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委員会会議録

質問文書

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平成22年決算特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:吉川 雄二 議員
質疑・質問日:11/04/2010
会派名:自民改革会議


○吉川委員
 予算の執行実績についての説明書からお伺いをいたします。
 8ページのクレーム対応学校支援事業、この事業によって、どのような実績が上がり効果があったか、さらには今後の課題を御説明いただきたいと思います。

 続いて2点目、11ページのエ徳育推進委員会の有徳の人育成に向けた取り組みを支援するため、徳育推進研究委員会を設置したとあります。
 そこで、この徳育推進研究委員会の具体的な取り組みの目的と内容、委員の構成とその結果を教えてください。そしてこの施策そのものの効果と実績がどうであったか。

 さらに同じページの「確かな学力」育成推進進事業のこれまた実績と効果、さらに今後の課題について。

 12ページの教員の資質の向上のところをお伺いしたいと思います。「確かな学力」育成推進事業費として、民間企業等長期体験研修事業ということを行っているようであります。この(ア)についてでありますが、この施策のねらいはどういうねらいなのか。さらにその効果と今後の課題についてもお伺いをしたいと思います。以上4点です。

○杉本事務局参事兼教育総務課長
 クレーム対応学校支援事業でございます。
 本庁に顧問弁護士1名、相談員3名という体制ですが、現在、非常に各学校現場でクレームが多くなっており、非常に学校教育に支障があるという中で、県立学校であれば、直接相談員に相談をかけることができます。それから義務教育におきましても、市の教育委員会を通じて、教育事務所を通って、最終的には顧問弁護士にも相談できるということで、非常に効果が上がっているというふうに考えております。弁護士に相談を持ちかけなければ、解決が難しい事例も時としてございまして、適切な助言をいただきまして解決に至るということでございます。
 課題でございますけれども、教育事務所の相談員への相談件数が若干低いのかなということが懸念でございまして、機能としては十分機能しているわけですけれども、県立学校はともかくとしまして、市町の学校につきましては、やはり学校の教職員の責任感の強さということで、自分たちの力で何とか解決しようという意識が働いて、なかなか市の教育委員会に上がっていかない。あるいはこの相談員のほうに相談が上がっていかないということがあるのかなというふうに考えております。その点が課題であろうと思いますけども、この制度をさらに周知して、ぜひ活用していただくような方法を考えていきたいと考えております。以上です。

○吉澤教育政策課長
 まず、徳育推進研究委員会についてであります。
 徳育推進研究委員会の目的でありますけども、有徳の人の育成に向けた取り組みを推進するために、徳育推進研究委員会を平成21年12月から平成24年3月までを一応めどに設置をしております。内容は新しい学習指導要領の改訂等を踏まえ、徳育の充実、推進に向けた研究を行うということを考えております。また業務内容でありますが、幼児期、青少年期、成人期等発達段階に応じたそれぞれの徳育推進に向けた施策を検討研究していくということを目的に、また現在作成しております静岡県教育振興基本計画との調整を図るということで考えております。
 また、徳育の推進に向けた施策の周知啓発についてもこの研究委員会の中で進めていきたいということで考えております。
 研究委員会の委員長は、本課の課長補佐が課内の委員長として、また学校教育課、社会教育課、総合教育センター等の各委員、指導主事を含めて組織をしているところであります。

 続いて、「確かな学力」育成推進事業についてであります。平成21年度の内容といたしましては、静岡県版カリキュラムの内容の改訂であります。新しい学習指導要領ができましたので、この新しい学習指導要領を踏まえた県版カリキュラム――授業づくりの指針になるものを現在作成をしております。21年度については、このカリキュラムの作成委員会を設置し、その研究を進めているところであります。
 また、「確かな学力」推進事業についての2つ目といたしましては、個に応じた指導の充実ということで、多様な人材活用学習支援事業であったり、インターネット・ラーニングあすなろ学習室、こちらを活用したさまざまな教材の提供、また教育課程研究開発事業を行ったり、地域産業を支える人材育成事業等を行っております。

 続きまして、教員の民間企業等社会体験研修についてであります。目的といたしましては、教員の視野の拡大、発想の転換等による意識の改革を図り、時代の変化に対応できる学校づくりを推進することを目的として教員を民間企業等に長期派遣をしております。平成21年度については、24名の小中高、特別支援の教員がデパート、ホテル、サービス業、製造業などの企業等に研修に出向いております。
 内容、ねらいといたしましては、今言ったことでありますが、効果についてでありますが、研修から戻ってきた教員からのアンケートによりますと、学校への研修効果については、「企業に学校を知ってもらう機会になった」というようなことを答えている教員が半分以上ございます。また「研修生からの他の教職員への伝達によって、学校全体が活性化された」というようなことが校長から報告があがっております。また個人的な意見といたしましては、「非常に有意義に感じた」というものが7割、そして「児童生徒への接し方や生活指導等について見つめ直すことができた」ということが62%ほどおります。ただ課題といたしましては、実際に期間のことであったり、また勤務内容、形態、残業、休日出勤等、またその研修の内容の打ち合わせ等について企業でさまざまな対応があることから、そこの調整が今後必要になるということが課題としてあがっております。以上です。

○吉川委員
 この徳育推進委員会の2番目の質問でございますが、これは具体的な子供たち向けのテキストというのはあるんですか。それが1点。

 それともう1点、クレーム対応学校支援事業の平成21年度に報告された具体的なクレーム事案というんでしょうか、どのぐらいあるんでしょうか。

○吉澤教育政策課長
 徳育推進研究委員会の内容でありますが、主には道徳教育であったり、徳育の事例集を作成することが目的になっております。また当然、教育振興基本計画との調整の中で、有徳の人づくりというのが教育の目標としてあげられてきておりますので、この有徳の人に向けて徳育の内容については、簡単なリーフレットをつくっていくというようなことで研究をまとめていくつもりでおります。

○杉本事務局参事兼教育総務課長
 クレーム事案の件数でございますけども、1つの事例につきまして複数回相談があるものも含めてでございますけれども、72件でございます。
 ただ、これはあくまでも相談として上がってきた件数で、相談が上がらない分については把握できていないということでございます。

○吉川委員
 この件についての回答はいいんですが、増加傾向にあるのかな。まあいいです、それは。
 それで、まずクレーム対応の学校支援事業費という、学校側のクレーム対応ということですね。なぜこのようなクレーマーが多くなってしまったかということについても、びしっとやはり原因を追求していく必要が私はあると思います。きちんとした処方箋が明確にならなければ、その病理も治癒することはできませんから、なぜそういうような状況に立ち至ってしまったかということですね。これは、別段学校現場だけじゃないですね。医療現場においても、医療訴訟というのが特に社会問題となっております。
 私は、これはいわゆる戦後平等化を追求していった結果として、それぞれの職業の権威が失墜してしまったところにあると思います。権威の失墜。例えば昭和28年か29年だったと思います。日教組の先生たちが携帯する綱領の中、第8条に教員は労働者であるとうたったんですね。もうこれじゃ、労働者と目線は一緒ですよ。教員が労働者だとうたった以上、これはもうクレームがついてきて当たり前の話ですよね。かつては聖職だったんです。聖職としておけばよかったのに、あえて教員を労働者としたんですね。私は、そこにも問題があっただろうし、生徒と先生の目線にしても、常に先生の目線が上になければだめですね。それなのに教壇をとってしまったでしょう。こういう一連の日教組の動きの中で出てきた今日的な状況だと、私は思いますが、教育長はどのようにお考えですか。

 続いて、徳育の話なんですが、私は徳育という教科を設け、それを教えるべきだと思います。ただそのテキストをまだ見てないものでわからないんですが、徳育ということになってくると、その時々の時代時代の価値観があるでしょう。その時代時代の価値観がどの程度、もしくは思想とかイデオロギーが入ってくる余地もあるわけですね。その点をどのように考えておられるのかということもありますし、これはいいです、お答えいただかなくても。
 もう1点は、本来教育っていうのはエデュケーションですから、1足す1を2と教える、マル・バツを教える、先生はそれだけでいいんですね。それ以上のことをする先生は私は余りいい先生だと思いません。先生は情報伝達にとどまればいいんです。いいですか、知育とか体育をやる際の振る舞いの中から徳育っていうのは出てくるんですよ。先生が黒板に向かって授業をやりますよね。その後ろ姿から子供たちはその先生の徳を覚えていくんですよ。あえて子供を呼んで、優しさとはこうだよ、強さとはこうだよと言ったところで、そんなこと子供は理解しませんよ。このおじさん、何言ってるのかなっていう感じですよ。いわゆる感情の領域っていうのは、幾ら教えようとしても教えられないって私は言いたいんです。感情の領域を教えることは絶対できないはずですよ。感情の領域は。それは、もう知育とか体育をやる際の自然の振る舞いの中から出てくることだと思います。ですから四、五年ぐらい前ですか、何年ぐらい前までありましたかね、観点別評価ってあったじゃないですか。こんなことしてたらこの国の教育はおかしくなると私言いました。強さの程度を図るの、やる気の程度を図るなんてことは果たしてできるのかということですよね。ですからいずれにせよ、この徳育ということは、相当慎重に私は推し進めていかなければ、あまりにそれぞれの価値観がもう違いますし、価値観が非常に多様化している、その多様化した価値観をよしとする中で、皆さんは言うわけでしょう。この多様化ということも言っております。その中で、一定方向に徳育をもっていくということが果たしてできるのかという問題も1つにはあるでしょうし、今の教員にそれだけの徳育を教える力があるかということも、私は問題があると思います。
 私が今言った、いわゆる感情の領域は教えることができないということについて、教育長どう思いますか。

 3点目です。
 確かな学力の推進ということで、今日の教育の一番の問題は、この平成21年度に限ったことじゃないと思うんです。若干所管事務調査めいて申しわけないんですが、いわゆるゆとり教育による知育の偏重ではなくて、知育軽視ですね。私は今、むしろ知育軽視だと思ってます。同時に、確かな学力を育成推進していくには、もう一度3つのことを私は復活していくしかないと思います。それは、規制、強制、競争です。今の教育からこの3つを排除しましたね。この3つを今の教育から排除してますから、これをもう一度復活させるしかないんですね。そうすれば必ずや確かな学力はつくはずです。
 最後、教員の資質の向上。今、民間企業から校長を登用しようなんていうような動きもあります。これはとんでもない動きですよ。教職員は、今こそ教職専門に特化していくべきなんです。いろんなことを見させることが必ずしも私はいいことだと思いません。むしろ特化していく。例えば大東亜戦争の敗戦によるアメリカの占領政策で日本の教育も大きく転換せざるを得ませんでしたね。私は、アメリカの占領政策というのは、日本的なるものの否定だと、日本的なるものを否定していったわけですね。そういう中で、一般の大学でもいわゆる教職課程をとれば学校の先生になれるようになりました。それがそもそもの教員の資質に関する問題の一番大きなターニングポイントだと思っています。やっぱり師範学校制度に戻して、本当に私は学校の先生やりたいんだっていう人が学校の先生になるための学校に行って、学校の先生になるべきですよ。もう一度そこに戻していかないと、幾ら皆さんが頑張って教員の資質の向上をしようとしても、私は難しいと思います。
 これについては、最後、教育長どうでございましょうか。それだけ答えていただきたい。

○安倍教育長
 こういう場で教育論を論じるっていうことはちょっと私も予想してなかったもんですから、十分お答えできるかどうかわかりませんけども、まず第1点目のクレーマーと戦後教育という御指摘の中で、教壇をとったことが、やっぱり先生方のそういう権威を失墜したのではないかという御指摘かなと思いますけれども、私は教員をやってきての思いとすれば、教壇というある意味で権力の象徴であった物を取っ払って、子供たちと同じ目線に立って、いわゆる権威はあるんだけども権力を振りかざさないという、そういう教育のあり方もやっぱり1つあるのかなと。もちろん未成熟な子供たちですから、権力を行使するときも、そういうことをやらなければ命の保証ができないっていう場合もありますけれども、ただ基本的にはやはり同じ人間として、また教える者としてのやはり権威というものをやっぱり保持していくということが大切ではないかなと。それがクレーマーとどう重なっているかということですけども、クレーマーの背景には、私はやはり戦後非常に保護者の学歴も高くなってきたという中で、それぞれが自分なりの教育論を持っているということが1つありますし、一方では子供が少なくなって、1人の子供にかける思いが非常に強いというのが、ある意味では非常に個人主義的なことを生み出しているのかなというふうにも思っております。
 まとまりませんので、またこれは機会を改めて議論をするほうがいいかと思います。

 2つ目のいわゆる感情の啓発というのは、教育されないということですけれども、私が思っているのは、不完全な者が不完全な者に教えていくわけですから、私は徳育、本県が言っている有徳の人というのは、まず教員が有徳の人になるべきであると。そのために教員は何をしなければいけないかということを考えることが、先ほど言われました後ろ姿の教育というか、その教員の後ろ姿から醸し出される徳育につながっていくかなというふうに思いますので、これは子供たちに教員が徳育を方法論的にどう教えるかということ以前の問題として、教員がどういうふうにして徳のある人間を目指していったらいいのかというところをやはりスタートにしないと、なかなかこの徳育もお仕着せになっていってしまうのではないかなというふうに思います。

 3番目の教職員の師範制度について、いわゆる免許のオープン化については私も旧師範学校を卒業しているわけじゃないものですから、余りここで自信を持って言えないわけですけれども、ただ学校というのはいろいろな人間がいていいのかなというふうに思いますので、教員になってから、そういうかつての師範制度の師範学校のいいところを再度学び直すということと、その教員の養成という段階でのいわゆるオープン制というのは、ちょっと私は違うのかなというふうに思いますので、これもまた時期を改めて、じっくりといろいろ意見交換をしたいと思いますので、きょうはこの辺でよろしくお願いしておきます。

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