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委員会会議録

質問文書

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令和3年2月定例会危機管理くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者:小長井 由雄 議員
質疑・質問日:03/08/2021
会派名:ふじのくに県民クラブ


○小長井委員
 分割質問方式でお願いします。
 8番委員と若干重なりますけれども、大切なことですからお伺いさせていただきます。
 第9回有識者会議の後で難波副知事はJR東海が山梨県側へ流出した水を戻すとしたことについて評価する発言を記者会見でされていたと思います。このことについて私は幾つかの問題点があると思います。
 1つ目は、先進導坑が完成したら戻すとおっしゃっていますが先進導坑が完成したときには既にほとんどの水は流出してしまっているので返す水がないと。
 2つ目については先ほどもお話がありましたけれども、流出する水量については300万立米とか500万立米とか数字が出ておりますが、これは本当に不確実な推定でもう少し整合性を期するならここの場所の透水係数を出す。透水式があって透水係数を出さなければいけないと思いますが、それがされていない。破砕帯の透水係数ではないもので計算をしていると思います。その辺が問題だと思います。
 3つ目は、これは新聞報道で聞きましたが、自民党での説明会の中でJR東海が300万立米の湧水が発生し、これは毎秒0.31立米だと知りましたが、これで計算すると破砕帯を抜けるのに115日、約3.7か月程度かかるんではないかなと思うんですけれども、JR東海の資料によると10か月かかるといった説明になっておりますので、この辺は大きな矛盾だと。ただこの0.31立米も3回にわたって変えてありますから、説明のたびに変わることが問題だと思います。
 それから、これも8番委員もおっしゃいましたが、現在JR東海が言っている湧水量では十分ポンプアップして工事を静岡県側の上から進めることができると。
 この4つの点で評価はできないと思いますが、難波副知事はこの点について評価できるとの発言をされております。先ほどの説明の中で幾らか副知事の真意も分かりましたが、改めてお伺いいたします。

○難波副知事
 JR東海から提案があった県境付近の水の戻し方については、はっきり申しますとあの工法では水は戻せません。なぜ戻せないかというと、一番明確な戻す水がありません。戻すべき水は県境から山梨県側に出た水を集めて静岡県側に戻すということですから山梨県側から十分な水が出てこないと戻す水がないわけですけれども、実際にどのくらいの距離の間の水を戻すのか、山梨側から100メートル間で出てきた湧水を戻すのか、何メートル戻すのか明確になっていませんけれども、それぐらいの区間で戻ってくる水の量は大したことはありません。それはなぜかというと、山梨県側の県境付近はあまり水が出ない区間なんですね。県境から入って破砕帯のところは物すごい水が出るので、そこで大量に出てきた水を山梨県側のほとんど水が出てこないだろうと思われるところの水で返そうと思っても返せません。したがって今回提案のあった工法はそういうことで返すことが考えられるということを示したものであって、返せることを示したものではありません。
 ただ、評価すると言ったのは、今までJR東海は県境付近の静岡県側の水が山梨県側に流れても大井川の水は減らないので何も対策をしなくていいとずっと主張を続けてきたわけですけれども、そうではなくて県境から流れ出た水は戻しますとある種の宣言をしたことは評価できるという意味であります。それ以外にも透水係数とかいろんな問題がありますが、そこはこれから詰めていかないといけない問題で、実際に戻せるか戻せないかは破砕帯からどのくらい水が出るかを明確にしないと、戻せる戻せないの議論はできないわけで、まだまだ詰めることはいっぱいあると思っております。

○小長井委員
 ありがとうございます。戻す水がないということで確認を取らせていただきました。

 次に、大井川直下、西俣川になりますけれども、その直下の断層についてあります。
 危機管理くらし環境委員会説明資料3−2の55ページを見ますと、断層とコアボーリングの交差点が61ページの上段690から700メートルの地点になるのではないかと思います。この地点は断層と交差しているところなので、当然湧水量が増加すると考えるのが自然だと思いますが、JR東海の説明では湧水はないということになっていると思います。これでもし湧水がないとしたら、これは専門家会議でも発言があったかと思いますが溢水と言って水がだだ漏れしてしまう。吹き出す水もなくて吸い取られてしまうというようなことだと思いますけれど、そうしますとさらに大きな問題になりますが、その点についてJR東海には説明を求めるべきではないかと思いますがいかがでしょうか。

○難波副知事
 これについては質問も出しておりますので、いずれJR東海から答えてもらいたいと思っています。
 これに限らず、まだまだいろんな問題は残っていますので、現時点でそれらを全部JR東海に出しているわけではなくて、例えばほかにもいっぱいありますので、そこはこれから詰めていきたいと思っています。
 土俵が違うような議論が多かったものですから、意見の中心はその土俵が違う、考え方が違う辺りをまずはしっかり詰める必要があるということで意見を言っておりますので、御指摘の件についてはしっかり指摘してまいりたいと思います。

○小長井委員
 ありがとうございます。
 この説明資料3−2の55ページでコアボーリングをしているわけですから、本来はここで透水試験をやればもしかしたら今までいろんな議論をされているもののかなりの部分が明らかになったかもしれず、これをやっていないことは非常に疑問を感じます。

 次に、残土処分地燕沢の安全性についてでありますけれども、燕沢の背後地について、JR東海は燕沢には治山ダムが数基入っており処分地としては大丈夫だといった説明をされたかと思います。JR東海からの説明ではこれは崩壊の危険がないということだと思います。この点について県としてはどのように認識されているのかお伺いします。

○難波副知事
 燕沢の残土処分地について、JR東海は沢を避けているから大丈夫だと説明しています。そして沢には砂防堰堤が入っているからこれも大丈夫だと説明しております。
 ただ、この辺りの地形は人間の手で簡単にコントロールできる地形ではないと思います。反対側の山梨県側の雨畑ダム上流の辺りでも砂防堰堤が飛ばされている状況を見ることができますので、砂防堰堤があるから大丈夫だといった説明は、なかなか理解できるものではないと思います。
 その処分地は沢と沢の間に入れられていますから、沢は弱いところで、そうでないところはやや強いから現地形が残っているわけですから、ある程度地盤としては悪くはないと思うのですが、それはその程度の評価であって本当にそこが大丈夫かというと、南アルプスのあの辺りの地質構造から見ると、もっともっと詳細な評価が必要だと思っています。

○小長井委員
 処分地も安全でないとのお答えを頂きました。
 JR東海の説明はまだまだ不確かな部分が多いので、これから重金属の問題、あるいは生態系の問題等たくさん出てきます。時間はかかりますが62万人の命の水のことでありますので、どうぞしっかり取り組んでいただくことをお願いいたしまして質問を終わります。

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