委員会会議録

質問文書

平成28年９月定例会建設委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	山﨑　真之輔議員
	質疑・質問日：	10/05/2016
	会派名：	ふじのくに県議団

○山﨑委員
　それでは、分割質問方式で大きく２点に分けて質問したいと思いますので、よろしくお願いします。
　まず最初は、河川関係を２つお願いしたいと思いますが、委員会説明資料の13ページをお願いします。
　ここに新規事業として水害減災対策支援事業費と書かれておりまして、昨年の水防法改正等を受けて、今回、洪水時家屋倒壊危険ゾーンの設定、さらに洪水浸水想定区域図の作成等をやっていくということなんですが、まず初めにこの危険ゾーンであったり、想定区域をどうイメージしたらいいのかということです。
　東日本大震災の後に、国も専門機関も総力を挙げて第４次地震被害想定をつくって、そして津波浸水想定エリアが示されて、県内のほとんどの皆さんが驚愕したと思うんですが、ああいう大げさなものが今回の洪水時でも示されてしまうのかどうなのかを、まずイメージとして教えていただきたいというのが１つです。

　それから、もう１点は全く事業を変えまして、リバーフレンドシップについてお伺いしたいと思うんですが、このリバーフレンドシップはみんなの川をみんなで守っていく河川美化活動制度と書かれています。今現在で、県内でおよそ500団体が登録して活動しているということなんですが、まずこのリバーフレンドシップに登録をするとその団体がどのような支援を受けられるのかについて教えてください。

○太田河川企画課長
　それでは、ただいまの質問にお答えいたします。
　まず、１つ目に洪水の浸水想定区域のイメージでございます。
　これは平成27年の７月に水防法が改正されたこと、それと近年、想定をはるかに上回る洪水あるいは雨が頻発しておりまして、鬼怒川を初めとしてことしも北海道や岩手県で大きな被害が出ておりますけれども、こういったことを踏まえまして、地震では最大級の想定、いわゆるレベル１とレベル２という２段階の想定がされております。洪水についても今までは計画規模の範囲内の想定でしかなかったわけでございますが、この水防法の改正では最大級の雨を対象とした氾濫区域図を策定して区域を指定しましょうという形になってございます。
　具体的には、今まで県内河川におきましては年超過確率で50分の１を最大として、その雨を確率、統計的に求めて、それが降ったときに川がどう氾濫するかという氾濫区域図を策定し、お示ししていたところでございます。
　それに対しまして、今回の改正では日本全国を15地域に分けまして、その地域の中で過去に降った最大の雨を対象に最大級の降雨を算定して、それに基づく浸水氾濫解析をして、その区域を示していきましょうという形になっています。
　ちなみに、その場合に年超過確率でいきますと、先ほど50分の１と言いましたけれども、今回これによりますと1000分の１以上となっております。ちなみに雨量の規模でいきますと、大体50年に１度の雨量に比べて２倍から３倍程度の雨量を対象とした氾濫区域図ということで、その河川によって大きさはさまざまでございますが、それを計算で求めて示す形になります。
　それとあわせて家屋倒壊危険ゾーンということで、水深と流速で流体の力を求めまして、それによって家屋が倒壊する可能性のあるゾーンを設定しました。通常浸水が低い区域では家屋の２階等の安全な場所に垂直避難することも考えられますが、それとしっかり仕分けして、立ち退き避難の必要なゾーンの参考ということで、そういった区域も設定すると。これによりまして、市町の避難区域であるとか、氾濫に対する避難支援、洪水ハザードマップの作成につなげていきたいと考えております。以上が１つ目でございます。

　２つ目は、リバーフレンドシップ制度の支援内容でございます。
　この制度は平成15年からスタートしておりまして、先ほどおっしゃられましたが529団体と協定を締結しておるところでございます。
　これはその団体に河川の区間を設定して、その区間の除草等の美化活動に対して県が補助支援をしていく制度でございますが、締結年度においては資機材を買って貸与するということで、１団体20万円を上限として貸与する資機材をお渡ししてございます。２年目以降は消耗品の支給ということで、草刈り機のかえ刃であるとか、軍手その他の消耗品について毎年２万円を上限として支給しております。10年目はボーナス制度ということで、２万円にさらに３万円を加えた５万円を上限とした備品の貸与という形をとっております。
　それとあわせてボランティア保険として、県がその活動時に災害に遭った場合に適用できる保険の加入についても支援を行っているところでございます。

○山﨑委員
　ありがとうございました。
　初めの洪水浸水想定区域等ですが、要するにイメージはハザードマップのようなものが新しく最大規模の雨量等を想定して更新されるということですよね。ただ、それが東日本大震災後の沿岸域のような真っ赤っかになる状態だったら困るなと思っていたんですが、これまで河川の場合は堤防のかさ上げだったり、掘削作業等もやっていますので、そこまではいかないだろうとは思っています。ただやっぱり大事なのは、それをつくってどう役立てていくかということでありまして、資料の中でも市町の水害に対する防災・減災対策を支援すると書かれているんですが、こういうふうにつくりましたよ、市町さん活用してくださいということで県としては終わりなのか、それとも何か助成、補助等の手法を使ってそれを側面支援していくのか、何か方法を考えられているのか教えてください。

　それと、リバーフレンドシップに関しましては、今お話があったように、初年度20万円を上限でいただけると。２年目から９年目は２万円上限で、10年目はボーナスでということだったんですが、やっぱりそうしてくると、恐らくこの事業、もう平成15年からやられていて、２年目以降ももうちょっと予算を欲しいと。おらんところはその区間はあるんだけれどもう一生懸命やっていきたいと、きれいにしていきたいからそういった声に応えてくれないかという要望もあると思うんですね。ただそうはいっても県としても予算にも限りがあるので、丸々拡充というわけにはいかないと思うんですが、さっき言ったように温度差があると思うんですよ、団体によって。熱心にやっているところと、ある程度最低限しかやってないところと。そういったところを、例えば成果に応じて補助金の額を変えるとか、翌年に加えるとかもありなんじゃないかなと思うんですが、事業の改善を今後図っていけないものかどうか、教えてください。

○太田河川企画課長
　それではお答えします。
　まず最初に、洪水の浸水想定区域図を策定しただけでなく、加えてそれに基づく市町への支援をどのようにしていくかについてお答えします。
　先ほども少し答えましたけれども、この区域図をもとに、市町がどのように避難計画を立てていくか、まず避難情報を入れた洪水ハザードマップを作成します。それによって円滑な避難、市町から言うと住民に避難発令ができることが最終的な目標、それに基づいて住民が安全な避難行動をとれることが目指すところでございます。本会議でも答弁させていただきましたが、そのために県の土木事務所単位を目安に市町等の関係者と協議会を設立しまして、その中でこのような防災情報を共有するなどしまして、タイムラインの策定も含め、的確な避難発令が行えるような体制づくりに努める形で支援してまいりたいと考えております。それが１つ目でございます。

　続いて、リバーフレンドシップ制度の支援の拡充についてでございます。
　この制度、今までにも段階的に支援は拡充してまいりました。今、毎年のように物品の支援を２万円の範囲でしておりまして、その中で各団体といろいろと話す機会がありますので、そうした折に要望等を伺っておりますと、やはりその支援については、支援額を増額してほしいであるとか、あるいは先ほど成果に応じてというお話がありましたが、延長とか活動の回数に応じた支援をしたらどうだとか、あるいは物品の支援じゃなくてお金で欲しいだとか、さまざまな要望等は上がっている状況でございます。
　一方では、高齢化と都市化の中で･･･

○相坂委員長
　答弁は簡潔にお願いします。

○太田河川企画課長
　なかなか活動を延長していくことも難しくなっているとも聞いておりますが、そういったいろいろな活動団体との意見交換をしながら、制度についても考えていきたいと考えております。

○山﨑委員
　ありがとうございました。
　まとめたいと思いますが、洪水浸水想定区域等に関しましては、とにかく新しいものをしっかりと正確につくっていただいて、そしてそれだけですと住民が恐怖を覚えるというか不安になってしまいますので、それを適切に対処していくと、市町と協力してやっていただくことをお願いしたいと思います。

　リバーフレンドシップに関しましてはまだまだ事業の改善方法はあると思いますので、いろんな声を聞いてということでしたので、ぜひ積極的に現場にも赴いていただいて、よりよい制度になるように努めていただきたいと思います。

　それではあと１点だけ、遠州灘海浜公園篠原地区野球場に関しまして、質問させていただきたいと思います。
　昨日の議論の中で完成時期に関しまして言及があり、2020年までは現実的にというか常識的に考えて、今こういう状況ですから難しいということだったと思います。私もそれはそのとおりだと思います。
　でもそういうことであれば、さきの２月定例会で減額修正したときの３つの条件のうちの１つは自然に消えたということです。残りは防災機能における県と市の役割分担をどうするかと、あとは市民、県民コンセンサスをしっかりとれということなんですけど、その前者の防災のほうは、何回も言っているように、基本構想の段階ではこれより踏み込んだ議論はなかなかできない。だから基本計画に行ったときに、じゃあ県が何をやるか、市が何をやるかというすみ分けをやっていけばいい話であると思っていますので、やはりそうなると大切なのは市民、県民コンセンサスを得ることになると思うんですね。
　そんな折の８月10日に浜松市議会自由民主党浜松から、野球場に関することを含めまして交通基盤部に要望書が出されましたよね。自民党浜松はもちろん第１会派で、この要望書の意味は非常に重いものがあると思うんですが、まずその野球場にかかわる要望書はどんな内容だったのか確認させてください。

○濵田公園緑地課長
　まず日付ですが、８月９日に要望活動が行われました。出どころは浜松市議会自由民主党浜松で、題名は県営野球場整備についてでございます。要望の内容についてかいつまんで申し上げますと、浜松市は野球が盛んな地域であり、西部地域にないのが県営野球場であることから県営野球場の整備が期待されますと。ここからが要望でございますが、つきましては浜松市内への県営野球場の整備を要望します。また昭和37年の都市計画決定以降いまだ整備に着手されていない遠州灘海浜公園については速やかな整備を要望しますというのが要望内容でございます。

○山﨑委員
　８月９日でしたね。ありがとうございます。
　県営の野球場を要望されているということでよろしいですか。もう一度。

○濵田公園緑地課長
　文書の中で県営野球場と書いてありますので、そのとおりでございます。

○山﨑委員
　というのは、先般の浜松市議会の大型スポーツ施設調査特別委員会で、野球場は何も県に頼らなくても市でつくれるじゃないかという意見が一部委員から出されたからちょっと聞いたんです。とはいっても会派の意見としては、さきのとおり要望書にあったとおりで間違いないと思いますね。
　１つ確認なんですが、今、その特別委員会では四ツ池公園の整備と篠原地区の野球場の候補地について議論が同時になされているんですが、仮にその委員の言うとおり野球場を市でつくる決断をした場合、かわりに県に陸上競技場をお願いするという選択肢はあるんでしょうか。

○濵田公園緑地課長
　県営運動施設の配置のバランスから考えまして、陸上競技場につきましては県西部地域では小笠山総合運動公園の中にエコパスタジアムがございますので、西部地域に陸上競技場はあるという解釈をしておりまして、選択肢としてはないだろうと考えます。

○山﨑委員
　そうですよね。つまり大型スポーツ施設を県西部地域にと考えた場合は、県としては今濱田公園緑地課長がおっしゃったとおり、それから従来の説明でもあるとおり野球場しかないということです。その中で、県としては県西部の浜名湖ガーデンパークであったり、あるいはエコパスタジアム等々と比べながら、野球場の建設地としては遠州灘海浜公園篠原地区だと定めて、先般公園の基本構想ができたという流れですよね。そこに間違いはないでしょうか。

○濵田公園緑地課長
　公園基本構想策定の中で導入が望ましい大規模スポーツ施設として野球場が選定された経緯としては、９番委員のおっしゃるとおりでございます。

○山﨑委員
　一方で、浜松市ではさきの特別委員会でいろいろ資料を出していただいているんですけど、野球場の候補地として当初18カ所示されていました。でもそれじゃあ足りないということで、さらに８カ所を加えてごちゃまぜにして適地等を検討した結果、まず４つに絞ったんですね。そして、最終的にはそれに対して評価点等をつけながら、篠原地区がやっぱり最も望ましいと結論を出しています。この関連の資料に関しては、もちろん県当局の皆さんも手に入れてごらんになっていると思いますが、この辺につきましては県としてはどのような見方をされていますか。

○濵田公園緑地課長
　浜松市議会の適地選定の資料につきましては、今まで段階を踏んで適地選定をして、県に要望をしてきたものと捉えております。

○山﨑委員
　ありがとうございました。
　こういった議論をしている間に、今までシンポジウムがあったりとか、確かにいろんな意見が出されているんです。
　ただ、そのうちでいうと野球場をじゃあ浜松市に、県西部地域にということに関するコンセンサスはほぼ得られていると私は思ってるんですね。そうすると、あとはどこが適地かということになるんですけれども、町なかにどかんとつくれと言う方々もいますが、たださまざまな角度から総合的に考えれば、やっぱり県もそう考えてきた、市も今示してくれたということで、篠原地区以外にはないのかなと考えます。
　確かに５番委員もおっしゃるように、海辺に近いのは少し危険だという声もあるし、そういう意見もやっぱり大事だとは思うんですが、だったらもう公園自体を否定すべきだと思うんですが、そういう声は別にないわけですよね。ですから、ここは篠原地区の公園整備を野球場を含めていかにいい形で進めていくかを今後はしっかり私は考えていくべきだと思います。

　最後に１つだけ、これも繰り返しになるんですが、県は今、浜松市に投げたボールを待っている状態ということでよろしいですか。

○濵田公園緑地課長
　まさにそのとおりでございまして、浜松市の結論が出た段階で県としては次に進むことができるということでお答えをしております。

○山﨑委員
　その浜松市の結論というのが非常に難しい感じがします。先日も特別委員会の様子を聞いたり、また議事録を読ませてもらったりしているんですが、議論する材料が少ないんですよね。
　そりゃそうです。基本構想しかない中で、いろいろ皆さん、推測や想像に基づいて、これが危ないんじゃないか、これだけお金がかかるんじゃないかという意見が出るのは当たり前なんですが、でもそれはあくまでも推測や想像の域であって、その先に進むべき議論が全然なされていないというのが私の感想であるし、また浜松市議会関係者の思っているところだと思います。そうなってきますと、浜松市も県の出方を見ているような感じさえするんですね、ボールは持っていながらも。ですから、なかなか難しいとは思うんですが、県として次のステップに先に進むという姿勢も必要かと思います。
　聞きたいのは、何をもってその預けたボールを返してもらったと判断するか。要するに、何をもって市の結論が出たと判断するのか、そこについて教えてください。

○濵田公園緑地課長
　先ほどのボールを持っているという件でございますが、まずは今現在進んでおります浜松市議会の大型スポーツ施設調査特別委員会の結論を見たい。それからもう１つは市民のコンセンサスという点。その２つをもちまして浜松市が２月議会に上程いたしました用地調査費が予算として計上されることがまず３つといいますか、私どもがボールが返ったと判断する材料ではないかと思います。
　もう１点、県として次のステップに進む姿勢も必要という点でございますけれども、今現在、議論の対象となりますのは私どもが持っております基本構想だけでございます。この中で、パブリックコメントの段階でもそうでしたけれども、風の問題、アクセスの問題、地盤の問題、いろいろお答えがまだできない部分がたくさんございました。ですので、そういうものが特別委員会の結論として、そういう材料として何か必要だという要請があれば、それを契機としまして私どもとしては県議会にも諮り、御説明しながらぜひ対応していきたいと考えておるところでございます。

○山﨑委員
　ありがとうございました。
　いたずらに早急に議論を遮って前に進むべきだとは私も毛頭思っておりませんし、議論をしっかり浜松市で尽くしてほしいと思っていますが、さっき言ったように材料が少ない中で賛成する方も反対する方もいろんな方も含めて、なかなか成熟したものになっていないというのが一つの事実だと思いますので、なかなか難しいことではありますが、ぜひ浜松市とも精いっぱい連携をとっていただいて、出し得る材料を出していただいて、次のステップに向かって成熟した議論がなされますことをぜひ期待を申し上げまして、以上とさせていただきます。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号：054-221-3482

ファックス番号：054-221-3179

メール：gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp

ページの先頭へ戻る

〒420-8601 静岡県静岡市葵区追手町9番6号電話番号(県庁案内)：054-221-2455