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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成27年9月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:平賀 高成 議員
質疑・質問日:10/06/2015
会派名:日本共産党静岡県議会議員団


○平賀委員
 日本共産党の平賀高成です。
 私は、一問一答方式でお願いします。
 最初に、産業委員会の提出案件の概要及び報告事項の中から、幾つか伺いたいと思います。
 第115号議案について、長泉町に静岡県医療健康産業研究開発センターを設置するために、施設の設置、管理及び使用料に関する事項について定めるための条例の制定について質問いたします。
 提出案件の概要及び報告事項によりますと、テルモ株式会社は月316万4700円の使用料を払って、年間3797万6400円、10年間では約4億円近くの使用料になります。指定管理者には、5年間で2億7530万円を払うとなっています。何を基準にしてこういう使用料になるのか、建設費も幾らかかっているのか、社会資本だということで、これは建設費用まで全部回収するということじゃなくて、維持管理費さえ回収できればいいと考えているのか、それとも全部回収していこうと考えているのか、この点についての根拠を聞きたいと思います。

○水口新産業集積課長
 御質問のありました使用料に関する積算の考え方でございますけれども、使用料に関しましては、リーディング機関研究開発生産施設または地域企業開発生産施設ということで使用料をいただくという形になるわけですけれども、基本的な使用料の考え方としましては、建設に係る経費を耐用年数を考慮して割り込みをさせていただきまして、その上でその使用する面積、例えばテルモ株式会社であれば、その使用する面積があるわけですけども、その面積を占有する面積ということで、面積に応じましてまた割り込みまして使用料を算出しているということになります。
 もう少し具体的に申しますと、校舎、体育館、3棟の新築する建物がございますけれども、それぞれ建設するのにかかった費用をもとに耐用年数を考慮して平米当たりの使用料を算出し、その上で、変電施設とかは棟ごとに分割できないものもございますので、そういうものは共通経費としてそこにオンする形で、総じて使用料を算出しているという形になります。

○平賀委員
 これは、建設費も含めてしっかり回収するという方向だということはよくわかりました。
 それで2つ目に、けさこの議案を見ていましたら、提出案件の概要及び報告事項の28ページに利用料金は指定管理者の収入にすると書いてありまして、そうしますと施設を貸し出して利用料金は全部指定管理者に入っちゃうということになると。じゃあ県には収入が入らないのかと思えて、ちょっと説明を聞きましたら、使用料と利用料金の2種類があるんだというお話でありましたけれども、なぜ2種類に分けるのか、何かメリットがあるのか、この点について聞きたいと思います。

○水口新産業集積課長
 御指摘のとおり会議室は利用料金、そのほかの施設につきましては使用料という形で定義をさせていただいています。会議室は、指定管理者が施設使用の承認をして、指定管理者の収入という形になってまいります。指定管理者の経営努力によるサービスの向上または利用者増の期待、そういうものから、会議室については利用料金とさせていただいております。要はインセンティブによりまして収入をいただくという形で利用料金とさせていただいています。
 その他の施設、これはリーディング機関の施設であったり地域企業開発生産施設、そちらの施設は県が許可をする形になります。使用料として指定管理者ではなく県の収入といたします。指定管理者には徴収業務を負っていただく形になります。リーディング機関研究開発生産施設または地域企業開発生産施設、研究開発室は、規模も大きいということもございます。また貸し出し期間も非常に長く、5年であったり10年という形になりますので、また指定管理者の経営努力によって入居率が左右するものではない施設ということも認識してございまして、そういうことから利用料金とせず、県が使用の許可をすることとして、使用料とすることとさせていただいております。

○平賀委員
 もう1つ、主要事業概要を見ますと、開設は平成28年3月からということで、今年度はその3月分の1カ月分を予算化しているというのがあって210万円。それで、210万円で指定管理者がその施設を管理するということになりますけど、大体人件費でいっても30万円とか、40万円とかかかると思いますけど、これは大体何人ぐらいで管理するということになるんですか。

○水口新産業集積課長
 経費的には、基本的に1カ月分に当たる3月にかかる費用として210万円を計上させていただいております。どのくらいの人件費がかかるかということでございますけども、基本的には、最終的に指定管理者が事業計画に基づいてどの程度の人を配置するかということで決まってくるかとは思いますけども、まだフルオープンではないものですから、まずは私どもの想定としては2人程度の配置をさせていただくということで予算を計上させていただいているということでございます。

○平賀委員
 それだけ大きな建物を2人で管理するというのもなかなか難しいのかなという思いもありますけど、説明はよくわかりました。

 それから、提出案件の概要及び報告事項の33ページの県制度融資の状況について伺います。
 この資料では、平成27年8月の制度融資の利用状況は2,399件、186億円であり、前年同期比で件数が13.4%減少し、金額で2.8%増加しているということです。さらに産業成長促進資金、これは3件、54億円を加えた県融資制度全体では2,402件、240億円と前年同期比で件数が13.3%減少し、金額が32.6%増加しているとなっています。産業成長促進資金、これは大口が3件あったものですから、これがなければ368件減少して金額も186億円ということになって、結局、件数も融資額も減少となってしまうのではないのかなと。それぐらい今、県内の経済状況も厳しいのかなと理解しているんですが、どうでしょうか。

○鈴木商工金融課長
 制度融資の8月末の累計でございますが、産業成長促進事業を除きまして、制度融資ではプラス2.8%、金額比で増になっておりますので、ここ数年、リーマンショック以後、制度融資の実績はかなり落ちてきてまいりましたが、本年度、特別政策資金につきまして、所定金利方式を導入するというような制度改革を行いましたので、そういった意味では特別政策資金を中心に利用がふえてございますので、下げどまってきたかなと考えているところでございます。
 さらに、産業成長促進資金につきましては本年度からということで54億円使われておりますので、それを合わせますと、これを足しても増加に転じてきているということです。利用の減少に歯どめがかかりつつあるかなと考えております。

○平賀委員
 次に、提出案件の概要及び報告事項の19ページの経営感覚にすぐれた担い手の育成についてというところで、企業的な農業経営を実践する経営感覚にすぐれた経営者を育成するために、経営の発展段階に応じた経営講座を開催するとあります。私自身も確かにこういう取り組みが重要だなと思っています。毎年、この取り組みの中で新規就農者が300人を超えるというような状況にありますけれども、こうした新規就農者の方々は順調に成長しているんでしょうか。

○細谷農業振興課長
 新規就農者のうち、定着のことでお答えいたします。
 新規就農者はここ毎年300人ほどおりますが、これを全部追跡調査できておりませんが、例えば、国の青年就農給付金を平成24年度から使った方が270人ぐらいおります。この方たちの現在までの営農状況を調べてみますと、270人に対して離農した方はわずか2人ということになっております。同じく、県の1年間のがんばる新農業人の研修事業もやっておりますが、こちらの事業を使って平成16年度から就農した方が108人、ニューファーマーでおりますが、この方たちの現在の営農状況を見ますと106人の方が営農を継続しているということで、実際に新規就農者のうち、みずから営農を開始した方というのは比較的地域に根づいて、営農を継続していると考えております。

○平賀委員
 ちょっと心配をしていましたけども、そういう報告を聞いて安心しました。

 それで、提出案件の概要及び報告事項の15ページで、最近の雇用情勢について伺いたいと思います。
 県の平成27年8月の有効求人倍率が1.18倍で引き続き1.1倍台で推移しておりますが、国が公表している就業地別の有効求人倍率では、本県を就業地とする有効求人倍率が1.26倍となっておりまして、昨年1月以降は全国値を上回る水準で推移しているとなっています。この資料では全国平均を超える有効求人倍率となっていますが、正規、非正規の割合がどうなっているのか、聞きたいと思います。

○尾上雇用推進課長
 労働局では正社員の有効求人倍率という形で算出しており、非正規という形では算出されていません。本県8月の正社員の有効求人倍率が0.72で、前年同月に比べて0.05ポイント改善しています。この正社員の有効求人倍率というのは、労働局の注釈がありまして、正社員の有効求人数をパートタイムを除く常用――常用というのは4カ月以上の雇用ということで――を望む有効求職者数で割って算出しています。パートタイムを除く常用の有効求職者の中には、派遣労働だとか、契約社員だとか、そういうものを希望する者も含まれているので、厳密な意味での正社員の有効求人倍率よりは低い値になっていることを労働局も言っておりますが、今のところ8月では0.72ということでございます。

○平賀委員
 私は、いろいろこういう指標を見ますけれども、やっぱり働く人たちの中でも全体の4割が非正規の雇用だという状況があって、いろんな方とお話ししましても、やっぱりいかに非正規の雇用が深刻な状況になるのかと。いろんな方がいますけども、先日も40歳代でまだ未婚で、結婚できていなくて、家族も本当にこの先一体どうなるのかと。ただ1年ほど前にようやく正社員になれて、何がびっくりしたのかといったら、ボーナスが出たというのが非常に大きな喜びとなって受けとめたんだと言われておりました。ですから、ただ雇用されればいいということじゃなくて、やっぱり雇用は正社員が当たり前という、こういう立場でぜひ頑張っていただきたいと思います。

 それでは、大きな2つ目にアベノミクスの経済情勢について篠原経済産業部長に見解を伺いたいと思います。
 アベノミクスの見解については、通常国会が終わりまして、記者会見で安倍首相は、もはやデフレというような状況ではないと、こういう形で胸を張っておりました。しかし、その日に総務省が発表した8月の全国消費者物価指数は前年同月比で0.1%下落してマイナスに転じたということです。日銀が異次元の金融緩和を実施した、2013年の4月以来、2年4カ月ぶりにマイナスになるということです。日銀の異次元緩和というのは物価を2%程度上昇させるということを狙って導入したもので、アベノミクスの3本の矢の1つになっています。この間、消費税増税と円安による物価上昇で消費者物価はプラスを続けてきたものの、2年半で振り出しに戻ったということになります。
 アベノミクスが想定していたのは、金融緩和で企業活動を刺激して、企業の利益を上げて、そして賃金を上昇させて物価が持続的に上昇するという、この循環をつくっていこうといったときに、しかしこの間の実績は、デフレからの脱却が失敗したということを私は示していると思います。
 戦争法案を強行した安倍首相は、今度は突然、新3本の矢ということで、強い経済、そして子育て、社会保障、こういう内容を打ち出しておりますが、その際、旧3本の矢については、成果のまともな検証なしに突然こういう問題を持ち出しているわけで、やはりこれは目先を変えていこうということだと私は思っているわけです。
 異次元の金融緩和を続ける日銀は、物価の基調はしっかりしていると、こういうことを言っておりますが、今回、物価が下がったのはエネルギー価格の下落が主因だということでありますが、一方、食料品や日用品は上昇していまして、私たちにも直接影響がある、例えばジャガイモが33.5%値上がりしたとか、キャベツ29.2%、枝豆24.2%、ピーマンが23.5%、チョコレート18.5%。こういうふうに旧3本の矢は破綻をしているわけですが、しかし私たちの家計には痛みが続いていると。それで3年間の安倍内閣の実績は、一言で言えば家計を犠牲にし、大企業には過去最高の利益というものだと思います。
 雇用では、正社員より賃金が低い非正規の雇用ばかりがふえて、賃金水準全体を押さえつけました。非正規の雇用は安倍政権発足のときと比べると178万人ふえて、逆に正社員が56万人減ということになりました。その一方で、大企業の経常利益は2014年度は37.4兆円で、過去最高を更新しました。さらに内部留保は299.5兆円で300兆円の大台に迫ったと。
 それで、こういう状況を見ておりまして、やっぱりやればやるほど景気が余りよくなっていかないのではないのか、私たち国民の生活もなかなか大変な状況になっていると思いますが、その点について篠原経済産業部長の見解を伺いたいと思います。

○篠原経済産業部長
 ただいまの質問につきまして、アベノミクスの評価についてはいろいろなところでいろんな議論がされております。デフレが20年間以上続いていて、それを解消するというのはそんなに簡単ではないと思います。今、金融政策もやっていただいておりますし、ただ、みんな、我々もですけども、いろんな県の仕事もやってきて、県としては多極的な産業構造――今まで製造業だけに集中化していたのをいろんな産業を育てて、県民の力、あるいは県にいろいろある地域資源を活用してやっていこうということでやって、私は国とも歩調は合っていると思っております。
 それから、雇用についても、産業構造の問題もありまして、若干国の数字よりも低くはなっておりますけども、1.1倍台ということで相対的には雇用についてもある程度改善はしていると思います。
 内容につきまして、やはり我々としてはいろんな施策を積んで、いろんな高収入といいますか、生産性を上げていただいて、そういうものに結びついているような政策を進めていくことが必要だと思っております。

○平賀委員
 ありがとうございました。
 今言われたように、そういう今の経済情勢は何とかいい方向に改善を図る方向で対応していきたいというふうに受けとめました。私もやはり今の県政の景気や経済を考えた場合に、やっぱり働く庶民の所得をふやすという方向に大きく支援をしていくことが大切だと思っておりますので、ぜひそういう立場で頑張っていただきたいと思います。

 次に、県内の農政について伺いたいと思います。
 TPPの閣僚交渉で、けさのニュースでは大筋合意とされたと大きく報道されています。日本にも安い農作物や乳製品などがこれからどんどん入ってくるということになりますが、その中で、静岡新聞でも8月7日付夕刊で食糧自給率が5年連続で39%と報道しています。安倍内閣は自給率の目標をこの3月に従来の50%から45%に引き下げましたが、この数字も大きく割り込んでおりまして、農政の一段の見直しが求められそうだと書いています。
 その中で、県内の実際に米づくりをやっている農家の人たちの声を伺いますと、やっぱり1つは生産費に見合った価格補償制度を確立して、県の主要な農産物についても価格補償があれば安心して米をつくることもできるし、収入も安定すると。米の生産費の1万6000円を下回ったときも補償されないわけですから、以前は民主党政権のときには価格補償を言ったこともありましたが、米の大農家がやっていけなくなっているというのが今の現状だと思います。
 米価の農協での買い取り価格は、今1万円という状況ですけれども、10年前は1万5000円、さらに30年前は銘柄にもよりますけれども2万円という状況のときもありました。何とか価格補償制度といいますか、それを支援する、こういう政策はないのかということを伺いたいと思います。

○岡茶業農産課長
 おっしゃるとおり、国内産の米の価格が下がってきているわけですけれども、そういった中で国はならし対策ということで、過去5年間の平均から出した価格を一定程度下回った場合に、それを補償するということを、これは国のお金と生産者みずからが基金といいますか、そういったものでやっております。
 こういった中ではやっておりますけれども、やはりTPP等もある中では低コストでいかにやっていくかということを一層支援することも重要かと思っています。そういう中では、静岡県内、大分大規模経営といいますか、そういったものも進んでおりましてかなり効率的な経営があらわれております。20ヘクタールを超えるような経営で低コストで省力的にやっていくと。あるいは、付加価値をつけたお米、静岡県はお米はどちらかというと移入県でありますので、自給率は低いといいますか、県内で消費されていく。そういう中では、御殿場のコシヒカリ、あるいは、森町のコシヒカリといった、ある程度の価格でも取引されるような銘柄も出てきております。そういった支援や、先ほど言いましたように、省力化の経営体の育成と、それからブランド化といったものを進めているところで、一層こういった方向を進めていきたいと思っております。

○平賀委員
 ありがとうございました。
 やっぱり価格が安定するといいますか、生産することが引き続きできるというような、そこへの支援ということをぜひ考えていただきたいと思っています。

 それから、農政問題で2つ目に農業機械の購入が農家にとっては大きな負担になっております。田植え機やコンバインは共同で購入するのでいいですけれども、しかし使う時期が同じなものですから、結局のところ個人で購入せざるを得ないという状況になっています。農業機械というのは、大体小さなものでも200万円か300万円、大きなコンバインですと1000万円ぐらいかかるわけですから、60歳代、70歳代の農家で実際に機械が壊れたら、これが自分たちの農業のやめどきかなという状況があります。この農業機械の購入について、何とかそれを支援するような制度とか、本会議の一般質問で中古の農業機械を1カ所に集めて新たに再販売するとか、リースするとか、いろんなことが検討されているということを伺いましたけれども、この点について有効な対策などがあればぜひ聞かせていただきたいと思います。

○細谷農業振興課長
 農機具の購入に対する支援ということでお答えいたします。
 本会議で農機具バンクについて篠原経済産業部長から答弁させていただきました。このときには、新たに就農する方にとって設備投資が多額になってなかなか営農継続が難しいということで、農機具バンクというようなものを検討していくということでお答えさせていただきました。
 今、御質問いただきましたように、新規就農者が農機具を買うときの支援ということで私のほうからお答えさせていただきますが、現在、新規就農するときには青年等就農計画という5カ年の計画を立てて、それを市町村長が認定して参入する、農業に新しく入るという方がふえております。この計画をつくるときに、各市町の担当者、それから県の農林事務所の職員、さらにはJAの担当者がその経営計画を検討してまいります。この中で投資額が削減できる方策はないかということを具体的には検討しています。
 実際にどういった策が用意されているかといいますと、1つは国の補助事業である経営体育成支援事業がございます。こちらは農業機械等の事業費の10分の3まで補助できるという制度になっております。さらに補助金ではありませんが、一般的な運転資金、修繕等も含めた運転資金につきましては無利子の資金である青年等就農資金といったものが用意されておりますので、計画をつくる中でこういったものを使ってどうやって投資を減らしていくかということを検討してもらっています。ちなみに経営体育成支援事業の利用者はここ3年で28人、それから青年等就農資金のほうは3年間で81人の新たな新規就農者に活用されております。

○平賀委員
 いろいろそういう支援策で頑張っていただいているということがわかりますので、ぜひ引き続き頑張っていただきたいと思っています。

 それでもう1つ農政問題で伺いたいのは、米の価格補償の問題では少なくともならし補償とか、そういったものがあるわけですが、ただ野菜などの問題についてはなかなか価格補償の制度そのもの、セーフティーネットがないわけで、この点で農家の支援になるような制度は何か考えられているんでしょうか。

○内藤組合金融課長
 6番委員の御質問にお答えいたします。
 台風とか大雨等の自然災害等で農家等に損失が生じた場合に、農家を支援する制度として農業共済制度というのが設けられております。この制度は農家と国が掛金を拠出して運営するいわゆる公的保険制度でございまして、万が一自然災害等で農家に損失が生じた場合については、その損失を補填するものであります。この共済制度に加入できる農家としては、米、麦、大豆、それから家畜、温州ミカン、茶、園芸施設を営んでいる農家で、一定面積以上栽培しているなどの要件を満たすものとなっていまして、本県の主要農産物である米、温州ミカン、茶等の農家が利用できるようになっております。
 この制度につきましては、自然災害等で加入している作物に収穫量の減少等の損失が生じた場合に損失を補填するとなっておりまして、減収がないと制度が利用できないということがございまして、現在国のほうで農家の経営全体に着目して、いわゆる価格低下を含めた収入の減少を補填する新たな収入保険制度を検討しておりまして、順調に進めば平成29年1月の通常国会に関連法案を提出して実施していく予定であると聞いております。

○平賀委員
 ぜひ、その方向で頑張っていただきたいということで、私も静岡県が国に対してそういう農業のセーフティーネットを要望していることもわかっておりますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

 それでは、次に中小企業への支援について伺います。
 昨年の6月20日の産業経済委員会で伺いましたけれども、小規模企業振興基本法が国会で制定されまして、小規模企業への支援が責務として明確化されました。6月定例会の産業委員会で質問したときに野村経営支援課長は、県の取り組みとしては、これは金融機関と商工団体が連携して、専門家を小規模企業に派遣する制度と。金融機関と連携するというのは金融機関が一番その企業の情報を持っているということで、早い段階からその小規模企業の支援に力を発揮できることでございますと答弁をされていました。その後、何かこの小規模企業への支援策で具体化されたものがあるんでしょうか、伺います。

○野村経営支援課長
 新しい施策ということではございませんけれども、県といたしましては小規模企業者の経営相談について、地域の身近な相談窓口による商工会、商工会議所の経営指導員が直接訪問いたしまして、現行のさまざまな施策を活用しまして、個別具体的に対応していただいているところです。
 県といたしましては、商工会、商工会議所に対しまして、毎年実施している指導調査において経営指導員の巡回を初めとする小規模企業者への指導の状況について聞き取りを行っているところであります。その際に、会員、非会員を問わず支援するよう指導をお願いしているところでございます。

○平賀委員
 この国でつくった小規模企業振興基本法でいえば、これはやっぱり地域でそういう小規模の5人以下の中小企業が大きな役割を発揮していると。ただ成長発展だけではなくて、地域で日本の経済を支えて、なおかつ自分たちの技術を伝承していく役割を果たしていくためにも、維持、継続して経営が続けられるということに着目をして、各地方自治体でも支援策を講じていきましょうということで決められましたよね。それでやっぱり小規模企業の経営を大変にしている大きな理由は、これは前回のときにも発言をしましたけれども、1つは仕事やお客さん、顧客の減少がやっぱり一番大変だと。2つ目には消費税の負担が大きいこと、そして3つ目には競争の激化、4つ目には低い下請単価、5つ目が経費の増大、こうした中小零細企業の皆さんが一番困っている5つの理由はそういう理由なんですけれども、ここにやっぱり応えた、ここにかみ合った支援策をぜひ検討してもらいたいと思うんですが、この点でどうでしょうか。こういう方向で動いてみますとか、こういう検討を始めましたとか、何かそれにつながるような報告ができるものがありましたらお願いします。

○野村経営支援課長
 県といたしましては、以前、中小企業金融円滑化法の期限到来の際に小規模事業者が受ける影響についていろいろ把握したいという考えから、商工会、商工会議所が実施する個別相談会において相談されている企業の許可を得て同席をさせていただきまして、小規模企業者の皆様の声を直接聞かせていただいた経緯がございます。
 今後とも、必要に応じまして中小零細企業の声を聞くような取り組みの実施について検討したいと考えております。

○平賀委員
 ありがとうございます。
 前回のそういうやりとりの中で、これは渡辺商工業局長が中小企業の訪問調査ではということで、商工会議所や商工会の話以外に、県独自でも実は下請企業が中心になるわけですが年間500社の調査を行っていますという答弁がありまして、この500社の中にこういう5人以下の小規模企業が入っているのかどうなのかということを答弁を求めます。

○渡辺商工業局長
 毎年500社の下請企業を中心に調査をやっておりますけれど、一定の割合は小規模の方も入っているのは事実でございます。その割合というのは毎年少しずつ違うわけですけど、商工会、商工会議所以外の団体を県が直接企業訪問をしていますし、またこういう商工会、商工会議所以外の団体の皆さんとも今後も意見交換をさせていただいて、先ほど野村経営支援課長が言った取り組みに加えて検討して、小規模事業者の声を聞くといった形をとりたいと考えております。

○平賀委員
 ありがとうございます。
 この訪問調査は何がいいかと言えば、やっぱり中小零細業者の皆さんのリアルな生活実態がわかるというのが私は非常に大事だと思うんです。それで実際に本当に大変な状況があるわけで、そういう中でも何とか自分たちの家計を守り、地域の経済を支えようということで頑張っているわけですが、そういう人たちの納める税金によって私たちも支えられているんだという状況がリアルによくわかるところが最大の利点だと思いますので、500社の中には入っていらっしゃるということですので、ぜひそれもさらに規模を拡大して頑張っていただきたいというお願いをしておきたいと思います。

 それで、最後に、中小業者との関係で言いますと、住宅リフォーム助成制度の問題について聞きたいと思います。
 住宅リフォーム助成制度は、前回伺いましたときに、これはくらし・環境部のほうでやられておりましたが、国の住宅のエコポイントの問題もありまして、今度は経済産業部で県産材を使って住宅リフォーム制度は続行していくという答弁がありました。
 それで、やっぱり1つは、この県産材を使うというのはもちろん大事だと思うんです。静岡県の林業を活性化させる意味でも、この制度は有効だと私も思うんです。だから、もう1つそういう県産材という枠じゃなくて、リフォームだったらどんな木材を使ってもできる、もっと使い勝手のいい住宅リフォーム助成制度ができないものだろうかという質問なんですが、どうなのでしょうか。

○長谷川林業振興課長
 県産材だけではなくて、どんな木材でも使ったリフォームということでございますが、我々県といたしましては、やはり静岡県の森林資源を有効に使っていくということで、まずは県産材の利用を促進していきたいということでこのリフォームの支援を行っています。そういうことでございますので、県産材ということにこだわってやっていきたいと考えております。

○平賀委員
 県の立場はよくわかるわけですけど、ただ、この県産材を使った住宅リフォーム助成制度の経済波及効果というのは何か計算されているんでしょうか。

○長谷川林業振興課長
 県産材を使ったリフォームにつきましては、ことし6月から制度改正をしてスタートしたところです。一応今、6月から8月までの件数としましては30件の支援をしたところです。また、制度を改正してスタートしたばかりでございますので、経済波及効果等についてはまだ試算等はしておりません。

○平賀委員
 これは経済産業部で始まったばかりだということですけども、それ以前はくらし・環境部でやられていたものですから、そちらのほうの経済波及効果というのは何か聞いているものはないんでしょうか。

○長谷川林業振興課長
 くらし・環境部でのそういった試算はないかということでございましたが、平成25年にくらし・環境部が行ったデータを若干いただいております。それによりますと、約3,600件のリフォーム支援を行いまして、大体補助金額で4億9000万円、経済波及効果としては120億円ほどという試算が出ていると聞いております。

○平賀委員
 その経済波及効果は予算の一体何倍ぐらいになるのでしょうか。大体全国的に言いますと、30倍まではいきませんけれども、二十数倍の経済波及効果があると言われておりますけども、この辺はどうなのでしょうか。

○長谷川林業振興課長
 くらし・環境部の試算によりますと、今言われたように約24倍ぐらいにはなっているんじゃないかと思います。

○平賀委員
 私は、この県産材を使うということはもちろん大事なことだと思うんですが、同時に県産材にこだわらなくても、住宅リフォームそのものをやりたいという人には対応することができるような、そういう2本立てでいったらどうかと思うんですけども、こういう考えというのはないんでしょうか。

○吉田経済産業部理事(農業担当)
 6番委員御指摘のとおり、経済波及効果等を考えれば、やることに非常に効果があるのかなと思いますが、我々が今回、くらし・環境部から事業を引き継ぐに当たりましては、我々なりに目的を考えてきたということで、今、長谷川林業振興課長が答弁させていただきましたように、静岡県産材の利用促進というところに焦点を置いたものでつくらせていただきました。
 くらし・環境部がもともとやっていたところでありますので、これをやめる経緯等もございましたでしょうから、御指摘については、くらし・環境部にも伝えさせていただいて、今後の対象についてはくらし・環境部と少し考えてみたいなと思っております。

○平賀委員
 ぜひ、この住宅リフォーム助成制度は経済波及効果が大きくて、いろんな業種にもかかわる問題ですので、県産材にかかわらずやれるという制度も導入することができるように頑張っていただきたいと思います。

 最後になりますけれども、やはり今の政府の経済政策の状況を考えますと、これからは大増税の問題もありますし、社会保障の削減の問題もあります。雇用問題でいえば労働者派遣法が改悪をされまして、もう一生涯派遣労働という状況も予想されますので、こういう状況の中で健全な経済をつくっていくという点で、そういう働く人たちの所得をふやすような対策に焦点を当てながら、ぜひ最後に篠原経済産業部長のそういう中でも頑張っていくという決意をいただきたいということで終わりたいと思います。

○篠原経済産業部長
 先ほども申しましたように、県としては県民の力を結集してといいますか、引き出して、それから地域資源も活用して、静岡県が日本をリードしていく、経済的にもリードしていく地域であるような形に持っていきたいと。そして県民の生活を豊かにして、魅力のある地域をつくっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○田形委員長
 ここでしばらく休憩します。
 再開は13時30分とします。

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