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委員会会議録

質問文書

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令和2年6月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:森 竹治郎 議員
質疑・質問日:07/03/2020
会派名:自民改革会議


○藤曲委員長
 休憩前に引き続き、委員会を再開します。
 質疑等を継続します。
 では、発言願います。

○森委員
 それでは、分割質問方式で質問します。
 最初に、新型コロナウイルスが静岡県にも大きな災いを及ぼしていて、言わば行政の第一線の経済産業部の皆さんは、今非常に深刻な状況に置かれているわけですけれども、これから特にかつてないほどの巨額な制度融資を実行しつつあるわけです。
 そうすると、償還期限が据置き、2年とか3年とか、制度融資の内容によって異なると。その間はまだいいんですけれども、2年、3年先には償還が始まる。今未曾有の状況が生まれてきている。
 皆さん方も大変であるけれども、金融機関の窓口、昨年の年末までは通常の融資、通常の得意先に対する支援を地銀の皆さんも信用金庫の皆さんもやってきたわけですが、今年の2月、3月から今回のような予測されない状況で、まさに大混乱が現場で起きていると。
 そうするとやはり地銀の皆さんも、得意先、融資先に対して今まで以上にいろんな応援をしていかないと、前回私が質問したような代位弁済ばかり増えてしまってしようがないです。地銀の皆さんだって、やはり代位弁済、信用保証協会へ送ることはなるべく避けたいと思っているに違いない。
 そのためには、やはり得意先に対する情報の提供、あるいはいろんな面での経営の支援に当たるんですけれども、少ないスタッフで多くの仕事を抱え込んでいく。今まで以上に得意先に対する支援はなかなかできなくなる。そういう状況の中で、皆さん方も考えなかったほどの作業が増えている。
 静岡県の経済産業政策、静岡県の活性化を考えると、これから新型コロナが終息する中で、静岡県の経済産業政策をどうやって対応していったらいいのか、基本的なことについてまずお聞きします。
 そしてその中身について、産業委員会提出案件の概要及び報告事項10ページの産業の成長戦略に5項目が書いてあるわけですが、これについてもう少し説明をしていただきたい。
 今回の静岡県の制度融資の業界は大分幅広い。建設業協会あるいは卸売業界、あるいは旅館、宿泊等の業界、製造業、非常に幅広い業界に今回制度融資をされているわけでありますから、この成長戦略、あるいは先ほど9番委員も質問されておりました事業承継、企業の革新計画、そういうものがまたそれぞれに上ってくることを含めて、この成長戦略に対する説明資料にあります力強いその取組方についてお尋ねします。

 それから2点目は、説明資料28ページです。ファンドについての説明があります。最初のお尋ねは、かつてリーマンショックのときですとか、9年前の東日本大震災の際の劣後ローンの発行ですとか、このようなファンドで本県の経済あるいは企業の支援をやった経過があるのかどうかについてまずお尋ねをします。
 それから、ファンドについてでありますけれども、説明資料によると7月ぐらいから取組を開始したいといった説明はどこかにありましたけれども、こういうファンドに対して静岡県も何がしかの出資をするのかどうなのか。
 それから、先ほどと同じような、もう少し中身の質問ですけれども、今回の説明を見ますと非常に心強い面がたくさんあります。例えば説明資料の中小企業再生ファンドの拡充説明、過大な債務を抱えた中小企業の事業再生と、過大な債務を抱えているけれども倒産させないように、このファンドで資本を投資することによって企業を再生させていこうといったことでしょうけれども、10件程度予測されておるわけでありますが、どういうような業界をファンドで救済していくお考えなのか、その辺のことをまずお尋ねします。

○天野経済産業部長
 2番委員の1つ目の御質問についてです。
 今、制度融資が膨大な融資申込、それから国、県が連携して金融機関、信用保証協会、市町と、全力で取り組んでいるわけですけれども、やはり経済がこれだけの打撃を受けたことは今までもありませんで、これからV字なのかU字なのかL字なのかは別として、回復するためには企業が残っていないければならないと。まずは企業を守り通さないといけないといったことで、今資金繰りに政府も我々も全力で当たっているわけです。
 今2番委員のおっしゃられたところは、実はこれだけ融資の額が多いとやはり声として出てきておりまして、ある程度経済が落ち着いた後、当然据置期間は利子だけでいいですけれども、そこから先、元金の返還も入ってくるので、やはり利用者の方々の負担もすごく大きくなる。
 これらに対しては、新型コロナウイルスによって社会、経済の状況も多分がらっと変わりますので、従来と商売の手法であるとか、やはり利益の上げ方も変わってくると。その1つの方向性が、実はデジタル化とかにいかに対応していくかだと思います。
 それでまず、経済がある程度平常化してきたときに、もう1回利益を上げてもらわなきゃいけませんので、そのための支援にやはり全力を尽くしていくと。その時には多分デジタル化が急速に進んでいまして、やはりそこでの成長戦略はこれを取り込んでいくことであろうかと。
 今もウイズコロナで、新型コロナの防止対策と経済活動の再開の両立をやっておりますが、実はこの6月補正で増額を認めていただいた新しいところに挑戦する場合に補助金を一気におろす制度を4月に作らせていただいたんですけれども、それに申込みが物すごく殺到したわけですね。なぜ殺到したかと言うと、これは通常の補助金と違ってその方々はここを生き抜くために工夫をばんばんやっているんです。そこに支援する制度であったからこそ、物すごく殺到したのではないかと思っております。
 したがいまして、こういったデジタル化の取組だとか業種業態を思い切って展開していくだとか、今そういう挑戦を積極的に応援すると。
 2番委員が言われたように、幾つか成長戦略がありますけれども、成長分野の企業を育てるとか、実は今この中においては、そういった企業がもうやむにやまれずと言いますか、追い込まれて思い切って転換して挑戦していくところを、いかに企業の出費、出捐を少なくして支援していくかと。これはもう成長戦略に取り組んでいることそのものだと思っております。
 したがいまして、新型コロナ禍もそうですけれども、アフターコロナになった時も、こういった挑戦を積極的に支援する仕組みを作っていかないといけないかなと思っております。
 成長戦略は、大きな医療機器産業とか航空機だとか次世代自動車などがありますけれども、それは大きいのでやらなければいけませんが、実は今回打撃を受けた宿泊、観光、飲食サービスでも全く我々が気付かなかった成長戦略を実は実行していただいているのかなと。
 ここに対する支援は、アフターコロナであっても続けていって、まだ10年の償還期限、返還期間があるのでそれはしっかりと支えていかなければいけないと思っています。

○杉山商工業局長
 資本性資金の関係についてお答えします。
 過去のリーマンショックの頃の話です。
実は、中小企業支援ファンドは静岡県もできていまして、平成16年に作っております。リーマンショックが起こったときにも、例えば製造業であるとか、建設業、幅広く助けるためにそのファンドで出資をしている実績があります。
 それでこの静岡中小企業支援ファンドの運営は静岡キャピタルがやっているんですけれども、既に第1次から第5次までのファンドを組成しております。第4次までの実績ですけれども、180億円で51件の投資をしているということです。このファンドについては、引き続き出資をしていくということです。
 これについては出資者は、49%以下で中小企業基盤整備機構、残りは信用保証協会と県内の4地銀と9信用金庫で運営をしています。
 今のところ、県としての出資は考えておりませんけれども、こういったファンドと金融機関、信用保証協会、意見交換もしながら連絡を密にして、今後とも中小企業の事業継続が進む形でやっていきたいと考えております。

○森委員
 天野経済産業部長の答弁もいただきましたが、やはり今静岡県の昨年度末の法人事業関係の税収が減ってきていますね。これは減税だけではなくて、事業展開が非常に厳しい中でそういう状況が昨年もう既に出ているわけです。
 今年から来年、再来年にかけて、今のような静岡県の経済状況、大変な状況が今目の前に来ているわけですから、先ほど杉山商工業局長もお話しされたように、皆さん方がしっかりとしたここからの経済政策を立てて、融資の現場においてもできる限りいろんな情報提供をする、あるいは修正する形で対応をぜひやってもらいたい。
 というのは、今回の補正予算でも、金利の負担、保証料の負担、133億円余りの貴重な県の予算を用意するわけですから、先ほど申し上げたように、企業が破産をしたり店じまいをしたり、そして信用保証協会にやっかいになる、そういうことをできる限りやる。そうすることが静岡県の県民の皆さんの安心・安全にもつながる。先ほどの雇用の場の確保もできると。その辺の対応について、またしっかりとした政策を立てて頑張ってもらいたいと思います。
 
 それでは、次に入りますけれども、静岡県の農業の振興策についてお尋ねします。
 今、新型コロナの関係で農業関係も避けることができない状況が出ているわけです。今データを持っていませんけれども、静岡県の農業生産も年々非常に厳しい状況になっている。かつて静岡県の農業生産額は、私の記憶ですと2300億円余りあって、全国47都道府県の中で大体10番目ぐらい。今これが下がってきて、昨年度が2100億円ぐらいかな。全国順位10番あたりから今十五、十六番ぐらいになっているんじゃないかと。
 一方で、静岡県の総合計画の中では、農業生産の目標は2300億円か2400億円。かつて静岡県が生産したものを取り戻そうという、なかなかこれ取り戻す状況に今いかないわけだけれども、どうやって取り戻すことを考えているのか。

 それからもう1つ、この新型コロナによってグローバルな貿易が非常に壁にぶつかってきている。日本の食料の受給率は今37%か38%。静岡県は17%、18%じゃないかと。新型コロナで世界の貿易の動きがストップしてしまうときに、日本の食料受給率、たしか昭和40年代は75%以上あったはずです。外国から、アメリカやあるいはオーストラリア、カナダ、そういう国々から新型コロナの影響によって食料が日本に来なくなったらどうするのか。静岡県は、金額から言うと付加価値の高い農業生産物を作っているから、この食料受給率は低くてもそちらの付加価値の高い農業生産物でカバーしていると、余りあるものがあるのかもしれないけれども、しかし県民の食料を考えると、やはりもう一度静岡県の農業政策として考え直す必要があるのではないかと。この辺のことをどのように考えているのかお尋ねします。

○遠藤農業局長
 御質問が2つあったかと思います。
 生産額をいかにして上げるかに関しましては、本県では今、2400億円の目標を持っております。本県の産品、首都圏を中心に需要の拡大が見込まれるものとしまして野菜、畜産があると思っております。あと本県の主要産業のお茶を復活させていくことが考えられます。
 まず、野菜に関しましては、イチゴなどの鉄骨ハウスの施設整備、水田を活用したレタス等の露地野菜の生産拡大、畜産に関しては畜産クラスターなどによる生産拡大、お茶に関してはChaOIプロジェクトを通して需要に応じたお茶の生産や新たな商品展開などにより産出額を上げていきたいと考えております。

 2つ目の受給率の問題です。
 本県の受給率に関しましては、先ほどありましたようにカロリーベースで平成29年の値になりますけれども16%、生産額ベースで56%です。本県はカロリーの低いものを作っていることによって、カロリーベースが低いのは御指摘のとおりです。
 それを上げていくことに関しましては、生産を上げることが1つ。もう1つはバイ・シズオカで県民の皆様に県産品を消費していただくといったことを通して消費を拡大し、受給率の向上を目指していきたいと思います。

○森委員
 それでは重ねてお尋ねします。
 今、県内の専業農家の戸数というか、専業として農業に携わっている皆さんの増減はどうなのか。横ばいなのか減っているのかどうか。農地が盛んに集中管理ができるような政策を取っているわけですけれども、そういうものは効果が出てきているのかどうか。その辺はいかがですか。

○遠藤農業局長
 まず専業農家の数から言いますと、平成27年ですけれども、9,891戸で、数だけを見れば大きな増減はないと思っております。ただ専業農家にも当然質があるかと思います。その質に関してはやや低下していると言ったほうが正しいかなと思います。
 一方で、規模を非常に大きくする農家は増加しております。特に露地野菜などでは50ヘクタール規模以上の農家が現れてきております。それはリタイヤする農家の方の土地を中間管理機構等を通して借り受けて大きくなってきている状況もありますので、そういった農業者をこれからも育成していくことは大切だと考えております。

○森委員
 それでは次に、林業の振興についてお尋ねします。
 本会議でも若干話題になりました、本県の森の力再生事業。これは本県の非常に荒れた森林の再生をし、防災の面でも大きな役割を果たしてきているわけです。来年度で5年目の新しい時代へ入っていくわけでしょうけれども、これに対する今後の考え方、取組についてお尋ねします。
 このことについては、御存じのようにまだまだ本県のこの事業に対する期待は高まると思います。私の地元の伊豆半島賀茂地域でも、非常に農林事務所の皆さんが積極的に取り組んできておりますから、至るところで実績を上げてきておりますけれども、まだまだ要望もたくさん私どものところにも来ております。
 当局としてこれからこの事業に対してどのようなお考えを持っているのかお尋ねします。

○藤田森林・林業局長
 森の力再生事業の今後の進め方でお尋ねがありましたが、森の力再生事業は森の力の回復に加えて中山間地域の雇用の創出にもつながっていると考えております。
 今後の事業の対応につきましては、平成28年度から第2期10年計画で、今年が5年目に当たります。この5年目で今後の在り方について検討することとなっております。
 まずは、森の力再生事業の進捗あるいは成果を県民の皆様にしっかり丁寧にお伝えする、そしてその上で県民の皆様の今後の対応について御意見を伺おうと考えております。
 具体的には、県民の皆様にタウンミーティングなどを開催しながら――7月2日から県内28か所で予定をしておりますけれども――そういった意見を伺う。あるいは直接郵送でアンケート調査をやったりして県民の皆さんの意見を伺う、あるいは首長様や各団体の皆様にも直接訪問をして、8月までに意見の集約を図ってまいりたいと思います。言い忘れましたけれども、事業そのものを皆さんに知っていただくためにインターネット、SNS、ポスター、ラジオといったいろいろな媒体で事業の成果をお知らせし、県民の皆さんの意見を伺おうと考えております。
 そうしたことを踏まえまして、今後の対応については総合的に検討していきます。

○森委員
 静岡県は全国に先駆けてこの事業をスタートしたと。そして国も、ようやくと言っていいのか、森林環境譲与税の法律を作って取組を始めたわけですけれども、静岡県が言わば全国の先駆けになった事案です。ですからこの森の力再生事業を、これからも全国のモデル的な事業としてさらに推進をお願いしたいなとそんな思いをしております。
 そしてその森林環境譲与税ですけれども、この制度もスタートを切ったわけです。しかしながらこれについては、市や町との連携プレーがなければせっかく作った事業を推進して効果を出すことがなかなか大変じゃないかと。そのことを考えますと、県内の市や町とどのような連携を取りながらこの事業に向かっているのか、あるいはこの事業を推進しているのか。現在の状況と今後の見通し、あるべき姿などについてお尋ねします。

○藤田森林・林業局長
 森林環境譲与税を使った市町の取組で質問がありました。
 各市町、林業分野といいましても職員は農林水産、それから産業ということでいろんな分野を幅広く担っていることが多く、林業、森林環境譲与税が来たからといってすぐに自主体制を整えるのがなかなか難しい状況であることは、私どもも承知しております。
 そこで、まずは農林事務所ごとに地域連絡協議会を開催し、いろんな新しい取組など情報交換をしながら御支援をさせていただいています。
 それから、森林環境譲与税のスタートに合わせて新しい森林経営管理制度が始まりました。それに取り組む市町も出てきておりますので、それぞれの市町のニーズ、要請に応じて、県の森林整備等アドバイザーを登録して派遣をしたりして市町の実施体制を支援をしております。
 先ほど言いました森林経営管理制度も、例えば富士市などでは集積を、森林所有者から市が委託を受けて、森林経営ができるところについては意欲のある林業経営体に再委託する意欲的な取組もありますので、そういったところを各市町にお知らせしながら、森林環境譲与税を使った森林整備が進むように、また県は県でその役割を支援する形で進めていきたいと思っております。

○森委員
 それでは次に、説明資料64ページの山地の災害についてお尋ねします。
 近年、集中豪雨災害あるいは台風による災害続きで私たちも悩まされる事が多いんですけれども、県内のいろんな治山事業などに対する要望は数え切れない程あろうかと思います。それに対して、限りある予算の中で皆さん方が対応してくれているのでしょうけれども、私ども、5番委員も一緒だったわけですけれども、今年の1月末に建設委員会の県外視察で熊本県から北九州市へ行ってきました。
 御存じのように、九州北部集中豪雨災害、270名余りの尊い命が失われた災害です。災害が起きた山間部にも、1月の末ですから寒い天候の中、また雨も降っていた状況ですけれども、やはり災害というと共通した原因がある。
 それはやはり、間伐が行き届いていない人工林が押しなべて山地崩壊を起こし、河川などをふさいでしまうと一斉した洪水となって民家を襲う。そういうような状態で、やはり今申し上げました共通の原因、それは荒れた山林、特に人工林の手が入っていないところが各所で山地崩壊を起こし大きな被害を出しているわけですけれども、我が静岡県でもこれからもさらに谷止工のような治山事業を積極的にもっともっとやってもらう必要があるのではないかと。
 それから海岸部。私どもも、8番委員などもそうかもしれませんけれども、集中豪雨、台風災害の後には港湾ですとか漁港に大量の流木が押し寄せて、その高波と流木によって港湾施設、漁港施設、海岸施設に大きな被害が生じる。
 ですから、山地の管理がうまくいっているかどうかは下流の河川海岸にも非常に大きな災害を増大させてしまう原因にもなっているわけです。ぜひそういう観点からこれから工事に入ってもらいたいと思いますし、もう1つは今まで間伐をしますと大きい間伐材は有効利用がありましょうけれども、小さな間伐材だったらその現場に置いていく、寄せていく、そういうものが豪雨によって下流に流れてくる。
 これがごみとなって、流木となって後始末が大変。結局、交通基盤部の港湾整備課、漁港整備課、河川海岸整備課の皆さんを悩ます。何よりも沿線の市や町、県民の皆さんはもう毎年の恒例のようになっている。このことを考えると、間伐材の処理についても考えてもらいたい。今までみたいにその場に寄せておくことは予算の関係もあるのかもしれませんけれども、そういうやり方ではなくて撤去して始末をしてもらうことが下流、海岸のほうの豪雨災害、台風災害を減災することにも大きくつながる。
5番委員には申し訳ないけれども、かつて相沢川が集中豪雨で大氾濫した。その山地崩壊の流木が伊豆の東海岸に流れてきて、その始末に1年ぐらいかかってしまったケースもありました。そして、昨年の台風15号、19号により私の地元の下田市もそうですけれども沼津市の大瀬海岸かな、結局下流や海岸のほうに大きな被害を及ぶものだと。このことを考えるとやはり、川の上流部と川の下流部、海岸のほう、交通基盤部と経済産業部との連携もよくしてもらって、少しでも減災をしてもらう必要があろうかと思いますけれども、どのようにお考えになっているのか、ぜひお尋ねをしたいと思います。

○藤田森林・林業局長
 2番委員から御指摘のありました、激甚化する災害への対応についてお答えします。
 やはり人工林ですから手を入れて植えたところは手を入れていかなければならないので、間伐などによる災害に強い森林づくりがまず1つ大事だと思います。
 また、もう1つは、必要に応じてハード面で治山事業により山地災害を防ぐと、その2つが大きくあるかと思います。
 もちろん、避難対策もありますけれども、ハード面としましては森林整備、今間伐した材をそのまま林地にというお話もありましたが、例えば治山事業では流れないようにちょっとした杭を打ったりして対策を取ったり、あるいは治山事業でコンクリート堰堤をつくったりする場合には、もしその周辺に流れてしまう倒木などがありましたら、危険木ということで流れないように処理も併せてやっております。
 さらに、先ほどもう1つ流木のお話がありましたけれども、流れる場合にせき止めるというか、スリットダムと言いますけれども流木を捕捉する機能を持つ治山ダムも、九州の大きな災害も受けまして県内でも実施しています。
 森林整備それからハード面併せて、それから土木のほうで砂防事業もあり、いろんな事業を県として連携を取りながら、災害に対応できる強い国土作りを進めてまいりたいと思っております。

○森委員
 林業は最近、非常に明るい環境が出てきているのではないのか。例えば大学を出た跡取りの方も家業に従事するケースも幾つか出てきたり、あるいは森林組合とか林業会社に就職する若い人たちも大分出てきたという話も伺っていますので、さらに力強い林業を展開していただきたいと思います。
 
 それから次は、水産業について。
 あまり水産の下手な質問をして中平水産・海洋局長におしかりを後で受けてはいけないから、さらっとお尋ねします。
 今、林業については非常に明るい局面が出てきたと。しかし残念ながら水産漁業については非常に厳しいと。10年前は静岡県の漁業就業者は、7,500、7,600人あったんじゃないかと。昨年あたりはもう5,000人を切ってきている。
 さらに今心配は、サクラエビは静岡新聞さんが毎日シリーズもので報道してくれているように誠に厳しい、シラスが厳しい、アサリが厳しい、伊豆のキンメ漁業も説明資料にあるように誠に厳しい。非常に水産業を取り巻く環境は、農業や林業と比較しても誠に大変な状況でありますから、これからやはり何とかこの苦境を打破していかなければいけないわけであります。
 そういう中で、中平水産・海洋局長も御存じのように漁業法が改正になった。そして企業も積極的に水産漁業に進出できるようになってきた。宮城県辺りは先進的に取り組んでいるんじゃないかと思いますけれども、他県の取組状況、それから静岡県の今後の漁業の状況を考えた時に、新しい法制度をどのように生かしていったらいいのかというお考えをお尋ねします。

○中平経済産業部理事兼水産・海洋局長
 ただいま御質問にありました一昨年12月の漁業法改正の考え方をどう生かしていくのか、それをどう今この苦境に至る静岡県の漁業の再生に生かしていくのかという御質問でしたけれども、まずもって今回の漁業改正の一番大きな柱はまずは適切に資源管理をしていこうといったことが第1点です。
 この点については、今までやはり勘ではないですけれどもいろんな、もともと漁船の大きさであるとか漁区の規制であるとか――いわゆるインプット規制と我々申しますけれども――そういうもので規制していたものを、科学的に数量管理をして――いわゆるアウトプット規制と我々呼んでおりますけれども――そういう中でやっていくと。こういう考え方がまず今回の漁業法改正の基本ですので、それを我々もぜひサクラエビの例にもありますとおり、ちゃんとした数値の分析、これまでの過去のデータの分析も含めてデータに基づく管理をやっていきながら、どのぐらい獲っていいかを考えていくのが必要ではないかということがまず第1です。
 それからもう1つは、2番委員御指摘のとおり、民間参入をより強くしていこうという考え方もあります。ただこれは、民間参入をと新聞紙上でもいろいろと言われておりますけれども、本当のところは若干ニュアンスが違いまして、一番重要なのは、今漁場をいかに適切かつ有効に使っているのかと。この部分をしっかり推進していこうという考え方が重要でして、その部分で今、仮に今の漁業者が適切かつ有効に活用していないのであれば、民間の業者も入れてその部分を適切かつ有効に図っていくようにしていこうという考え方です。
 その意味で静岡県、特に2番委員の御地元の伊豆半島の東岸も含めまして定置漁業が盛んですけれども、もともと伊豆半島東岸につきましては、今民間企業で定置網を持っている方、東部の企業の方もおられますし、そういう意味ではもともと盛んだったこともあり、我々としてはいかに適切かつ有効に漁場の活用をされているのかという観点から、決して民間の方も排除せず、かつ地元の意見もよく聞きながらきちっとした形で漁場が管理され、漁業としてより有効に活用できる体制をつくっていくのが、この漁業法改正に基づく我々の対応なのかなと思っております。そこら辺をしっかり、適切かつ有効に漁場管理されているかと、地元調整がしっかりできているのかを踏まえながら、漁業の発展にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

○森委員
 2点ばかり。1000万円の水産イノベーションの補正予算が計上されています。これについて、現況のイノベーション事業、非常に現場の皆さんに好評であるという。1000万円の補正予算をさらに計上した、その辺の現況について簡潔に説明を頂きたいと思います。

 それからあわせて、同じように今回の予算に、鯛、アジ、ウナギ、ニジマスについては給食に提供しようという、これは今回限りなのか、できれば予算の面もありましょうけれども、持続化していったほうが非常に心強いように思いますがいかがでしょうか。お尋ねします。

○中平経済産業部理事兼水産・海洋局長
 まず、水産イノベーション事業の新たに追加した1000万円も含めた現状ですけれども、新型コロナ対応枠で1000万円を今回追加いたしまして、現況で合計6000万円の予算で今年取り組んでおります。
 新型コロナ枠につきましては、まず2回募集をかけたのは、コロナ枠については非常に早く対応しなければいけないので、早めに出てきたものはまず5月に審査をしようということでまず2件出てまいりました。1件はその後、業者の都合で落としましたけれども、まず5月に1件です。
 それからその後に、通常枠と同時に行った申請で、全体で新型コロナ枠7件ですね、最初に出てきたものを含めまして六、七件出てきておりまして、基本的に採択する方向で、審査委員会も終わって最終的な調整をしています。
 それ以外に一般枠ですけれども、全体で新型コロナ枠も含めまして67件で、昨年が4回募集をしまして68件で、既に昨年分に至っております。これから7月、8月を迎えてもう一回2次募集をしていく予定になっておりますけれども、7月1日から2次募集を開始して、ますますの活用が予想されるのではないかと期待しています。

 それからもう1つ、給食事業につきまして御質問がありました。予算上これからどうしていくのかという話で、なかなかまだお答えしにくいところではありますけれども、我々非常に今回よかったと思っておりますのは、まず学校給食に魚を入れていくことについては、非常に困難さがあります。そう申しますのは、もともと文部科学省の告示上、生食が食中毒の危険があるのでできないと定められておりまして、こういう新型コロナの状況に陥った時も含めて、給食で入れていくことになると加工しなければいけない。
 今回は、まず加工業者も買ってくれない非常時の状況でどうやって入れていくのか我々非常に苦労いたしまして、学校給食に入れる際に漁連という団体を通じて、漁協から漁連が買い取って、それを委託加工して最終的に市町の学校給食センターを通じて納入するスキームを構築しました。
 これはもう1つ大きな意味がありまして、学校給食と申しますと学校給食会がございます。この学校給食会を通じて納入していくのは、かなり大きなパターンでしたけれども、この学校給食会を通すのは非常に時間がかかると。いろんな基準が厳しくて、もともと入っている業者の調整も必要で、それを通さないスキームを何とか構築してやりました。
 こういう委託加工してやっていく方式と、学校給食会を通さないスキームを今回構築できたことは非常に大きな点でして、これはもちろん学校側が非常に魚について、今回の事業で興味を持っていただいたこともありますけれども、このスキームを今後活用できるのではないかと思っていまして、これで1つの大きな前例ができますから、このようなスキームを活用して、今後も学校給食への県産水産物の活用を図ってまいりたいと考えています。
 それから、先ほどの質問で1つ、私答弁漏れをいたしまして、宮城県の事例のお話をしなかったものですから紹介させていただきます。宮城県はもともと企業参入の活用が進んでおりましたけれども、今の段階で新たな参入が起きている状況ではないとのことでしたので、宮城県も漁業法改正の状況を見ながら、漁業者との調整も図りながらやっていくと聞いております。

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