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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成29年9月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:阿部 卓也 議員
質疑・質問日:10/03/2017
会派名:ふじのくに県民クラブ


○阿部委員
 それでは、分割質問方式で質問させていただきます。分野別に成長戦略会議、雇用人材育成、農業の大きく3点を1項目ずつ質問させていただきます。
 まず、産業成長戦略会議についてお聞きします。委員会資料10ページの産業成長戦略2017がありますが、これをつくる組織がいわゆる産業成長戦略会議だと認識をしています。現状は年2回で、メンバー表をいただいていますが民間から10名の方――それぞれの業界の代表者であられます経営者協会の会長、商工会連合会の会長、ニュービジネス協議会の会長、商工会議所会頭、静岡県中小企業団体中央会会長、銀行協会会長、信用金庫協会会長、産業振興財団理事長、そして浜松地域イノベーション推進機構理事長、静岡総研の理事長です。
 そして県は、知事、副知事、知事戦略監、政策担当県理事、経営管理部長、企業局長、教育長、そして経済産業部からは経済産業部長、部長代理、新産業集積担当理事、産業人材確保担当理事であります。
 今、わざわざこのメンバーを読み上げたのは、年2回民間の皆さんが意見を言う、この会議を僕も傍聴したことがありますが、わずか数時間で質疑と意見具申をするということで、基本的には職員の皆さんがその前にきちんとお膳立てをしていると推察をしています。
 その中でお聞きをするんですが、限られた職員の皆さんだけでつくっておられると限られたフィールドの中で考えたり、限られた発想の中に閉じこもっていないかと危惧をしています。指摘したように年2回のわずか数時間では民間の方に入っていただいている意味がないのではと考えます。
 それからもう1つ、ことしは10月20日が第1回なのでまだ開催されていませんが、多分渡辺経済産業部長は去年も参加されたかと思いますのでお聞きしたいんですが、外からの刺激がもっと必要だと感じていないか現状をお聞きします。

○津久井産業成長戦略推進課長
 産業成長戦略をつくるに当たって、産業成長戦略会議が年2回では民間の皆様方から十分な意見が聞けないんではないかという御質問かと思います。
 産業成長戦略会議は、10月に1回目を開催いたしますが、それに先立ちまして各委員の皆様方のところにお話を伺いに直接回っております。私を含め渡辺経済産業部長や天野経済産業部部長代理も一緒に行って、各委員からそれぞれ少しずつお時間をいただきながら、社会の経済環境が変化する中で団体の中にどのような課題があるか、将来を見据えてどんなことに取り組んでいきたいと考えているのかといったところをお伺いして骨子案をつくり始めます。
 その次に、ある程度方向性が見えてきた段階でこんな方向で考えていますが、加えることや足りないところはないでしょうかといったやりとりを複数回繰り返しながら産業成長戦略会議の本番を迎えております。
 あわせて、先ほどありました現場主義ということで年間230社前後の地域企業を訪問させていただく中で聞き取ってきた地域企業の皆様の声などもその中に落とし込み案をつくってございます。

○渡辺経済産業部長
 産業成長戦略については、最新版が3回目の産業成長戦略2017でありまして、常に時代に合った戦略をつくる形で毎年見直してございます。先ほど津久井産業成長戦略推進課長から話がありましたけど、年2回の会議をどう考えているかというと、秋に次の年にやる戦略の骨子案をつくる前に、お忙しい民間の方を何度も訪問して、我々のつくる骨子案が外の意見とずれてないかを確認していただいています。
 それを、公の場である産業成長戦略会議で産業界の皆さんから同意をいただいて、次の年の産業成長戦略にするステップを踏んでおりまして、最終的に県として産業成長戦略に基づいて予算をとるという運営をしております。
 この産業成長戦略のすぐれている点は、各経済団体や商工団体の長の皆様に集まっていただいて――実際は我々が幾つもヒアリングをしながら案をつくっていくわけですけれど、それはその団体の意向であるというところまで確認した上で――民間の声を静岡県の戦略としている点です。産業成長戦略は県が統べるべき戦略で県が統べるべき産業成長戦略で、民間の皆さんに了解をいただくステップを踏んで進めているところです。県が独自でつくるものにどうしてもずれが出てくるのは過去の経験からありますので、そこを産官でやる仕組みをつくったところが画期的だと思っております。
 第1回目の会議は10月20日で、産業成長戦略2018の策定に向けて取り組んでおりますけれど、今までつくった戦略とは違って外部の意見を十分に取り入れた戦略をこれからも県経済の発展のためにつくって運営していきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

○阿部委員
 わかりました。
 ただ、私としてこの産業成長戦略を見ていて物足りなさを感じるのは静岡県ベースだからです。静岡県は常にものづくりで世界を見て、世界をリードしていくことを志向しなければいけない。そうじゃないと競争力もつきませんし静岡県のものづくりは衰退の一途をたどると感じています。
 そこで提案ですが、産業成長戦略の作業をもう3年もやっているわけですから、例えば県の若手職員と外部人材でこの産業成長戦略の叩き台を自由に議論してつくっていくことを新しい取り組みとして考えたらどうか。
 静岡県もアドバイザリーボードがありますけど、事例として1つ引くとフォーブスジャパンという雑誌があります。これを見ていると世界の先端技術、先端産業、それからITのアプリなどさまざまな分野でのトップリーダーたちが紹介をされていますが、そういう人たちはみんな30代から40代です。よく見回してください。今まで静岡県を支えていた産業群のリーダーたちはこうしてそれぞれの業界団体をつくっていますが、その産業だけでこれからの静岡県はもちますかと私は言いたい。そこまでの認識をちゃんと持って渡辺経済産業部長が今お答えになったのか非常に危惧をします。静岡県の経済産業部長であればもっとスケールの大きな産業政策を考えるべきと私は思います。
 そこで提案ですが、このフォーブスジャパンの雑誌に載っている人間を使えと言っているわけではありませんが、そういう外部刺激をもっと入れる、外部からの新しい人材で、例えば先端生命科学について考えたことがあるか、それから人工知能のことを考えたことがあるか、ビッグデータをどう使うか、ナノテクをどうするか。次の産業がもう見えているわけですから、そういうことまで議論をした上で産業政策の叩き台をつくって、静岡県の産業を引っ張っている皆さんにこういう新しい分野もありますという提示をすべきと私は考えます。
 具体的に言うと、ネオ産業成長戦略チームを組んでいくことを考えるべきと考えますが所見を伺います。

○渡辺経済産業部長
 9番委員がおっしゃるように、経済の変化は非常に早くて次の時代を見据えていかないと取り残されてしまう面もあるのは確かなことでございます。ただ一方で今の県内経済を支えている中小企業や小規模企業もこれから経済基盤を支えていく大事な主体でございますので、そこの振興も図っていかなくちゃいけない。両面でやっていくのが実際の正しいやり方だと思います。
 9番委員がおっしゃるような、次の時代のリーディング産業になるとか科学技術をいち早く取り入れた取り組みを産業成長戦略としてどこかにのせておくべきだろうとは感じておりまして、ぜひとも次の産業成長戦略では次の時代の科学技術、産業技術を引っ張るような取り組みを県としてやっていくと、新たな動きとして取り入れたいと思います。その中で外の人材、リソースを使うかどうかはまた議論すべきだと思いますが、とりあえず現在はそのような新しい取り組みもやりつつ産業成長戦略2018をつくることを考えております。

○阿部委員
 わかりました。
 ただ、先ほど8番委員がおっしゃったように我々議員は現場を歩きます。現場で企業の皆さんの――まさに渡辺経済産業部長がおっしゃった中小零細企業の皆さんの悩みをお聞きすることが多い。その中で彼らが一番困っているのは研究開発をしたいけどできない、そのための先端技術の情報が欲しい、県にはそこを求めるんですとよく言われます。そういう認識をもう少し持っていただきたいと思いますが、杉本産業革新局長の所見を伺います。

○杉本産業革新局長
 御指摘のありました視点ですけれども、渡辺経済産業部長が申し上げたとおり産業成長戦略そのものに現場の声を反映させた上で、未来を見据えた中で――言い方が適切かどうかわかりませんが――とがった企業をつくっていくことが1つにあって進めております。
 そういった中で、とがった企業をつくっていくためにはティア3、ティア4と言われるところとセットで動いていかないとできていかないことが現場に行きますとよくわかってまいります。そこも含めましてとがっていくところと支えていくところをセットでやっていくことを考えております。

○阿部委員
 わかりました。
 ぜひ、先ほど私が提言したネオ産業成長戦略チームを模索していただくようお願いをしてこの質問を終わります。

 次の質問に入らせていただきます。
 我々議会は、海外事情調査団を派遣させていただいています。一昨年に私はヨーロッパへの派遣でドイツのフラウンホーファー研究所に行かせていただきました。これはインダストリー4.0のエンジンとなっている研究所であります。
 派遣当時、私と田口章議員がアジア担当部長に、このシステムを学ぶべく静岡県の職員を勉強に行かせてもらえるのかと言ったら、もちろん可能だということで、その後事務レベルの調整をいただいて、ことし5月から6月にかけて工業技術研究所の鈴木敬明機械科長が派遣をされ、帰国後の報告も受けました。すばらしい内容だったと思うんですが、それに関連して何点かお聞きします。
 鈴木科長のお話を聞く中で、今後もフラウンホーファー研究所との関係を継続すべきだと考えておりますが、それに関してどうなのか。彼が県内企業の研究内容を持って行って実際に一緒にやったり、ドイツに在任中も県の企業が何社か訪ねてきて非常に成果があったと聞いております。関係を継続して、県内企業とフラウンホーファー研究所をつないでいくサポートを県がすべきと考えますが、それが質問の1つです。

 それから、フラウンホーファー研究所以外でもこういう国内外の研究開発の分野にアンテナを高くしておくべきだと私は考えます。具体的にどのようなアンテナを張ってどのように高くしているのかお聞きします。

 3点目で、鈴木科長のお話を聞いていて思ったんですが、フラウンホーファー研究所はドイツ全体をリードするような戦略的な動きを民間も巻き込んでしています。フラウンホーファー研究所は1つじゃなくて72あり、それぞれが研究をしています。それと同じようなことを静岡県でも、静岡県の次世代基幹産業はこういうものだという戦略化が必要だと思うんです。日本をリードする産業を静岡県が育てるという意識がこれから必要だと思いますが、所見を伺います。

○杉本産業革新局長
 まず1点目でございます。
 フラウンホーファー研究所のことで、3点目にもちょっと関係するかと思います。鈴木工業技術研究所機械科長が行ってきまして、私も報告を聞いております。その中でフラウンホーファー研究所の仕組みそのものが日本でそのまま使えるかというと、かなり難しい面があるというのが率直なところでございます。というのも、フラウンホーファー研究所は大学と非常に密着して研究をしていることと、メーカーと委託の契約を結んでいることがあります。今回は国内のメーカーも幾つか行っているわけですけれども、フラウンホーファー研究所と共同研究をするとなるとその委託契約の中身には県内企業が持っているノウハウにも関わっておりまして、やはり一部の企業においては反対に自分たちの持っている技術をドイツにとられてしまうんではないかという危惧があるのも、今回よくわかってきたところでございます。
 そういったところを含めまして、現在はフラウンホーファー研究所の日本におけるエージェント――窓口となる方々が確か4名ほどいると聞いております。今はその方々とは連絡をとりながら、静岡県として今後どうフラウンホーファーと研究所のおつき合いができるかと、かなり慎重にやっています。
 そこの部分につきましては、3番目の質問にも関係いたしますけれどもその仕組みが静岡県ですぐに取り入れられるものかどうかということと、ドイツが国でやっているこのスケールの大きさを一地方自治体としての静岡県でどこまでできるのかもやはり考えなきゃならないなと考えております。
 そういった中で、静岡県としては次世代産業でのドイツの事例としてフラウンホーファー研究所を活用していくことですけども、反対に静岡県としましては御案内のとおりクラスター事業で少なくとも国内においては非常に誇りが持てる仕組みとして育て上げているところでございますので、そういった仕組みが静岡方式的なものになっていくのかなと期待をしているところでございます。
 そういったものを含めまして、フラウンホーファー研究所に行った経験は非常にいいものだと認識をしておりますけれども、それを県内企業の利益につなげるためにはかなり慎重な対応が必要かと考えてございます。

 それから、2番目の御質問のフラウンホーファー研究所のような機関へのアンテナを高くということでございます。国には国立研究開発法人産業技術総合研究所があります。ここが最先端のことをやっている認識を持っております。そこと協定を結びながら、今は最先端の新しい産業づくりに対して体制を組んでやっております。

 こういったところを、どこまで広められるかはまだこれから検討していかなければなりませんけれども、まずは国の最先端の機関である産総研との連携を大事にしながら、静岡県の成長を目指す分野について共同研究なりをやっていきたいと考えております。

○阿部委員
 わかりました。
 ただ、そのフラウンホーファー研究所のシステムで向こうに吸い取られないための静岡県議会調査団の結論としては、研究者じゃなくて事務レベルで職員を送ってインダストリー4.0のシステムを盗む、仕組みをしっかり理解する意味で行っていただいたと思っているので、そこは誤解のないようにお願いします。
 ただ、その中でも静岡県の企業でフラウンホーファー研究所と一緒にやりたいという皆さんもいらっしゃるので、そこは対等に研究ができるレベルに日本はあると思いますので、慎重になり過ぎずきちんとやられたほうがいいと思います。
 また、アンテナを高くするという部分が産総研だけではだめですので、いろんなところにアンテナを張るべきと思います。これは経済産業部長に申し上げますが、1つの局だけじゃなくて場合によっては農業、水産、林業もそうですし全ての分野で世界ではいろんな研究が進んでいます。そういうことにきちんとアンテナを高くする経済産業部であってほしいなと要望します。

 それでは、次の質問にまいります。
 雇用の分野に入りますが、今回も委員会資料の中にございましたが障害者の雇用状況です。先般テレビのニュースで拝見してびっくりしたんですが、愛知県などが障害者の方のアートの能力に着目をしたアート雇用でいわゆる企業のノベルティ開発をしていただいたり、その人の絵を飾って企業のイメージアップを図る分野で障害をお持ちの方を雇用している事例がありました。
 これは非常にすばらしいことだと思います。静岡県は障害者芸術祭を事業として開催されていますので、この中からそういう才能をお持ちの皆さんを積極的に企業に御紹介していくことがいいかと思います。企業も障害者雇用のノルマがある中で、どういう分野なら活躍していただけるのか試行錯誤されているようです。これはすばらしい取り組みだと思いますので、ぜひ導入すべきと思いますが、所見を伺います。

○花井雇用推進課長
 アート雇用の取り組みについてお答えをいたします。
 9番委員の御指摘のとおり、先般のNHKニュースで愛知県における取り組みが報道されております。この取り組みを愛知県に詳しく聞きまして、非常にいい取り組みであると考えております。
 こうしたことから、私どもが全県下に配置している雇用推進コーディネーターを使い、障害者芸術祭を開催している健康福祉部とも連携を図りまして、障害のある人のニーズ、あるいは企業のニーズに応じた調整、検討を今後図っていきたいと思っています。

○阿部委員
 ありがとうございました。
 ぜひうまく連携を図っていただいて、これは多分ウィン・ウィンの関係にできると思いますので、お願いをしたいと思います。

 それでは、次の質問に入ります。
 産業人材の確保についてお聞きをします。
 プラットホームを構築されるとありますが、そもそも具体的にどのようなプラットホームの構築を想定されておられるのか、まずお聞きします。

○尾上経済産業部理事(産業人材確保担当)
 今回、9月補正予算として深刻な人材不足に対応するために、県内産業界の現場の実態や課題に対する御意見を踏まえまして産業人材確保緊急対策事業費をお諮りしてございます。
 内容は、県内8カ所に企業と求職者の橋渡しをするコーディネーターの配置、これは教育委員会が担当いたしますが、高校生の就職を支援する就職コーディネーターの配置など採用活動の支援をする窓口の配置事業が幾つかございます。
 また、県内企業が日がわりで利用できる個別説明会の会場を都内で用意することも考えております。こうした事業や既に成果を上げているプロフェッショナル人材戦略拠点など、採用に関する窓口や事業を連携させて、製造業だけでなく、建設とか介護、運輸、今はさまざまな分野で人材不足に悩んでおりますので、経済産業部が所管するあらゆる分野の中小企業がこれらのサービスを利用できる環境をプラットホームとして整えていきたいと思います。
 それぞれの窓口が連携を図ることで、効果的に中小企業の採用活動を支援できると考えておりまして、このプラットホームを通して各業界における人材確保を支援していきたいと考えております。

○阿部委員
 わかりました。
 その上でお聞きをするんですが、産業人材を確保していく上で静岡県から進学等で出て行ってしまった学生たちにまた戻ってきていただく、Uターンにしぼって伺います。IターンよりもUターンのほうが当然就業確率も高いですしいいと思うんです。それを考えたときに、高校生からの巻き込みをしていかないとだめだと考えます。尾上理事も高校生の採用は触れられましたが、高校から就職をする生徒だけではなくて大学に行った生徒に戻ってきたいと思ってもらうためにはどうするか。
 そこで提案なんですが、ここで1つ事例を挙げます。県立浜北西高校にビジネスサポートセンターがあります。これは学校が設置したものではなくて、学校の後援会、同窓会、PTAの3者がお金を出して設置をして人を2名雇っている。お1人は某企業の専務までやられた方、もう1人は人材派遣会社のコーディネーターをやってらした女性の方、この2人が配置をされていて週の半分くらい出勤をされています。何をするかというと地域の企業を回られて、地域企業の人材ニーズを拾われる。その中で求人もいただいてくるということで、浜北西高校は年間50人くらいの就職しかないんですが、求人はいつも3、4倍あるという状況であります。
 この高校がもう1つ目指しているのが、卒業生の大学生が帰ってきたときも就職の支援をしたいとのことで、次のステップの模索をされているんです。
 例えば、インターンシップを今や中学生から職業体験としてやっていますが、高校生のインターンシップをコンビニエンスストアでしても、これはふつうにアルバイトでもできるわけです。例えばものづくりの本当にねじ1つ1つ、それから歯車をつくっているものづくりのところで、その歯車がどこの部品になるのかとか、実はこのねじはロケットのねじなんですよとか、そういうすごいものづくりが実は自分の住んでいるところでできていることをしっかり実感してもらう。そういうことが郷土の産業に対する驚きとともに尊敬、そして憧れの思いを生んでいくと思います。
 こういった気づきのある職業体験をしてもらうことで、私はこの企業でこういうすばらしいものをつくりたいから、こういう技術を身につけたいから漠然とじゃなくてこういう大学に行きたい、もしくは大学に行くより専門学校に行きたい、そういう自分の将来を描ける職業体験をしてもらう。そういう意味で高校生まで巻き込んでの産業人材の育成を考えていく、ダイナミックな施策を打っていくべきと考えます。
 この高校のモデルもありますから、浜北西高校と共同してやるのも1つ、全く別にやるのも1つ、そういうことを考えるべきと思いますが所見を伺います。

○花井雇用推進課長
 高校生からの県内就職に向けた取り組みについてお答えいたします。
 9番委員から、県立浜北西高校を参考に御紹介いただきました。ビジネスサポートセンターの設置、あるいはインターンシップをしているなどすばらしい努力の姿勢かなと思います。
 大学生の就職支援をしている状況で非常に課題と認識しているのは、大学に行った学生が地域のこと、あるいは地域の企業を知らないことでございます。そういった中で高校生が地元にいるうちから地域のこと、あるいは企業のことをしっかりと頭に入れておいていただくことが非常に重要じゃないかと考えております。
 こうしたことから、私どもといたしましては浜北西高校に御協力をお願いしようと思っていまして、浜松市、あるいは商工会議所とも連携してインターンシップの取り組み、あるいは高校生に地元のことを知っていただく取り組みをモデル的にやらせていただければと考えております。
 教育委員会がさまざまな取り組みをやっていますので、そういったところともしっかり連携をして、いい取り組みをぜひほかのところにも広げていきたいと考えております。

○阿部委員
 ありがとうございました。
 文句のつけようがない答弁ですので、ぜひ教育委員会とも協力体制を構築して連携してやっていただきたいなと思います。人材育成は高校生からだと思います。よろしくお願いします。

 それでは、農業分野の質問に移ります。就農支援について何点かお聞きをします。
 まず、農地の集約事業を中間管理機構でやっておりますが、農地だけではなくて県内を見渡すと空き家になっている農家が大分ございます。
 この空き家になっている農家、不動産もセットで農地と農家のリスト化をして新規就農者に紹介をしていくべきと考えます。ただ各市町の農業委員会の協力が大前提ですのでぜひ県から話をして、JAは農業指導だけではなくグループ内に不動産事業も持っておられるので、JAにも協力を仰いでまずモデル地区を決めてやってみたらどうかなと思います。
 全国の事例を見ていくと、農地法第3条に農地取得の下限面積要件があって、御承知のように都道府県では50アール以上になっていますが、これを1アール以上に引き上げている農業委員会が今や全国に30もあります。そうすると家と一緒に農地や家庭菜園という考えの人もいらっしゃいまして、それをターゲットにした中山間地の自治体が多いんですが、静岡県はそうじゃなくて昔から豪農と言われた人たちの空き家と本格的な農地がそのまま眠ってしまっているのならば、そこに新規就農者が入っていただくことを考えたらどうだろうかと思います。それについての所見を伺います。

○前島農業局技監
 9番委員から情報をいただきました。またJAと話をしていきたいと思いますけれど、農地の集積につきましては農地中間管理事業を中心として進めております。そして今まで空き家は空き家対策として別に進めておったわけですけれども、それを一緒にやりましょうという御提案です。
 9番委員から、豪農のお宅と農地を一緒にというお話がありました。地域によって豪農と言われる方の規模はいろいろかと思います。さらに農地中間管理機構を通じて応募してくる新規で入ってきたい方の望む規模感といいますか、うちは欲しいけど農地はこんなには要らないよと、あるいは農地をもっと欲しいよと、要は商品とそれを借りる、あるいは買い受ける耕作者さんのマッチングをどのようにしていくかだと思います。
 そのやり方について、9番委員から御提案いただきましたのでこちらの担当レベルでも研究を進めさせていただきたいと思います。また全国にも事例があるとのことですので、そちらの調査も進めていきたいと考えております。

○阿部委員
 わかりました。ありがとうございます。
 前島技監が地域ごとの事情があるとおっしゃったとおりで、やはり県内を歩いてみると農業は土地によって条件が非常に違うことがよくわかります。また新規就農者の方はほぼ例外なくなかなか厳しい条件のところにはめられてしまっていて、だから新規就農者の定着率が低くて場合によっては2割くらいしかないところもあります。それはそういう原因もあったり、また農地からわざわざ遠くにアパートを借りて通わなきゃいけない実態がありますので、そういうものの解消をしていく、また持ち主の方も農地だけ借りられても家が売れなかったり借りてもらえなくて困るという事例も私の地元の浜北などではよく聞きますので、ぜひモデル的に見ていただいて具体的に進めていただければなと思います。要望とします。

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