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委員会会議録

質問文書

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平成27年6月定例会文教警察委員会 質疑・質問
質疑・質問者:吉川 雄二 議員
質疑・質問日:07/07/2015
会派名:自民改革会議


○吉川委員
 3点ほど一問一答方式で質問をさせていただきたいと思います。
 7月20日の海の日が近いわけでございますが、祝祭日の由来をしっかりと生徒に教えているか。義務教育課長にお伺いをしたいと思います。さらに7月20日の海の日の由来について、御説明をいただければと思います。

○林義務教育課長
 7月20日の海の日については、国の法律である国民の祝日に関する法律に定められています。国民の祝日に関する法律の第2条、海の日。現在は、7月の第3月曜日ということになっています。海の恩恵に感謝するとともに、海洋国、日本の繁栄を願う。これが海の日の趣旨であります。
 この点に関しましては、学校ではどのように指導されているかと申しますと、学習指導要領上、小学校6年の目標及び内容において、政治の働きと国民生活との関係を具体的に指導するというところがございまして、その解説の中に、それを指導する際には、おのおのの国民の祝日に関心を持ち、その意義を考えさせるように配慮することとされております。こうしたことを受けて、各学校においては、例えば社会科の授業であるとか、場合によっては朝礼などで校長のお話等があると思います。そういったところで海の日を初めとする国民の祝日について指導されているほか、集会や報道でも、時節の話題として取り扱われているものと認識しております。

○吉川委員
 海の日の由来はちょっと違うんです。由来についてということで、お伺いしたつもりでいたんです。これは当初、海の記念日となったんです。ちょっと読ませていただきます。
 明治9年6月2日、明治天皇は東北、北海道を巡幸にお出かけになられました。埼玉、茨城、栃木、福島、宮城、岩手、青森の各県を御巡幸された後、7月16日、青森からお召し艦に御乗船され、函館を経由して、20日横浜へ無事帰着されたのであります。明治天皇記によれば、3日間の荒波のため、動揺は甚だしく、おくれて夜の8時過ぎに入港したそうですが、明治天皇様は、終始端然としておられ、港で待ち受けた人々を安心させたそうですと。これがもともと海の日の由来なんです。そういうことをきちっと生徒に伝えていく必要があると思うんです。
 例えば、建国記念日もそうです。もともと、あれは御案内のとおり紀元節でございまして、今から2,675年前ですか、神武天皇が橿原で即位された日です。そういうことをきちっと教えていくと。祝祭日はあくまでも休日とは違うと思います。必ず儀式や行事がそこに伴うわけでございます。したがって、それによって国民あるいは集団の連帯感が醸成されてくるものだと思っております。そういう意味で、きちっと由来を子供に教えるという必要があると思いますが、どうでございましょうか。

○林義務教育課長
 国民の祝日をしっかり適切に、学校で教えるということについて、御質問をいただきました。
 我が国の教育の根本を定めている教育基本法においても自分の住んでいる地域、ふるさとに対する愛着をしっかりと教えることが重要であるということはうたわれています。国民の祝日も我が国の歴史、伝統に根差しているものが少なくありません。そういったものをしっかりと教えていくこと。これは非常に重要なことであると認識しています。

○吉川委員
 続いて、2点目でございます。
 林義務教育課長にお伺いをしたいと思います。
 今日、なぜ学力重視になったのか。5年ぐらい前まではゆとり教育、ゆとり教育と国を挙げてその実践に向かって、文部科学省を中心として地方の教育委員会もやっておりました。それを何で急にここへきて、学力重視となったのか。
 実は私、平成14年に一般質問をさせていただいたことがございます。昭和52年に学習指導要領において、教科内容の3割削減があったんです。それから平成14年にさらにまた3割削減したんです。したがって私は人的資源以外に資源を持たない我が国にとって、まさにこの実施は我が国の日本人の愚民化政策にほかならないと、指摘をさせていただきました。結局、削減削減ときて、ここにきて、なにゆえ急に学力重視にかじを切ったのか。ちょっとそのあたりをお伺いしたいと思います。

○林義務教育課長 
 近年の学力が重視されている風潮についての御質問をいただきました。
 これにつきましては、諸説あると思いますが、私の認識でございますが、2点あると思います。
 1つは、国際機関が行っている国際学力比較調査――PISA調査というのがございます。経済協力開発機構――OECDというフランスにあります国際機関が行っている調査です。これの2002年の調査結果が、非常に議論を起こしました。いわゆるPISAショックと言われているのですが、我が国の子供たちの学力は、経年変化で非常に低下しているということが指摘されました。折しも今、2番委員に御指摘いただきました学習指導要領の見直しの中で、いわゆるゆとり教育と言われておりますが、学習指導要領の削減の流れの中で、こういう形で国際比較調査が出てしまって世論を喚起いたしました。その結果、学力について内容も充実させ、量的、質的に指導要領を見直していく必要があるという方向にかじを切ることになりまして、学習指導要領が見直しをされ、現行の内容的に充実し、質的、量的にもふえたものになったというのが、1つの理由であります。
 もう1つは、財政的な理由かと思います。今、我が国は国と地方合わせて、国民に対する非常に大きな借金を負っているわけです。その財政再建をするために、どの公財政を削減していくのか。これは非常に大きな課題になります。平成16年から平成17年にかけて、地方財政のあり方をめぐる議論が起こりました。その際に義務教育に関する予算。今これ3分の1国庫負担をしているわけですが、これを全て地方財源に委ねるべきであるという議論がありました。一方で義務教育は国の責任で行うべきであるという主張の中で、国が責任をもって予算配分をしなければ、地域格差が義務教育において起こってしまうと。当時の文部科学省を初めとする教育関係者は、そのような主張をしていました。ただ、その際に地域間格差が生じるという主張の根拠となるデータを持っていなかったという問題がありました。つまり全国的な学力調査を行っていないために学力の状況を具体的に示す物差しを教育関係者の中で共有されていない中で、教育財政が議論されていたということが、10年ほど前の議論でありました。その結果、学力をしっかりと調査して把握をしていく必要があるという世論が高まりまして、現在、行われている全国学力・学習状況調査の数十年ぶりの復活ということになったわけです。この調査によって数字が出ますと、非常にそれが国民の関心を集めるわけであります。
 そういったことから、1つはPISAの国際比較調査で学力が低下し、その結果学習指導要領の見直しが行われたということ。もう1つは財政的な理由から全国調査を開始し、客観的な数字が出ることになったことによって、国民の関心が学力調査の結果に集まるようになったという、2つの要因が考えられるのではないかと思います。

○吉川委員
 林義務教育課長はそうおっしゃいますけれど、もう既に平成14年には、子供たちの学力は極めて低下していたんです。そのことを私はこう書いてあるんです。分数や少数の計算ができない大学生とか、大学生の学力低下の実態に始まり、高等学校における指導困難校、小学校における学級崩壊。もうこのときから、そういう状態が散見されていたんです。今日というのは、ちょっとおかしいじゃないですか。もう今から十数年前です。ここへきて、学力低下が叫ばれているというわけじゃないんでしょう。
 さらに、地方から国へといった国による教育という義務教育ということが、強調されましたけど、ゆとり教育も国の教育だったんですね。文部科学省が出した方針でしょう。当時は国による方針じゃなかったんですか。それぞれ地方の教育委員会がゆとり教育をやろうと言ったんですか。私が一番言いたいのは、子供を実験台にするなということなんです。文部科学省もそうですし教育委員会もそうです。振り回される子供がかわいそうです。
 昨日はゆとり教育、きょうになったら学力重視。今、そのゆとり教育で育っていた世代の人たちが、ちょっと問題になっています。ゆとり教育世代といったような。そのことに対して、文部科学省は反省はないんですか。

○林義務教育課長
 申しわけありません。
 私の先ほどの答弁に説明不足のところがありました。
 学力が重視されるような風潮になった経緯については、2番委員がまさにおっしゃったように、約10年前の時点の説明を私としてはしたつもりでございました。つまり10年前の世論から、国民の関心が高まり、結果として、指導要領の改訂につながったという説明をさせていただいたつもりでございます。改めまして、答弁を訂正させていただきます。
 加えて、私は静岡県教育委員会に奉職しておりますので、その立場で答弁させていただきますが、子供たちを実験台にしてはならないというお言葉をいただきましたが、そのとおりだと思います。大きな方針転換で苦しむのは、現場であり、子供たちです。負担であったり、将来にわたって子供たちの不利益が持たされるようなことは、断じてあってはならないと考えています。

○吉川委員
 当時は3Kの排除とあったんです。いわゆる教育において強制、規制いわゆる管理教育です。競争、この3つを排除しようということなんです。しかしながら、この3つの中でしか個性も生まれませんし、勉強という字をちょっと書いていただければわかるんですが、勉めることを強いると書くんです。訓練でしか学力というのは、向上していかないと思うんです。ここにきて、急に学力重視にかじを切って、今までの強制、規制、競争、これを排除してきた教育現場の状況。これをどういうふうに回復していこうとしているんですか。

○林義務教育課長
 学校教育現場においては、子供たちの社会性をはぐくむ中で、集団の中である程度の競争であったり、他者とのかかわりの中で、みずからを磨いていくことが必要になります。まさに2番委員御指摘のところも踏まえながら、子供たちはこれからさらに予測不可能な困難な時代を生きていくことになりますので、そういった中を力強く生きていける、しっかりとした力をつけてもらえるような教育を展開していく必要があると考えています。

○吉川委員
 これは質問じゃないんですけれど、6割削減して、非常に不思議なことが1つあったんです。例えばシャクシャインとか、アテルイとか、安重根とか、李舜臣なんていうのは、私ども中学校時代には教わらなかった。教科書には出ていなかったんです。6割削減して、こういう名前が出てくる教科書というのは何なんでしょう。非常に不思議に思ったことであります。

 そして、最後に1点。確かな学力の育成ってあるわけです。教育長に最後お伺いしたいんですが、教育長の考える学力とは何ですか。これは知事にも一度聞いてみたいと思っているんです。何ですか学力とは。

○木苗教育長
 私自身はごく普通に教育している中で、将来の糧になるような学ぶ力。学ぶというのは、学問だけじゃなくて、社会のルールを含めて学ぶということで考えていかなきゃいけないと思うんです。小学校、中学校、高校、大学といきますけれども、その中で自分自身がいろいろなことを判断できるようにするには、年代に合った学問が必要。それからもう1つは、周囲だけじゃなくて、国際的なものも含めて、だんだん広がっていくことだと思うんですけれどね。そういうことで積み重ねられていったもので、その人なりの学問ができるし、静岡県も日本も世界もそうですけれども、いろいろ学ぶことによってのお互いの意見交換もできる。そこの部分が学力になってくるのかなと思います。ちょっと表現がすっきりしないんですけれども、我々は一生学ぶものだと私自身は考えております。

○吉川委員
 全国学力・学習状況調査の結果を公表するということで、当然、点数としてあらわれたものを、公表するということだと思います。
 私は3年前も文教警察委員会の委員として在籍していたんですが、そのとき私がよく申し上げたことは、教育は知育にとどまるべきだと、特に学校教育は知育にとどまるべき。徳育まで踏み込んではならんと。教育の中立性を守るためにも学校では、いわゆる知識と技術だけを伝達すればいい。それ以上のことを求める親も親なんです。親でさえつくり変えられない子供の性格を学校に委ねるなんてこと自体おかしいです。皆さんもそんなに多忙にならないと思います。知育にとどまるべきだというのは、私の持論なんです。
 そういう意味では、全国学力・学習状況調査の結果をしっかりと公表して、子供たちを競わせるということが大事だと、私は思っております。
 ただ1点。これは質問じゃないんですけれど、6月24日の議員研修会で東京大学大学院薬学系研究科の教授の池谷裕二さんに「脳を知って、脳を活かす」という講演をしていただいたんです。このとき大変ショッキングな話を聞いたんです。これからの全国学力・学習状況調査なんてどうなってしまうのかと思うぐらいの話です。というのは、喪記憶障害というのがあるそうです。要するに思い出せないという記憶の痕跡にアクセスできないと。その記憶の痕跡にアクセスするための薬が開発されたそうなんです。メリスロンという思い出す薬。これを朝、子供に飲ませて学校に行かせれば、勉強をして思い出せないとき思い出すというんです。まだあるんです。あと記銘力障害というのがあるそうです。覚えられない、なかなか覚えられない。これもアルツハイマーの予防をするアリセプトという薬があるんですけどね。これを飲むと、覚えることのできる能力が増すそうなんです。朝昼晩、これを飲んでいれば、覚える力が飛躍的に増すというんです。こういう薬が今後出てきたら、子供たちの学力はどうなっちゃうんでしょうか。私は質問したんです。副作用はありますかと。いや副作用はそんなにないですねと言うんです。ですからこれからどうなるのか。これは質問ではありません。
 皆さんもどのように今後対応なさっていくのか、お考えになられておいたほうがいいんじゃないかと思います。例えばテストをやる前にドーピング検査をするとか、何かそんな時代になってくるんじゃないかと、思えるような話でございました。

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