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委員会会議録

質問文書

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令和2年6月定例会危機管理くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者:小長井 由雄 議員
質疑・質問日:07/06/2020
会派名:ふじのくに県民クラブ


○小長井委員
 それでは分割質問方式で、先日説明していただいた中から1点お伺いをして、その後リニアの問題を質問させていただきます。
 危機管理くらし環境委員会説明資料16ページになりますが、ニホンジカ対策の推進であります。
 これはもう私の質問の定番になっておりまして、必ずこの問題をお聞きしているわけでありますが、この16ページの2の概要の中で令和元年度の調査の結果、伊豆・富士地域の推定生息頭数の増加は抑制されているとなっております。数字を見てもそんな感じかなと思うんですけれど、この鹿の問題は数年前は伊豆半島が中心で、それが富士地域まで広がってきているようであります。私の住む中部地域もそうですし、西部地域も鹿の害が非常に多くなっている、頭数が増えているといった声をよく聞くわけでありますが、この伊豆・富士地域以外の中部、西部地域の生息数についてはどのように把握しているのか。また今後伊豆・富士地域以外の対策をどのように進めていくのかお聞かせください。

○中山鳥獣管理捕獲室長
 伊豆・富士地域以外の生息数の把握について、まずお答えいたします。
 富士川以西地域につきましては、伊豆・富士地域と同様に糞粒法という調査に基づきまして生息実態調査を実施しているところであります。しかしエリアが広大でして、ニホンジカの分布が一様でないといったこともあります。また南アルプスの地形が急峻で標高が高い地域も持っていることで季節的なニホンジカの移動も見られると。特に移動が大きいことから、生息密度として把握しているところです。
 それから、対策につきましては、現在富士川以西地域では伊豆・富士地域に比べて総体的に生息密度が低くなっております。ですのでその結果に基づきまして、生息密度の高いところであるとか生息密度が急激に増えている場所を狙って捕獲を進めているところであります。
 その結果、生息実態調査からは下がる傾向が出ておりまして、そういったポイントを絞って捕獲することがこれらの地域については重要だと思っております。今後は引き続き生息実態調査に基づきましてモニタリングを続けるのと併せて管理捕獲を続けまして、ニホンジカの頭数削減に努めていきたいと思っております。

○小長井委員
 富士川以西は生息頭数密度が低いとのお答えだったと思うんですけれども、30年、40年前は鹿は見ることはなかったですね。もちろんカモシカも見ることはないですし、イノシシも身近なところに出てくることは全くなかった。ところが最近はイノシシは若干見ることは少なくなりましたが、鹿は非常に多くなっている。生息頭数が少ないとおっしゃいましたが、決してそういったことはなくてここ5年、10年、20年で非常に数も増えていると思います。調査した結果そうだとおっしゃいますけれども、これは静岡県だけでの問題ではないと思いますので、伊豆・富士地域は数が多くて被害も大きいと思いますが、県下全域にもう少し目配せしていただくことをお願いいたします。

 それでは、次の質問に移らせていただきます。
 リニアの問題であります。
 まず、国交省の有識者会議が3回にわたりまして行われたわけであります。県と国交省との5つの項目の合意に基づいて進めるといったことで始めるつもりが、なかなかその話もうまくいってないとのことでありますが、既に3回実施されたと。この3回についてどのような評価をされているのかお聞かせください。

○織部くらし・環境部理事(南アルプス環境保全担当)
 有識者会議につきましては、4月、5月、6月にそれぞれ1回ずつ行われてきてるところであります。最初はなかなかJR東海の説明が分かりにくいとのお話がありまして、3回目ではJRの姿勢も若干変わってきている中で、何が不安であるのか、地元の住民が何を不安に感じているのかを十分踏まえた上で理解して説明すべきだとの御意見が出ております。ですので4回目の会議ではそういった点を踏まえてJRから説明がきちんとなされると理解しております。

○小長井委員
 会議は公開されていないわけでありますけれども、比べてみると、先般の知事とJR東海の社長との会見は映像で非常に鮮明に見えたと。ところが国が主導するリモート会議は途中で音声が途切れたりといったことも報道されております。我々議員でさえも見られない状態が続いているわけですけれども、先ほども3番委員あるいは6番委員からもこのリニアの問題については公開で大勢の皆さんに見ていただく形にとおっしゃっていましたので、これは静岡県議会全体の意見だと私は思います。そのことについても国交省にまた改めて伝えていただきたいと思います。

 それでは、次の質問に移ります。
 この前のJR東海の金子社長と知事との会談の中で1つ新しく出たといいますか、南海トラフ地震で新幹線が被害を受けたときのバイパスが必要だとこんなふうに金子社長がおっしゃいまして、一番必要なのはバイパスの機能だとおっしゃったと思います。地震が起こったらどうしよう、あるいは降雨災害に対してどう強くしたらいいだろう、50年以上たったこの老朽化をどう対策していこうか、言わば災害対策に大変力を入れているのですが、抜本的な対策はもう1本造る、バイパスを造ることなので、それが一番の目的だとおっしゃっています。
 JR東海の社長が、一番の目的は災害対策だと、そのためにこれを造るのだとおっしゃっていたわけですが、そうしますとこの南アルプスを含んだ名古屋あるいは大阪まで、ここには日本を代表するような断層が大小数多くあるわけであります。巨大地震でリニア自体が大きな被害を受けることも予測されるわけでありますが、JRはこれを災害用のバイパスだと、早急に造りたいとおっしゃるということは、このリニアについても巨大地震が起きたときにどの程度の影響があるか調査をして、それに対応できるものを造らなければいけないと思いますが、その辺の調査についてJRはどの程度やっているのか、どんなふうに把握されているのかお聞かせください。

○杉本生活環境課長
 まず初めに、環境影響評価につきましては、生活環境や自然環境に及ぼす影響を回避、低減するための措置を検討するものであります。したがいまして、直接的には災害リスクですとか、危機管理そういった部分については対象に含まれておりません。
 昨年4月に開催いたしました本県の地質構造・水質専門部会におきまして、委員から大規模地震時の断層の変動があった場合の安全性について質問がありました。これに対しましてJR東海からは地震等により局所的に隆起や断層ずれが生じた場合には現在の技術では対応できないので、地震波を素早く察知し列車を止めるソフト対策を重視させることが必要であるといった見解が示されております。

○小長井委員
 環境影響評価では、確かにこれは含まれないかもしれませんけれども、JR東海の社長が知事との会談の一番初めに災害に対してバイパスを造るんだとおっしゃった以上は、特に地震については調査をしっかりやって、それに対応できるものを造らなければいけないのだろうと私はそう思います。その上での発言でなければならないと思っているわけでありますが、今のお話を聞くと、その辺のところが非常に脆弱な感じがいたします。そういった意味でも、これはこれからの議論になるのかどうなのか。金子社長が初めてバイパスと言ったこと、それが災害対策の上で造らなければいけないのだとおっしゃって私は驚いたわけでありますので、この辺のところも県の専門家会議の中でも、先ほど出ていたといったお話でありますが、もう少ししっかりとした議論、厳しい議論をしていただくようにお願いいたします。

 先ほども8番委員から出ました南アルプスの断層が平均で年4ミリメートル、100年で40センチメートルずれるということは、新幹線が50年余りたったとのことでありますが、このリニアができて今の新幹線と同じ状況になって50年、そうすると単純に考えても20センチメートル隆起することになるわけであります。このことも非常に大きな問題で、今私が言いましたとおりバイパスとしての機能であるなら、この辺のところも十分に勘案してリニアを造らなければいけないと考えます。
 この隆起についてもJRは何らかの調査はしているはずだと私は思います。トンネルを掘っている間にも大きな地震が来ることも考えられますし、工事は終わったにしても10年、20年すれば5センチメートル、10センチメートル、20センチメートルと隆起してずれが生じていくことになります。この辺についても当然しっかりとした調査が進められていると思いますが、この辺については県としてどのように把握されているのか、お聞かせください。

○杉本生活環境課長
 JR東海がトンネルの掘削ですとか水資源の影響を把握するために地質調査を行っていることは承知しておりますけれども、9番委員から御質問がありました巨大地震による急激な沈降に関してどのような調査を行っているかは現時点では不明であります。またこれまでの議論の中でも直接的にそういったことに関しての資料等は示されてきておりません。

○小長井委員
 そうしますと金子社長が知事との会談の中でおっしゃったことは、非常に不確定な危険性を含んだ御発言をされたのだろうなと私は思います。こういったことは先ほどからも議論になっておりますが、県とJRとの信頼関係からすれば、私はなかなか信頼関係を築き切れないなと思います。こういった問題もぜひ県の専門家会議の中でしっかり取り上げていただかなければならないことだと。これはリニアに乗る乗客の皆さんの安全も含めて、しかも3兆円もの財政投融資を投入する事業でありますので、これはしっかりやっていただかなければいけないなと思います。

 次の点を伺います。
 今1番目と2番目と質問しました。この点について、リニアの計画を認可した国交省もやはり同じように災害に対する検証をしなければいけないと思うのです。今言いましたとおり財政投融資3兆円を投入することでありますので、この点についての検証もされなければいけない。
 平成23年5月12日の国交省の交通政策審議会陸上政策審議会陸上交通分科会鉄道部会中央新幹線小委員会――非常に長い名前ですけれども――ここにリニアの意義について東海地震など東海道新幹線の走行地域に存在する災害リスクへの備えとなるといった記述があります。災害リスクへの備えとなるといった記述があるわけです。
 肝腎のリニア中央新幹線への災害リスクについて、JRは把握していないとのお答えだったと思いますが、それでは国交省はこれについて検証なり検討をされているか、把握されておりますでしょうか。

○杉本生活環境課長
 繰り返しになりますけれども、環境影響評価においては、この災害リスクですとか安全性の部分が直接的な対象となっていないこともありまして、ただいま御質問のあった事項につきましては現時点では把握しておりませんけれども、今後国交省にどういった議論が行われているかにつきまして確認してまいりたいと考えております。

○小長井委員
 環境影響評価では項目としてないのかもしれませんが、このリニア中央新幹線を決定した小委員会の議事録の中には、先ほど申し上げましたとおり災害リスクへの備えとなるとあるものですから、備えとなる以上は現在の新幹線が被害を受けてもリニアは大丈夫だとの議論にならなければいけないと思いますので、この辺についてはしっかりと確認していただきたいと思います。

 次に、先ほど8番委員からもありました7月3日の静岡新聞に狩野謙一静岡大学防災総合センター客員教授への取材記事が掲載されていました。それによりますと、大規模断層はこれまでJR東海が言ってきた幅800メートルの畑薙山断層ではなく、さらに破砕帯が広がり大井川直下まで広がっている可能性に言及しているといった記事だと思います。この記事を読みますと、確か図面もあったと思うのですけれども、リニアのトンネルを掘っていくと大井川に直接穴を開けてしまうことになって、簡単に言うとお風呂の栓を抜いてそのままだと蓋もできない状態になる可能性があるのだろうなと思います。
 破砕帯は、トンネルを掘って水が出てきたら、それが出てしまえば取りあえず落ち着くといったことだと思うのです。だけれども、大井川となるとこれは水が通っているわけでありますから、常時水が引くことがなく出続けるものだと思います。この辺の静岡新聞の記事、狩野教授のおっしゃる説についてどのように評価されているのか、お聞かせください。

○織部くらし・環境部理事(南アルプス環境保全担当)
 山梨県との県境の地質は具体的にはあまりよく分かっていない状況があります。掘ってみなければ分からないといったことでは困りますので、そこのところはやはりリスク管理を徹底してほしいと申入れしております。
 具体的には、湧水量は平均的に毎秒2.67立方メートル出ると言われております。でも場所によってはひょっとしたら10トン出るところもあるかもしれません。そういったところについては一応暫定的な上限値を設けております。これは毎秒3トンの上限値を設けて、これ以下に湧水量を抑える方策をその時点で考えるものであります。でも場合によっては、この3トンではなかなか環境影響上支障があるのであれば、その時点でそれを暫定値として対策を考えていくといった議論をしております。そういった議論を徹底することによって、こういったところのリスクを回避できるように努めてまいりたいと考えております。

○小長井委員
 環境影響評価の項目にない部分で非常に問題が出てきたことが今回明らかになったと。特に金子社長の発言から派生していろいろ考えていくと、そういった面が非常に大きいなと。これは環境影響評価で国交省が許可を出したのだけれども、それだけじゃ済まない状況になったのかなと、この会談を聞いて私はそう思いました。
 JR東海の環境アセスメントも――知事も会談の中でおっしゃっていて、私も議会で質問したことがありますけれども――環境大臣意見の中で大変厳しい意見を言っているわけですよね。河川の生態系に不可逆的な影響を与える可能性が高いですとか、これほどのエネルギー需要が増加することは看過できない、そのほか環境影響は枚挙にいとまがないといったことを環境大臣は言っているわけでありまして、こういった大臣意見を聞いてJR東海が再調査をしたとか、そういった形跡はないと。そのまま数か月後には提出して国交省の決定が出たといった状況でありますので、今回の1,400メートルの土かぶりを通るトンネルは世界で初めてだと思うのですけれども、こういった大規模な開発工事をやるにはあまりにもずさんだと私は思うわけであります。
 したがいまして、国交省の有識者会議でもこの前の知事との会見であった災害に対するリスク回避のための調査をやったかぐらいのことは当然議論されなければいけないだろう、されるだろうと私は思いますし、それが返ってきて県の専門部会でもぜひしっかりと議論していただきたいとお願いして質問を終わります。

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