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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成28年9月定例会建設委員会 質疑・質問
質疑・質問者:小長井 由雄 議員
質疑・質問日:10/04/2016
会派名:ふじのくに県民クラブ


○小長井委員
 それでは、先ほど説明していただきました資料について、何点かお伺いいたします。
 まず、ポートマーケティング活動についてでございますが、これは今3番委員からも質問がございました。なるべく質問が重ならないようにお伺いをさせていただきたいと思います。
 この清水港のクルーズ船の寄港、平成25年が11、平成26年が15、平成27年が18、今年度は23回の予定だということで、年々クルーズ船の寄港の数がふえているということでございます。
 そして、また今回の補正予算、5100万円については、ポートマーケティング活動等を行うということでございますが、このポートマーケティング活動はどのような形で行っていくのか。委員会資料88、89ページにも清水港の振興という中で記載がございますが、それのポートマーケティング活動について改めてお聞かせいただきたいと思います。
 またそのときに、清水港はどのような売りでこのマーケティングをやっているのか。それもお聞かせいただきたいと思います。

○餅原港湾経営推進室長
 クルーズ船のポートマーケティングについてお答えいたします。
 今回補正予算でとりましたのは、ここにございますように海外クルーズ船社等への訪問、多言語対応ホームページの作成、船社等向けのパンフレット作成といったところで、グッズ、PRのためのホームページ等をつくって、ポートマーケティングをしていくというものでございます。
 そのうち、海外クルーズ船社につきましては、県と静岡市と民間でつくっております清水港客船誘致委員会がございます。そちらも既に25年以上の活動歴がございますので、そういった海外船社についても顔が見える関係になってきております。その中でも委員会の会長は、もう顔が本当に売れている方ですので、その方を中心に県の職員と2名で船社を回って、一番の売りは富士山に向かって入港する清水港というフレーズをもって売っていくと。
 また、今度の11月に総会がございます世界で最も美しい湾クラブへの加入により湾クラブの知名度を使ったセールスをしていく予定でございます。

○小長井委員
 ありがとうございます。
 確かに、世界で最も美しい湾クラブに加入ということになると、さらに売りがふえるということで、マーケティングもやりやすくなると思います。

 そこで、今年度は23回を目標にしているということでございますが、今後は年間何回くらいのクルーズ船の寄港を目標にやっているのか。

 そして、先ほど3番委員から、境港で4,800人といいましたかね、船が寄港したということですけれども、委員会説明資料によりますと、清水港で3,800人程度の寄港に対応するということも書いてありますが、実際その辺のところ、清水港の能力をお聞かせください。

○杉山港湾企画課長
 まず、クルーズ船の寄港の隻数の目標でございますけれども、県はふじのくにクルーズ船寄港誘致戦略ということで、昨年度、平成27年度から31年度まで清水港を含めた県の港湾として、一応5年間で累計ですけれども95隻という目標を掲げております。
 これは、清水港につきましては、昨年度は14隻で、それを年1隻ずつふやしていくことを目標としておりますが、今年度、一応目標は15隻だったんですけれども、既に18隻の寄港が見込まれますので、清水港については目標は達成できるのではないかと。
 あと例えば御前崎とか熱海、下田等につきましても、既に地元で客船の協議会等も立ち上がっておると。下田ができ、御前崎も先般客船誘致協議会ができたということで、清水港の今までのやり方とかそういうものをほかの港のある自治体等も踏まえて、客船誘致連絡協議会を県から立ち上げて、クルーズ誘致に向けて取り組んでまいりたいと思っております。

 あともう1点、キャパシティーという御質問だと思いますけれども、清水港につきましては、今着いている日の出の埠頭が延長が480メートル、水深12メートルございますので、現在就航している世界最大クラス、22万総トン以上の船についても一応物理的には接岸できると。
 問題としましては、大型客船が入る1隻のスペースしかございませんので、もしそれが、例えば同じ日に大型客船が2隻入りたいという場合は、どちらかに御遠慮いただくという状態になると思いますが、ただ、今現在はまだ年間18隻ということは、一月に1回、2回ということはないものですから、清水港に寄港したいという船会社等に対しては十分対応できると思っております。
 ただ、今後これがどんどんふえていくたびには、それなりのところの整理とか、そういうものも視野に入れた対応が必要になってくると思います。

○小長井委員
 クルーズ船の誘致については、順調に伸びているというお話だったと思います。
 外国からの観光客等、本県に来てもらうということで富士山静岡空港もやっているわけですけれども、港のクルーズ船がかなり順調に伸びてきていると、まだまだこれからも可能性があるということですから、ぜひともしっかり取り組んでいただいて、今後も寄港の誘致活動をやっていただくようにお願いしたいと思います。
 
 次に、委員会資料34ページになりますけれども、交通基盤部事前復興行動計画についてお伺いさせていただきたいと思います。
 東日本大震災の経験から、静岡県も南海トラフの巨大地震、こういった大災害が起こった場合の事前復興について事前に進めていくということで、交通基盤部の事前復興行動計画が策定をされております。
 そして、この事前復興計画の策定の中でさまざまな課題があって、それをクリアすることでこの復興計画がつくられていると思いますが、まずどのような課題があるかをお伺いさせていただきます。
 この行動計画の中には、35項目の対策がつくられているわけですよね。体制強化部門、入札制度部門、用地処理部門、設計施工部門と行動計画が35項目あるわけでございますけれども、それぞれ課題があってこの35項目がつくられていると思うんですけれども、主な課題と、これから早急に取り組まなければいけないような課題、それが何かをまずお伺いをさせていただきたいと思います。
 そして、この35項目の中で特に復興事業を推進すると、いざ大震災に遭って復興事業を進める中で、現在の状況では大きな支障を来すような問題があれば、それについてお伺いいたします。

○内田技術管理課長
 事前復興行動計画が取り組んでおります主な課題でございます。それと、今支障になっている点についてお答えをいたします。
 交通基盤部では、大規模災害による被害を最小限に食いとめまして、また早期の復興を可能とする危機管理体制を構築するために、東日本大震災直後から岩手県の復興支援活動に当たってまいりました。延べ137名の派遣職員によりまして87件の状況報告あるいは業務改善提案をいただきまして、それを活用し早急に取り組むべきソフト対策、あるいは日常業務での改善事項などを事前復興の具体策35項目ということで、平成27年2月に事前復興行動計画として取りまとめたところでございます。
 取り組む中で、派遣職員から提起されました課題の主なものでございますが、1つといたしましては、情報収集の多様化です。実は東日本大震災では、一般通信回線の途絶とか、あるいは道路の寸断、渋滞で被災情報の収集や把握について、非常に時間を要しまして、その後の事態対処におくれを来したということがございます。それが1点。
 それから次、職員の派遣計画の策定でございまして、これは東日本大震災におきましては、沿岸部の一部の行政機関が完全に行政機能を失ってしまったということがございました。その行政機関を補完するための技術支援が周辺の自治体、あるいはもう少し広域な自治体からの支援が必要となりましたけれども、そういった体制の構築ができていなかったということで、職員の派遣計画の策定を事前にしておくべきだろうという課題もございます。
 それから、地籍調査の推進がございます。実は、津波による筆界等の目標物の消失、あるいは地権者の死亡によりまして、官民境界の確定に非常に時間を要しておりまして、復旧工事の発注が遅延する事態に陥っていると聞いております。これも大きな課題と捉えておるところでございます。
 また、4番目になりますが、緊急輸送ルートの確保計画の策定でございまして、想定を超える津波により甚大な被害を受けた沿岸部では、大量の瓦れきにより主要な道路が塞がりまして救援活動に大きな支障が出たと聞いております。このため、発災直後に最も重要な人命救助活動について救援部隊の進出、あるいは救急搬送のためのルートを確保するための道路啓開を迅速かつ効率的に行うことができるように、あらかじめ国、県、市町、あるいは地元建設業者が一体となって体制の構築をする必要があるといった課題を提起されたところでございます。
 それぞれについて取り組んでいるところでございますが、この中で一つ地籍調査の進捗がややおくれているといった課題がございます。

○小長井委員
 大きな課題としては、情報の把握あるいは行政機関の補完体制、そしてまた地籍調査というお話をいただきました。
 その中で、地籍調査の推進ということが27番目の項目にあります。この地籍調査につきましては、委員会資料123ページにも同じように地籍調査の促進ということであります。今、地籍調査が若干おくれているということで、全国平均50.9%、本県が23.7%と全国平均よりも半分以下でかなりおくれているなという感じがいたします。
 やはりお話にあったように、復興しようとするときに、地籍調査が完了していないと工事にも着手できない状況になろうかと思いますが、静岡県内は地籍調査の完了しているところが35市町の中で4、休止しているところと未着手が9となっておりまして、これからかなり馬力をかけていかないとなかなか大変な数字ではないかと思います。
 この地籍調査が進んでいない原因はどういった点にあるのか、お伺いをさせていただきます。

 そして、また委員会資料123ページにもありますが、地籍調査を進める上で市町の職員の負担がかなり多いということでございますが、この職員の負担を減らすということで地籍アドバイザーの派遣制度があるとあります。これはどのような制度か、その辺についてもお伺いいたします。

○内山農地計画課長
 まず、地籍調査の進んでいない理由についてお答えいたします。
 本県を初め関東地方、それから東海地方も同じような状況でございますけれども、まず地価が高いということに加えまして、権利関係が複雑であるということ。それから一筆ごとの面積が小さくて、そして某大な筆数を調査する必要があるため、この地籍調査が進んでいない状況にございます。

 続きまして、地籍アドバイザーがどういう制度かについてお答えいたします。
 国においては地籍調査に精通し推進するためのノウハウを有する者を地籍アドバイザーとして登録し、市町等の申請に基づき派遣をするという制度を持っております。
 これまで本県におきましてもこの制度を活用してまいりました。このアドバイザーは、地籍調査業務に従事をした経験が豊富でアドバイザーとして適格であると国が認めた者で構成されておりまして、市町等の地籍調査の事業主体となるものに対しまして、住民説明会や調査実施に関する助言等を行う仕組みとなっております。

○小長井委員
 進まない原因としては、地価が高いとか筆数が多いとかがあるということですけれども、いずれにしてもこれを進めていかないと、いざ復興というときに大きな支障になるものですから、その辺はクリアしていかないといけないと思うのですけれども。
 そこで、今伺った地籍アドバイザー派遣制度を十分に活用して進めていくことも必要ではないかなと思いますが、この地籍アドバイザー、もう少し具体的にどういう方たちが登録をしているのか。静岡県内にはどのくらいの数の方がいて、それで十分足りているのかどうなのか。それについての状況もお聞かせください。

○内山農地計画課長
 地籍アドバイザーの状況についてお答えいたします。
 まず、地籍アドバイザーでございますけれども、県内にも地籍調査をこれまで市町村などで数多く経験をされた方、それから民間のコンサルなどで地籍調査の業務に従事していた方などが登録をしていただいておりまして、現在では7名の方が県内に在住する方で、地籍アドバイザーに登録をしていただいております。
 また、本県におきましてもこの地籍アドバイザーの制度を活用しております。昨年度も全部で3件、この制度を活用してございます。この制度を活用することで、事業主体である市町が手間になっている境界確認などの課題に対する解決のヒントが得られるものと考えておりますので、今後もこの制度については活用していきたいと考えております。

○小長井委員
 7名ということですけれども、多分それではまだまだ少ないのかなという感じがするんです。この地籍アドバイザーをふやしていくことも必要ではないかなと思いますが、その辺はどう考えているのか。今おっしゃったような形、例えば、こういった業務だと土地家屋調査士ですとか、市役所のOBの方――担当していた経験があるような方とかですね、この地籍アドバイザーとして登録をして活躍してもらうことも必要かなと思うのですけれども、その辺についてのお考えをお聞かせください。

○内山農地計画課長
 地籍アドバイザーをもう少しふやして活用したらどうかということについてお答えいたします。
 7番委員おっしゃるとおり、地籍調査の経験を持っている職員がだんだん少なくなっているということもあります。そして反対に、ある市町においては、地籍調査が100%終わっているだとか、そういったところにはOBの方も含めて豊富な経験を持っている方がいらっしゃるのも事実でございます。
 今、私どもで直接この地籍アドバイザーをふやす予定を持っているわけではございませんけれども、市町とのヒアリング等を通じて、必要であればそういった人をふやすことも考えていきたいと思っております。

○小長井委員
 地籍調査を進める上で、なかなか決め手はないかもしれませんけれども、地籍アドバイザーをふやすことも取り組んでいただきたいと思いますし、また地籍調査というのは、国と県と市町で負担して土地の所有者の負担がない制度になっていますので、その辺のところをもう少し周知すれば地籍調査をやろうという方もふえていくのではないかなと。現状のところ、市町の担当者は当然わかっていると思うのですけれども、土地の所有者、民間の皆様方がなかなか自分の負担なしで進められることを認識している方はそんなにいないんじゃないかなと思いますので、また考えていただきたいなと思います。

 次に、中部横断自動車道についてでございます。
 これについては先ほど交通基盤部長が冒頭説明していただきましたように、今年8月19日に国土交通省と中日本高速道路株式会社が、新清水ジャンクションと六郷インターチェンジの開通予定の平成29年度というのを再検討する必要があると。検討する必要があるということで、おくれるとか早まるとかいうところまではおっしゃらなかったと思うのですけれども、多分検討するということはおくれるということだろうと思います。
 その理由としては、地盤が脆弱であったり、あるいはトンネルのこと、重金属を含む石が発生したとか理由が書いてありますが、この状況についてもう少し詳しく御説明をいただきたいと思います。

 これまでも重金属が発生したというのは、新東名の工事ですかね、そういったところでも小さな記事で見た記憶がございます。このことについてお伺いさせていただきます。

 まだ8月19日に検討が必要だというお話があってからひと月余りでございます。検討した結果、今後の開通の予定時期は延期された場合いつごろになるのかまでつかんでいるのかどうなのか、その辺をお伺いいたします。

○山本道路企画課長
 中部横断自動車道に関しましてお答えいたします。地盤の問題や重金属の発生ということに関しまして、もう少し詳しい説明ということでございます。
 新清水ジャンクションから六郷インターチェンジ間におけるトンネルが27ございます。そのトンネルで発生している主な難航事象としては、1つは想定以上に地盤がもろく、トンネル掘削面での崩落や断面変形が発生していること。もう1つがトンネル掘削中の湧水の発生。3つ目が自然由来の重金属の発生でございます。
 新清水ジャンクションから富沢インターチェンジ間は中日本高速道路株式会社が施工しておりますが、ここの区間に関して見ますと8トンネルございます。7月末時点で掘削の進捗が72%でございます。8トンネルのうち5トンネルで重金属が、1つのトンネルで崩落が発生しております。
 富沢インターチェンジから六郷インターチェンジ間の国土交通省施工区間では、19のトンネルがございまして、7月末時点で掘削進捗は62%でございます。この19のトンネルのうち15トンネルで崩落が、13トンネルで重金属が、5つのトンネルで湧水が発生しております。
 通常、山岳トンネルを掘削する場合においては、事前の地質調査としてボーリング調査など直接的な事前調査はトンネルコーンチップ――トンネルの表面のところなのですが、コーンチップの一部でしか実施しておりません。残りの区間に関しましては、地質、岩種の分布に関する文献や地表面からの間接的な調査であらかじめ地盤を構成する岩のかたさやその分類を想定して、トンネル本体の設計を行うわけでございます。
 そのため、トンネルの掘削を行いながら日々地盤状況を観測調査して、地盤が想定以上にもろければ、その都度崩落対策を追加しながら掘削を進めております。そのため、作業効率の低下を余儀なくされております。
 また、重金属に関しましては、重金属がどの程度含まれているかとか、そのためのヤードが必要になりますし、また処分のための作業がありまして工程がおくれる原因となっております。

 2番目の質問でございます。
 重金属を含んだ残土はどのように処理されるのか、今までどうやってきたのかということでございました。
 重金属は雨水や地下水など水に溶け出して外へ流れ出すおそれがございます。そのため遮水することが一般的なやり方でございまして、粘土鉱物等の水を通さないもので覆って盛り土すると。それを道路敷内とかほかのところに盛り土するやり方とか、やはり溶け出さないようにするために不溶化するといいますか、材料をまぜて固めてしまう。あるいは最終処分場に持ち込むというところでございます。
 新東名に関しまして、具体的にどういうふうにしていたのか、資料がないんですけれども、NEXCO中日本の静岡県内の区間に関しましては、トンネルの掘削残土で重金属を含んだものは遮水しまして、道路敷内に盛り土してございます。

 最後の今後の開通の見通しでございますけれども、開通の見通しについては、現在掘削中のトンネルが15で、先ほど申しましたように進捗率が62%あるいは72%と相当のトンネルがまだ残っています。
 さらに加えまして、掘削に着手していないトンネルも3つございます。それらのことを踏まえて、国や中日本高速道路株式会社が全体工程を精査しているところであります。今後の難航事象の発生状況等を見きわめた上で公表すると想定しております。

○小長井委員
 今の湧水、落盤、それと重金属の発生の箇所数だけ聞いただけでも非常に深刻な状況のように聞こえるんですけれど、湧水とか落盤については最近の新しい工法でどんどんやっていけばもしかしたらクリアできるのかもしれないけど、余りにもそういった場所が多いなと、地盤が悪いのかなと思います。
 特に、この中部横断自動車道は観光に利用とか、あるいは清水港からの輸出で使うとか、静岡県にとっては非常に重要な道路になると思うんで、一日も早く開通するようにお願いしたい。といっても県が工事をやるわけじゃないということで、県は国土交通省とかNEXCO中日本に要請する立場かと思いますが、これからも早期の開通に向けて県としてもできる限りの取り組みをしていただきたいと思います。

 それから、重金属を含んだ残土の処理、今、路肩処理ということでお話があったかと思うんですけれど、それで安全性は確保されるのかどうかということ。

 それともう1つは、同じようにこの近辺でトンネルを掘る、これから工事が始まるリニア中央新幹線の工事なども、ここの中は全く未知の部分で、これまではトンネル、穴を掘ったことがないということになります。しかも地盤調査は入り口部分だけとなりますと、今後、この重金属がどのような形で出てくるかわかりませんし、南アルプスから掘り始めて重金属が出たとなると、現地でその処理が行われることになると思います。
 そうしますと、このリニアの残土処理の場所が大井川水系の最上流部ということで、下流部では7市、人口が62万879人という大勢の皆さんが使っている飲料水が汚染されるとは言わないけれど、非常に不安になるんだろうと。しかも飲料水だけじゃなくて農業用水、工業用水、発電用にも使っているということで、この大井川水系の一番上流でもしリニアの工事の中でこういうものが出た場合、非常に深刻な状況になるんではないかなと思います。その辺について、これは環境の部分になるとくらし・環境部の話になろうかと思いますが、交通基盤部としてこれからの対応についてはどんなふうにお考えか、2点お伺いいたします。

○相坂委員長
 答えられますか。

○和田政策監
 中央新幹線の整備に関しまして、自然由来の重金属にどのように対応するかについて、交通基盤部の対応と、あともう1つはくらし・環境部と情報共有している内容の範囲内でお答えをさせていただきます。
 まず、事業者でありますJR東海の対応でございますけれども、これは平成26年11月にJR東海から知事宛てに送付されました環境影響評価書に基づく事後調査計画書――これはくらし・環境部の所管になりますが――これにおきまして、工事排水であるとか発生土置き場の排水について事後調査、モニタリングをしていくという考え方を示しております。そのモニタリングの結果につきましては、事後調査報告書等によりまして県に報告されることになっております。
 交通基盤部といたしましては、このJR東海から受ける報告を、静岡県中央新幹線対策本部――副知事を筆頭としまして関係部長で構成しております対策本部をつくっておりますので、その中でくらし・環境部と情報を共有して、県全体の方針をきちんと立てまして、大井川の水資源、量も質も確保できる形で適切な対応を求めていくと。今後のJR東海の工事の状況等を見据えながら、適切に対応してまいりたいと考えております。

○小長井委員
 適切に対応していただくのは当然必要なことですけれど、トンネルを掘って湧水があると。湧水はとめることができないから、くみ上げて大井川へ戻すことになると思うんですけれど、そうしますとトンネルの底にもし重金属があって、そこから湧水が出ていると。それをくみ上げてくるんだから、寝た子を起こすようなもんで、これまでだったら影響のないものを、わざわざトンネルを掘って重金属を露出させることになると、今度は水の中にそれが溶け込んだりという危険も非常にあると思うわけです。ですので、今後のくらし・環境部との関係になろうかと思いますが、連携をとりながら流域住民の生活に不安のないような形をとっていただきますようにお願いをいたしたいと思います。

 次に、委員会資料60ページになります。
 これも先ほど3番委員が質問した巴川流域の総合治水対策の中のダイオキシン対策でございます。
 私も若干触れさせていただきますけれど、平成16年にダイオキシンが環境基準を超える量で検出されたということで、これについては現在、固化処理法による封じ込みを実施したということでございます。この固化処理法というのはどのような工法か、簡単で結構ですので御説明をいただきたいと思います。

 そしてまた、この固化処理法による封じ込めというのは永久的なものか。あるいはこの工法でももって20年とか30年ということがあるのかどうなのか。

 そして、今後のこのダイオキシンに対する調査はどのように継続していくのか、この点についてお伺いいたします。

○中野河川海岸整備課長
 ダイオキシン対策として実施しました固化処理工法とはどんなものかという工法の説明と、どのくらいもつのかという話。それと、今後調査をどうするのかという点についてお答えさせていただきます。
 この固化処理工法というのは、4工区の池底にある汚染土をまず封じ込めるということで、矢板である区画を仕切りまして、まず水をかい出しまして、その後、池底から約1メートルの層厚をセメントを入れてまぜて固化しました。その1メートルのうちの約半分に当たる50センチはすき取りまして、そのすき取った後に麻機の近隣の自然復元も目指しまして、先ほど言いました1工区にあるような土を覆土としてまたかぶせました。ということで、簡単に言いますと固化処理したかたいもので一応キャッピングして汚染されたものが出てこないように対策をとったという工法になります。

 その期限ですが、水中にずっと没していること、セメントもまぜていることもございまして、何十年という具体的な年数はわかりませんが、コンクリート構造物の一部とすれば半永久的にもつのではないかと考えているところでございます。

 あと、調査についてどうするのかという話でございますが、固化処理を実施しましてから5年間はモニタリング調査をするということで、平成25年度から29年度までの5年間で、現在も含めてモニタリングを実施しているところです。その結果が、先ほど申しました4工区から排出する排水口の前後で水質の基準値1.0ピコを若干上回っている結果になってございます。
 したがいまして、最低5年間のモニタリングは実施しますが、それ以降につきましても、現位置で封じ込めた工法をとっていますので、継続してモニタリングは実施してまいります。

○小長井委員
 固化処理法は半永久的だということで、しかも今後も継続調査をしていただくということです。先ほど3番委員も言っていましたけれど、安全なら安全ということで、地域の住民も非常に不安に思っている点もありますので、調査の結果の発表についてはしっかりやっていただくようにお願いしたいと思います。

 次に、景観施策の推進について、委員会資料111ページになります。
 景観施策の推進ということで、東静岡地区の良好な景観形成と載っておりますが、よく話題になるのは静岡駅から県庁までの景観がよく取り上げられる部分です。これは主体的に取り組むのは静岡市がやるべき話だろうと思いますけれど、これについて県はどんなふうにかかわっていくのか。
 また、現在までの静岡市あるいは県それぞれこの部分についての協議なり、あるいは議論も進めているんではないかなと思いますが、もしそういうことがあるようでしたら、現状をお聞かせいただきたいと思います。

○松木景観まちづくり課長
 御幸通りの景観につきましてお答え申し上げます。
 静岡駅から県庁までと御指摘ございましたけれども、現在、県といたしましては、静岡駅から中町の交差点、県庁を通り越してもう少し先の約800メートルの区間につきまして、御幸通りの歴史・文化が感じられ、かつ静岡県の県都の玄関口にふさわしい景観形成を進めていこうということで、本年5月に県では市とともに勉強会を設置しまして、6月には地元の町内会、それから商店街の代表者の方々に勉強会への参加をお願いしたところでございます。
 その後、7月には地元商業施設等の関係者へ現在の取り組みや今後のスケジュールの説明を行いまして、さらに8月の勉強会で駿府城あるいは市街地形成など地域の歴史を学びながら、それらを踏まえて景観がどうあるべきか検討を行ってきているところでございます。
 あわせて御幸通りの沿道の状況について現地調査も行いまして、道路施設、街路樹、沿道の建築物、それから交通の状況などを把握するとともに、この結果を踏まえ、景観形成の大きな方向性につきまして検討を始めたところでございます。
 今後、県、市、地元、さらに有識者も加えました検討組織を立ち上げ、景観形成の基本的な方針や、それを実現するための具体方策等を策定していくこととしております。

○小長井委員
 商店街の皆さんですとか、地域の皆さんも勉強会に参加しているということでございますので、その中で地元の皆さんがどのような意見を持っているか、どのような景観を形成していきたいと考えているのか、そういう発言があったということだったらお聞かせいただきたいと思います。

○松木景観まちづくり課長
 先ほど申し上げました勉強会ですとか説明の中で地元の方々から言われるのは、これまで御幸通りというのはどちらかというとオフィスですとかしっかりした大きな店舗が多くて、ある程度風格のある通りだったと。それが近年になりまして、居酒屋だとかサラ金といった建物がふえまして、それらがちょっと残念であるという声を伺っております。

○小長井委員
 勉強会も立ち上げたということですから、さまざまな意見を聞いて、ぜひ静岡駅から中町までの交差点の間を静岡らしい風格のある町にしていただくようにお願いしたいと思います。

 最後になりますが、耕作放棄地対策の推進についてお伺いさせていただきます。
 耕作放棄地の解消については、当局の皆様は本当に一生懸命取り組んでいただいていると思うんですけれど、解消すればまた新しく放棄地が出てくるということで、なかなか全面解消はできない話ではないかなと思います。
 そういった中で、耕作放棄地のうち非農地化を図ることで、適正な管理化を進めようとしているということでございます。数字としてあったら教えていただきたいんですけれど、県としては、将来的に県内の農地のうちどのくらいの面積が耕作放棄され、そのうちどれくらいが再生可能として再生されるのか、最終的と言えるかどうかわかりませんが、何年後という試算があれば教えていただきたい。また非農地化判断をするものがそのうちどのくらい出てくるのかという試算、あるいは推測、推定をしていれば教えていただきたいと思います。

○内山農地計画課長
 耕作放棄地の解消の目標でございますけれども、平成29年度までに累計して3,500ヘクタールを解消する目標を持って取り組んでいるところでございます。
 ただ、そのうち非農地化をどれだけにするかについては、現在、目標を持っているものではございません。

○小長井委員
 そうしますと、最終的に静岡県内の農地はどのくらい残したいという目標はありますか。

○志村農地局長
 県といたしましては、農業に利用されている農地を、農振農用地も含めて、市街化の農地も含めて、現在は7万1000ヘクタールを確保したいという目標を持っております。
 ただし、現在、耕作放棄地等がふえておりまして、昨年度で6万9700ヘクタールになっております。そのうち農地につきましては、先ほど農振農用地と言いましたが、いわゆる青地農地と言われているものが約5万6000ヘクタールほどありまして、それにつきましては今後も優良農地として確保しておく必要があると。
 ただいまお話のありました耕作放棄地とは、その外にある、先ほどの農業を利用されている農地、あるいは今農振農用地と言いましたが、その外にある農地だけですので、それにつきましては利用できるものは解消して、その中に取り込んでいく、また転用される農地も出てくる、あるいは耕作放棄地もある程度発生するものがありますので、その差し引きでもって、現在のところは計画としてその面積を目標に確保していこうと考えております。

○小長井委員
 最終的には7万1000ヘクタールは残したいというお考えだということでございます。
 静岡県は農産品の品目が三百幾つでしたか、かなりの数があるということで、そういったものを維持する上でも、耕作放棄地が少しでも少ないほうがいいと思いますし、この事業については非常に大変で難しい、本当にイタチごっこみたいな形になっているところもあろうかと思いますが、諦めないでしっかり取り組んでいただきたいとお願いいたしまして、質問を終わります。

○山本道路企画課長
 先ほど、7番委員からの中部横断自動車道にかかわる質問の中で、重金属の処理は覆えば安全なのかということがございました。答弁漏れで大変申しわけございません。
 水によって外に流れ出すことが問題でございます。遮水性の高い粘土鉱物等の土層で覆って、その上にさらに盛り土等をすれば十分安全であるということで、NEXCO中日本と国が中部横断自動車道にかかわる検討会議の中でこの方法でやろうと、専門家も交えて決めた工法であり、十分安全であると聞いております。

○小長井委員
 ありがとうございます。
 中部横断自動車道についてはそうかもしれませんけれど、リニアについては下流域が飲料水ということもあるんで、その工法で安全だといっても飲料水として使っている住民の皆さんがなかなか納得するかどうかわかりません。今後新しい重金属対策等が開発されるかもしれませんし、その辺についてもぜひ対応をしっかりしていただくようにお願いをいたしまして、質問を終わります。

○相坂委員長
 ここでしばらく休憩します。
 再開は15時25分とします。

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