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委員会会議録

質問文書

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平成21年7月富士山特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:花井 征二 議員
質疑・質問日:07/14/2009
会派名:日本共産党静岡県議会議員団


○花井委員
 今の富士山ナビで、水野さんが新聞にも載っていましたけれども、足腰を鍛えて富士山を登るんだということは、富士山に登られたんですか、まずその点をお伺いします。登っていなくて、何でもかんでも答えられるというのは、ちょっと考えにくいので、まずその点からお伺いします。
 それから、昨夜の富士宮新五合目の落石による死亡事故の話ですけれども、静岡県側に五合目に駐車場というのは1カ所じゃないですね、何カ所かありますよね。どことどこにあるのかということがまず第1点。
 それから、それぞれこの駐車場の安全確保策というのはちゃんととられているんでしょうか。少なくとも、駐車場があるというのは、路上に置いているわけではないわけだから、本来、これは100%安全な状態を保つというのが管理職としての私は責任だと思うんですね。
 何か、先ほどの局長の話だと、登山道周辺はいつもパトロールしていると。しかし、今回の落石は登山道から200メートル離れたところから落ちてきたんだということで、何かやむを得なかったと言わんばかりの説明がありましたけれども、私はそんなもんじゃないんじゃないかなというふうに思うんですね。この辺が本当に万全な状態になっていないとするならば、もう最初から「この駐車場は落石の危険あり」と書かなければならない。そういう点、どうなっているのか、安全確保策がどうとられているのか、もう一遍確認をさせていただきたいと。
 先ほどの駐車場の話、どこということだけじゃなくて、それぞれ実績として何台ぐらい期間中に駐車されるという点も、わかるようでしたらお示し願いたいと思います。
 先ほど言った富士宮口か知らんけれども、56万人とかという、人の話をされていたけれども、人じゃなくて、あれは台数で言わないと正確ではないと思うんで、その辺も含めて、そういうところもちょっとお伺いをしておきます。
 それから、安全と言えば、この7月1日に中日新聞がこういう新聞を出しましたよね。富士山安全さく撤去で、気象庁と環境省が綱引きをやっているという、これは例の剣ヶ峰のところに続く、馬の背のところの道にある安全さくですね。気象庁に言わせれば、もうそこでは機能していないんだから、いつまでも管理できないよと、しかもそれはだんだん危なくなってきているよと、だから撤去するんだという理屈はあるんだけれども、環境省は環境省で、それを撤去したらもう大変なことになるよと。この夏が終わったら撤去するという、そういう話のようですけれども、これは環境省と気象庁の話じゃないですよね。まさに、静岡県を含めた富士山に関係する行政機関にとって、そこに来られる方の安全を保障するかどうかの話になるわけですから、これは人ごとではないんではないかというふうに思いますけれども、これについてどう考え、あるいは取り組まれているのか。実際、昨年の1月の新聞には、剣ヶ峰自体が崩落の心配があるんだと。富士山溶岩に亀裂が出ているんだというようなことも言われていました。この点について、どんなふうにお考えになっているかお伺いをしたい。
 それから、もう一つは、富士山というのは大沢崩れが典型で、土石流がしばしば起こるということがあるわけですけれども、それに加えて、確か一昨年の3月末だったと思うんですけれども、富士山におけるスラッシュ雪崩、標高約2800メートルのところから起きたわけですけれども、これによってスカイラインや富士宮口の新五合目の観光施設にかなりの被害が出たという。ひと頃スラッシュ雪崩という言葉があるのかということが話題になりましたけれども、これは実はもう戦国時代から雪しろということで、通常の雪崩よりもはるかに速い土石流を伴って起きてくるという。プロフェッショナルである国土交通省の富士砂防事務所の副所長だとか、そういう方々が新聞の中でコメントを述べておりますけれども、このスラッシュ雪崩を映像で撮られたようですね。このときのやつは撮影に世界で初めて成功したようですけれども、それを見て、破壊力に驚いたと。これは普通の雪崩とはかなり様子が違ったというふうに言われているわけですけれども、こういうのは実はたびたび起きているということで、1976年の3月にもあったんだということですね、33年前。
 もっと前で言うと、1972年の、これは私が当時かかわっているんで知っているんですけれども、清水のろうざんが雪上訓練をやっていた際に、実はこのスラッシュ雪崩が起きたんですよ。当時は、スラッシュ雪崩という言葉がないもんだから、全層雪崩とか底雪崩、要するに雪崩だと。そんな気がつかないのがあった。当時、結構、僕らも問題にしたけれども、実はこれがスラッシュ雪崩だったんだと、富士山における雪崩史上の中でも最大の被害、24人の方が亡くなったということがあったわけね。
 富士山というのは、大勢の人が押しかけるという意味では観光地化されていますけれども、やはりこの自然の猛威というか、敬意というか、恐れというか、そういうものを感じながら信仰につながっていったと思うんですね。
 一つは、火山噴火を静めるということでもって浅間大社がつくられたわけですけれども、やはりこの自然の持つ驚異というか、そういうものに対して恐れを感じながら神がかり的な意味合いをやっぱり僕は感じていたんだろうというふうに思うんですけれども、そういう意味では侮ってはいけない山なんだろうというふうに思うんですね。
 そういう点を本当に考えながら、この富士山の問題というのに私は対処していく必要があるのかなというふうに思うんですけれども、そういった関係する方々が、環境局やら、建設部やら、いろいろあると思うんで、所見をお伺いをしたいと思います。
 それから、世界遺産の登録問題、これも既に大変な、――要するにそんなに簡単ではないということは過日も議論の中でしたわけですけれども、そういう中で、私たちはこれを何とか成就させたいという思いも当然あるわけですけれども、そういう意味では、東名などに3カ所、「富士山を世界文化遺産に」という横断幕を掲げたというのは、それはそれとしていいんですけれども、やはりなかなか難しい問題が幾つかあるという中の一つに、これまで三つの柱だった中に、担当者からもこれは非常にわかりにくいというふうに指摘されたものをやめて、2本の柱にしたと。2本の柱というのは、「信仰の対象」「文化創造の源泉」という、この2本柱にして推薦を受けていこうと、推薦委員会の推薦書をもらっていこうという話になったようですけれども、そういう意味では、もともと県の学術委員会の委員長だった川勝さんが今度は知事になるわけですから、この運動も熱心におやりになるだろうなと、そういうふうには思いますけれども、よく言われるのは、世界文化遺産、よしんば登録が認められたとしても、それはゴールではなくスタートだと。やはり、この富士山を世界文化遺産としてどう100年後にまで守り続けていくのかというようなことの見通しなしに、世界文化遺産になった、それで観光客がたくさん来たということでいいのかと言うと、これはもうかる人はいいですけれども、余りこれがもうからない人は、逆に人が来てごみだけ置いていきやがるという話になっていくわけだから、そういうものを含めて、この周辺の人たちの理解を得るということも非常に大切だということは先ほども議論されておりましたし、私も常任委員会の中でもそんな議論をしたことがあったと思うんですね。
 特に、富士宮の地元の須藤先生がおられますけれども、あの村山口の石畳を整備したり、道路を整備していたけれども、真実性が失われるだろうという理由でやめさせたということで、皆さんがかんかんに怒って、世界遺産なんかどうでもいいじゃないかという話にひところなったようですけれども、その後、いろいろ県の方も努力はされたとは思いますけれども、その辺の住民の理解を得るという点で本当に成功しているのだろうかという点を確認をしたいなというふうに思います。
 それから、環境省と県が連携をするということ、あるいは国に対してもっといろいろ言っていくということは私は大事だと思うんですね。もちろん、今、3番委員が言われたようなビジターセンターの話は、それこそ本来、私は国立公園ですから、国がちゃんとやるべきだというふうに思うんですね。
 いつか私もマウント・レーニアの話を出したことがあると思うんですけれども、富士山とアメリカのマウント・レーニアは姉妹関係になるとかならないという話がひところあったんですけれども、どうも最近、消えてしまったようですけれども、聞いてみると、環境省の富士山対応の役人というのは2人しかいないと、ところがマウント・レーニアは面積的にも規模的にも同じなのに、向こうは300人のレンジャーがいるんですね。私もビジターセンターへ行きましたけれども、本当によくできたビジターセンターです。国がやってくれないなら県でやってくれよという話も来ているようですけれども、去年の10月ですか、地元の自治体からも来ています。
 私は本来のあるべき形としては、国がやっぱり責任を持つべきだというふうに思うんですけれども、その辺の働きかけはどうしているのか、あるいは今、そういう地元の市町から出ている要望に対して、県としては、それじゃあそれを国がやらないなら県がやるということなのかどうなのか、その辺もいま一度お伺いをしておきたいというふうに思います。
 それから、もう1点、世界遺産登録におけるいろいろな隘路がありますよね。それは今、一つは、ユネスコ関係者が言っていたような、周辺の神社や洞窟の普遍的な価値が伝わりにくいという問題点の指摘があったということで、これを省いたわけですけれども、それ以外にもユネスコ関係者が言っている話の中に、すそ野で自衛隊の演習がやられているということにも触れて、これは破壊行為ではないかという疑問を示したというふうに言われていますよね。
 岩窟委員会の中でも、この辺の整理をつけていく必要もあるんじゃないかという議論になったというふうに私は聞いているんですけれども、本来、世界遺産というのは、むしろそれを通して環境保全をする、あるいは平和を施行するというのが基本的な視点なんですね。それからすると、およそそぐわない形のものがそこにあるというあたりが、せっかくカウントされるところまで来たけれども、実際の登録というのはなかなか難しいんじゃないかという根拠に私はなっているような気がしますので、その辺についてもどうなのか、お伺いをいたします。
 それから、もう1点、世界遺産に絡んで、富士山の入山規制というのも必要になってくるんじゃないかなというふうに思うんですね。確かに世界遺産登録で入山者がふえるということは、それはそれとして、ある意味、観光客としてとらえればいいことなのかもしれませんけれども、富士山自体を本当に守っていくという点ではどうなのかということ。山梨県側は入山料を取るとか取らないとかという話が前から出ていますが、静岡県は入山料を取る気はないけれども、山梨県がやるなら勝手におやりくださいという姿勢だというふうに新聞報道では承知していますけれども、そういうことなのかどうなのか。やっぱり、実際に私は入山規制というものも必要になってくるんじゃないのかなと。
 これは、きょうの新聞です。エアーズロック、これはオーストラリアのすごい岩山がばーんとある。ここはもう毎年35万人の観光客が訪れて、うち10万人以上が山の中に入っていると。しかし、ここはアボリジニの聖地だと。そういう意味では、1985年に所有権がアボリジニに、――現地住民に返還されているということで、オーストラリア政府も18カ月以内にエアーズロックへの入山を禁止するということを決めたようですね。こういう流れというのは、私はやっぱり世界遺産の場合にはあり得るんじゃないかというふうに思うんですね。
 ニュージーランドのマウントクックは、マウントクック国立公園以外の三つの国立公園を合わせて世界遺産になっていますけれども、あそこの場合にも、アボリジニかどうか知らないけれども、ニュージーランドの原住民の人たちが土地を持っていて、そこを世界遺産に登録するかどうかのときにその人たちが、これ以上の施設をつくるようだったら反対だというふうに言っていたそうですね。結局、それはありませんと、今までどおりのアコモデーション以外はつくりませんということを前提にして認められたということですね。だから、今でもマウントクックの国立公園内には120人しか定住者はいないというふうに言われていますけれども、私はやっぱりこれがあるべき形だと。
 だから、世界遺産の問題と観光客を富士山に寄せてくるということとは、実際には結構矛盾が起きてくるんじゃないかと。その辺を本当にとらえて世界遺産の話になっているのかなという点を私は確認をしたいなと。
 それから、し尿だとか、そういう問題については、先ほどの説明で完全に解決されたと、24カ所の山小屋が全部トイレをつくったんで、大丈夫だと、バイオトイレをつくったから大丈夫だと。しかし、これを見ると、バイオトイレばかりじゃないように、トイレの形で見ていると思うんですけれども、それはともかくとして、去年の12月に富士山憲章10周年のシンポジウムがありましたよね。あのときに、登山家の田部井さんが講演の中で、富士山のし尿の問題をわざわざ触れておられましたけれども、さっきの話を聞いていると、もう全然問題ないよというふうに聞こえるんだけれども、なぜ田部井さんはそれを問題にしたのかなというふうに思いますので、その辺もちょっとお伺いをしておきたいと思います。

○森委員長
 答弁の前に10分程度の休憩をとります。
 暫時休憩します。
 再開は2時40分といたします。

( 休 憩 )

○森委員長
 それでは、休憩前に引き続きまして、会議を開きます。
 御答弁をお願いいたします。

○丸山県民部長
 それでは、私から2点、一つは、環境省の方でビジターセンターを本来設置すべきではないか、その働きかけについてという御質問でございますけれども、これについては、確かに委員おっしゃるとおり、文化財という指定をされていることと、もう一つ、国立公園内であるということからすれば、おっしゃるとおり、国が設置するという考えが当然出てまいります。そんなことで、環境省で箱根には、富士山箱根伊豆国立公園を設置しているという経緯もあろうかと思います。
 そういう意味では、我々の方で、先ほど申し上げました、どんなビジターセンター的なものを用意していくかということの議論とあわせて、例えば国立公園的なものについての情報提供は、やはり環境省の方でつくった方がいいという議論は当然出てまいると思います。その辺も含めて、それは議論をしていきたいというふうに、当然環境省に働きかけも考えているということでいきたいと思います。
 ただ、環境省の方としては、富士・箱根・伊豆それぞれの地区に一つずつつくるということが果たして簡単にできるかという問題があろうかと思いますけれども、一応、推移としてはそういう話ですので、そういう議論はしていきたいと思っています。
 それから、もう一つ、入山料、入山規制の話でございますけれども、これにつきましては、確かに先ほどのエアーズロックの例、それからあと国内で言いますと、白神山地ですとか、あるいは屋久島、それから世界遺産ではありませんけれども、尾瀬とか、いわゆる特に非常に弱い自然を保護していくという性格を持ったところにおいては、これは本当に重大な問題だというふうに思っています。
 それから、文化遺産の方で言えば、例えば石見銀山なんかも観光客がどっと来て、生活にも支障が出て、バスの方式を変えたとかというような議論も当然出ています。
 ですから、世界遺産を登録するということに必ずこの問題はついて回りますものですから、我々としてもこの入山料の話、今は山梨県の方で富士吉田市長さんを初め幾つか声は出ております。しかし、その後、いろんな意見を考えますと、簡単に決着がつくというふうには思っていないので、我々の方としてもこれはある意味では重大な課題だというふうに認識をしております。山梨県、それから当然地元の利害関係者、その辺とこれはいずれ大きな課題になってくるという認識がありますので、そこはきっちりと整理をしていかなければいけない問題だというふうに思っております。以上です。

○日吉建設部道路保全室長
 富士山の各登山道の駐車場について、お答えさせていただきます。
 富士宮口は県が管理しておりまして、550台の駐車が可能です。また、御殿場口に関しましては、御殿場市が管理しておりまして、500台の駐車が可能です。それから、須走口に関しましては、小山町が管理しておりまして、200台の駐車が可能です。
 また、駐車総数ですけれども、ちょっと調査はしておりませんので、資料はございません。
 また、安全対策ですけれども、富士宮口に関しまして、県で管理しておりますので、安全対策はとっておりましたが、昨日のような想定外の石が落ちまして、ああいう不幸な事故になりました。早急に安全対策を再度検討してまいりたいと思っております。以上です。

○堀県民部自然保護室長
 私からはスラッシュ雪崩で被害等が出ると、そのことにどういうふうに考えるかということと、し尿問題の2点についてお答えいたします。
 まず、スラッシュ雪崩の件でございますが、先ほど9番委員からの御指摘もございましたように、落石等の危険というものが私たちのところで発行したパンフレット等には記載がございませんでした。
 また、今、7番委員からもスラッシュ雪崩の危険があるというふうな御指摘もいただきましたので、落石の危険、それからスラッシュ雪崩の危険等、いろんな自然災害等があると思いますので、その辺、またもう少し精査しまして、必要なものをパンフレット類に記載をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、し尿の問題ですが、平成18年に一応トイレの方の関係、山小屋等のトイレについて調査をいたしました。その結果、あふれるというふうなことは18年当時もございませんでした。
 あと、昨年、平成20年に私たちの方で少し調査をしてみましたら、一日の処理能力というものをオーバーするトイレも何日か出てきたわけでございますが、トイレの構造がその処理能力以上になった場合は、貯留するタンクを別に設けてございます。そちらの方へ一時的に貯留をするということで、また平準的に処理をするということでございます。トイレ自体が人数が多くて処理ができなかったというのは今のところ出てございません。ただ、これからもまた登山者数等がふえてきますと、トイレの許容量というところでいろいろ問題が出てこようかと思いますので、その辺は十分トイレの状況等を見ながら、またいろいろ検討してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。

○大野県民部世界遺産推進室長
 私からは、世界遺産に関する御質問のうち2点についてお答えをいたします。
 まず、地元理解の調整でございます。
 以前、花井委員から御質問がございました、村山古道についてどうなったのかというのが御心配のようでございますので、まずこれについてお答えをいたします。
 村山古道につきましては、これを富士山世界文化遺産の構成資産にするかどうかという議論がございまして、これの調査が終わるまで石畳の整備は待ってほしいということで、県、それから富士宮市から地元にお願いした経緯がございます。
 そこで、昨年度、現地踏査等を行いまして、これが確かに昔からの古道かどうかという調査を行いましたが、残念ながら線としてたどることができませんでした。点としては幾つか残っておったんですけれども、線としてたどることができないということで、文化庁もこれを構成資産に含めるということはちょっと難しいんではないかと、こういう結論が出たところでございます。
 したがいまして、今、地元の方々が整備されている石畳をさらに整備することは基本的にいいよということを文化庁から言われましたが、ただ1点、今、村山浅間神社を史跡富士山という形で国の文化財指定を受けることになっています。その範囲をどこまでにするのか、今、復元されている石畳をその中に入れるのかどうかというのが文化庁と協議事項になっていますので、もう入れないということであれば、地元の皆さんが石畳を整備していただくことは構わないと。もし、その指定地の中に入れるのであれば、また文化庁の許可等をいただかなければいけないと、こういう問題がございます。
 いずれにしましても、今、その指定地をどこまでするかということを地元の皆さんと協議中でございますので、その結果をもって地元の皆さんにまたお伝えをしていきたいと思っています。
 地元理解というのが大変重要であるということは、先ほど須藤委員からも御指摘がございまして、私どもも本当に頻繁に地元に出向いて説明会をやらせていただいております。中には区長のお宅までお邪魔して説明をさせていただいているというような例もございますので、今後ともひざを突き合わせて地元の皆さんの十分な理解のもとに登録を進めていきたいと考えておりますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
 それから、もう1点、演習場の問題でございます。この演習場の問題につきましては、ユネスコの作業指針というのがございまして、その中では、近くに軍事施設があるということで世界遺産の登録ができないという規定はありませんが、先ほど委員から御指摘の件は、今後、ユネスコとか、諮問機関であるICOMOSでこの問題が議論されるということは当然想定をされますので、現在、私ども静岡県と山梨県で文化庁に対しまして基地の現状、今、どういう使われ方をしているのか、あるいはどんな、――先ほど委員からの御指摘の――破壊行為が行われているのか、こうしたものを説明したところでございまして、文化庁では近く、こうした両県の状況を踏まえ、防衛省、あるいは外務省と協議をしていただくという形になっています。
 その中で今言われていますのは、演習場は完全に富士山世界文化遺産の範囲から外してしまうというのが一つ、それからもう一つは、緩衝地帯に入れるということ、それから緩衝地帯ではないけれども、何らかの形でそこは富士山の自然が守られているところですよという説明にするのか、その3通りが考えられまして、今、その3通りの方法について、文化庁が防衛省、外務省とこの協議をしているというふうに聞いております。以上でございます。

○水野県民部政策監
 私からは、富士山頂の剣ヶ峰の安全さくについてお話を申し上げます。
 先ほど、委員の方から、安全さくを撤去されるんではないかというお話で御懸念がございましたけれども、環境省の担当サイドから聞いておりますところによりますと、現時点でこのさくを残していただく方向で調整が進んでいるというふうに聞いているところでございます。
 それと、最後に私自身が富士山に登ったかという御質問でございますけれども、平成元年度に一度登りまして以来、まだ登ってございませんので、この夏には登りたいと思っております。以上でございます。

○花井委員
 駐車場の話は、まず水ヶ塚駐車場、要するに富士山大砂走りを便利にするということで、臨時バスが運行しますよね、8月の間にね。そういう駐車場もあそこの公園の駐車場だと思うんだけれども、それも含めて、まず3カ所か4カ所かなというふうにちょっと思ったんですが、一応、今、3カ所の駐車可能台数についてはお話がありましたけれども、私がさっき申し上げたのは、これまでどのぐらいの方が利用されたかというのを統計がとってあれば示していただきたいというふうにお話をしたわけだけれども、要するにお答えがないということは、そういうものは一切とっていないということでいいですね。
 いいですねというのは、とりあえず答えられないということを確認しただけの話であって、私はそういうのをしっかりとっておかないといけないというふうに思うんですよね。しかも、そういう危険が全くないのかどうかということも含めて、やっぱり当局としては、そこに来るお客様の安全をしっかり守るという責任があるわけですから、そこら辺については局長の方で御答弁いただきたいというふうに思います。
 それから、安全さくの撤去の話ですけれども、新聞に環境省はそういうふうにお願いをしていると、そう書いてあるから、そのとおりですよ。環境省は登山者にとって必要だと言っているんだから、今、水野さんがおっしゃるとおりのことを言っているんだよ。言っているけれども、気象庁はもう必要はないんだから、気象庁のお金は使えないよと言っているんだよ。気象庁がそうだったら、かわりに環境省が私がやりますよと言うんだったら、私はそのぐらいならわかりますよ。環境省は、そういう方向で折衝をしているとか、調整をしているなんていうことを間に受けるんだったら、この範囲を超えていないし、それじゃあやっぱりいけないんじゃないかと。やっぱり、県としてもしっかりかかわっていく必要があるんじゃないかと。
 さっきの話もそうですけれども、結局、環境省は富士山のこの関係でたった2人しか配置していない。さっき、マウント・レーニアの話をしましたけれども、あそこではレンジャーは300人置いてある。そういう違いというのは明々白々で、やはり国の姿勢が私は問われるということも含めて、――丸山部長はさっきビジターセンターのことではちょっと言われたけれども、――もっと国に対してしっかり国立公園の管理者としての責任をとるように私は要求していくことが必要ではないかというふうに思いますけれども、部長にもしお答えがいただけるようでしたら、お答えをいただきたいなというふうに思います。
 それで、富士山の世界遺産登録の話ですけれども、確かに軍事施設が近くにあったらだめよというふうには書いていないんですよ。実際、さっきちょっと例に出したマウントクックの場合で言うと、さっきも言ったように四つの国立公園ということなんだけれども、そのうちの一つには空軍の飛行場があるんです。だから、全く認められないということではないと思うんだけれども、ただ富士山の場合には演習場なんですよ。富士山に向かって破壊をしていると、だからユネスコの人があれは破壊をしているんじゃないかと、環境保全だとか、自然を守っていくだとか、そういうこととはちょっと違うよということが指摘されたというふうに思うんですね。
 だから、先ほども申し上げましたように、暫定でリスト入りはしているけれども、正式登録には本当に黄色い信号が灯っているという最大の問題は、――「火山」「信仰」「文化創造」という三つのラインから火山は抜いたという意味では、ここはもうクリアしたと思うんだけれども、――この残る演習場で富士山を攻撃しているというふうに、破壊をしているというふうに見られているという部分というのをしっかりやらないとなかなか難しいんではないのかなというふうに思います。
 それから、し尿の話について、将来、登山者がふえればまた検討しなければならないかもわからないけれども、今は何とかなっているよというお話だったと思うんですけれども、だからこれは非常に難しい問題だなと。さっきも言いましたように、観光という意味で言えば、これはたくさん来てもらいたい。しかし、一方で富士山を守っていくという世界遺産の本来の筋からすると、これ以上の入山というのはかなり規制をしていく必要もあるんじゃないかと。
 その辺がどっちになるかわかりませんけれども、結果的に今までの傾向で言ったら、日本の場合には、富士山にしろ、よそにしろ、多分世界遺産になるとかというだけで来始めるんだから、なったとなるともっと来るんじゃないかというような、そういう懸念はすぐ浮かんでくるわけです。だから、田部井さんもそういうことをおっしゃっただろうというふうに私は思うんですけれども、そういう点で、去年、私、スイスへ行って、アイガーの地元のグリンデルワルトと、それからマッターホルンのツェルマットと、それからモンブランの3カ所にちょっと行ってきたんですけれども、よく考えてみたら、1世紀も前から登山電車がかなり高いところまで登っていくんだよね。そこではし尿をどうしているのかということで、僕は聞いてみたんですよ。そうしたら、びっくりしました。パイプでもって直接汚水処理場へ運んでいるんだよ。山の地下を通すんです。かかっている金は、僕らがトイレだとかで言っている金額の何億円なんていうものの範囲内にあるんだよ。僕は、それをびっくりしたんですよ。そんなに安くできるんだったら、日本でもやればいいじゃないかと。日本の方が、ある意味、鉄道にしろ、そういう水処理にしても進んでいるはずなのに、例えばユングフラウヨッホの場合には、クライネ・シャイデックから下はほぼ直線でグリンデルワルトの汚水処理場まで地面の下をパイプが通っていますということなんですね。正確には、標高差は2544メートル、パイプの長さは25キロメートルだそうですけれども、確か金額は、ちょっと私聞いたんですけれども、そのときの印象はそういう印象でした。幾らというのは、ちょっと不正確だと言えないんでね。
 世界じゅうには、そういうびっくりするような、世界自然遺産の山の中には、そういうふうにしてクリアしているところがあるわけですよ。私、そういうものも研究した方がいいんじゃないかなと。何か、山小屋のところでもって、ある程度の処理ができると、これも大事ですけれども、今言うように、それ以上の方が来られたらもうあふれちゃうということではなくて、そういう汚水処理についてはしっかりやられているという、そういうケースがあるわけですから、私はそういうものも学んで対応していくということが必要なんじゃないかなと。大野さんに答えろとは言いにくいから、大野さんか、水野さんか、どっちでもいいけれども、それぐらいの腹構えで、今度の知事は、やる気満々のようだから、それぐらいのことはやればいいと思うんだけれども、まずは役人である皆さん方がその気になることが一番大事だというふうに思いますので、その辺をお答えいただいて、終わります。

○梅田建設部道路局長
 駐車場の実績の記録というようなことでございます。
 実は、駐車場につきまして、マイカー規制の日には職員が行って監視をするもんですから、そういった状況というものをよく把握できるわけでありますけれども、ふだんにつきましては管理者がいないという状況でございます。
 先ほど、三つの登山口、御殿場市、小山町、県というふうに三つ管理者がございますので、両市町と協議いたしまして、その辺について検討してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。

○丸山県民部長
 剣ヶ峰の安全さくの件につきましてですが、先ほど水野政策監の方から答弁をさせていただいたんですけれども、聞いておりますのは、環境省の方からの情報ではあるんですけれども、実はあの記事が出た後、気象庁と環境省が協議をいたしまして、その中で、これについては残していくという方向でといいますか、一応の結論を得たというような情報が入ったということでございます。いずれにしてもそこは大事な問題でございますので、きちんと確認をして、現状、どういうふうな整備になっているかということを調査したいというふうに思っています。以上です。

○石野県民部環境局長
 し尿処理に関連してでございます。
 確かに、今のし尿施設の中でピークを超えると少し厳しくなるという状況にありますので、これが世界遺産に登録されてお客さんが来るということになりますと、一つの方向性としては何かを規制しなければならないということになります。そういったときに、本格的にかなりのお客さんが来ても耐えられるような施設を公的機関でつくるということも一つの工夫だと思います。
 一方、実は世界遺産に登録された場合には、やはり登る方のマナーということも大切ですので、場合によりましたら、携帯トイレを持参するということまでも含めまして、今後、費用対効果もあわせまして、あるいは先進的な事例をかなりいろんなところでやっていると思いますので、そういったことを調査・研究した中で対応していきたいと思っております。以上でございます。

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