• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 委員会会議録 > 質問文書

ここから本文です。

委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成30年12月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:中田 次城 議員
質疑・質問日:12/14/2018
会派名:ふじのくに県民クラブ


○中田委員
 分割質問方式でお願いします。
 私は伊豆半島のことに特化して質問させていただきたいと思いますが、企業立地もしくは企業誘致、雇用の創出は伊豆半島の各市町の課題だと思っています。人口流出も激しいですし、高齢化も進んでいます。静岡県全体で言えば、企業誘致は非常に成功していて、いい成績も報告されているし、これからもそうやっていくんでしょう。しかし県が観光だけ支えれば伊豆半島が成り立つのかというとそうではないわけですね。そこで暮らす人、若い人の雇用も大きな課題だと思っています。伊豆半島に限って考えたとき、県は企業立地の実態や新たな雇用の創出をどのように捉え、評価されているのか。大ざっぱですけれども、お聞かせいただければと思います。

○餅原企業立地推進課長
 御質問の伊豆半島に係ることですけれども、私ども企業立地推進課では全県一つとなりまして活動しております。県及び市町、企業局と一緒になって、静岡県企業立地市町推進連絡会を組織しまして企業誘致を進めており、首都圏等でのセミナーの開催、もしくは東京事務所、大阪事務所と一体となった企業訪問をやっております。また展示会への出展、現地見学会も実施しております。
 そうした中で、伊豆地域からも、この連絡会に伊東市、伊豆市、伊豆の国市、南伊豆町、函南町が参加しております。伊豆地域におきましては地形的な問題もございまして、なかなか大規模な工業用地が確保しにくい面がございます。ですが平成25年度以降で見ますと、製造業では6社が生産拠点を設置しております。その6社に対しては企業留置、要はほかの地区へ移動してしまうといった観点で地区に残ってもらう活動をして留置に成功した例もございます。
 今後とも、食品や飲料といった伊豆地域に特化したものを中心に、地域資源を活用した企業を誘致できるよう市町とともに取り組んでいきたいと考えております。

○中田委員
 地域資源を活用した企業の誘致を進めていく、それは非常に大事な観点だと思います。
 伊豆半島でどれだけの実績があるのか、あわせて聞きたかったわけですが、御答弁が漏れていますので、例えばここ数年で何件あったかなど教えていただきたいと思います。
答弁の中にもありましたが、伊豆半島には地形的な問題がありましてね。通行量等に大きな工場がなかなかなじまないという問題はあると思うんですね。そういう工場を誘致しなきゃいけないということだけではなくて、例えば川根本町でIT企業のサテライトオフィスができましたよね。伊豆半島は地形的な弱点はあるけれども、首都圏に近かったり、例えばサテライトオフィスを集積することによって、今までにない企業の働き方改革も含めて、社員の新しいライフスタイルというニーズはむしろ中部や西部の地域よりあると思っているんですよ。ですから、県がこれから企業の誘致など伊豆半島で仕事をつくり出していくために、今までとは違った観点でニーズを調査していく必要があろうかと思います。
 先ほど、東京事務所などと連携して企業訪問をしているとの答弁がありまして、これはわかります。ただしIT企業を含めて、例えばスポーツ産業や自然環境を研究する機関等いろんな業種、業態が、伊豆半島に新たに目を向けていくようなニーズの調査も含めてやっていくべきだと思います。企業訪問を何回やったからどうだというだけではなくて、これから企業がどういうものを求めていくのか。例えば伊豆地域が受け皿としてふさわしいんじゃないかと、県がいろんな情報をとって、手をかえ品をかえ働きかけていくべきだと思います。そういう取り組みを全くしていなかったとは言いませんが、いろんな報告を聞いていると、やや足りなかったのかなという気もしないでもないです。まして川根本町で1つ具体的な事例があるわけじゃないですか。それを伊豆半島にだって置きかえられると思います。
 ですから、川根本町のIT企業ともこれまでいろんな話をしてきたんでしょうけれども、そういう視点で伊豆ならではの企業誘致や雇用の創出を考えていくべきだと思います。その辺の取り組みについて、今後の期待を込めてお聞きできればと思います。

○餅原企業立地推進課長
 まず、伊豆地域での最近の実績ですけれども、先ほども申し上げましたが、平成25年度以降ですと製造業6社の生産拠点が入ってきております。その中には生産設備と飲食店を併設するとか、昨日オープンしましたかねふくのような製造設備と販売拠点をあわせ持った施設もございます。こういったところは伊豆の環境のよさ、もしくは観光地としての評価、東京から近いところが評価されて進出していただいていると考えております。またそういったところを私どもとしても売っております。
 御指摘のございました川根本町のIT企業の件ですけれども、西伊豆町でも国の事業を活用して同じようなトライアル事業を実施しています。同じ条件は整っていると思いますので、通信設備や光ファイバーケーブル網の整備が必要になってまいりますけれども、国の事業といったものを活用しながらIT企業等も誘致していきたいと考えております。
 また、製造業も重要だと考えておりますけれども、今後は高付加価値を生むようなもの、小さいけれども価値のある産業、雇用を創出するものといった業種や企業を誘致していきたいと考えており、重点を置いていきたいと考えております。

○中田委員
 伊豆と言えばもちろん観光なんですが、じゃあ旅館やホテルで働く方をたくさん旅館やホテルに就職させればいいというだけでは若者は定着しないと思いますし、それで就業の機会が確保されたという認識は間違っていると思います。これからの時代を見据えた伊豆ならではの企業の形態や職種を探り出していく、掘り起こしていくことも県の大事な仕事だと思っていますので、ぜひ御尽力いただきたいと思います。御要望しておきます。

 それと、伊豆高原のメガソーラー計画について、何点かお伺いします。
 御承知のようにこれまで大きな反対運動の中できているわけですが、許可条件を逸脱するような事業地内での事業者のさまざまな行為が指摘されて、11月7日に伊東市長や静岡県理事も現地視察をされた。大変非常識な状態を確認されて、11月16日付で静岡県からこの会社に対し是正計画書の提出を促す行政指導がされているわけですね。行政指導の中身を見ると、県も市も行われている工事のやり方、手順が条例、許可条件に違反することを認めて、こうしなさい、ああしなさいと業者に指導がなされております。
 聞くところによると、事業者は当初は違反を認めて是正計画の提出に応じる状況だったのが、それから手のひらをひっくり返すように違反なんかしていませんよと開き直った態度に出ていて、現在是正計画は出されていないと聞きますが、事実関係についてお伺いしたいと思います。

○尾森林保全課長
 伊豆高原のメガソーラー開発について、11月7日に実施した現地調査の結果ですけれども、我々としては林地開発許可に付した許可条件に違反する行為が2点あると判断しております。
 1点目は、防災工事を先行せずに仮設工事用道路の拡幅を行ったこと。
 2点目は、拡幅により掘削した土砂や伐採木、風倒木などの適切な処理が行われていなかったことでございます。
 7番委員が御案内のように、11月16日付で是正計画を提出するように指導いたしました。事業者からは11月28日付の文書で回答がありました。実はその前に県として事業者と施工者の双方に許可条件違反の事実確認を行った上で、文書等も手渡しているわけですが、事業者の代理人である弁護士からは許可条件の違反はなく、これまでどおり工事を進めていく旨の回答がございまして、現在是正計画は提出されておりません。
 県としましては、事業者への事実確認と改めて現地調査も行ったわけですけれども、厳正に指導を継続してまいる所存でございます。

○中田委員
 よくわかりました。
 要は、県や市の認識と事業者の認識は違うということですよね。そこがかみ合っていないから指導に従っていない状況だと理解します。

 伊豆高原のメガソーラーの問題をこの委員会でも何回も取り上げましたが、要はまともな業者じゃないんだと。だから本当に徹底した指導、厳しい対応をしていかないと市も県もなめられますよとずっと言ってきたつもりです。今回市の許可も県の許可もおりて、でも条件がついたからそれが1つの歯どめになっていると思って私たちも甘んじて、現場では木が切られて、土がいじくられているわけですよ。しかも市や県が工事そのものに疑義があることを認識して通知したことに対して、事業者はそんなものは知らないと、こんなふざけた話はないわけですよね。だったらもう許可なんか取り消してしまえと思うわけですよ。伊東市で反対している多くの市民の皆さんはそう思っていると思います。
 しかし、行政が一度出した許可を簡単に取り消すことはなかなかリスクがあるでしょうから、徹底した厳しい指導をしていただいて、事業者が従わない状態が続けば考えていかなきゃならない。許可を取り消す可能性があるのかという聞き方よりは、厳しい指導を重ねて、とにかく行政に従わせる。従わなければ一歩も進まない状態になっちゃうわけですから、業者が言うことを聞かないのであれば、どこかの段階でまた新たな行政指導もしくは処分をしなければならないと思いますけれども、どのようにお考えになっていらっしゃいますか。

○尾森林保全課長
 今回の許可条件違反につきましては、付した許可条件のうち取り消しもあり得るという内容の項目でございます。最終的にはそういったことも視野に入れながら、引き続き行政指導を続けてまいりたいと考えております。

○中田委員
 ありがとうございます。次の質問に移ります。

11月30日に反対住民の皆さんが、伊東市が出した宅造の許可に対して取り消しを求める訴訟を静岡地裁に起こしました。訴訟の内容は、出された申請書に記載されている調整池――事業地内に4カ所ありますが、調整池の排水能力と河川への放流の基準が許可基準に照らして、この計画では実際はこうならないという疑義が指摘されています。反対住民の中に専門家がいらっしゃって、疑義を指摘して県にも市にも通知し、11月30日には弁護士が静岡地裁にそれを理由に許可の取り消しを求めているんです。要は宅造で出した審査そのものの判断基準が誤っているのではないのかと。事業者の計画はその基準で考えたら満たされていないんじゃないかとの疑義が指摘されて、提訴されているわけです。静岡県も林地開発では同じ状況の中で許可を出しているわけですね。そうすると調整池の問題に関することは、市の判断も県の判断もダブっているわけです。
 1つの許可基準や判断基準といっても、いろんな考え方があるんでしょう。ただし、許可するときに示されていた許可基準や判断基準のもとになるものに照らし合わせていくと、今回出ている計画ではそごがあり、不都合だという見解が示されての提訴と。そのことについて、県の担当部局は疑義や提訴の趣旨に対してどういう認識をしているのか。提訴そのもの、疑義そのものが間違っているんですというのか、指摘されていることはきちんと受けとめなければならない適正なものなのか。その点を確認させていただきたいと思います。

○尾森林保全課長
 県では、調整池の件につきまして内容を検討した結果、調整池の構造の一部に不適切な点があると認識しております。本件に係る取り扱いについては、審査基準を所管する交通基盤部、宅地造成等規制法を所管するくらし・環境部とも連携して、適切な対応について引き続き精査を行っているところでございます。防災上の問題がないよう早急に指導を行ってまいりたいと考えております。

○中田委員
 わかりました。
 疑義に対して県でも検証したら不適切な部分があると。それが防災上、非常に危険な箇所であればきちんと対応しなければいけないという判断に至っていると理解します。私はもちろん専門家ではございません。しかし県も市もここは勝負どころですよね。行政機関としてきちんとした対応が求められると思います。出した許可が指摘を受けたときに、もし誤りがあれば改めていく必要もあるでしょうし、きちんと業者を指導し直していくことも必要だと思います。その辺の確認ができたので、あとはしっかり精査を続けていただきたいと思います。

 次は、伊豆高原ではなくて伊東市でもう1カ所大きな問題が起こりそうなメガソーラー計画の案件が出ました。それは松川湖という伊東市の水がめとなっている、市民が水道水として使っている奥野ダムに隣接するところで、やはり大規模な森林伐採を伴うメガソーラー計画の林地開発申請が10月15日にされました。これはまだ森林保全課でも書類の精査をしたり、書類の不備をやりとりしている段階でございますし、伊東市にはまだ宅造許可の申請もされていませんので、これからの案件でございます。
 しかしながら、私はここで1つだけ県の皆さんにお伝えして確認しておきたいことがあります。奥野ダムの水は、市民の水道水の一部として使われているわけです。森林法の許可条件4項目の中には水の確保がございます。現に有する水源の涵養に直接支障を来すおそれがある開発行為は、森林法の許可条件に触れることになるわけです。ですから、奥野ダムの水が市民の水がめとなって使われている現状に鑑みたときに、そのすぐ真横で行われる大規模工事は、市民にしてみれば土砂が奥野ダムに流れ込んだときに飲み水は一体どうなるんだと。俺たちの水がめの横でこんな開発を許していいのか。こういう市民感情が既に起こっているわけですが、森林法の水の確保の考え方が、奥野ダムを水源としてどのように認識するかが大きなポイントになると思います。
 伊東市議会の12月定例会では、小野市長からこういう答弁をいただいているわけです。紹介します。
 本市は豊富で良好な水質の地下水に恵まれ、市街地を初め給水区域の大部分を湧水及び地下水で賄っております。しかしながら、近年既存の湧水及び地下水源において水質の悪化が問題となってきており、水源の見直しが必要となることも想定しなければならない中、奥野ダムは水質、水量ともに安定していることから、代替水源として位置づけております。送水範囲につきましても、現在宇佐美地区の一部から富戸地区まで送水することが可能であり、今後さらに池地区及び八幡野地区まで送水できるよう整備を進め、安全で安定して持続可能な供給体制を整えてまいりたいと考えております。奥野ダムが市民の水道水源として必要欠くべからぬものだと議会で答弁されているわけですね。
 ですから、これから森林法の審査をするときに、奥野ダムの水が現場にある水源と違うとかそんなわけのわからない解釈ではなくて、しっかりと水源だという認識をみんなが持っていることを十分肝に銘じて審査していただかなければいけないと思いますので申し上げておきますが、これについて御答弁いただきたいと思います。

○尾森林保全課長
 林地開発に係る森林法の許可条件の1つである水源の確保につきましては、7番委員から御紹介のあったとおり、森林の現に有する水源の涵養の機能から見て、当該開発行為により地域住民などの水の確保に著しい支障を及ぼすおそれがないか審査する必要があると理解しております。
 審査に当たりましては、林地開発の審査基準に基づきまして飲用水、かんがい用水等の水源として依存している森林に該当するのか否か、該当する場合には貯水池等の代替措置、水質悪化の防止措置が適切に計画されているのかどうかをしっかり審査してまいります。また市を初め関係機関からしっかり情報を収集して、間違いのないように判断してまいりたいと考えております。

○中田委員
 小野市長もこういう答弁をしている。多くの伊東市民もそう思っている。ぜひたくさんの地元の方の意見を聞きながら賢明な御判断をしていただければと思います。
 以上で質問を終了します。

○大石(哲)委員長
 ここでしばらく休憩します。
 再開は午後1時15分とします。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp