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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成25年2月定例会企画文化観光委員会 質疑・質問
質疑・質問者:天野 進吾 議員
質疑・質問日:03/11/2013
会派名:自民改革会議


○天野(進)委員
 この2月議会の最終質問、アンカーは、大体が年寄りということになっているようであります。
 きょう、こうやって見ますと、議員の方の1期生が大変に多いわけです。要は、私自身がよく叫んでまいりましたけれど、SPACというその歴史の中で、私はぜひ1期生の方々にもその歴史を知ってほしい、知っていてほしい。そして、このような大きな誤りが続けられること、それを私たちはもっともっと勇気を持って、正すべきは正す姿勢を持ってほしいと思っております。
 と申しますのも、このSPACというのは、鈴木忠志という1人の芸術監督、その人間の個性を持ってスタートし、そしてそのために静岡県は毎年、当時は5億円余のお金をかけ続けてきたわけであります。5億円余です。そして、その舞台は、年間何回公演されたか知りません。そして、その公演を私が見に行ったときには、実は県庁職員が多数いらっしゃるんですね。なぜなら、お客が来ないからです。
 鈴木メソッド、鈴木忠志という人間の極めて個性的な舞台、彼は若いころには早稲田小劇場の世界におりました。ですから、舞台そのものが極めてユニーク、そしてもしその舞台の筋書きを知らなければ、ほとんど何をやっているかわからないで終わってしまうような演劇でした。その舞台に、ごろごろごろごろ人間が転がり、あるいはまた関係ないところに車椅子が出てきてみたり、それはヨーロッパの古い伝統芸術だというふうに言われておりましたけれども、私は知事ですら理解をできず、多くの部長は立場上、それを大変すばらしいものだと言わざるを得なくて、そして染まっていった人間も決して少なくはなかったと思っております。
 その5億円余のお金を今2億5000万円になっていったのは、実は我々議会側の努力と言っても私は過言ではなかったと思っております。あるとき、私は、石川前知事と本会議の質問で、真っ赤な顔をして戦ったこともあります。それは鈴木忠志という人間の余りにも勝手な振る舞い、それに対する私の怒りでありました。たくさんのお金を、県費を費やす、そのことに対する憤りでありました。そういうことを持って、鈴木忠志は去っていったわけでありますけれども、本当に去っていったでしょうね。
 今、この鈴木忠志さんと何かかかわりがあるならば、正直に言ってほしいと私は思っております。その当時、はっきり言って県費は、SCOTという――鈴木忠志、Sは鈴木です、Cはカンパニー、オブ、利賀――利賀村、富山県の小さな片田舎に彼の舞台があります。そのSCOTに県費がいっているんですね、どういう理由かわかりませんけれども。そうやって、鈴木忠志を応援してきたんです、静岡県は。
 そして、その静岡県に、最後には後ろ足で砂をかけていくような雰囲気がなかったわけじゃありませんけれども、芸術監督はかわっていきました。そして、今、芸術監督がかわったことによって、大変に県民にわかる芸術をということで努力をしている。そのことについて、私はよくわかるし、そして彼のその努力については、あえて言うなら拍手もしてみたいと思っております。

 でも、しかし今なお、2億5000万円のお金というのは、決して小さな数字じゃありません。日本にたくさんの劇団があります。その劇団の中で、その俳優が給料をもらっているのは、この静岡県の舞台だけだと、劇団だけであろうと思っております。本当に、そういう点では、この静岡県は甘い。大体舞台芸術という言葉だって、そのときに初めて私たちは聞いたわけであります。何だ、その舞台芸術はとよく言われましたけれども。そういうことによって、恐らく今でも、舞台の俳優の皆さんは、毎月給与としてこの2億5000万円の中から出ているんじゃないかと思っておりますけれども、もし差し支えがなければ、その辺についても教えてほしいなと思っております。

 金曜日は松下文化政策課長、御苦労さまでございました。本物の芸術を子供のときからと、そういう意気込みで理解してほしいということで言われました。本当に本物の芸術を子供のときからというような舞台になっているのか。
 大人ですらわからなかったですね、昔。例えば、マクベスについても、一体それがマクベスのどこをやっているのか。あの舞台をマクベスという物語を知らなければ、誰も理解できなかった。第一、あの日本平の舞台に行って、もし私がその舞台の姿を知らないで、一番前のほうに座ろうものなら、泥だらけになっちゃったでしょうね。そういうようなユニークな芸術を展開しておりました。

 そこで、過日フランスへ行かれました。そのフランス公演をちょっと教えてください。どういう状況なのか、幾らぐらいかかったのか、そしてフランスのどこでやられたのか、そしてお客様はどうだったのか。
 今回、来年度の予算の中にも、スイス、フランスの公演が入っております。私は、別にけちって文句を言っているわけじゃありません。意義あるものならば大いに結構、そう思っておりますので、そういう意味でよろしくお願い申し上げます。

 次に、これは、金曜日には伊藤委員から厳しく出された石雲院の展望台。2年ほど前です。本会議で、私は一般質問の中で、あんなデッキはやめたほうがいいということを知事に正直に申し上げました。本当に、あれは意義のあるものになっているのか、大変、私は疑問です。恐らく、近隣の幼稚園の、あるいは小学校の遠足の舞台になっちゃうんじゃないかというふうに思っておりますけれども、単なる数字合わせになる。そんなことよりも、今必要なことは、こんな展望デッキをつくるんじゃなくて、あの静岡空港そのものの新しいつくりを考えたほうが、私はいいんじゃないかなと思っております。もちろん、中身はより多くのお客様を迎えるような空港、それをつくることは大事でありますけれども。この石雲院の展望デッキ、恐らく石川課長も奇妙きてれつな建物だなと、当初は思ったんじゃないですか、正直に言うと。しかし、知事が言うから仕方がない、そうやって割り切ってやったでしょう。
 さらに、1200万円の管理運営費ですか、決して小さくはない。もうできてしまったものでありますけれども、何か、当時のプログラムを見ておりますと、何となく納得できない部分がありましたけれども、本当に、これは十二分に県民の皆様方に、この石雲院展望デッキがこういうものだと、自慢できるような利用の仕方があるなら教えてほしいというふうに思っております。

 次に、いよいよ富士山も世界遺産にこの6月にはなるでしょう。そういう中で、三保の松原が、イコモスから除外したらどうかという提言があったようであります。そして、静岡県は、そんなことはない、信仰の対象であり、芸術の源泉である、不可欠な構成資産であると回答したというふうに言われておりますけれども。ちょっと、その辺がわからないもので教えてほしいんですけれども、三保の松原が信仰の対象、芸術の源泉というのは、どういうところからか、盛月さん、疑問でしょ、同じ清水にいながら。ちょっと私はそう思うんですけれども。

 もう1つ、じゃあ世界遺産になったときに、今、三保で商売をやっている方々がおります。ああいう人たちがこれから展開をしようとしたときに、問題が起きる可能性があるのか。あるいは、また一生懸命に今、虫が松の木を食っております。松くい虫が頑張っておりますけれども、あの除去というのはやっぱり大事なことだと思うんですけれども、それについてはどう考えておられるのかお尋ねします。
 まず、そこをお尋ねします。よろしく。

○松下文化政策課長
 SPACの関連についてお答えいたします。
 鈴木忠志さんが、今SPACとどういうつながりがあるのかという御質問だと思います。今、鈴木忠志さんは、利賀のほうで活動をされておりますが、顧問という位置づけにさせていただいております。顧問をやっていただいております。いろんな助言をいただくという立場でございます。顧問につきましては無報酬でございます。お金は支払っておりません。

 続きまして、俳優に対して、2億5000万円の中で給与を出しているのかという御質問です。現時点で、この4月1日で俳優は47名おります。年間契約している人もいますし、例えば、その期間ごと区切って、例えば60日だとか90日、そういう契約している俳優さんもいらっしゃいますけれども、補助金の中で、ほかにも収入、国庫の文化庁の補助金であるとか、観覧料収入等もありますけれども、2.5億円の中で俳優さんに対しては給与を支払っている、これは事実でございます。平均いたしますと、大体300万円弱ぐらいの給与になっております。

 それと、3つ目ですけれども、子供に本物の芸術を見せるということは大事だけれども、果たして理解されているのかというお話がありました。今、平成22年度から中高生鑑賞機会提供事業というのを始めました。総監督が宮城さんになられてから始めたものでございます。例えば、ロビンソンとクルーソーという演劇がございまして、私も見ましたけれども、中学生でも十分理解できる内容の劇だと思います。また劇の内容だけではなくて、宮城さんがたびたび言われますけれども、静岡芸術劇場という劇場自体の雰囲気を味わってもらいたいということをおっしゃっております。理解できない子供もいらっしゃるかもしれませんけれども、それなりの成果は上がっているのではないかというふうに私は思っております。

 それと、4番目、フランス公演の実績ということです。
 2月1日から23日まで、演目はマハーバーラタというインドの叙事詩の劇でございますけれども、これをフランス、クロードレビストロース劇場というところがあるんですが、フランスの劇場で9公演、鑑賞者数が3,630人いらっしゃいました。
 どのぐらい経費がかかったのかという御質問です。総事業費で1700万円です。そのうち、出演料収入が600万円、文化庁の外郭団体である国際交流基金助成金を500万円いただいておりますので、600万円余が自主財源、自分たちのお金ということになろうかと思います。
 評判につきましては、前売り券も全て完売したということです。日本の、こちらの静岡新聞にも取り上げられましたけれども、現地メディアでもかなり取り上げてくれて、評判はよかったと聞いております。以上でございます。

○服部文化・観光部理事(空港振興担当)
 石雲院展望デッキについての御質問に関しまして、お答えをいたします。
 私も昨年の8月1日に今の職につきましたので、そのときにはもう既に石雲院展望デッキの工事に着工している状況でありました。でき上がる前の絵から感想を述べますと、このようなところにつくって本当に大丈夫かなと、空港に間近なので大丈夫かなというところはあったんですけれども、実際にでき上がってみると、本当に2月16日の式典のときには、少々風は強かったんですが、おかげで富士山も駿河湾も、それから駿河湾の対岸の伊豆半島まで一望できるすばらしいロケーションでございました。もちろん、空港に近いということで、普通のターミナルの位置よりもさらに相当前に出ていますので、滑走路に非常に近くて、かなり迫力のある航空機の着陸を望めるということで、でき上がってみると意外とこれはかなりすばらしい展望施設なんじゃないかなと。加えて、屋根のあるエリアでは、無料でお茶などを提供する呈茶コーナーも設置されておりまして、我々としてはもう富士山静岡空港ならではの最高のおもてなしができるような、そういう演出された施設になるんじゃないかなというふうに思っております。
 我々としても、今後、この空港の利用者、それから空港の見学者が訪れていただくのはもちろんのことですけれども、近くの学校の遠足ですとか、あるいは社会科見学、写生大会、こういったような学校行事に活用していただくとか、あるいはこの間も実は3月3日に、まさにSPACがここを舞台としまして演劇などもやりました。文化的な活動、あるいは周辺住民のサークル活動の発表の場というような、さまざまな活動の場として御利用いただくことができるんじゃないかなというふうに思っております。また我々もせっかくつくった施設ですので、有効に本当に意味あるものになるように利活用を心がけて取り組んでいきたいというふうに思っております。
 なお、委員御指摘のありました展望デッキよりも、空港そのものの新しいつくりを考えたほうがよいのではないかという点に関しましては、現在、県から諮問をいたしました先導的空港経営検討会議というところで、この空港の平成26年度以降の運営体制の新たなあり方について御検討、御議論をいただいているところであります。3月27日には、一応最終回を予定しておりまして、その後、速やかに答申というものが出される運びとなろうかと思っております。その答申を踏まえまして、県としてもそれをよく検討して、どのように対応していくのかということをまとめて、そしてまた県議会にもお諮りしつつ、この対応を一歩一歩進めて、この石雲院展望デッキだけでなくて、この空港そのものの新しいつくりのほうも、取り組みを進めていきたいと思っております。

○杉山世界遺産推進課長
 私からは2番委員の御質問のうち、三保の松原につきまして答えたいと思います。
 2月の末に日本政府のほうからイコモス及びユネスコの世界遺産センターに、追加情報の照会に対する回答を提出したというふうに伺っております。
 富士山につきましては、大きく2つの価値を文化面のところで言っております。
 その1つは、信仰の対象であるということです。これは富士講だとか、浅間信仰だとか、遠くから見るような遥拝、そういったものの対象であるということ。もう1つは、芸術の源泉ということで、芸術の源泉ということについては、25のある構成資産のうち、富士山体を除いて2つあります。それは何かと言うと、本栖湖ですね。あそこは千円札の紙幣のところにもデザインがありましたけれども。それともう1つは、松原を通して海越しから見る富士山というのは、本当に日本的な代表的な景観であると。そういうことで、三保の松原は、顕著な普遍的な価値であるもう1つの柱であります芸術の源泉に不可欠な資産だということで、文化庁と、それから静岡・山梨両県が協議いたしまして、イコモス側に回答を提出したということでございます。
 今後の展開につきましては、イコモスの勧告が5月にあります。それから、世界遺産委員会がプノンペンで6月にございます。こうしたところに、さまざまな取り組み、働きかけをしながら、確実にしていきたいなと思っております。

 それから、もう1つ、現在の保存管理の状況です。9月5日だったと思うんですけれども、三保の松原のイコモスの現地調査の中で、現地の状況を見てもらった中では、調査員のほうでは、特に大きな保存管理の面での指摘はなかったというふうに聞いています。ただし、御指摘のとおり、例えば景観を保全していくということにつきましては、文化財保護法や景観法を使いまして、例えば、お店の問題等もございますけれども、そういったものについて景観の保全の中でどのように対応していくのかということが、今後の対応になるのかなと思います。
 あと、松については、松枯れ対策というのは既にしております。白砂青松という言葉があるとおり、やはりそれにふさわしい松原をつくっていくということで、保存管理面のほうでしっかりやっていくということが必要だと思います。
 なお、今回、三保の松原につきましては、追加情報の中で信仰の対象という部分についてもあるよというふうに言っております。それはなぜかと言いますと、実は絹本著色富士曼荼羅図という浅間大社が所蔵しているものがございます。そこには、州浜と言いますか、三保があります。そこから、駿河湾を通しまして富士山頂に浅間大社のほうから人装束が上がっていく、そういったものです。まさにあの景観が、三保の松原も一体となって富士山としてあるんだと、そういうようなこともイコモスのほうに新たな追加的な情報として回答しているということです。
 日本政府と今後万全を期していって、取り組みを進めていきたいと思っております。私のほうからは以上です。

○天野(進)委員
 お答えいただきました。
 まずは、鈴木忠志さんのことについては大体わかりました。今、顧問という立場で、無報酬ということですけれども、ただ、あれはどうなったのかな。たしか鈴木忠志さんが演劇をつくった場合に、1件500万円というお金が当時書いてあったんですね。あれは、消えたんですかね。当時、いろいろなものを鈴木忠志さんは書きました。年間に2本書けば1000万円になるのかいと。そして給料もまたそれ以上のものですから、大変な収入になるなということは、当時思ったんですけれども、新作をつくった場合には、たしか500万円という数字が、規則の中にちゃんとできていたと思います。
 それを議員はほとんど見ることはなかったんですけれども、中ではそうなっておりました。それはもうどうなっているのかわかりませんけれども、簡単に言うと、今、昨年度、鈴木忠志さんへ、この県のSPACのほうからお金は一銭も行っていないのか、その辺について聞かせていただければ、全ては了解できるところであります。

 その他のことについては、芸術劇場を子供たちにも、中高生にも味わってほしいという気持ちについてはよくわかりますし、2月のフランス公演も恐らくは成功裏に終了することはできただろうと理解をさせていただきます。
 10年ほど前のアメリカ公演というのはめちゃめちゃでした。当時、一公演1000万円の利益を上げると、20カ所でやると、鈴木忠志さんは石川前知事に言ったんです。2億円も収入をもたらすのかということで、知事は大いに応援したんですけれども、何と私が調べたら、SPACではなくて、やるのはSCOTだったんですね。SCOT、先ほど言った鈴木忠志さんの会社です。そしてSCOTという名前は、当事はSPACよりも有名だった。だからアメリカでは、SCOTという名前でやろうとした。結局すばらしい舞台を手当てすることはできず、そのほとんどを地方の大学の講堂で展開をしただけでした。それが実態です。当時、いささかしつこく調べましたので、そんなことが後でわかったわけでありますけれども。
 そういう意味で、私は、当時静岡県のこの一般会計の中で、べらぼうな金額、5億円余のお金が使われ、今2億5000万円になって、しかもそれは物すごくすばらしい活動をしているのではありませんか。あの当時のお金は一体どこへ行っちゃったのか私には本当に今さらながら残念に思っております。しかし、どうぞ新しい時代です。「新しき酒は新しき革袋に盛れ」。これからの時代に十二分に応える舞台芸術を展開していただければ結構でございますので、よろしくお願いいたします。

 服部文化・観光部理事、石雲院御苦労さんでございました。大変、今、言われた言葉からすると、それだけ自信を持ってやってくれればいいなという感じはするんですけれども、ただその自信がこれから十二分に県民の皆様方に理解されるように、展望デッキが大きく利用されるように、そして伊藤委員の心配を少しでも減らすことができればと思っております。

 白砂青松の三保の、お答えをいただきましたけれども、私たち静岡県がよりすばらしい観光地として、いや、観光行政は静岡県のこれからの生きる道だろうと思っております。どうぞ、そうした意味では、本当に地に着いた、そして確実な観光行政というものを推進してほしい。そういう意味では、一つ心配するのは、さらに世界遺産になっていく、あの伊豆のジオパークは、あれ本当にお客さんが来られるもんかね。そういうふうに、私は素直に疑問だけ申し上げておきます。
 以上、質問ではございませんで、私の皆様方の答弁に対する答えとして申し上げておきます。

 最後に、渡井文化・観光部部長代理、御苦労さまでございました。あなた、私よりも10歳若いんですね。昭和27年生まれ、私は昭和17年生まれなんですね。どうしてこんなとこでやめなきゃならないんです。県庁職員の定年60歳というのは、そのものがおかしい。私はそう思っております。もうそれは、ずっと昔から言い続けてきた。
 正直申します。私が初めて市会議員になったのは、昭和42年です。その年の平均寿命は67歳だったんです。そのときの定年は55歳。その間、わずか5年しか延びていない。今、80歳余でしょう。男だって80歳を数える。そんな時代にいつまでも60歳の時代ではありません。65歳、あるいは元気であれば70歳まで頑張ってもらわなきゃ。せっかく県庁でいろいろな勉強をしてきた、それを早々にやめてもらうのはいささかもったいないんですね。渡井文化・観光部部長代理、お気持ちを言ってください。長い長いその歴史をお願いします。

○渡井文化・観光部部長代理
 天野進吾先生から身に余るお言葉をいただきまして本当にありがとうございます。
 私の場合には、もうこの公務員人生の後半は、大半は静岡空港にかかわってまいりました。またあわせて、最後に天野先生から御質問がありましたシアターオリンピックスの後の2月県議会のときに、私は部付主幹をやっておりましたものですから、SPAC問題につきましては、この本館を走り回ったことも鮮明に覚えております。
 静岡空港について少し語らせていただきたいと思います。私はちょうど平成7年度に空港の担当職員になりました。ちょうど環境アセスメントが終わりまして、空港の設置許可にこれから入ると、それから地域の皆さんのところに行きまして、同意取得をいただいて、用地の買収をするというタイミングでありました。このときには本当に天野先生を初め渥美先生、それから藤田先生ともども取り組んでまいりました。
 その後、私は一度出ましたんですけれど、平成13年に、石川前知事が空港建設の是非を問う県民投票条例に賛成の意を表しましたことから、県議会では8月下旬だったと思いますけれど、深夜に及ぶ審議をいただきました。その後出張説明で、県民の理解を得るということで、みんなで手分けして県内150カ所ほど飛び回ったこともございました。その後非常に論議を呼びました需要予測も担当いたしました後、国の事業再評価、それから一番の課題でありました土地収用に係る現地調査、そうした数々を乗り越えて現在に至っているわけでございます。
 その後、立ち木の問題とかJALとの搭乗率保証とマイナスの点もありました。
 最後に、私は自分なりの空港建設の評価ということで語らせていただきたいと思いますけれど、一番は、農地開発だと思います。113ヘクタールに及ぶ大規模農地ができまして、これは地権者の代替地、あるいはこれから新しい農業を現地で営む皆さんへの新興農地として提供されました。これは空港事業があったからこそできたものでありまして、主要産業であるお茶が未来永劫、静岡で繁栄していける基礎が築かれたものと思っております。2点目が空港の工事です。本体部だけで190ヘクタールに及ぶ大工事ですけれども、土木的な面から新幹線も下側を通っておりましたけれど、ほかのところへ土砂を移すことなく、132メートルの高さの中で、最終的にはうまく押さえたと。その中で環境対策、オオタカの問題、大規模な農地改変で反対運動の1つとなりましたんですが、農地改変される前の現地で、実を拾いまして、それをポット内で育てて、のり面等に植えかえて復元をしたと。この技術はもしかしたら今度、中央リニアの工事で、南アルプスで土砂が排出されるかもわかりませんけれども、そうしたときにもきっと生かされるものと思っております。
 その後、空港株式会社の問題、立ち上げたこと、あるいは富士山静岡空港というネーミングをつくりました。現在の海外からの誘客のもとになったということもあります。
 空港の最大の効果というのは、私は空港貨物から論じてみたいと思いますけれども、当時、陸・海・空の交通ネットワークを築くと、その基盤の一つということでありました。現在、県内企業が中国から東南アジアへシフトしておりますけれども、2年前から進出した先のベトナムから仁川を経由して静岡空港に、これは電子部品の素材ですね、自分の子会社が――子会社といっても6,000人、7,000人規模の会社に成長しておりますけれども――そこで安い工賃でつくられた部品が静岡空港に入ってきまして、これは新東名、東名を使って浜松の工場へ行きまして、その工場ではホトニクスに卸す光ファイバーだとか、あるいは高度の電子部品として加工して、加工製品は、これはまた清水港から送られていくと。トータルとして静岡県のものづくり県としての外貨獲得の一翼を担うようになったと。
 それから、金曜日もコチョウランの答弁をさせていただいたんですけど、いわゆる国際分業という観点から捉えますと、促成栽培は台湾で行われますけれども、最終6カ月の栽培は静岡に持ってきまして、市場動向を見ながら首都圏に付加価値をつけて売っていくと。これが静岡県としては外貨を稼いでくると、これが県内企業を守ることになりまして、雇用にもつながってくるということであります。
 まだまだ、緒についたばかりでありますけれども、当初目指したそういう静岡県の産業に静岡空港が役立っているということでは、着実に根づきつつあると私は感じております。
 引き続き、ぜひ県議会の議員の皆様の応援をいただきまして、後輩の方々が頑張ってもらえるものと期待しております。
 長い間、本当にありがとうございました。きょうはこうして機会をいただきまして、ありがとうございました。(拍手)

○天野(進)委員
 今、渡井文化・観光部部長代理の言葉を聞きながら、恐らく県会議員の多くが、そして県庁の多くが、あの島田の大井という1人の男に対して怒りを持っていただろうと思っております。
 これから県の大いなる役職を持つ皆さん、そしてここにいる若い県会議員、将来は市長にもなりたいと思っている方がいらっしゃる、ですからあえて私は申し上げます。私自身もかつて静岡市長をやらせていただきました。そうしたときに、たくさんの問題がありました。必ずそういう問題があったときに、勇気を持って、そうして堂々と立ち向かえば、問題解決することはしばしばあったんです。例えばあの大井という男、私は、もし私自身が石川知事の立場であったらとそういうことを思ったことがあります。
 静岡市内で、ある障害者の施設をつくるといったときに、地域で大反対をされました。そしてそれは農業地でした。だから農業委員会に最後にはかけなきゃならない、その用地の買収に、私たちは、ときに夜10時まで、地域の皆さんと相談しました。そしてだんだんと話は進んで、いよいよ農業委員会と思ったときに、たった1人のおじいさんが、俺の目の黒いうちは判こを押さないということでした。部長が行き、課長が行き、誰が行っても解決しない。あのとき、12月の夜7時、茶畑の中でありますから真っ暗であります。そのお宅に訪ねていきました。ガラン、戸をあけた途端に、私の目の中に、そのじいさんがこたつに座って、こたつの中へ足を入れて、テレビを見ている。私は靴を脱いで、そのまま上がっていって、こたつの中に足を入れました。じいさんは、私の顔を見て、「おめえ市長か」「そうだよ」と。「何しに来た」「何しに来たって、俺が来ればわかるだろう」。それから1時間、そのじいさん、何をしゃべったかというと、自分自身の中国の戦線での戦い、戦争の話を続けました。そしてついに彼が日本へ帰還したときに、もうその次の言葉がなくなっちゃったんです、言う言葉が。「市長、ええわ判こを押さあ」でした。それが人間の心じゃないですか。
 行政というのは、私は、本当に「窮鳥懐に入れば猟師これを撃たず」という言葉が昔からあるように、人の心ですよ。人の心で行政というのは展開されると思っています。ぜひ、私は、これからの静岡県の行政をやるときに、何よりも大事なのは金ではない、それ以上に心だということを肝に据えて展開してほしいなと思っております。以上です。

○大池委員長
 質疑等も出尽くしたようでございますので、このあたりで、文化・観光部関係の質疑等を終了することに御異議ございませんか。
(「異議なし」と言う者あり)
 異議なしと認め、文化・観光部関係の質疑等を一応終わります。

 また、付託議案の採決につきましては、企画広報部関係の審査終了後に行いますので、御承知おきをください。

お問い合わせ

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