委員会会議録

質問文書

平成28年２月定例会建設委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	髙田　泰久議員
	質疑・質問日：	03/08/2016
	会派名：	ふじのくに県民クラブ

○髙田（泰）委員
　これまでのやりとりを伺いまして、防災機能を持った野球場が浜松市、あるいは浜松市関係者、浜松市議会等々からも県に強く要望されてきたことが理解でき、また確認されました。
　そこで、私からは、防災について一問一答方式でお伺いしたいと思います。
　これまで我が国のまちづくりという観点で考えますと、特に江戸時代までは、水害、土砂災害、それから震災等の自然災害から国土並びに生命財産を守るための治水とか治山、砂防などの国土保全とまちづくりが一体で考えられてきました。
　治山、治水、砂防だけではなく、ある面では火災、防火もまちづくりの中で、大きく江戸時代は取り上げられてきて、最近はドラマではやらないけれども、大岡忠相――大岡越前守がまさに江戸町奉行として、火消しをつくるという江戸の町の防災体制を整えたことは江戸時代にあったわけなんですけれども、最近の法律あるいは仕組みづくりは安全・安心と経済活動が別ものとして、防災よりも利便性優先のまちづくりが開発を中心に進められてきた感じがするわけなんですよね。
　そこで、三・一一の大津波災害によって、沿岸部の安全・安心が揺らいで、そして沿岸部のまちづくりとか土地利用が危険でリスクを伴うものとして取り扱われ、そして急激に沈滞して大きな課題となっているように私は感じるわけなんです。
　そこで、県は都市計画において、県土の保全、いわゆる都市防災について、どのように捉えているのか、県の考え方についてお伺いいたします。

○白鳥都市計画課長
　６番委員がお感じになられたように、都市計画が制定された以前、明治時代だと思いますが、火災法、砂防法、森林法、いわゆる治水三法と申しますが、それが都市を形づくってきたということで、また都市計画が制定されて以降は、やっぱり高度成長期の人口増や経済成長を背景に土地の利活用を重視した政策を進めてきたことが、安全をちょっとないがしろにしているんじゃないかとお感じになられたことだと思います。
　ただ、一方で静岡県では、やっぱり東日本大震災以降は沿岸部の安全性を第一に住民の生命を守る観点から都市防災総合推進事業を進め、避難タワーの整備を優先的に進めてきたところでございます。
　また、当然次の段階、地域が沈降していることに対しての都市計画の考え方を申しますと、以前から都市に必要な施設として決められている街路、公園等がございますが、その中でも公園が避難地、なおかつ災害のときに復旧・復興の拠点となる施設でございますので、優先的に進めていきたいと考えております。

○曳田委員長
　８番委員、もう一度整理して質問してください。

○髙田（泰）委員
　私は、防災機能を持った野球場――防災機能を持つことは、その地域の防災をどのように県が考えているかという観点から、当然広い意味での地域の防災をどのように考えているのかも含めて答弁してくれということで質問したつもりですから、改めて御答弁をお願いします。

○白鳥都市計画課長
　広い意味で、静岡県の防災をどのように都市計画で考えているかということでよろしいかと思いますが。

○曳田委員長
　８番委員、もう一度質問してください。

○髙田（泰）委員
　防災機能を持った野球場を求められているので、防災機能を持った野球場イコールその地域の防災に関して、まちづくりを含めてどのように考えているのかお伺いします。

○宮尾都市局長
　今の御質問に対してのお話でございますけれども、今回これだけの大きな防潮堤を大変多額の御寄附をいただいて、建設させていただいております。
　この防潮堤が完成することによって、先ほど白鳥都市計画課長からも話がありましたが、今まで三・一一以来、クモの子を散らすように沿岸地域の土地利用が、人がいなくなり人口減少になり、土地利用がなかなか図られない状況でした。それがこの防潮堤により、生まれ変わったしっかりとした土地となると。その土地に対して、今回こういう形で野球場ということでお話を差し上げております。にぎわいをもたらす公共の施設ができることによって、まさに沿岸都市地域のリノベーションのモデル事業となるのではないかと我々としては非常に強く感じてございまして、ぜひとも防災の先進県である静岡県として、こういう事例で沿岸地域が生まれ変わっていくんだよということをぜひとも全国にも発信していきたいとの考えでございます。

○髙田（泰）委員
　沿岸リノベーション構想のモデルとして取り組みたいということは、これは一つはまちづくりという観点、あるいはその中に防災の機能を持った野球場整備という点では、まちづくりの観点からも考えられるものだと思います。その点の構想についてもう少し詳しく説明願います。

○宮尾都市局長
　野球場の防災機能としてどんな形で防災機能を備えていくかという御質問でよろしいでしょうか。
　現在、この防潮堤が完成されますと、Ｌ１に対してはしっかりと出した対応がとれると。さらに1000年に１回のＬ２に対して、これを越波してきて浸水が予想される地域になってございます。
　その場合、その浸水してきた水が現在考えておりますこの野球場に侵入しない水密性を持たせた構造により一応、地震の場合は避難地となり、その後かなり大きな施設でございますので防災の拠点として活用できますし、さまざまな物資の集積場にもなっていくのであろうと考えてございます。
　これにつきましては、行く行く基本計画の中で、最終的には浜松市の防災計画の中にも位置づけていくことになろうかと思います。現在のところ、しっかりとした設計ができておりません。今後の話になっております。じゃあ、その中でどれだけの面積を例えば、集積に役立てられるかは明確なものは出ていませんけれども、項目としてはそういう形で機能を持たせたものにしていきたいと考えてございます。
　それと、当然それはＬ１を超えるものに対する建設になります。これにつきましては、県内どこの市町も市町の仕事として捉えられて、さまざまに御努力されているところがございます。これに関しましては、建設の中でそれに見合う分の負担を浜松市に求めていくことで県としては考えている次第でございます。

○髙田（泰）委員
　防災機能というものは、まさにこの地域の防災と一体となったまちづくりとイコールになると解釈するわけですけれども、野球場の整備だけでなくて防災機能を持ったまちづくりに関して、さらに周辺地域も交えた中での防災のまちづくりに関して、県の考え方や補足することがあったら説明願います。

○宮尾都市局長
　今のところ、都市計画決定された都市公園の中の計画ということで我々は勉強会の中でも考えてございます。
　ただ、防潮堤に守られる土地はそれ以上にかなり広い土地がございます。すぐ隣接するところに、日２万3000台が通る国道１号の交通量は大変貴重な存在でございまして、何かしら集客施設等をやるのであれば、非常にメリットがあるところなのかなと。
　具体的に都市計画決定された公園の外についての検討はまだしてございませんし、それは第一義的には、恐らく浜松市でさまざまにお考えになっていくことになろうかと思います。
　その起爆剤として、この公園が役に立てばということになろうかと思います。ここについては、今後のお話になるのかなと考えてございます。

○曳田委員長
　ここで、しばらく休憩します。
　再開は午後２時20分。

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