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委員会会議録

質問文書

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令和3年2月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:森 竹治郎 議員
質疑・質問日:03/09/2021
会派名:自民改革会議


○森委員
 分割質問方式で質問したいと思います。
 最初に、金融経済支援についてお尋ねしたい。
 まさに、今静岡県、全国、世界もこの1年間中国武漢からの新型コロナウイルスによって大変悩まされてきた。静岡県も経済界は翻弄されてきた。
 そのような状況の中で、特に金利の面からの支援に皆さん方が全力を挙げてくれたわけであります。産業委員会提出案件の概要及び報告事項を見ますと、もう既に9500億円を上回る融資実績と5万5000件もの相談の実績がある。このことはまさに今回の新型コロナウイルスは戦争であるという見方もできるんじゃないかと思います。
 また、かつてリーマンショックのとき、あるいはちょうど10年前の東北の大津波、大地震の後の金融支援とは比較にならないほど皆さん方はこの1年間少ないスタッフでこのように実績を上げてくださりました。心から感謝と敬意を表するわけです。
 そこで質問とお願いをします。
 20年ぶりに全国倒産件数が8,000件を下回ったと新聞報道に出ています。静岡県の倒産あるいは店じまいの状況について質問したいと思います。
 それから、また新年度に議案としておよそ1700億円の新しい制度融資の枠を設定されています。大賛成なんですけれども、提案に当たって皆さん方は静岡県経済の見通しについて、ある程度のものを持ってこのような数字を出してきたのかなと思います。
 この見通し、それからさらにその先になりますけれども、例えば今静岡県の金融界――全国もそうでしょうけれども――にとっては無利子、無保証といっても県あるいは市の保証協会、あるいは国が面倒を見てくれるからリスクが少ないわけであります。リスクが少ないから比較的この申込みについても協力していただいたのでありましょうけれども、しかしこれが1年たち、3年たったその先のことを考えると融資ですから無利子、無保証といってもやっぱり返済が始まりますので、静岡県経済の牽引者たる経済産業部として展望した施策を講じなければなりません。
 事業承継や業種転換への応援をすることになるのかもしれませんけれども、その先についてどのような考えを持っているのかお尋ねしたいと思います。

○杉山商工業局長
 倒産関係の情報でございます。
 東京商工リサーチ静岡支店の発表によりますと、令和2年の静岡県内の倒産件数は203件です。令和元年が198件、平成30年が231件でしたので例年に比べて著しく増えているのではないと認識しております。
 それから、経済の見通しの関係です。
 例えば、商工団体や金融機関と意見交換する中では、まだワクチンが普及してない中でコロナの影響が長引いておりますので、近々に景気が回復することは見通せず厳しい状況が続くと見通してございます。
 資金繰りの面に関しましても、まだ需要はあると。一部製造業では生産が戻って、資金繰りに改善の動きが見られることがありますが、飲食業や宿泊業などはまだ厳しい状況もございます。
 県としましては、先ほど2番委員からもお話がありましたけれども、今年度はいわゆる業態転換、チャレンジ支援事業をやってきました。今回は4次募集までやってきましたけれども、たくさんの応募を頂いており、前を向いて一生懸命取り組もうという企業がたくさんいますのでしっかり支援していく、来年度においても中小企業デジタル化・業態転換等促進事業をここにお諮りさせていただいておりますし、また事業承継についてもしっかり進めていきたいと思います。
 まだ見通しできないところはありますけれども、現場の意見を聞きながら県としてしっかり対策を取っていきたいと思っております。

○森委員
 次の質問です。
 県の制度融資を受けて、塗炭の苦しみにあえいでいるのは県内の事業者です。これは偽りのないところであります。コロナ以前に金利が3%、あるいはこれを上回るような利息を負担して金融機関から融資を受けている。しかしコロナが始まって事業そのものが非常に厳しいため、コロナ以前の融資の返済猶予や償還期限を少し延長してもらいたいとの話も出ている。
 例えば、今日は水産・海洋局の皆さんも出席していますが、漁協系統金融の漁業近代化資金については返済猶予の説明もあるわけですけれども、先般私どもは地銀、信用金庫もコロナ以前の融資についてさらに応援していただければありがたいと天野経済産業部長たちにお願いしたわけです。そのような業界の話が出ているわけですから、このことについてお考えを示していただきたいと思います。
 それからもう1つ。前段で制度融資は県内事業経営者にとって干天の慈雨という話をしたわけでありますけれども、今審議している新年度の制度融資はいろんな有利な面について国に、あるいは国をカバーする形で計画が出ています。新しい年度に入ってもこれを現場の皆さんがよりスムーズに周知徹底することが大事ではないのかと思います。
 例えば、西伊豆町あるいは松崎町の商工会は人口の減少、景気の停滞によって今まで商工会の会員数も500人あるいは400人、400人を切る状況が出ていたんですが、何と今年の1月ぐらいに私が現場へ行きますと商工会の会員の数が増えていると言うんですよ。これは皆さん方が商工会議所あるいは商工会に、昨年度また今年度のいろんな制度融資や事業支援についての説明をしっかりやっているためなんです。
 小さな松崎町や西伊豆町の商工会に、会員でない事業者が融資や事業支援の相談に行くと的確に親切に丁寧に応えてくれる、それによって制度融資を受けた、商工会へ入るよと。今まで商工会に入ってない事業者が商工会の窓口で親切に丁寧に、そしてその実現を受けて商工会に厄介になったから入りますと。小さな商工会は知りませんけれども、会員数が増えているのはやはり皆さん方がしっかりやっているからと思うのです。
 これを考えるならば、やっぱり新年度のこの融資の継続、あるいはある面で国に代わって県が継続していくことをさらにPRし、行き届くようにやることが非常に厳しい中で元気を与えることにもなるし、店じまいや倒産を防ぐことにもなると思います。
 この予算、事業が議会で認められ次第、もう1度また県内に行き渡る行動を皆さん方に取っていただきたいと思いますけれども、どのように取り組むお考えであるか、どのような方法を取るのかも説明していただきたい。

○天野経済産業部長
 まず、既往の債務の条件変更については、自民改革会議の各議員からも非常に厳しい状況の中で何とかしてほしいと要望を受けました。
 この後すぐ我々は、各金融機関を回っております。私と三須経済産業部部長代理で手分けして、県内13全ての地銀、信用金庫の頭取などの経営トップに会っていただいております。
 そこで先ほどありました条件変更にできる限り応じて企業を助けてほしいというお願いをしてまいりました。緊急事態宣言後の厳しい経済情勢で金融機関との情報交換はずっとやってきていますけれども、引き続き情報交換を行うことも併せてお願いしてきました。
 ちなみに、国は昨年の春先から既往債務の条件変更への対応を各金融機関に対して繰り返し通知を出しており、1月19日もまた出ておりますので改めて各行にお願いしたところです。
 金融機関と信用保証協会、証明書を出す市町、経済団体及び商工団体と一緒になって、企業を守るように全力で取り組んでいますが、やはり既往債務やさらなる借入れがあると、ある程度成長軌道に乗せないと返済できないので、金融機関は今全力で本業支援に取り組んでおります。
 商工会、商工会議所の経営指導員は、経営者に対して本業支援やアドバイスを積極的に行っており信頼度が高まってきていると考えます。その中でも資金繰り支援は極めて重要な施策であり、新年度も継続していきます。中小企業が資金繰りに困らないよう金融機関等に対して精緻に情報伝達を行い、しっかりと周知徹底を図っていきます。各団体のメーリングリスト等の連絡網や会議等の開催によりこの制度の周知徹底に全力で努めてまいりたいと思っております。

○森委員
 次に、説明資料32ページのマリンオープンイノベーションプロジェクトの推進についてお尋ねしたいと思います。
 この事業は新しい事業として期待を持っているわけであります。予算も4億2600万円ほど計上されております。一方では県の皆さんがこの長い間駿河湾の海洋深層水の事業も取り組んでおり、今年度の予算は3013万4000円計上されています。
 この深層水の事業もスタートから今日まで医薬品や化粧品、お菓子あるいは干物の製造の場面に活用するといった説明を受けてきましたが、今回のマリンオープンイノベーションプロジェクトとの整合性はどうなっているか。
 また、同じように研究調査についてですが、長い間、水産・海洋技術研究所等においていろんな調査活動をやっており、今回の上位計画の中にもそういった調査の予算も入っているわけです。その辺の整合性についてどのように取り組んでおられるのか質問します。

○村松産業革新局長
 まず、MaOIプロジェクトと水産・海洋技術研究所との関係についてお答えいたします。
 MaOIプロジェクトは、昨年11月に清水港のところに開所したマリンパークを中心にネットワーク型の拠点形成を目指しており、その中で本県の水産・海洋技術研究所は重要なプレーヤーの1つとして位置づけているところです。ですので先に結論から申し上げますと、MaOIプロジェクトと水産・海洋技術研究所はこのプロジェクトの中でウィン・ウィンの関係でやっていきたいと考えています。
 連携の具体例を2つ御紹介させていただきます。
 1つ目は、MaOIプロジェクトのデータプラットフォームに蓄積する駿河湾の水温、塩分濃度及び微生物資源については、水産・海洋技術研究所から提供を受けてやっております。
 2つ目は、プロジェクトで実施している共同研究の多くに水産・海洋技術研究所が参画しています。調査船「駿河丸」を活用した海洋資源の採取やキンメダイ等の種苗生産の技術開発、海洋由来の微生物を活用した新たな食品の開発などの分野で連携しています。
 今後も、水産・海洋技術研究所と緊密に連携し、マリンバイオテクノロジーによるイノベーションの創出を発展させていきたいと考えています。
 それから、2点目の御質問の海洋深層水事業との関係でございます。
 駿河湾海洋深層水は、本県の場の力としてMaOIプロジェクトを企業や研究機関に対してアピールする具体的な強みの1つになると考えており、既にプロジェクトでは駿河湾海洋深層水を活用した取組にも着手しているところです。
 具体例を少し申し上げますと、現在MaOIプロジェクトのシーズ創出研究において、東京工業大学と海洋・水産技術研究所が駿河湾深層水を活用した海洋生分解性プラスチックの研究開発に取り組んでおり、生分解性プラスチックがどのように分解するのか深海の疑似環境で実証実験を行っています。
 これまでの海洋深層水事業で得た知見とMaOIプロジェクトの最新のテクノロジーを融合して相乗効果を高め、一体となって多分野で産業応用につなげていきたいと考えております。

○森委員
 今の答弁のとおり、既存の水産・海洋技術研究所や駿河湾深層水事業と連携し、情報交換を密にしてお互いの効果が大いに上がるように努めていただきたいと思います。
 
 それでは、最後の質問になります。
 水産・海洋局で取り組んでいると思いますけれども、御存じのように改正漁業法が昨年の12月から新しく施行されました。私の関心が一番高いのは、県内のいろんな魚種のうちどの魚種が規制の対象になっていくのか。今水産庁がその作業に取り組んでいると思うんですけれども、現場の漁業者からすると、果たして今取り組んでいるこの漁業が規制の対象になってくるのかどうか。水産庁は漁業資源をしっかりと保護していき、現場の漁業者からすると明日の糧を考えなければならない。
 そういうときに、今取り組んでいる漁業が枠の規制に入るのかどうなのか、水産庁の動向について情報があったら教えていただきたいと思います。

○板橋水産・海洋統括官
 改正漁業法の施行に伴う資源管理の水産庁の動向についてお答えいたします。
 資源管理の前提として、まず国が200魚種の資源状況を調査した上で資源水準や動向を評価することとされています。漁獲量の総量の管理――TAC管理については資源評価の結果や水産資源の特性、採補の実態を考慮した上で、各魚種がTAC管理に適しているかどうかを国が魚種ごとに個別判断することとされています。
 国が昨年9月に示した新たな資源管理の推進に向けたロードマップでは、新たにTAC魚種に追加される可能性のある魚種としてブリ、キンメダイ、トラフグ、カタクチイワシ等が挙げられていますが、これらの魚種についても直ちにTAC魚種に追加されるわけではなく、国はあくまで関係する漁業者の理解と協力を得た上で、現場の実態を十分に反映して進めるとしています。
 最近の動向についてですけれども、現在水産庁はロードマップに記載されている方向性について全国の漁業者に対し地域別に説明会を行っています。本県でも先月26日に漁業協同組合の組合長、職員等に御出席頂きウェブ会議形式で説明会が開催されました。今後対面形式での説明会も開催する方向で調整中です。
 さらに、個別の魚種をTAC魚種に追加する前には、ロードマップへの説明会とは別に魚種追加に関する意見交換会を開催することとされています。
 県としては、これらの説明会や意見交換の場で現場の意見が適切に反映されるように働きかけるとともに、引き続き情報収集を行なってまいりたいと考えています。

○森委員
 ぜひ今後も水産庁の動きを的確に情報提供して、対応策を取っていただきたいと思います。

 それでは最後になりますが、大変僭越でありますけれども私のほうから産業委員会を代表して、この3月をもって説明者の中で御勇退される方が御三方おるようでございますので感謝の言葉を一言申し上げたいと思います。
 御列席頂いております説明者の中で、経済産業部の津久井経済産業部参事、青木水産振興課長でございます。それから労働委員会事務局の尾上事務局長でございます。皆さんは大変長い間、県行政の推進に大きな御尽力を発揮されてまいられたわけであります。改めて敬意を表する次第でございます。
 皆さんが県庁に入られました昭和の終わりから平成8年、9年、10年ぐらいまでは日本の経済も静岡県の経済も、そして行政も大変活気がある時代でありました。しかしその後、震災や台風、集中豪雨などの自然災害も多く発生してしまい、景気も失われた20年と言われるように非常に厳しい20年が今続いております。さらに昨年から新型コロナウイルスによって、非常に厳しい状況に置かれている静岡県の経済や行政であります。
 しかしながら、一方では静岡県は47都道府県の中でも、昨日も話題がありましたが工業製品出荷金額、1人当たり県民所得あるいは財政力の指数など常に富裕県として位置づけられてきました。このこともやっぱり皆さん方が昼夜を分かたず、静岡県の経済あるいは行政について非常に腐心を重ね、奮闘されてきた大きなあかしではないのかなと、このように私は思っております。
 津久井経済産業部参事におかれましては、昭和63年4月に奉職されて以来、33年間の長きにわたり一般行政職員として県行政に携わっていただきました。
 この間、東京事務所の次長、港湾企画課参事、産業成長戦略推進課長などの要職を歴任され、平成30年4月からは先端農業推進担当の理事として、また平成31年4月からは職名変更により参事として特にAOIプロジェクトの推進に取り組んでいただきました。革新的な研究開発により農業を飛躍的に発展させようと、産学官連携による新しいビジネスの展開を図るために、AOI−PARCを拠点として慶應大学、理化学研究所のような国内でも最高レベルの組織や民間事業者との連絡調整を行いながらプロジェクトを牽引し、静岡県農業の発展と将来への明るい希望の道筋をつくっていただきました。ありがとうございました。
 青木水産振興課長におかれましては、昭和60年4月に奉職されて以来36年間の長きにわたり、特に水産技術の職員幹部として県水産行政の骨格に関わってこられました。
 この間、水産技術研究所研究統括官、漁業高等学園の園長、昨年の4月からは水産振興課長として漁協などと連携しながら業界の横断型で漁業者を支援する水産イノベーション対策支援推進事業にスタートを切ったわけであります。そしてこのコロナによって今塗炭の苦しみを仰いでいる水産物の需要拡大について、学校給食に提供する事業などを一生懸命に努め、実現していただいたわけであります。コロナの影響で深刻な業界の低迷、販路についても非常に厳しい状況の中で力添えをしてくださったわけであります。常に浜の現場の声を水産行政に取り入れ、実績を上げていただきました。本当にありがとうございました。
 尾上労働委員会事務局長におかれましては、昭和59年4月に奉職されて以来、実に37年間の長きにわたり県行政職員として県行政の発展に寄与されてまいりました。
 この間、雇用推進課長や経済産業部の理事、人事委員会事務局の次長、そして平成31年4月からは労働委員会事務局長として極めて高い調整力やリーダーシップを発揮し、労使紛争の解決に積極的に取り組んでいただきました。労使関係の正常化や安定化に御尽力をされ、大きな実績を上げていただいたわけであります。本当にありがとうございました。
 退職される皆さんは、今後は健康に留意されるとともに、これまで養われた豊かな経験や見識を生かしながらまた地域社会において御活躍されるなど、充実そして幸せな毎日を送ることができますように心からお祈りを申し上げる次第であります。誠にありがとうございました。
 退任に当たりまして、これまで携わってこられた県行政を振り返り、後輩の皆さんへのアドバイスなどがありましたら一言ずつお願いしたいと思います。
 津久井経済産業部参事、青木水産振興課長、尾上労働委員会事務局長の順序でよろしくお願いしたいと思います。

○津久井経済産業部参事
 まずはこのような機会を頂きまして、誠にありがとうございます。また2番委員からは過分のお言葉を賜りまして、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
 私は、昭和63年に県職のスタートとして農業団体課という指導検査の部署に配属になりました。検査を通じて現場をたくさん見せていただきましたが、現在スマート農業の進展する中で見ますと隔世の感といったところでございます。
 当時は、市町村も含めて平成の大合併前でございまして市町村74、農協も74ございました。3年間を通じてこの大半を回らせていただいたわけですけれども、JAの職員のみならず農家や地域の方々とお話しする機会を頂き農業、地域の特色や歴史文化などを教えていただく機会にも恵まれまして、静岡県の豊かさや農業のポテンシャルといったところを教えていただきましたけれども、広く学び、経験を積むことの重要性を教えていただくとともに、そういったことを農業の現場、地域に返していかなければならないことを実感したところでございます。
 その後、県庁を離れて業務をする機会を頂きました。1つは経済産業課、静岡県経済研究所での研修でございます。
 皆さん御存じのSERIという会員紙に記事を書くために、一研究員として県内の様々な企業経営者の皆様を訪問させていただき、お話を伺い、現場を見せていただくことを繰り返してきたわけですが、そのときにまさにここに静岡県の原動力があることを感じました。お話をさせていただく中で、様々な見方、物の捉え方なども教えていただきました。大変僭越ではありましたけれども、そういったことをほかの経営者の皆様方にも知っていただきたく、SERIの中に記事として掲載させていただく機会にも恵まれました。
 またその後、2度の東京事務所勤務の機会を頂きました。今度は静岡を外から見る機会を頂いたわけでございます。業務は在京の海外大使館や海外プレス、または国内のメディアの皆様方に静岡の魅力を発信し、記事や番組として情報を拡散していただくことに取り組んできましたけれども、どちらかというと静岡にはまだこんな魅力があるんじゃないかと教えられることが多々ございました。要は中にいては分からない、気づかないでいることがたくさんあることと、柔軟な発想により物は組み合わせたり、連携させたりすることで新たな価値を幾らでも生み出せるんだということを、逆に教えていただくいい機会になったところでございます。もちろんそうしたことは関係各所にフィードバックして新たな商品、魅力の開発につなげていただきました。
 このような経験を持ち強く感じましたのは、職員それぞれがこういった経験を積んでいることです。個の力だけではなくて組織として共有し、チームとして活用していくことで大きな力となってできないことはないことを実感いたしました。どれだけ自分ができたかどうか分かりませんが、そういったことに心がけて取り組んできたところでございます。
 自分がどのぐらいできたか分からない中で、大変恐縮な物言いになりますけれども、ぜひ将来の静岡県を担う皆様方には個の力を磨いていただき、それを組織の力として大きな目標実現のために取り組んで頑張っていただければと考えているところでございます。
 私といたしましては、今後まだ具体的なものがあるわけではございませんけれども、これまで培ったものを生かして少しでも社会に貢献していければと考えてございますので、引き続きどうぞよろしくお願いしたいと思います。
 本日は誠にありがとうございます。

○青木水産振興課長
 2番委員から過分な御紹介を頂きまして、ありがとうございます。
 まず、県職員の採用試験ですけれども、私のときは2名採用のところを4人が1次試験を通過いたしました。ところがそのうち2名が辞退することになり、私が採用された次第であります。運がよかったと思うのと同時に不思議な縁を感じるところであります。
 入庁後、初の勤務地は研究所の富士養鱒場でした。山奥の場内官舎での一人暮らし。また10度の水の中に入ってのニジマスの選別作業を経験させていただきました。
 次の伊東分場では、調査船での船酔いに苦しめられました。一方伊東分場では、海洋科学技術センターの「しんかい2000」による調査の機会を得ました。この調査はたまたまですけれども私の結婚式の翌日になってしまいまして、熱海の港の岸壁から妻に見送ってもらい、JAMSTECのクルーからも祝福を頂きました。非常にいい思い出になっております。
 そして、昨年までの4年間は漁業高等学園の園長をさせていただきました。
 漁業高等学園は、かつてマリアナ海域で多くの本県の遠洋漁船が遭難するという悲惨な事故を受け、漁船員の質を向上するため県議会の御尽力で設立された学校でございます。少子化によりどの学校も生徒集めに苦労していますけれども、学園も例外ではございません。そこで長野県の高校訪問、あるいは毎日のブログ更新、AO式入試の導入、オープンキャンパスなど生徒募集のために毎年新しい策を打ってまいりました。定員を満たすようになったと思いましたら今度は定員が増えてしまい、今でも生徒募集は簡単ではございません。
 そして、最後の1年で現職を拝命いたしました。他の業界同様、水産業も厳しい年でありました。新米課長として苦労いたしましたけれども、周りの方々に支えられ何とか本日までやってくることができました。
 年々厳しさを増す水産業界ですが、新しい取組にチャレンジする方がいらっしゃること、あるいは漁業高等学園に全国から若者が集まることなど心強く思うことがたくさんあります。私の後輩の水産健児には「海を恐れず、海を愛し、海を拓け」の思いで、現場で働く方々の役に立ってほしいと願っております。
 最後に、課長になって水産業界は県会議員の皆様に温かい御支援を頂いていると感じております。ここにいらっしゃる委員の方にもいろいろな場面で助けていただきました。今まで本当にありがとうございました。

○尾上労働委員会事務局長
 このような発言の機会を頂きましてありがとうございます。また2番委員から身に余る御紹介をいただきました。本当にありがとうございます。
 先ほど御紹介にありましたが、私は昭和59年に県職員となりました。男女雇用機会均等法の施行前です。女性はクリスマスケーキと言われた時代で、地方大学出身の女子学生の就職は大変厳しいものでした。大きな志もなく、なるべく長く勤められる職場をということで県の職員を選びました。定年まで37年間勤めることができ、その点では職業選択は間違っていなかったと思います。
 残り僅かの県職員生活となりましたが、振り返ってみると達成感というよりも反省するところが多いです。先ほど答弁もちょっと熱くなってしまったかなと反省しているところでございます。
 それでも、自分なりに頑張ったと言える仕事が3つほどあります。
 1つは、都市計画課勤務時代の平成9年屋外広告物条例の改正です。これは全面改正でした。
 罰則つきの条例改正に携わることは、県の職員であってもなかなかないことだと思います。今は撤去されましたけれども、本館屋上にあった法令審査室というところに半年以上毎日通い、ようやく改正にこぎ着けたものでした。その当時屋外広告物条例はあまり見向きもされませんでしたが、現在は伊豆の景観づくりの一環として、この条例に基づき積極的に屋外広告物規制が行われていることを聞きますと非常にうれしく思っております。
 2つ目は、平成18年、19年度に医療室時代に携わった災害医療です。
 当時国は平成7年の阪神淡路大震災を教訓に患者を被災地外に搬送して、そこで治療を行う広域医療搬送体制づくりを進めており、これを受けて本県における受援――支援を受ける体制づくりを担当しました。災害医療に携わり、多くの医療従事者が救える命をどうやって救うのかということに真摯に取り組んでいる、熱心に取り組んでいる状況をじかに見ることができました。コロナ禍でもよくDMAT――災害医療派遣チームの活躍が報道されます。本当にもう医療従事者の皆さんには頭が下がる思いでございます。
 3つ目は、平成29年度の静岡県産業人材確保育成プランの策定です。
 天野経済産業部長が部長代理のときでしたが、前日に見直した資料を朝一番に部長代理に見ていただくことの繰り返しでした。天野経済産業部長には丁寧に御指導頂きましてありがとうございます。よいプランができたと思っております。プランの策定に当たっては経済界だけでなく、医療・福祉、建設・運輸などの様々な分野の方の御意見を伺いましたが、やはり現場の声を聞くことが行政としてのイロハであることを改めて実感いたしました。
 県職員生活の最後に近い時期でございましたけれども、経済産業部で仕事ができたことは大変うれしく思っております。実は偶然ですけれども、このプランの策定の担当課長、担当班長、主担当は全員女性でした。非常に頼もしかったです。彼女たちにも感謝しています。
 最後に、反省だけが残る職員生活なのでおこがましいのですが、何か一言申し上げるということで1つ申し上げます。
 管理職になって私は毎年手帳に書き記していることがあります。西岡常一さん――法隆寺の宮大工の棟梁を務めた方――の言葉で「塔組は木組。木組は木の癖組。木の癖組は人組。人組は人の心組。人の心組は棟梁の工人への思いやり。工人の非を責めず己の不徳を思え」です。
 仕事はチームプレーだと思います。どうモチベーションを上げて、いい仕事をするのか。この言葉を教えてもらったとき、管理職としてこうあるべきだと思いました。この部屋の後ろに補助員としていらっしゃる方は、これから管理職になる方です。参考になればと思います。私自身は、工人の非を責めてばっかりいたような気がし反省しております。
 最後になりますが、退職を前にして強く思うことは、私は大変人に恵まれたということでございます。人が人に恵まれた。こんなありがたいことはございません。目的を共にした上司や同僚の皆さんをはじめ、県庁内で協力していただいた職員、様々な場面で御助言頂いた経済界、労働関係、医療福祉などの専門家の皆様、そして温かく御指導頂きました県議会議員の皆さん、本当にありがとうございました。長い間本当にありがとうございました。

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