• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 委員会会議録 > 質問文書

ここから本文です。

委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成28年2月定例会厚生委員会 質疑・質問
質疑・質問者:野澤 義雄 議員
質疑・質問日:03/09/2016
会派名:ふじのくに県民クラブ


○野澤委員
 分割方式で質問をいたしますので、よろしくお願いします。
 まず、昨日も6番委員から出ましたけれども、第3期静岡県地域福祉支援計画の策定ということで、委員会資料25ページに記載があります。
 この支援計画の策定は、平成28年度から32年度の5年間ということで、平成28年度から新たな計画をもって進めることになろうかと思いますが、この計画を策定するに当たって、多様化する福祉ニーズに対応するために新たな基本方向を策定したとありますけれども、それでは過去5年間、それ以前からもさまざまな計画をもってやってきて、どのようなニーズが加わってきたのか、その点をまずお聞かせいただきたいと思います。

 次に、委員会資料29ページの静岡県人権施策推進計画の策定の事柄が書いてありますけれども、主な改定点ということで、基本的施策の人権教育啓発の推進について、静岡県人権会議委員の意見等を踏まえた乳幼児期、少年期、思春期等の区分を、家庭、学校、地域社会、企業等の区分に見直したということで、かなり大きな見直しではないかと思いますけれども、その見直しをして、これから計画を策定されるということになりますと、どういう理由でその方向で来たのかお答え願いたいと思います。

○勝山地域福祉課長
 第3期静岡県地域福祉支援計画に掲げます多様化する福祉ニーズということで質問がございました。
 この多様化する福祉ニーズの具体例としまして幾つか挙げたいと思いますけれども、例えば家族の中で障害のあるお子さんとお子さんをお持ちの親御さん、そうした親御さんが高齢となって親御さん自身が介護サービスを受けるようになってしまったということで、家族の中で複数の問題、課題を抱えているケースがございます。またあるいは生活困窮者支援の過程において、行政などによる経済的な支援だけでなく、民間やボランティアなどによる就労先の開拓等、そうした包括的な支援が必要となるケースなどがございます。これまでのように高齢者は高齢者、障害のある方は障害者、子供は子供など、個別の分野の中だけでは解決が困難な生活課題が生じております。このため、これまでの公的な制度のはざまを埋めるような取り組みを含む表現としまして、今回地域における新たな支え合いという表現で、いわゆる共助という部分でございますけれども、このコンセプトで中柱を追加したわけでございます。
 ただ、これは行政がそうしたところに委ねるということではなくて、地域住民、NPO、社会福祉法人など多様な民間主体が担い手となっておりますけど、そうした方々と一緒に手を携えて協働していくという趣旨でございますので、御理解をよろしくお願いいたします。

○佐藤人権同和対策室長
 県人権会議委員の意見等を踏まえてということでありますけれども、人権会議委員から、発達段階別に乳幼児期、少年期、思春期とあるんですけれども、分野別施策の子供をめぐる人権問題との区別がわかりにくいといった御指摘をいただいたことや、青年期以降の中に企業における人権啓発、人権にかかわりの深い職業に従事する人に対する研修等の小項目もわかりにくいといった点は、人権教育啓発に関する推進法がございますけれども、その推進法のつくりが学校、地域、家庭、職域、その他さまざまな場を通じてとなっておりますことを踏まえまして、あらゆる場と構成しなおすことといたしました。
 なお、発達段階別に留意するといった点につきましては、手法としては大変大切な点であると思っておりますので、計画改定案本文の人権教育啓発の総論の中等にその内容を盛り込んでおります。

○野澤委員
 地域福祉支援計画の件でありますけれども、そういう新たな支え合いが必要になってきたという答弁がございました。説明資料にも地域づくりというような文言もありまして、先ほどの答弁では地域に委ねるということでは全くなくて、さまざまな手法でやっていきたいというお答えだったと思います。
 私のところというか、全体にそうですけれども、戸数でいうと100戸程度の自治会なんですよね、大きい自治会じゃなくて。その中で当然自治会長がおりますし、それから会計がおったり、副の方とかいろんな役職があります。それからさまざまな活動を市なり自治会から委嘱された、例えばスポーツ推進委員、コミュニティー推進委員、社会教育推進委員、交通安全委員、防災委員、それから集落の中には消防団員もおりますし、民生委員をやってらっしゃる方もおるし、保護司もおいでになる。PTAの役員を受けておって、それから学校の関係のいろんな役職、評議員等もやったりということで、さまざまな形でみんなが何かを背負いながら、地域をうまく成り立たせるというような役割分担でやっているところであります。行政で新たな取り組みを地域でというと、そこのところにまたお願いをして、1つの役職をつくって、その方を中心に回していけばいい、これで対策はおしまいなんていうのでは僕は困ると思うんです。
 一方では、何千と大きな戸数がある自治会も浜松市内にもあります。そういうところもいろんな役職はあるんでしょうけれども、一体、社会教育推進委員なんていうのは、どこの誰がやっていて、何をやっているのかは、一般の人は全然興味もないし、わからないところもあるわけですね。だから一口に地域に委ねるといっても、いろんなやり方があるので、そこの工夫をぜひお願いしたいと思っております。
 それぞれが、みんなが支えながらっていうのは承知をしていると思います。しかし地域のあり方というか、人の暮らしぶり、考え方、多様なものを認め合いながら、過度な干渉をし過ぎないのが原則だとは思います。しかしながらそうはいっても、自分の周りに困った人がおったら、絶対に見過ごさないというような思いに一人一人がなっていくことが、本当に地域で支えることにつながると思いますけれども、そこのところまで持っていくのは大変な努力が必要だと思いますし、先ほども答弁の中で、もう既にNPOだとか、さまざまなところにも働きかけをしながら、そういうムードというか、実際に具体的なものにつながるような形でやっていきたいとありましたので、ぜひお願いしたいと思いますし、そこのところを私は非常に大事なことじゃないかなと思いますので、もし御意見があれば、もう一度そのことを伺いたいと思います。

 それから、人権施策推進計画の関係でありますけれども、発達段階的にもという捉え方もまだ一部残っているというお話がございましたが、それでは、次期計画の施策の方向性もありますけれども、そういうくくりが、それとも区分が変わったことで、これまでとどのように具体的な施策の展開が違ってきたのか、新たな取り組み等があったらお知らせをいただきたいと思います。

○勝山地域福祉課長
 ただいま9番委員から貴重な御意見をありがとうございます。
 口では言うもののなかなか難しいという点はいろいろ感じておりますけれども、やはりこうしたさまざまな方を結びつけることが大事だと思っておりまして、コーディネートする方が必要です。例えば地域には地域福祉コーディネーターと呼ばれる方がいて、県の社会福祉協議会でも地域福祉コーディネーターを毎年30名ほど研修して育てており、こうした地域における地域福祉コーディネート人材の養成についてもあわせて進めていきたいと考えております。

○佐藤人権同和対策室長
 区分を見直すことにより施策の展開に変わるところがあるのかということでございますけれども、現行計画につきましては、発達段階別という手法を前面に出してきております。今回の計画につきましては、人権会議委員等の意見等を踏まえまして、わかりやすさと法の並びに合わせてきておりますので、内容と施策の展開としては、そう変わっていくものではないと思っております。
 しかしながら、人権啓発をするに当たりまして、やはり工夫が重要になってくるだろうと思っております。人権啓発センターにおきましても、啓発指導員を企業あるいは学校等に派遣しておりまして、その中で参加体験型の講義を取り入れるなどしておりますし、今年度のふじのくに人権フェスティバルにおきましては、開催地の中学生に初めて参加していただいたというふうに工夫を凝らしながら進めています。
 今後も、引き続き工夫をしながら粘り強く人権啓発に取り組んでまいりたいと思います。

○野澤委員
 ありがとうございました。
 それでは、両計画の取り組みがしっかり進むように注目させていただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 次に、委員会資料43ページ、保育人材の確保対策であります。
 新聞報道等によりますと、特に首都圏では待機児童が非常に多いということがあります。待機児童の多い首都圏では、保育士も当然足らないということで、有効求人倍率が5倍、それから神奈川県、埼玉県等も3倍近いという実態があるようでありますけれども、本県において必要な保育士は確保されているのかどうか、現状をまず伺いたいと思います。

 次にもう1点、委員会資料49ページ、妊娠・出産包括支援事業であります。
 新規事業となっておりますが、この事業の目的をお答えいただきたいと思います。
 妊婦への支援は、市町の保健師さんが担っていると理解をしておりますけれども、この事業をあえて県で取り組むということですけれども、うまく分担ができるのか。また県の新たな取り組みで、こういうことをやっていくんだということがあればお知らせをいただきたいと思います。この事業について、説明をもう少し詳しくお願いしたいと思います。

○鈴木こども未来課長
 本県における保育士の確保状況についてお答えいたします。
 静岡労働局によりますと、平成27年11月の全国の保育士の有効求人倍率は2.09倍、それに対しまして本県は1.66倍となっております。全国より低い水準で推移しているものの、12月では1.7倍ということでふえております。県内市町に調査をしたところ、平成27年当初の募集と採用状況は、1,146人の募集に対しまして972人の採用でありまして、174人不足しております。これは勤務地や雇用条件、勤務時間が希望と合わないといった場合もありまして、求職者が必ずしも就職に結びつくとは限らないことから不足が出ている状況になっていると考えられます。ただ、どこの保育園でも年度当初は多目に保育士を募集しておりますので、希望する保育士の数がその時点で確保できなくても、即運営できないということにはなっておりません。

○鈴木こども家庭課長
 妊娠・出産包括支援事業についてお答えいたします。
 まずはこの事業の目的ですけれども、核家族化や地域のつながりの希薄化等によりまして、地域において妊産婦やその家族を支える力が弱くなってきているというようなことを背景としまして、妊娠、出産、子育てに係る親の不安とか負担がふえてきている中で、市町においてその地域の特性に応じて、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援をしてくことで、安心して出産、子育てができる環境を整備していくが求められております。
 この妊娠・出産包括支援事業は、その中にあって、子育て世代包括支援センターということで、市町において総合的に相談を行う、一括してワンストップでサービスを展開するという機能を各市町で展開していくことを目指しております。これに当たっては、その中心となる支援員、いわゆるコーディネーター役が非常に重要だということで、こちらについて県としてしっかり研修等を行って体制を整えていきたいと考えております。
 事業の実施主体は市町になっておりますけれども、県の役割としましては、母子保健法の中にも市町との連絡調整を行うこと、また技術的な事項について必要な援助をしていくという役割が求められておりますので、この研修を通してしっかり支援員を養成して、全市町でこの子育て世代包括支援センターの事業が展開できるように、県の事業として今回設定しております。

○野澤委員
 全国に比べて、本県は比較的保育士さんが充足というか、まだ足りないことには変わりないけれども、比較的充足してきている状況ではないのかなという感じもいたしましたけども、それでも足りないのが実態だと思います。
 そんな中で、新規事業で保育士修学資金等貸付事業費助成というのがありますけれども、これによって先ほど170人ほど不足というお答えもありましたけれども、どのぐらいの保育士さんを確保できるような見通しになるのか、この事業そのものの内容をもう少し詳しく御説明を願いたいと思います。

 それから、妊娠・出産包括支援事業ですけれども、この事業内容で、対象が市町保健師等専門職150人となっておりますから、この人たちの中からコーディネーター役を育成するというような理解でよろしいですか。そうすると、この保健師等の予算が市町でどれぐらい確保しておるかわからないけれども、なかなかそこまで手が回らないから県のほうでその分を支援するといった理解でよろしいですか。

○鈴木こども未来課長
 保育士修学資金等貸付事業のもう少し詳細の説明と、それによってどのぐらいの人数が確保されるかという御質問にお答えいたします。
 初めに、貸付金の具体的な内容ですけれども、この貸付事業には4つのメニューがございます。実施期間であります3年間の所要額が16億円ということでお願いしているところです。
 1つ目は、保育士修学資金貸付事業。これは保育士資格の取得を目指す学生に対しまして、学費月額5万円、入学準備金20万円、就職準備金20万円を上限として貸し付けを行います。また生活保護受給者及びこれに準ずる経済状況の者については、生活費加算がございます。これは卒業後5年間の県内の実務従事によりまして返還を免除されます。
 2つ目の離職防止のための勤務環境改善では、保育士資格を持たない保育補助者の雇い上げに必要な費用につきまして、保育事業者に対して年額295万3000円を上限に、最長3年間貸し付けを行います。なお保育補助者が原則として3年間で保育士資格を取得、またはこれに準じた場合、返還を免除するということになっております。
 残り2つにつきましては、潜在保育士に対する貸し付けの事業でございまして、未就学児を持つ潜在保育士に対する保育所復帰支援事業では、未就学児童を持つ潜在保育士が保育所等に再就職する際、保育料の半額を対象に2万7000円を限度として1年間貸し付けを行います。なお再就職後2年間の県内の実務従事により返還を免除いたします。
 4つ目の潜在保育士の再就職支援事業では、就職準備金20万円を上限として貸し付けを行います。なお再就職後、これもやはり2年間の県内の実務従事によりまして返還を免除ということになっております。
 次に、貸付金によりまして想定される人数ですけれども、保育士修学資金貸付事業では、各年度111人、3年間で333人の貸し付けを予定しております。これは既に事業を先行しております介護福祉士の修学資金貸付事業の過去の実績等から算出しております。
 それから、離職防止のための勤務環境改善では、各年度132施設、計396施設の貸し付けを予定しておりまして、これは現在、保育補助者を実際に雇用している施設の数から算出しております。
 それから、未就学児を持つ潜在保育士に対する保育所復帰支援事業では、各年度7人、計21人の貸し付けを予定しております。こちらは保育士・保育所支援センターを利用して就職した潜在保育士数、そこから潜在保育士のうち、未就学児がいる方の割合から算出をしております。
 潜在保育士の再就職支援事業においては、各年度46人、計138人の貸し付けを予定しております。これも保育士・保育所支援センターを利用して就職した潜在保育士数、平成26年度の実績が46人ございましたので、そこから推計をいたしました。
 この3年間で4メニューを合わせまして、492人と396施設への貸し付けを予定している状況でございます。

○鈴木こども家庭課長
 妊娠・出産包括支援事業の対象としている専門職の関係についてお答えいたします。
 この事業の中で、150人に対して研修を行うという形で考えておりますけれども、これは市町の母子保健に従事している保健師――正規の職員になりますけれども180人ぐらいいらっしゃいます。それから市町が雇い上げというか、非常勤のような形で従事されている方がさらに90人ぐらいいらっしゃいます。その他関係者を合わせて300人ぐらいが母子保健関係の事業に従事されていますけれども、そのうち約半数の方に研修を受けていただいて、これらの方がキーになって支援員になっていただきたいということで人数の設定を考えております。

○野澤委員
 保育人材の確保ですけれども、潜在保育士も今どのぐらい当てにしているかというお答えがありました。資格を持っていて、保育士は今のところしていないという方も随分多いと思うんですね。実は私の妻も保育士じゃなくて幼稚園かな、何か資格を持ってかつてはやっていたようです。今は年齢的にもとてもではないですけれども、そういう資格を持っている方は追跡していけば、把握は割としやすいと思うんですよね。そしてまた、働く環境さえ整えばまた働いてみたいと思っておられる方も多いと思うもんですから、そこのところをしっかりと把握しながらアプローチすることも、この人材確保に向けては非常に有効な手法だと思いますので、ぜひ努力をしていただきたいなと思います。
 それから、妊娠・出産包括支援事業はよくわかりました。よろしくお願いしたいと思います。

○東堂委員長
 質問の途中ですけれども、ここでしばらく休憩といたします。
 再開は午後1時半といたします。
( 休 憩 )
 休憩前に引き続いて委員会を再開します。
 質疑等継続します。

○野澤委員
 続いてお願いいたします。
 委員会説明資料の55ページ、子供の貧困対策についてです。
 午前中に5番委員からもありましたが、少し角度を変えて伺っていきたいと思います。
 子供の貧困ということで、今大きく社会問題になっていて、これを何とかしなければならないというようなことで、やはりこうしたところにしっかりと日の光を当てることが政治や行政に求められていることではないかと思いますので、そういった意味では、2億3350万円と昨年よりもゼロが1つ多い予算を組みながら対策に当たるということで、期待をしております。
 計画の概要の中の生活の支援、保護者の就労支援で、それぞれ生活の支援では生活費を貸付、保護者の就労支援では生活費を支給及び必要な経費を貸付となっております。(一定の就業継続により返還免除)となっておりますが、ここのところのガイドラインがあるんでしょうか。本当ににっちもさっちもいかない状況で、親の生活もなかなか困窮をきわめる中で、子供にも影響があることですので、まず親を支援というか、働いてもらうだとか、生活に対して支援をするのは非常に大事なことだと思っております。
 一方で、先ほども看護師の関係でもありましたけれども、奨学金制度のようなものもあって、それもさまざまなところで議論が分かれるところで、例えば大学の奨学金制度があるけれども、それを利用して卒業して、ちゃんと返済すればいいけれども、そこでローン地獄に陥っちゃって、にっちもさっちもいかないような若い人たちも多いと聞いております。正規社員でそれなりの給料を得ながら返していくことが前提ですけれども、そういうことにならなかった。非正規であったり、あるいは職探しであったり、大学を出てもそういう状況ということになると、なかなかそれも厳しいという、これもやはり大きな社会現象にもなっているわけであります。
 ある外国の制度なんかと照らしてみると、日本の奨学金制度は奨学金ではないと。これは学資ローンではないかというようなことまで言われているわけで、それじゃあ本当にローンではなくて給付制度にしたらよいのかどうかは、いろいろ議論が分かれるところでありますけれども、とにもかくにもこうした本当に困っている人のところには、しっかりと光を当てる意味で、大型の予算を組んで臨むんだというふうにも見えてきますので、非常によいと思います。しかしこれも長期間、例えば貸し付けを受けた後に就業をしばらくして返済免除ということもありなわけで、なし崩しにこの制度を利用してということにはいかないとは思うんです。
 したがって、これを取り扱う県としても一定の指針があって、それに基づいていかないと、この事業は大変難しいかなと思いますので、その辺がありましたらお答えをいただきたいなと思います。

 もう1問。同じく5番委員から出ました委員会資料73ページ、安定ヨウ素剤の事前配布です。
 そもそもの話になりますけれども、医学的見地から放射線に対して甲状腺を守るということでこれがいいということですから、医学的な効能というか、安定ヨウ素剤がよいという御説明をまずはいただきたいと思います。

 それから、この安定ヨウ素剤ですけれども、県が備蓄しておられるんですよね。どのぐらいの備蓄量が今あるのか。

 これがPAZの範囲の皆さんの分だけはあるのか。それを近い将来配布をするという形になってくると、また補充をしなければならない。それは国庫負担というか、交付金等でなされるのか、どういうお金の流れになっているのか伺いたいと思います。

 また、非常に有効な薬剤ということになると、いろんな方が、あるいはUPZ以外の方も欲しい人もおるかもしれません。そういう人は手に入るんでしょうか、伺いたいと思います。

○鈴木こども家庭課長
 子供の貧困対策の関係で、事業費が2億3300万円余ということで1桁伸びているということでございます。
 主要事業概要55ページを見ていただくと、事業費の内訳がございまして、その金額の中で一番大きいものが、児童養護施設等を退所されたお子さんに対する貸し付け1億9800万円という事業費になっております。
 これは、児童養護施設等を退所したお子さんが就職あるいは大学進学等をした場合に、保護者がいない、あるいはその保護者からの養育拒否等で住居あるいは生活の安定した基盤を整えていくことが難しいということで、一定期間貸し付けを行って、その後、就職等で自立して一定期間就業していただけると免除という形の制度になっています。
 ガイドラインという話がありましたけれども、国から詳細の要項等がまだ来ておりませんので、9番委員のおっしゃるとおり、一定期間働いていただくところをどうやってフォローしていくかは、やはり重要なところと思っております。
 実は、その下の児童入所措置費の中で、今回児童養護施設等を退所したお子さんが、例えば就職したけれども離職してしまって、再チャレンジするときにも、もともといた施設に対して措置費をつけることによってフォローをしてあげるという事業費も計上してございます。施設であるとか、里親のほうから、その後の支援も必要だということで、その辺をお願いしながら、フォローをしていって自立を支援していくことが大事かと思っております。関係者の方とよく相談しながら進めていきたいと考えております。

○竹内地域医療課長
 安定ヨウ素剤についてお答えをいたします。
 まず、安定ヨウ素剤の医学的な観点から見た必要性等ということでお答えをいたしますけど、まず原子力発電施設での事故に対して、さまざまな放射性物質が最悪の事態ですと放出される可能性があるということで、安定ヨウ素剤については、そのうち放射性ヨウ素にのみ、しかも内部被曝の予防に有効だということで、今回事前配布を行っているところでございます。
 その中で、国の指針あるいは配布に当たっての原子力規制庁の解説書に書いてあることですけれども、実際に安定ヨウ素剤を服用した場合であっても、飲むタイミングによって、その予防効果に大きな効果の差が出てくるということ、それから今申し上げたように、放射性ヨウ素に対する内部被曝を防護する効果に限定をされますので、例えば外部被曝ですとか、あるいはセシウムのような放射性物質に対する防護効果はないということで、緊急的に避難を要するPAZ圏内については事前配布という方針になっております。
 UPZ圏内については、以上のような観点から基本的にはあらゆる放射性物質から身を守るための屋内退避が第一優先であるという指針になっておりまして、それ以上に避難が必要になった場合に、緊急配布をするという方針で現在備蓄を進めているところでございます。

 実際に備蓄量といたしましては、PAZ圏内、UPZ圏内それぞれ合わせますと、全部の住民の方84.3万人に通勤通学者等の方も加えますので、対象人数としては118万7000人の方に対して、現在710万5000錠の丸薬という丸の玉の薬と、3歳未満のお子様に対する粉末剤として、7,650グラムを備蓄しているところでございます。

 今回予定をしております事前配布は、PAZ圏内の3歳以上の方に対する丸薬だけに限定されるわけでございますけれども、事前配布をした後は、安定ヨウ素剤の有効期限が3年と定められておりますので、有効期限が来る前に取りかえると。実際に事前配布した方には交換するという形を考えております。その部分の費用については、国庫負担金で賄われることになってございます。

 PAZ圏内以外の方も安定ヨウ素剤が購入できるかどうかにつきましては、安定ヨウ素剤は薬局で取り扱う薬局医薬品となっております。薬局が取り扱う医薬品には、処方箋を要するものと要しないもの、2種類ございますけれども、関係法令の中で基本的に処方箋を要しない薬品であっても、基本的には医療用の医薬品ということで、医師、薬剤師によって使用されることが前提であるということですので、薬局においても原則として処方箋に基づく薬剤の交付が前提となっております。
 それ以外、特別な場合としては、例えば大規模災害が起きた場合ですとか、あるいは地方自治体が備蓄をする場合、あるいは市町村が実施する予防接種の場合を除いては、今申し上げた処方箋による交付が原則となっておりますので、県民の方が薬局に赴いて直接購入するのは難しいと考えております。

○鈴木こども家庭課長
 先ほどの貸付金の関係ですけれども、もう少し詳細について御説明をいたします。
 貸付金の事業の中に、就職等をした場合の家賃の補助の制度がございますけれども、これは2年間貸し付けをする制度になっております。事業の経費とすると、生活保護の当該地域における住宅扶助ということで、本県の場合でいきますと月額3万9000円の家賃相当額の上限額の貸し付け、それから大学等に行った場合に生活費ということで、月額5万円を上限とした貸し付けがございます。いずれも無利子になっています。
 また、施設の入所中に就職に有利な資格を取得するということで、25万円を上限とした資格取得のための費用ということで、例えばフォークリフトの免許であるとか、電気工事の資格であるとか、こういう資格を取得していただいた場合の貸し付けがございます。
 生活費と家賃については、就業期間5年間で免除、資格の取得については、取得した後2年間働いていただくと免除ということで、期間がそれぞれ違いますけれども、やはり支援していく期間も相当長くなりますので、その辺のことも含めて、もともといた施設等のフォローもお願いしていきたいと考えています。

○野澤委員
 子供の貧困対策についてのうちで、生活の支援ということで、主に施設の退所者や里親解除者等々に対してというような御説明がありました。もう一方では保護者の就労支援ということで、ひとり親に支援をするというようなこともありますけども、やはりこちらのほうが多分、圧倒的に対象者が多いような気もするんですよね。よく精査しないとそれはわからないということですけれども、どうも多いような感じもいたします。困っていると一口で言えばかなりの数の方がそういう答えが来ると思うんですけども、しからばどういう方を対象にしながら支援していくかはやはり基準が非常に難しいと思います。そこらのところのもう少し詳しいガイドラインがもしありましたら、お願いをしたいと思います。

 それから、安定ヨウ素剤の関係ですが、費用負担はいかがでしょうか。答弁があったでしょうか。もしなければ、誰がこれを負担するのか、お答え願いたいと思います。

○鈴木こども家庭課長
 ひとり親家庭に対します職業訓練給付の関係での貸付金の事業になっております。対象にしておりますのは、現在行っております高等職業訓練という形で就職に有利な資格を取っていただくということで、養成機関に一定期間行って勉強していただくというのがございまして、1年から3年ぐらいそれぞれのコースによって期間がございます。その期間について、今も生活費相当額を給付している事業がありますけれども、その養成校に入るのに当たって、まず準備金が必要ということで、入学するときに50万円、それからその養成校を卒業して、実際の就職に当たってまた準備のお金がかかるということで20万円ということで、そこの部分を拡充しまして、その資格に向けて養成校に入りやすくするようなことをして支援をしていきたいと考えております。

○竹内地域医療課長
 先ほどの御質問についてですけれども、事前配布した場合、3年間有効期限があると申し上げましたけれど、その部分の交換については、国庫の負担金の中で財源は手当てをされることになっております。

○野澤委員
 子供の貧困対策についてはよくわかりました。

 ちょっと安定ヨウ素剤の費用負担については釈然としない部分があるわけですけれども、やっぱり国の責任、あるいは電力事業者ですか、どちらになろうかわかりませんけれども、これを県で負担するって、もし使用期限が過ぎたものを追加するには県が負担するわけでしょ、今の御答弁では。

○竹内地域医療課長
 申しわけございません。答弁を若干修正して補足をさせていただきます。
 事前配布したもの以外に、PAZ、UPZに関して県が国の交付金を受けて備蓄しているものについても含めて3年間の更新の段階で国庫負担によって交換がなされるものであります。

○野澤委員
 よくわかりました。
 次に、委員会資料81ページ、ドクターヘリの関係になります。
 これもやはり5番委員からも質問がございましたので、違う視点で伺いたいと思います。
 議案説明書では、平成27年度に夜間ヘリ運航の検討で500万円使っているんですね。それから平成28年度に100万円ということで、夜間ヘリの検討は既に終了の時期に来ているのかなと、こんな感じも見てとったんですが、そもそも夜間ヘリの可能性はどうなんですか。
 早いころから県の防災ヘリでもどうだということで、いろいろ関係の委員会で質問したこともあるんですが、基本は有視界飛行ということで、夜間ヘリはなかなか難しいですということです。
 しかしながら、本当に人の命に直接かかわるドクターヘリで、夜間が半分あるわけですから、何とか運航できたらいいなという思いは相変わらずしておりますが、その夜間ヘリについての平成28年度の調査あるいは運航の可能性について伺いたいと思います。

 それから、東部のドクターヘリの格納庫等の整備ということで予算計上されておりますが、西部にも1台ございます。西部の格納庫と施設の関係は大丈夫でしょうか、伺いたいと思います。

 最後に、がんセンター関係で1点伺います。
 新聞情報ではありますけれども、AYA世代病棟――あやと言うんですか――の開設ということで目にとまりましたので伺いたいと思います。
 入院している若い人たちがおりますけれども、そういった人たちに対して集中的な治療というかケアを行うということで開設されたようですけれども、いま少し詳しくそのことについて御説明を願いたいと思います。

○竹内地域医療課長
 まず、ドクターヘリ関係のうち、夜間ヘリ運航の検討の状況ということでお答えをいたします。
 議案説明書の平成27年度関係資料の45ページをお開きいただきたいと思います。45ページの上段から3つ目、(ウ)のドクターヘリ夜間運航検討事業費ということで、2月補正予算で433万2000円の減額の補正を今回お諮りしてございます。現計として6万6800円ということで、今年度も500万円の予算をいただきまして、これまでも検討を進めてまいりました。
 これまでの厚生委員会でもお答えをさせていただきましたけれども、ドクターヘリ夜間運航に関しましてはさまざまな問題がございます。1点目は、やはり夜間運航の場合には、通常1名のパイロットでいいところが、2名のパイロットを乗せなければいけないということで、1日当たりのパイロットが1名から3名にふえてしまう。全国的にも今、ドクターヘリを含む民間ヘリコプターのパイロットの不足が非常に厳しい状況で、ドクターヘリも平均年齢が50代後半に近い、あるいは60代になっても飛んでいらっしゃるパイロットもいると伺っておりまして、そこの供給が全国的に非常に厳しい状況で、ヘリ運航会社にも確認をしましたけれども、ドクターヘリのパイロットの確保は非常に厳しいと伺っております。
 それから、離発着の候補地ですけれども、南伊豆方面の候補地となるところの所有の関係で、年度内では現地点でまだ具体的な話に進む段階に至っておりません。したがいまして、また来年度も引き続きその状況について関係方面に確認をしながら、候補地の具体的な選定、絞り込みをやっていかなければいけないと思っております。
 そのほか、実際にまずパイロット、それから離発着地を確保するのとあわせて、夜間飛行ということになりますと、やはり航路の選定ということで、伊豆半島は御案内のとおり非常に山が多く、また高圧電線の鉄塔が非常に多い中で、一方で夜間ですと、漆黒の海の上を飛ぶことになりまして、非常にやはり安全に配慮した定期飛行などの航路を設定する必要もございます。
 そのほか、騒音問題などさまざまな解決をしなきゃいけない問題があるわけですけれども、現地点で具体的なパイロットですとか、候補地は十分大丈夫というめどが立っていないもんですから、来年度の予算に関しましては、このような状況を勘案いたしまして、必要経費を十分に精査した上で、当面必要である費用について今回平成28年度予算で計上をさせていただきました。
 したがいまして、これまでも500万円ということでお願いしていたところですが、まずは必要な経費ということで100万円という形に減額して計上させていただいた状況でございます。

 また、西部のドクターヘリの状況につきましては、やはり一番問題となるのは離発着地ということで、今回東部ドクターヘリについては、格納庫を設置するに当たって、伊豆の国市から候補地の提供がありまして、その中で騒音問題そのほかおおむね解決できる、ほぼ解決できる見込みが立ったということで、格納庫等の整備の予算を計上させていただきました。
 西部につきましてもまずは格納庫。今も屋上ヘリポートということで、問題については東部と同様といつも認識はしておりますけど、まずは用地の確保が必要でありますので、そちらのめどがつき次第、また検討を進めてまいりたいと考えております。

○内田マネジメントセンター長兼経営努力室長
 静岡がんセンターにおけるAYA世代の病棟についてお答えいたします。
 AYA世代といいますのは、一般的に高校生から20歳代、この年代のことを指す場合が多いと承知しております。がん医療では、小児がんと成人がんの間に位置する世代ということになります。
 これまで、この世代のがんにつきましては、静岡がんセンターに限らず疾患別、例えばリンパ腫であれば血液内科、骨軟部肉腫であれば整形外科というような領域で診察しておりました。患者さんの数が小児がんに比べて2倍あるいは3倍いるということですけれども、絶対数が少ないということで、治療の際に同世代の同じ患者さんが少ないということで、交流の機会が少ない、あるいは入院であれば部屋に閉じこもってしまうという状況にございました。
 静岡がんセンターでは、医師とか看護師の専門性を考えて、病棟運営については臓器別、疾患別の病棟運営としておりますけれども、こうした世代の方は似たような境遇の仲間と触れ合ったり、お互いに励まし合うことによって病気を乗り越える大きな力になるということで、この世代については世代に注目した病棟運営ということで小児科、整形外科、血液幹細胞移植科などが協力して治療に当たる、世代に注目した病棟運営を考えて実施、実践しているところでございます。
 昨年6月ごろからの運用開始でございますので、具体的にこういう成果が上がったよというところまでは来ておりませんけれども、患者の視点に立った全国に先駆けた取り組みであると考えております。

○野澤委員
 ドクターヘリの夜間運航については、さまざまな課題があることを説明いただきまして、そのとおりだと思いますけれども、非常に大事なことではないかとも思いますので、引き続き実現に向けて調査検討を進めていただきたいと思います。

 それから、AYA世代病棟の開設ということで、非常に患者さんに寄り添った、本当に心のケアも含めてしっかりと、安心してというとおかしいかもしれませんけれども、本当に治療に専念して、いろんな心配事も一つずつちゃんと整理しながら入院してもらうというような丁寧な取り組みだと理解をいたしました。
 そういう意味では、本当に患者さんに寄り添った丁寧なケアができていることでも静岡がんセンターは定評がありますけれども、特にこんなことをやっているというのが、ほかの点でもありましたら、1つ2つ御紹介していただければいいかなと思います。

○小林疾病管理センター長
 静岡がんセンターでは、平成27年4月から患者家族支援センターが運用を開始しておりまして、患者家族支援センターでは初診、入院、通院、療養生活を通して一貫した患者家族の支援を行っております。この患者家族支援センターと開院以来運営をしておりますよろず相談、この2つの部分が連携を強化しまして、患者家族の皆さんが安心して治療等に専念できるように今後も継続して支援していきたいと考えています。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp