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委員会会議録

質問文書

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令和3年決算特別委員会産業分科会 質疑・質問
質疑・質問者:藪田 宏行 議員
質疑・質問日:11/09/2021
会派名:自民改革会議


○藪田委員
 一括質問方式で3問お願いします。
 令和2年度主要な施策の成果及び予算の執行実績についての説明書112ページに水田の有効利用の推進とありますが、露地野菜など裏作野菜の生産支援について伺います。

 2点目は、説明資料152ページに水産振興対策として水産イノベーション対策支援推進事業が報告されておりますが、実績と成果について伺います。

 3点目は、説明資料159ページから161ページにわたって掲載されておりますアサリ、サクラエビの資源増殖と資源管理について回復に向けてどんな取組をしてこられたか、もう少し詳しく報告していただきたいと思います。

○乾農芸振興課長
 水田での裏作野菜の生産に対する県の支援についてお答えいたします。
 加工用露地野菜の水田への導入に向けて、まず生産者に知ってもらう、あるいは見てもらう必要があることから、現地での展示や課題解決の取組に向けキャベツやロマネスコなどのモデル圃場を県内3か所に設置いたしました。
 また、国の経営所得安定対策という米全体の直接支払交付金を活用し、水田で野菜を生産する農業者に対して県独自の交付金メニューを令和2年度に新たに設定しました。具体的には加工用野菜として需要の多いレタスの交付金を10アール当たり1万5000円と、ほかの作物よりも高めに設定し全体で4000万円程度交付しております。
 さらに今年度の取組になりますが、市場におけるレタスの有利販売を図り出荷量の予想をリアルタイムで市場に提供するシステムを構築しました。今年の冬から試験的な運用を開始する予定になっております。
 あわせて、水田では裏作野菜を生産する上で排水性や機械導入の作業性が課題となっているエリアもありますので、県下で基盤整備に取り組みました。今年度も引き続き計画作成や事業実施に取り組んでおります。

○萩原水産振興課長
 水産イノベーション対策推進事業の実績と成果についてお答えいたします。
 令和2年度は一般枠で103件、それから新型コロナウイルス感染対策症特別枠を設け7件の取組を支援いたしました。
 代表的な取組事例としましては、浜名湖のノリ養殖業者30名程度が養殖場の周囲を網で囲い、食害からノリを保護する取組を行いました。その結果、浜名湖地域全体で最も需要の多い12月のノリの水揚げ量が前年比で7割増となるなど収益の改善に大きな効果が得られました。
 また、シラス船曳網漁業においては操業する僚船の航跡や魚群探知機の映像をタブレット端末で共有するシステムの導入を支援し、魚群の探索能力向上などの操業の効率化が図られました。この取組は本県のスマート漁業の先進的な事例の1つとなっております。
 また、新型コロナウイルス感染症特別枠においてはコロナ禍により内食需要が増加したことから、水産加工業者が地元の銘酒――上質なおいしい日本酒に合う水産加工品を開発し、日本酒とのセット商品のインターネット通販を行いました。異業種とのコラボレーションにより新たな購買層を開拓し、コロナ禍にもかかわらず売上げが増加する一因となりました。本事業では追跡調査を行っており、また必要に応じてフォローアップも行っております。ほかの事業者にとって非常に参考となる取組については県ホームページで公開し、事業の横展開を図っております。

○花井水産資源課長
 まず、アサリについてお答えいたします。
 浜名湖のアサリは平成28年以降減少傾向が続いており、令和2年には707トンとなりました。これは統計開始以来最低の数字です。この不漁の原因はアサリの再生産能力――アサリが増えようとする力が低下していること、さらに複数の環境要因の変化が複雑に絡み合っていることが考えられております。
 そこで、県は令和2年に緊急対応研究を実施し幼生――アサリの子供が少ないことや、親貝が痩せているため餌が足りないのではないかといった結果が出ました。この結果を踏まえて今年度から3年計画で外部の専門家とチームを組み、アサリ資源の再生を目標とした研究を行っております。また環境については令和元年からアサリの餌となるプランクトンと繁殖に必要な窒素やリンなどの栄養塩類の調査を継続して行っております。また漁業者には漁獲するアサリの大きさや漁獲量を制限させていただき、今月はさらに新しい取組として産卵する親貝を保護するために2週間の操業自粛もしていただいています。これらの取組につきましては水産・海洋技術研究所浜名湖分場から様々な情報を提供してもらい技術的な導入をしております。
 また、浜名漁協が行う増殖事業についても経費を助成しております。一例として竹ぐいを設置して流れを緩やかにする事業に対してであり、これによりアサリの稚貝が集まりやすいことが分かっていまして、やらないところと比べると2倍以上の密度でアサリが出てきたという成果もあります。
 今後も、アサリ資源の回復を目指して研究を続けることは当然として、漁業者への支援を続け関係者一体となってアサリ資源の復活を目指してまいりたいと考えております。
 続きまして、サクラエビについてです。
 サクラエビの漁獲量は、平成20年以前は年間おおむね2,000トンから3,000トン捕れておりましたが、平成21年以降は1,500トンを下回り、平成30年はさらに悪化して1,000トンも捕れない状況です。
 水産・海洋技術研究所で分析したところ、駿河湾の奥――サクラエビが卵を産む一番いい場所なんですが――での産卵量が異常に少ないことが不漁の原因ではないかと推測されました。
 そこで、県桜えび漁業組合は県の助言を受け、産卵期である夏に湾の奥で産卵する親エビを確保する観点から秋漁ではこれから親エビになる小型エビを保護し、春漁では湾奥部での親エビの保護に向けた操業の自粛を行いました。
 また、資源管理対策を実行するに当たっては関係者の合意形成が最も重要と考えております。
 そこで、平成31年から漁業者、加工業者、県、学識経験者を集めてサクラエビ漁に係る情報連絡会を設置し、資源回復に向けた業界全体の情報共有、意見交換を図っております。
 今年の春漁の漁獲量が大体140トンとなりまして、昨年、一昨年と比べると少しずつではありますが増えており、資源は回復期の初期段階にあると判断しております。まだ昔ほど捕れていない水準ではありますが、引き続き資源状況等の調査を行い資源回復に向けて皆様と一緒になって頑張っていきたいと考えております。

○藪田委員
 水田の有効活用については、農家の皆さんが収入を少しでも上げようと一生懸命努力しているわけで、今お話がありましたように基盤整備や下からうまく水が上がる方法を改良して結びついていくところもあるけど、かなりお金がかかる中で進めていきたいとのことです。スピードはそんなに上がらないかもしれませんけど、農家の収入を上げるためにぜひスピードアップしながら基盤整備を頑張っていただきたいと思います。
 そして、水産イノベーション対策支援推進事業はたくさんのメニューがありますが、体質強化といいますか水産界も大変疲弊している業界が多いので、ぜひ県を挙げて新しい観点から努力を続けていただきたいと思います。

 最後に、アサリについて説明資料159ページの中段に、漁業者が実施するアサリ稚貝の保護事業に要する経費に対し助成したとあります。今るるアサリとサクラエビについて御説明があり、大変有効な手段としてやっていただいているんですが、漁業者が自己負担しながら自分たちはこのようなことをやるから補助金をください、助成してくださいという形がいつまで続けられるか。私のところにはもうこのままいけば自分たちで元手を出すお金さえ出せないという声が届いており、このままアサリが捕れなくなってしまうのはいかがなものかと。
 農林水産関係だけでなく観光関係などとも総力を挙げ、漁業者が自己負担をしなくても振興策としてアサリを増やそうとすることが必要じゃないかなと思うんですが、そのような声は県に届いておりませんか。

○花井水産資源課長
 そのような声は、私どもにも届いております。
 何らかの工夫をして、負担を少なくする方策がないか検討させていただいております。

○藪田委員
 漁業者も必死でアサリの生産を続けていきたいという強い希望がありますので、ぜひその辺の意思疎通をよくして、これからも努力していただきたいと思います。以上で終わります。

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