本会議会議録
質問文書
平成25年10月子どもの人権擁護特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者: | 池谷 晴一 議員 | |
質疑・質問日: | 10/11/2013 | |
会派名: | 民主党・ふじのくに県議団 |
○池谷委員
ちょっと逆行する話かもしれませんけれども我々の昭和初めのころ、いじめっ子は昔もいたんですね。いじめられる子もいた。でも、子供同士で解決していたんですね。そこに先生が入るということはなかったわけですよ。ですから、今の子供たちに欠けていることは、みんなでこれはやっちゃだめだよ、ここまでやったら死んじゃうよという、そういう子供たち同士のつながりや、――ある面、餓鬼大将みたいなのがとめていたということもありますし――いじめられている子はいたんだけれども、みんなでそれはまずいよと言うことが、社会の中で、学校の中であったわけですね。そういうことから考えますと、今の子供たちには、そういうのが欠けているなというふうに考えるわけですけれども、ではどうするかというふうな話の中では、子供たちが自分たちで解決するような、そういう施策、それに学校が入ってくるかもしれませんけれども、私は地域コミュニティの力だと思っているんですけどね。今はコミュニティが崩壊していて、地域のそういう力がなくなっちゃっているんですよね。昔は地域におっかないおじさんがいて、悪いことをするとぶんなぐられたというようなことで、やっぱり悪いことをすると痛いんだということを教えてもらったんですけれど。今はそれは体罰になってしまうのかもしれませんけれども。いずれにしても子供たちを育てる環境が昔の社会と変わっているんですね。そういう中で、何かこういう方策があればということを教えていただきたいんですけれど。
○武田さち子氏
今、私などは保育園や幼稚園からいじめの講演を頼まれることが多くなってるんですね。もうその時期から非常に問題行動が多くなっている。それというのも児童虐待が非常にふえているということと、少子化でやっぱり友達と遊ぶことがすごく減っているんですね。昔は地域のあちこちに空き地がありましたよね。遊ぶ場所もありましたけれども、今、公園も非常に少ないですし、ましてや少子化で子供自体が少ないですし、習い事をやっている子供が多いので、公園に行っても誰も遊ぶ相手がいないんですね。それどころか変質者が出たり、むしろ危ない大人がいるので、子供だけで遊ぶことさえ危険な状況ですので、やはり子供が安全に遊べる場所と時間が非常に必要だと思います。特に小さいうちにうんと遊ばせてくださいということを、私は保護者の方にもそれから幼稚園や保育園の先生たちにも言うんです。やはりその時代に友達と遊ぶのってこんなに楽しいことなんだって、子供が実感していれば、多少トラブルがあっても遊びたいという気持ちが強くなるわけですね。そうするとわがままを抑えてでも一緒に遊びたいという気持ちになります。でも、それが本当に楽しく遊んだ経験がないと、嫌な思いがしたらもう二度と遊びたくない、人とかかわりたくないという方向へ行ってしまうと思うんですね。ですので、遊びの中からやっぱり子供はいろんな学びをしていくと思いますので、そういった子供が遊べる環境、それはもうこの少子化の中で自然に生まれるのは無理だと思うんですね。また安全な場所がない中では、やはり行政がそういった場所を提供していかなければ、どんどん少子化も進んでいくだけで、子供がのびのび本当の成長を遂げることはできないような気がします。
○池谷委員
全くそのとおりで、我々は学校が楽しかったんでしょうね。いろんな友達と遊んだりということが今は少なくて、学校が薄くなっちゃったのかなという気がするんですけれども、そういうことは感じられますか。
○武田さち子氏
学校だけでなくて、幼稚園や保育園のときは本当はすごく友達と遊ぶのが楽しいはずですよね。でも、その幼稚園、保育園で毎日ぶたれたり、髪の毛を抜かれたりする、そうするともうその場所は恐怖でしかないんですね。そこで人間関係につまずいてしまうと、もう小学校に行くのも嫌になってしまいますし、そういったあちこちにいじめがある状況で、小学校でもいじめられた子供が中学校でもいじめられると、もう絶望感しかなくなりますので、やはりある程度大人が最初は介入して、いじめ問題は解決できるというところを子供たちに信じさせてあげてほしいと思うんですね。今もう子供たちはいじめは解決しないんだと思い込んでいます。だから、大人に言っても無駄だし、いじめなんてどこに行ったってある。だからもう解決しない。だからこそいじめの被害者になるよりは加害者になったほうがましだというふうに考えるんですね。ですので、まずは大人が介入して、子供たち自身がそういう中からどうやればいじめは解決するか、学んでいくと思うんですね。そのためには、小学校ってすごく大事だと思うのです。大人がちょっと介入すれば解決するいじめというのは、小学校には山ほどあります。中学校になると、なかなか大人が介入してもすぐには解決しづらいですけれども、小学校でのいじめというのは、大人がちょっと介入すれば割合スムーズにいきますので、そこでしっかりといじめの解決方法を子供たちにも学ばせるということが非常に大事だと思います。
○池谷委員
先生がいじめている子を何でも悪いということではなくて、ちょっとヒントを与えて、子供たち同士で解決するような、そういうことを目指していったほうが私はいいと思うんですけどね。
○武田さち子氏
ただ、先ほど愛着障害の話をしましたが、中には自分がいじめをしないと生きていけないぐらいの気持ちを抱えている子供がいるんですね。やはり毎日のように親からぶたれたり、それからおまえなんかいないほうがいい、死ねと言われている子は当然友達にそれを出します。そういった子供のいじめというのは、並大抵のいじめではないんですね。大人の想像を超えるいじめです。それこそ命にかかわります。
中にはダウン症の女の子を小学校2年生が階段から突き落としてしまって、車いすにさせてしまった事件もあります。そういった形で、昔のちょっと人間関係がこじれたトラブル的な――もちろんそういうものもあるのですが――その想像を超えるようないじめというのが今、非常にあります。やはりそれが命にかかわったり、生涯深い心の傷を残すようないじめに発展しますので、そのあたりはやはり大人が、少なくとも子供の命にかかわるようなものを察知して、きちんと対応できるようにしておかないと非常に危険だと思います。
また、よく保護者の方がいじめですと訴えると、先生方からこんなのはまだいじめではありません、人間関係の範疇ですというふうにおっしゃって、対応してもらえないという話を聞くんですね。でも、いじめに発展する前だったならば、いじめの加害者も被害者も出さずに済みますので、そこで――上手にちょっとサポートするだけで済むと思うんですね、そういうときには――交通整理をするだけでも解消したりすることができますので、そこは先生方にそういったノウハウをきちんと身につけていただいた上で、目の前のものをどれだけ重大かどうか判断する目を養ってもらいたいと思います。
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