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委員会会議録

質問文書

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平成22年2月定例会文教警察委員会 質疑・質問
質疑・質問者:岩瀬 護 議員
質疑・質問日:03/11/2010
会派名:平成21


○岩瀬委員
 おはようございます。お願いいたします。
 極力手短にとは思ってますけれども、やっぱり熱が入ってくると長くなってきそうな気がしますので、あらかじめお断りしておきます。
 昨日、富士山の日の制定の問題と、それにともなう休日設定のことについていろんな見解が示されて、県民も多様な受けとめ方をしているなというふうに思いましたけれども、私も申し上げようかなというふうに思いました。
 その件でありますけれども、どんなものでも手元にあるといいものでも価値のあるものでも、それを感じなく過ごしてしまうというのが人間の癖なんだよね。
 今回この富士山の日の制定というのは、私は知事与党だとか野党だとかそんなことではなくて、やっぱり県民の福祉の向上という観点に照らしてみてどういう価値を持つものだろうかと考えたときに、国際派知事としてやっぱり世界から見たこの富士山というものの価値を、もう知事になろうと思ったときからいわゆるふるさとづくりの機軸に置こうと決めていたと思うんですね。ですから、思いついて急遽出してきたというふうには私には思われない。
 そういうことで、県民に対して地元にあるこの富士山というものを正しく価値を判断して受けとめるということをもう一回白紙からやってみようよと、そういう提案だったというふうに受けとめると。我々はとんでもないこの天賦の財産、天賦の宝を生かしきることなく生半可に考えて今まできたんじゃないのかなというふうに思えてならないんです。
 それはどういうことかというと、私が平成21の会長をやっているときにエアポートセールスでタイへの訪問団を編成して行ってきたんですけれども、その前に石川前知事がタイへ行かれて、政府関係ではチャイサック航空局長を初めとした方にお会いになられて、それからタイ国際航空の副社長さん初めお会いになって、それからバンコクエアウェイズの副社長さん以下の会社を代表される方とお会いになって、私は石川知事の親書、それから当時の天野一議長の親書を2つ持って、同じ人たちにお会いすることができたんです。
 大変丁寧に迎えていただいて、そのときに話題になるのはもう共通して富士山の話なんですね。富士山を見たいねという話の中で、いつごろの富士山が一番きれいなんでしょうねと聞かれたものだから、私はとっさに富士山は四季折々の姿があって表情が変わるんです。だから、年がら年じゅういつでも富士山というのは見れるんですと答えたんです。そういうことで、やっぱり我々が地元で忘れている富士山を外国に行ったときに初めて、強烈に富士山の価値というものを教えてくれるというふうに私は改めて教わったんです。
 そうやって考えると、やっぱり世界から見たときの富士山というものをこの日本の宝にやっぱり再生しなくちゃいけないし、それをするにはすそ野にいる我々がまず富士山というものを正しく評価しようよという観点から、この富士山の日というのは考え直させてくれた事柄として、僕はこれから生き続けるべきだなとそういうふうに実は思っているんです。
 それに対して、休日の設定の件でいろんな受けとめ方があるようでありますけれども、私の地元の森町の井上教育長が、今度富士山の日の設定があるねとか私とのいろんな話の中で、休日の問題も出ているけれども私はいいと思いますと。休日の設定はいいと思います。ただし、本当に静岡県民が、そして大人から子供が富士山への思いを共通のレベルで理解しているかどうか、本当に静岡の富士という形で理解しているかどうかというと、本当に疑問だと。
 したがって、教材として赤富士の富士山、雪富士の富士山、逆さ富士の富士山、笠富士の富士山、夜明けの富士山、夕暮れの富士山、こういういろんな姿があるわけで、そういう景色をDVDにおさめ、この富士山がどういうふうに地理的にでき上がってきたか、そして今どういう状況になっているのか、だから世界にないんだよみたいなことで、各教室にあるテレビで流して、本当に同じ思いで富士山を見詰めるような方策を立ててほしい。我々が富士山を大切に守ろうということを子供の教育から始めていったとしたら、ともにその休日というのが忘れずにくる。富士山の日の設定だけでは忘れてしまうでしょうと。
 しかし、富士山の日を休日にすることによってきょうは何のために休日になっているのかといったときに必ず富士山を思い出して、きょうは富士山の日だからお休みだと。ふじのくにの県民は同じ思いや理解で富士山をあがめることもできるし、まさに霊峰富士のいろんな価値を感じながら休日をいい形で共有していけるんじゃないかということの話になったんですね。
 私はそれを非公式に教育長にもお伝えしたんですが、知事にもお会いするときがあったものですから、そのタイへお邪魔したときのことも想定してエアポートセールスで海外に行ったときにはそういう映像を持って行ったりして、本当に富士山というものを正しく、そして深く理解をしてもらう道具も、学校教材とあわせて用意したらどうですかと。語るより見せることですよという話をしたんですが、そういうことを通して、私は休日というのは今やるべきと思いました。
 それで、パブリックコメントの話もありましたけれども、パブリックコメントというのは、いわゆる選挙の投票みたいに賛成だとか反対だとか指定してアンケートとったりするのは正しく出ますけれども、意見を求めるという形でやると、賛成意見を出してくる人は比較的少ないのではないかなと。パブリックコメントの場合は、ちょっと違和感を持つ人の意見のほうが多いんだろうなというふうに思います。
 それを量的に全然価値を認めないという話ではなくて、むしろパブリックコメントの中にある内容分析というものが量的判断とともに非常に重要な意味を持つんだろうなと。そこにパブリックコメントの参考になるところが、エキスがあるように思うので、むしろ量的判断に呈することは避けていただきたいという部分もあります。御所見がありましたら、いただきたいと思います。

 それから、事業仕分けの件でありますが、この件については本会議のほうでも出てまして、込山議員の事業仕分けの実施についてという中で知事答弁がございますね。読み上げます。
 「文化、研究、学術、芸術等の授業については、計数化した単純な費用対効果では測定できません。しかし、こうした分野は中長期に人の心にかかわるものでありますから効果が大きいということはわかっておりますので、仕分けの対象から外しまして個々の特性にあった評価を行い、見直していくことといたします。10月末から11月にかけて事業仕分けを行ったけれども、その直後に事業仕分けを事業仕分けいたしまして、費用対効果、計算可能なものを対象とすることは有益である。しかしながら、教育とか、研究とか、学術とか、文化とか、そうしたものに向かないということはすぐに記者会見等で御説明申し上げたとおりでございまして、そうしたことを踏まえまして、これを進めてまいります」と答えられております。
 まず事業仕分けについて、初めての経験だったわけでありますが、昨年末、教育委員会のほうでも5日ありました。30分で評価されたのではかなわんなという御意向もあるかもしれません。
 また、今回この答弁で教育分野、文化分野はなじまないということで、やはり外しますとこういうことになりましたが、答弁調整もされて――教育委員会がかかわっているかどうか、事業仕分けですから総務のほうでやってますかな、ちょっとわかりませんが――この知事答弁と事業仕分けを30分ぐらいで受けられた、その辺の印象を聞かせていただきたいと思います。

 それからもう1つは、教育委員会のあるべき姿ということで、これも大岡議員の知事の教育委員会のあるべき姿いかにということで質問に答えたものをちょっと読ませていただきます。
 「教育委員会の必置規則の廃止や、知事と教育委員会との関係等のあり方が問われております。私は教育委員会の政治的中立性、そして継続性、安定性の確保、何よりも地域住民の意向の反映といった理念には意義があると考えております」、略して次「これからも例えば、教育委員が中長期的な課題を協議し、積極的に政策形成過程に関与していくことや、現場主義の観点、地域に開かれた教育委員会といった観点について、率直な意見交換を続けてまいりたいと思っております」、また略して後半「一概に事業の対象を拡大するべきであるとは申し上げられませんけれども、昨年の12月議会において御指摘のあった公立学校の中途退学者が再チャレンジできるようなシステムの構築や不登校生徒へのきめ細やかな対応等につきましては、教育委員会が対応するべきものと考えております」という答弁が出ております。
 この件について、もちろんこれは教育委員会にかかわる質問でありましたから、事前の答弁調整もございましたでしょう。そういう中で、知事と教育委員会の関係ととらえての答弁内容になりましたのはどういう背景ですか。教育委員会のあるべき姿というのは、そういうことでの質問があったのか、ちょっと質問のほうを私はとらえておりませんのでわかりませんが、そういうふうになったのをまず伺っておきたいと思います。以上です。

○遠藤教育長
 まず、最初の2つのことについて私のほうから御答弁申し上げたいと思います。
 灯台もと暗しという言葉もあります。私は今回の本会議の御質問の中で、来り者というふうな言葉でしたか、外から来た人が初めて気がつかせてくれるところがあるんだと。外から来たからこそそういうことを言うんだと。地元であれば当たり前なんだということで、ある意味では私も来り者なんです、22歳まで東京にいましたので。
 それであるからこそ余計に富士山に対する――きょうの姿を見ていただいても、余り答弁が長くなると委員長から怒られますからしませんけれど、昨日の委員会の後、実はあそこの富士山の山頂から虹が出たんですね、ぱあっと。見たことございますか、富士山の山頂からですよ。虹がぱあっと出たんです。私はきのうの答弁で、ああ、きょうは勝ったなという感じがしたんですけどね。
 実はやっぱりあの姿をやっぱり見ることで、今、岩瀬委員もおっしゃってくださったんですけれど、やっぱり知事は私たち静岡県民をある意味において覚せいさせてくれたなというふうに意識しています。きっかけづくりをしてくれた。
 だけど、教育委員会の事務局レベルのサイドでは、やはりこの日本の宝であり、静岡の宝である世界に誇るべき富士山を地元に持っているよさというのをどういうふうにして県民が共有していくのかということが大事だと思うんです。それは、2月23日が休業日でも何でもなければありがたさも何にも感じませんよ、子供たちは。
 ところが、きのうも谷委員のほうから休みになることはうれしいよねと。これは純粋な気持ちだと思うんですよね。ああ、静岡県民だからこそ、地元に富士山があってお休みなんだねと。それは、やはり子供のときからありがたさを感じる中で、富士山への思いを新たにしていくというきっかけづくりになる。あの姿を見ることによって、気高さを感じ、誇りを感じ、志を高く持とうなという気持ちになっていくと思うんです。
 だから、そういう意味において私はやはり2月23日を休業日にというのは急でありましたけれども、きのうも中沢委員から準備は大丈夫なのかというふうな御質問もありましたが、私たちは十分な準備とまでは言えないかもわからないですけど、不足では決してないというふうに思ってますので、私は冬の富士山が大好きですけれども、これはぜひ休業日としてやっていければいいなと。
 3月17日の教育委員会の定例会で、学則改正について議論をいたします。その中でもいろいろな御意見をお持ちの方がおられますので、一つにまとまるということはもしかしたらないのかもわかりませんが、教育委員会事務局を預かっている私としては、ここはやはりいい機会なんだということで強く自分たちの気持ちを表明したいとこういうふうに思っております。
 また、DVD等も観光局等々連携しながら、前の日に「君たちよかったね、静岡県民で。あしたは授業がお休みなんだよ、学校お休みなんだよ」という中で富士山のことを語って、そしていろいろ子供たちが学んでいく機会をつくっていくということはいいのかなというふうに思っています。

 それから2番目の事業仕分けについてでありますけれども、正直に言って教育の分野というのは、費用対効果がすぐにあらわれるものではないというふうに思っています。一言で言えば、棺おけに足を突っ込むまではわからないと、そのぐらいのものなのかなというふうに思いますが、それでもやはり私は第三者の目で見て不十分というか、まだまだこれは改善の余地があるんじゃないのと、またはどこかほかの分野の方たちでもやれるんじゃないのという見方で教育を再点検するという意味においての価値はあるんだろうなというふうに思っています。
 ですので、いろいろなところで不要とか何か言われましたので、そこの部分については不要ではないと、だけれども、これはいい形で進化させることによって私たちはこれを貫くというふうな思いで見直しを図りました。
 印象としては、私は好印象を持って迎えませんでしたけれども、ああ、私たちの気がつかないところをちゃんと指摘していただけた部分があるなと。これは例えば事業仕分けだけでなくて、こういう文教警察委員会の委員の皆様からも同じようなことでいただいてるわけですよ。そういう中で私たちが姿を正して、きちんとした県民の意見を反映できるような形での教育行政を展開していけばいいんだろうなというふうに思ってます。

 それと最後にもう一言だけ申し上げておくと、教育委員会のあるべき姿というのは、時の権力者によって、教育があっち行ったりこっち行ったりというのは絶対に避けなければいけないことだというふうに思います。この政治的中立性というのは、いわゆる教育委員会制度の理念の1つの大きな柱であるというふうに思ってます。
 そういう意味において、知事が――前の石川知事もおられましたし、今回川勝知事にかわられましたが、大所高所からいろいろな御意見とか御要望みたいなものが私たちに寄せられることが当然あってしかるべきです。ですが、それが今までの継続性だとか、これからの先を見通したときに教育委員会の中でしっかり議論をして、これを私は是々非々といいますか、やるべきものはやる、しかしこれはそうではありませんよということについては、きちんと違うんだということの意見表明をしていくということは大事だなというふうに思ってます。
 また、公立の中途退学者、不登校対応等について知事がおっしゃられたことというのは、やはり人生の初期の段階で子供たちがつまずいてしまって一生引きずっていくということは、可能な限り避けなければならないといったときに、教育委員会が今までやってきたものの中でまだ不足している部分があるんだろうなという思いを私自身持っているわけです。ですので、実はもう既に後から高校再編整備室長が答えようかと思いますけれども、いろいろなところに視察に行ったり、いろいろ研究を始めております。以上です。

○白畑高校再編整備室長
 教育長からの御指名でございましたので。
 前回12月議会の本会議で岩瀬議員のほうから質問、それから文教警察委員会の中でも質問を受けました。ただ、その質問の内容について若干すれ違い等があるところはありましたけれども、岩瀬議員の御指摘の発達障害を持つ子供たちに対する手だてをすべきでないかと。これにつきましては、我々も重要な課題だというふうに認識しておりまして、事務局としましても、まず本県の発達障害を持つ子供たちの実態をまず調査しなければいけないと、この把握が必要だということがまず1つございました。それから、全国の先進事例を調査して分析すること。それからその2つを受けまして、論点を整理してどんなふうにしていったらいいかということを考えてまいりました。
 本県の状況でございますけれども、まだ精度の高い調査はできておりませんけども、政令市を除いた調査をもとに全県を推計しますと、現在中卒者が年間3万6000人程度おります。このうち、通常学級で発達障害を持つと思われる子供たちがおよそ500人程度いるだろうというふうに推計できます。
 その子供たちが中卒後どのような進路を取るかというと、20%程度が公立の全日制もしくは定時制、それから私立高校のほうにおよそ半分程度行っておられる。それから、あと特別支援学校へ行く子供、それから在宅の子供たちもおります。こうした実態をとりあえず把握をいたしました。
 それから全国の先進事例でございますけれども、不登校、発達障害、中退者を平成23年度から1学級分受け入れるという佐賀県の太良高等学校というのがございまして、こちらに視察を行ってまいりました。それから、岩瀬委員の質問にもございましたけど、東京都のチャレンジスクール2校、これは六本木高校と大江戸高校、それからエンカレッジスクール2校、これは蒲田高校と、練馬工業高校を視察してまいりました。
 発達障害の子供を対象といった対応という視点で限定して感想を申し上げますと、太良高校につきましては、定時制の単位制高校というのは本県ございますけど、佐賀県にはございません。佐賀県の教育委員会としましては、まずそうした機能を持つ高校を設置したいという意図でまず動いたということがございます。ただ、発達障害の子供を受け入れるという、旗を上げて生徒募集をしていることは非常に真新しいことでございます。ただ、県教委の考え方としまして一定の学力がないと受け入れないという、なかなかそこのところは本県の参考になるかどうかというのは若干疑問ではございました。
 それから東京都のチャレンジスクールにつきましては、本県の定時制の単位制高校とまさに全く同じものでございます。この中には当然、発達障害の子供を一定数抱えておりますので、そうした対応も本県とほぼ同じでございました。ただ、もう1つ、エンカレッジスクールにつきましては感覚ですけれども、本県で言いますと全日制高校と定時制高校の中間のようなイメージの学校であるというふうに感じました。当然、発達障害の子供たちを集めて募集しているわけではございませんけれども、かなりの数が入っているだろうと。本県にはない学校でありますので、ここはかなりヒントになるかなというふうに感じました。
 こうしたことを踏まえまして、我々も担当室のほうで論点の整理をしております。具体的には、現時点では現状をさらにきちっと精査していくことが必要だろうという前提のもとですけども、既に全日制、定時制の高等学校に入学している発達障害の子供、さらに一定の学力を持って入学する子供たちへの対応策の充実というのがまず一つ、大事だなというのが論点の整理でございました。
 それから、本人の希望と異なる進路や行き先がなくなってしまっているような発達障害の子供たちがいるとすれば、この受け皿をきちっと検討しなければいけないだろうというのが、2つ目でございました。
 それから、最後に一番我々がまだ悩んでいるところですけれども、発達障害の子供たちを受け入れるとした際にどのような形が望ましいのかと。例えば一箇所に集めるのがよいのか、あるいは必要なときに集めてやるのがいいのか、あるいはどこでやるのがいいのか、そうした観点というのは非常に重要だなというふうに考えております。
 いずれにしましても、スタートしましたら失敗というのは許されない教育施策であると思いますので、きちっとしたデータ、それから考え方を整理して進めていきたいと。本年度からもう既に検討を始めておりますということで、よろしくお願いいたします。以上です。

○岩瀬委員
 どうもありがとうございました。
 富士山の日の制定と休日の設定の件ですけれども、これからよく機能しますように、私が先ほどDVDでと言ったのは1つの提案ということにとどめて、それをきっかけによりよい方策で機能するような施策をまさに観光方面とも連携を取りながらいいものをつくっていただくと共通理解が得られて、富士山というのが神々しくなるのではないかなとそんな期待をしておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それから、事業仕分けの件ですけれども、やっぱり教育長が言われたように不満があると思います。あれじゃあちょっと、そこになりかかって事業化して、そこにかかわっている方からすれば、30分じゃあ言うことも言えなかったよな、あるいはまた初めてだから未経験で言うことも言えなかったということもあるだろうし、いろんな意味で対応を誤ったり、あるいは時間足らずで不満だったり、いろいろそういうもので後に残すものがあったというふうに思うんですが、事業仕分けの一番大事なとこというのは、やっぱり事業化されてくる過程が白日のもとに見えているんだよというところに緊張感があるわけですね。施策の充実とかがあると思うんですね。
 ですから、この事業仕分けというのはよく無駄の排除であるとか、予算縮減効果があるだとか、そういう観点でとられてる方が多いと思うんですが、そうじゃなくて次なる事業化に緊張感が与えられるというところに――今までの事業ですと良かれと思った、県民が求める目的と同じ思いでやったんだけれども、やった結果はそういうことをやるんだったらこういうふうな事業があったほうがよかったねという事業のそごを来すだとかいうようなことは随分あったように思います。そこらがやっぱり一番大事なとこで、次なる事業化かにそごを来さないような緊張感が与えられるというのが、この事業仕分けの本性なんじゃないのかなというふうに私は思ってます。
 したがって、そういうときにこの事業仕分けに聖域というのか、その対象にならないのがあっていいのかなと実は僕はそう思ってるんです。むしろもしそうだとするならば、教育長も言われてましたけども、知事答弁の中にも「仕分けの対象から外しまして、個々の特性にあった評価を行い、見直していくことといたします」という回答があるんですが、これは事業仕分けにはかからないけれども、別途にして評価はするんですよ、それで見直していくんですよというのがあるけれども、どういうふうに想定したらいいのか。これは全く網にかからないんじゃよろしくないと僕は思うので、どういうものをイメージされているか教えてください。

 それから、教育委員会のあるべき姿に関して、非常に関心を持っておりましたんですが、高校再編整備室長からもう本年度から動き始めましたという踏み込んだ御報告をいただいて感謝をしております。ただ、本当に失敗は許されないという一方で、待っている人がいるという側面があるということを忘れないでいただきたい。一日千秋の思いでその恩恵にあずかりたい、御厄介になりたいと言っている切々たる御家族、御本人がたくさんおられるということを忘れないでいただきたいと思います。
 それはそれでお願いしておきますが、川勝知事が知事選に出られるときに、もう既に場の力というのは随分言ってみえましたね。ここには場の力があるということを言っておられたのですが、私はその中に人の力というのをもう1つ入れてという話を実はしておったんです。場の力プラス人の力でふるさとづくりをするという打ち出し方はできませんかね、その人の力というのは何ぞやと。場の力を引き出すのも人の力ですよ。だから、そういう人材を育てましょうよという意味合いだったんですが、人の力というのは人づくりであって、「ゆりかごから墓場まで」じゃないですが、まさに出産から子育て、そういうところから少子化対策も人づくりの中に生涯を通して生活支援をしていくという観点で人の力というのをテーマに上げましょうよと。その中で、出産、子育て、学校教育があり、社会に入っての社会生活を支援をするということと高齢者福祉みたいなことで、人の生涯を通して支援をするというそういう人の力というものをもう1つテーマにとらえることはできませんかね、という話をしておったんです。
 そういう中で、知事の中にも理想郷をつくる上では人づくりに関してやっぱり知事としてこういう人が出てくれたらうれしいね、ふるさと思いの人たちが出てくれたらうれしいねという、人づくりの理想があると思って私は見ておったんです。ですから、そこには知事と教育委員会の人づくりの意味での理念共有という意味での連携があってしかるべきだし、それは領域を侵しただなんてこととは全く違う。それと、自主性を疎外していくということとは全く違う。私はそう理解しているんです。
 そういう中で、いわゆる再チャレンジというのか、発達障害の生徒さんを初めとした集団になじみにくい生徒さんの教育のありようについて、社会性を導き出すことにおいてこういう新しいタイプの高校ができませんでしょうかねというふうに言ったんですが、新しい高校をつくることになるとか、今あるところを使うとか例えばお金のかからない方法で考えるにしても、人的対応であるとか、いろんなことである程度の予算が必要になってくるということになると、どうしても財政の絡みが出る。そこにブレーキがかかっちゃうと議論が議論にならない。そういう現場対応の考え方として、実は私は知事あるいは総務部長にも、こういうことって絶対に今この時代の要請としてあると思いますという話をさせていただいてあって、教育委員会のほうにその実務を100%お願いすることは自明の理なんです。ですので、ここで教育委員会が対応するべきものと考えておりますというふうに知事が答弁したというのに、正直言って物すごく私は違和感を覚えたんです。
 これから、私としてはそういう意味合いで申し上げてきて、真意をお互いに誤ることなく、まさに教育のいろんな方面の充実が果たされることを願いたいなとそんな思いであります。まさに財政的支援があってということが道筋としてあると、今ある問題、私が指摘した問題へも取り組みやすいのではないかということで、ああいう質問の仕方をさせていただいたということは御理解をいただきたいなというふうに思います。知事が教育委員会の仕事の領分に踏み込んでくるという、そういうような観点では全くなくして私は話をしておりましたので御理解をいただきたいと思います。
 成果が上がりますように期待したいと思います。以上です。ありがとうございました。

○須藤教育次長
 御質問がありました点のこの教育施策の評価についてお答えいたします。
 知事の答弁にもありましたように、教育や文化、学術等についてはこうした評価になじみにくいということでございますが、基本的にはそうした事業仕分けの手法と、またこれまで静岡県として培ってまいりました業務棚卸表、こうしたものの評価なんかも踏まえた形で、新静岡方式と呼べるような行政評価をつくっていくということをこれは全庁的に検討されていると聞いております。
 私どももそうした検討の中で、この教育施策としてどういった評価があるかを検討してまいりたいと思っていますが、今回の事業仕分けにおきましては、特段、一般の方々からの評価を受けるということ、またこの御指摘ありましたような白日のもとでやるというのが大変新鮮だったということでございます。我々もやっぱりついつい県議会等で説明する段でも、わかっていただけるだろうという前提がもちろんあるわけですが、一般の方々からするとやはり最初からの必要性というところからかみ砕いて説明していかないという、一般の方々への周知広報といったところの反省なんかもありましたので、一般の方にもわかりやすいような形でやはり教育施策を伝えていって評価を推していく、そうした視点というのは今後また必要ではないかなというふうに考えております。
 いずれにしても、そうした全庁的な動きの中で教育委員会としてもしっかり考えてまいりたいというように考えてございます。以上です。

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