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委員会会議録

質問文書

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平成22年10月産業連携推進特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:櫻町 宏毅 議員
質疑・質問日:10/26/2010
会派名:平成21


○櫻町委員
 各論じゃなくて、かなり体系的な話で申しわけないんですけれども。地産地消という言葉を静岡県も一生懸命やろうとしてるんですが、先生の見地から静岡県において、地産地消を進めるためには、どういったことが欠けてて、どういったことをやるべきか、その御提言をいただければと思うんですが。

○昆 吉則氏
 僕は地産地消という言葉を批判している人間なんですよ。逆に言うと地消地産であるべきでしょうということです。我々、本当に貧しかった時代というか、飢えてた時代と言ったほうがいいかもしれませんが、人間はそこにあるものを食べる以外になかったということだと思うんですよ。あるもの、ないものを食べていて、でもそれをいかにおいしく食べようかと。いかに食いつなごうかといって、生活の技術を我々つくってきたんだと思うんです。そういう人間の営みということを、もっと現代の社会で生かすためにどうしたらいいかということを考えねばいけないのに、地産地消というのは、先ほど自給率を農業関係者が使用するのと同じように、地域の農業を守ろうという考えです。地域の農業を守ろうという考えは大事なんですよ。でも、だから地産地消というのは地域にあるものを食えと消費者に言うんだろうかと。僕、読者に申し上げます。農産物を高く売りたい、それは間違いですよと申し上げるんです。高く買っていただけるような商品やサービスをつくりましょうということで、あらゆる産業は、皆さんそうしていらっしゃるはずです。でも、そういうつくる側のお客様に対して選ばれていく努力みたいなことがなしに、制度的に地産地消へいってしまうというのは、ちょっとまずいような気がするんです。
 でも、地域のものを活性化しようというときに、僕は農業から始まるというのをやめるべきじゃないかなと思っているんです。むしろ、先ほど言いました農業だけじゃなくて、そこにある食文化だとか、食生活とか、そういうもの。あるいはそこにある御商売とか、商品とか、そういうことです。よく京野菜とか、加賀野菜というのがございますね。なぜあそこに、京野菜とか加賀野菜というのが残ったんだろうか。京都の農家が、あるいは石川県の農家が頑張ったからか。決してそんなことないですよ。
 江戸時代が300年続いたわけですから、日本の種屋さんというのは東京に一番多かったんです。でも東京の伝統野菜ってほとんどなくなりました。なぜでしょうか。それはフードビジネスが一番、あるいは小売業が一番成長したからです。だから消えちゃったんです。じゃあそれと反対で、京都や加賀は何で残ったんだろうか。いやさっきの東京のことは地域の産品とつながらない、断絶したグローバルな形でのフードビジネスだけが、成長したためということです。
 京都や加賀野菜というのは、農家というよりも、それを食べる文化だとか、それを食べさせる調理人や商売人だとか、そういう人たちがいたからであると思うんですよ。食文化やサービス、商売と、その風土や農業って一体であって、そういう意味合いでいうと地産地消ではなくて地域そのもの。地域そのものが持ってる価値といいましょうか。
 例えば、僕は、静岡がいろんな作物ができるのは、富士の伏流水によって非常にいい土があるからだと思うんですよ。あるいは、この温暖な気象だとか。非常に、この特性のある風土があるわけですけれども、そういうことを含めて語れるのか。ただ単に、ここにある産品だけを商品化するのか。それを何といったらいいんでしょうかね。ものとしての農産物、生産としての農業だけじゃなくて、あるいは何というんでしょうかね。さっきカロリーを消費するんじゃなくて、おてんとうさまを消費すると言いましたけれども、いい消費の中には、御提供するいいホスピタリティーだとか、レベルの高い、お客さんの満足度の高いアメニティーだとか。そういうものがセットになった観光地といいましょうか。お店といいましょうか。サービスというものには、お客様が寄って来るんだと思うんですよ。
 実は、ものとしてだけ考えるんじゃなくて、文化やサービスの全体。だから、その地域に行くと、もちろんいい産品があるのかもしれないけれども、いいレストランがあるとか。そういうことを含めてお考えになるのが大事なことなんじゃないかと思います。
 私、先ほどポテカルというジャガイモ雑誌をつくっていると申し上げましたけれども、カルビーさんの御協力を得てつくっているんです。カルビーのオーナーである松尾さんが、この前、私どもの事務所で、セミナーで開いていただいたんですが。日本のジャガイモ産業つくってきたと言えるカルビーのオーナーが、日本で最も美しい村運動ということの副理事長をやっておるんですよ。まさに、その方の言葉を受け売りすれば、今のお話しになるんですが、地域が大事なのは言うまでもないし。グローバルなものに勝つ力というのは、やっぱり改めて自分たちが持ってる力を自覚することだろうと。それを政治的、行政的にというよりも、その地域の商売として、また、きちっとつくり直すことじゃないかと。そのときに農業だけではなくて、サービス産業として。だから、いい産物があるだけじゃなくて、いい調理人がいるとか、いいレストランがあるとか、いい旅館があるとか、その中でみんなして、どれだけこの地域を自信の持てる地域にするか。自分たちの持っている美しい背景だとか、美しい風土だとか、そして、それと結びつく産品だとか、加工品だとか、あるいは観光のサービスだとか、そういうものがどれだけつながっていくのか。要するにものだけで考えないということが、私は肝心なことなんじゃないかと思うんです。そうしませんと、かつて一村一品運動というのがありましたけれども、あれは結局、百村一品運動で、結局、どこもつながってないというような時代があったような気がします。だから、その意味合いでいうと、地産地消というよりも、1つの地域産業を農業だけで考えるんじゃなくて、産品だけで考えるんじゃなくて、サービスやエンターテーメントも含めて考えるというのを。どうやって行政リーダーが指導しながらかもしれませんけれども。指導というよりも明確な意志を持って皆さんを励ましていくということによって、初めてできるんじゃないのかなという気がしますね。

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