本会議会議録
質問文書
平成19年6月定例会総務委員会 質疑・質問
質疑・質問者: | 佐野 康輔 議員 | |
質疑・質問日: | 06/27/2007 | |
会派名: | 自由民主党県議団 |
○佐野(康)委員
行財政改革の推進についてお聞きしたいと思います。
行財政は、生産性の向上を目指して、成果を重視した行政運営を行うことは当然のことでございます。県では業務棚卸表、フラット組織、戦略展開といった仕組みを使った新公共経営――NPMの推進は、まさに私は行革日本一と言える取り組みであると高く評価をしております。ずさんな業務をしている社会保険庁にはぜひ見習ってほしいと思っています。
このような取り組みは、静岡県全域に広げていくべきものと考えております。まず、市や町に普及させるといいのではないかというふうに思います。
そこで行政改革企画監は、市における行政改革を実践した経験もありますので、県と市の行政改革を推進する場合の共通点や相違点について伺いたいと思います。
また、今後、市や町への新公共経営の普及についてどのようにお考えか、あわせて伺いたいと思います。
○山口企画監(行政改革担当)
行政改革を推進する上で、県と市町の共通点や相違点についてお答えします。
行政改革を推進するためには、大事なことは、リーダーシップ、効果的な仕組み、個々の職員の意識改革、この3つはすべての自治体で共通していると思います。本県では、知事のリーダーシップ、総合計画指標のアウトカム化と業務棚卸表による目的指向型行政運営、ひとり1改革運動により推進しております。市町もこの考え方を入れ、効率的にしていく必要があると思います。
相違点としては、職員の数、組織規模の大きさ、業務内容の違い、市民への密接度が挙げられます。組織については、小規模であり職員同士が密接であり、組織全体への導入はしやすい環境にあると思います。ただ、継続していく組織は行革部門となりますが、職員に煙たがられ、職員の育成や専門部署の設置が難しいため、継続的な仕組みづくりや仕組みをより良くしていくことに難しさが伴うと思っております。
また、地域住民に接する機会が多いため、市民住民の立場に立って成果を追求する住民満足度指向を中心とした取り組みがより強く求められますので、しっかりしたリーダーシップがないと市民迎合的な行政改革に陥りやすく、適切な改革が進まない可能性があると考えております。
次に、市町へのNPMの普及についてであります。総合計画指標のアウトカム化、意識改革としてのひとり1改革運動の2つの仕組みは、県内でも高い評価を受けております。特に、ひとり1改革運動は、18年度には140億円の経費を節減し、10万時間を節約した実績がありますので、市町からも高い評価を受けております。その意味では、県のNPMを無視できない状況になっているのではないかと思っております。
NPMの普及・啓発につきましては、県内市町のニーズに応えることにもなると思います。今後の簡素で効率的な行政運営を後押しすることは大切でありますので、情報発信をして県内市町の取り組みを後押していきたいと考えております。具体的には、秋にひとり1改革運動のシンポジウムを開催し、その意義と仕組みを分かりやすく情報発信し、市町の方にも取り入れるきっかけや支援に役立てるようにしていきたいと考えております。
○佐野(康)委員
ひとり1改革運動というのを県でやっているわけですが、この中で平成10年度に――これは所管が建設部で違いますけれども――大井川橋周辺の渋滞を回転道路で解消したということで、いわゆる発想の転換ですね、これで知事表彰というか、「思い切って変える大賞」というのを受賞されているわけですが。この事業によって。コスト削減、縮減効果が約30分の1。ですから、普通にその道路が右に回るのを直せば約15億円かかったところが、左へ転回させるという発想の転換で4600万円ということで約30分の1の縮減効果があったということ。そしてまた、経済効果は64億円あったというふうに記述がありました。ですから、このように効率的に質を上げるということが非常に求められるわけでございます。
そこで、このただいまの行財政の取り組みについての件ですが、県や市町においては、それぞれの特性を踏まえた対応が必要だというふうに思います。行政改革を進めるためには、ただいまのお話のように3つの気といいますかね、3つのやる気というんですか、一つはやはり知事とかリーダーというトップのやる気、それから2番目に続けられる仕組みによる根気、3番目に先ほどお話しがありましたように、職員の意識改革による本気、この3つの気ですね。これが必要だということはよくわかりましたので、今後も静岡県の方の行政改革の成果を大いに広報していただいて、市や町に県の取り組みを普及させていただきたいと思います。
そして今後シンポジウムや研修会の開催、あるいは県の職員を派遣しての実地研修などさまざまな取り組みを通じて、ぜひ静岡県の新公共経営の取り組みを県全域に広めていただいて、行政の生産性の向上の成果が具体的に上がるように頑張っていただくことを要望して終わります。以上です。
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