど様々お伺いしましたけれども、何といってもまずは畜産振興としての大きな役割、そして消費者にとって安全・安心な食の環境を整備してしっかりとした食肉体制をつくっていくこと、また市町も経営参画するとのことですので、食肉センターの利益がそれぞれの圏域また日本全国で享受できますように企画、運営をしていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

 最後にもう1点、説明資料58ページの多様な就農形態による人材確保事業を今回の9月補正予算で実施するとのことですが、具体的な内容と趣旨を説明頂ければと思います。

○石川農業戦略課長
 多様な就農形態による人材確保事業は、県の農業振興公社に、仮称ではありますがふじのくに農のある暮らし創造センターというサポートセンターを設置し移住希望者やその家族、県内に住むテレワーカーなどで農業などの副業を希望する方を対象に、農に親しむライフスタイルづくりのサポートをできるような実証事業を予定しております。
 具体的には、短時間で農作業の手伝いをするお試しメニューを設定できる農業者を受入れ先とし、所得確保や余暇活動として農業を指向する移住者やテレワーカーを対象に参加者を募集してお試しの農作業体験を行ってもらいます。参加者と受れ入れた農業者の双方に対して、お試し後の感想や問題点、改善点等を調査することにより、就農希望者のニーズ、受入れ側の課題などを整理して短期間就業の受入れ先の拡大や受入れ体制の整備につなげていきたいと考えております。

○鳥澤委員
 分かりました。
 我々の生活もそうですが、新たなライフスタイルの多様性が求められており、その中でニーズをマッチングさせるのはなかなか大変なことかと思います。
 サポートセンターの位置づけが重要になるかと思いますけれども、そのメンバーはどのような構成になるのでしょうか。

○石川農業戦略課長
 サポートセンターの設置については現在静岡県農業振興公社と相談中であり、今後メンバーを検討していきたいと考えております。

○鳥澤委員
 民間の様々な団体、例えばJAなどと共に無料のビジネスサポートをするのもいいですし、サポートセンターについても多様性を持った柔軟な相談窓口となってほしいです。

 それで、先ほどの御答弁では就業形態はパートや臨時であると取れなくもないんですが、多様な就農形態による人材確保事業が最終的に目指すところは何なのか。コンセプトとして就農者に結びつけていきたいのか教えてください。

○石川農業戦略課長
 本事業の最終的に目指すところについてお答えします。
 1番委員御指摘のように、今まで県が行ってきたのは専業農家としてのニューファーマーの育成です。ところが新型コロナウイルス感染症の状況もあって、本事業では専業ではなくライフスタイルの中で農業に携わりたい、短時間でも自分の空いた時間や余暇などでやってみたい方を対象としております。
 一方で、受入れ側の農業者につきましては、雇用確保が十分でない、労働力が足りないとの御意見が非常に多い状況でございます。このため最終的には労働力として雇用できる人を対象と考えておりますが、中には最終的に自分で農業をやってみたいと言う人もいらっしゃると思いますので、ちゃんと聞き取りをしながら対応していきたいと考えております。

○鳥澤委員
 確かに今は国内旅行などでも実践型や体験型の農業が増えてきており、農業を体験してみたいといったニーズもあります。まさにこれはすばらしいことで、何も就農ばかりが農業に対する理解を深めるわけではないのでそれはそれでいいんですけれども、サポートセンターがもしこの観点でいくのであれば、農地のあっせんや販売経路などの業としての農業と、生活の拠点の2つが必要になります。
 それは地域に受け入れられるのか、そして子供がいるようなケースであれば教育環境に重点を置いたりなど様々な環境やニーズによって変わってきますから、これから検討されるとのことですのでまずは楽しく農業を理解していただくということに目的を置いて徐々に深掘りし、ぜひ発展的で柔軟性のあるサポートセンターと多様な就農形態による人材確保事業になるよう希望しております。

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