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委員会会議録

質問文書

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平成26年6月定例会厚生委員会 質疑・質問
質疑・質問者:宮沢 正美 議員
質疑・質問日:07/02/2014
会派名:自民改革会議


○宮沢委員
 よろしくお願いします。
 一問一答方式で質問させていただきます。
 厚生委員会は説明者の皆様が大変多いということで、このことだけを考えてもこの委員会のやらなくてはいけないことが多くあることを率直に感じます。その中から幾つかの点について質問させていただきますので、よろしくお願いします。
 まず最初に議案関係のことから質問させていただきます。
 第125号議案でありますが、今回静岡県手数料徴収条例の一部を改正する条例ということで、薬局開設許可更新申請手続手数料等に関することだということでございます。議案説明書等読んでも何がなんだかさっぱりわからないんですけれども、具体的にどういうことがどう変わるのか説明をお願いしたいと思います。

○杉井薬事課長
 第125号議案「静岡県手数料徴収条例の一部を改正する条例」についてお答えいたします。
 この改正は最近新聞にもいろいろ載っていたと思うんですけれど、一般用医薬品のインターネット販売について薬事法においてそのルールが整備をされました。インターネット販売を行う薬局や販売店、店舗販売業の申請に新たにインターネット販売関連の添付書類を設ける項目が薬事法の条項の中に新たに入ってまいりました。そのため、薬事法自体の条ずれが生じております。
 薬事法を引用する県の手数料徴収条例の薬局開設許可更新申請手数料、それから登録販売者試験手数料、それから販売従事登録手数料、ここの引用部分が法律の条ずれのためにそれに合わせて修正が必要になっております。今回はその部分を改正するというものでございます。この改正に伴う薬局開設者等への影響というのは一切ございません。

○宮沢委員
 ありがとうございます。
 あわせて第126号議案も今回提案をされております。これは、母子及び寡婦福祉法の一部改正に伴うということになっております。今回の改正の主な点としては母子及び父子ということで、父子家庭への支援ということが法律の名前にも入ってきますし、それぞれへの支援をしていこうということが改正の趣旨になっているかと思います。
 そうした意味で、まず県内の父子家庭の現状をしっかり把握してこの法に沿ってきちっと支援をしていくということが必要になってくるかと思いますが、現状父子家庭の世帯数や状況がまずどのようになっているかお尋ねしたいと思います。

○鈴木こども家庭課長
 父子家庭の世帯数の現状についてお答えいたします。
 静岡県内の父子家庭の世帯数につきましては、国勢調査によりますと約7,000世帯ということになっております。うち祖父母と同居していない世帯が2,400世帯になっております。父子世帯につきましては母子世帯に比べて祖父母との同居率が一般的に高いということで、半分はおじいちゃん、おばあちゃんと同居しているということです。
 それからもう1点、経済状況につきましては、父子家庭の年間収入は約455万円ということになっております。母子世帯がかなり低いと言われておりますが、母子世帯の年間収入が平均291万円ですので、それよりも高いです。しかし、一般的な世帯に比べると低い状況にあるということでございます。

○宮沢委員
 約7,000世帯ということであります。現行法の中に父子という名前がないにしても父子家庭の支援というのは当然行ってきたと思います。新たにここでこうした法改正がなされた後、今後さらなる支援の充実を考えていかれるのかと思いますが、その点についてはどうなっていくのか、おわかりでしたら答弁願いたいと思います。

○鈴木こども家庭課長
 父子家庭への支援の充実につきましては、宮沢委員御指摘のとおり、父子家庭は当初から法律で母子家庭等という等の中に含まれていました。今回父子家庭への支援が明記されたということでございます。
 支援制度そのものは母子家庭と同じような支援制度がメニューとしてそろっているということでございます。ただ、一番の問題はその支援メニューがなかなか知られていないということだと思います。
 今年度私どもでは第三次ひとり親家庭自立促進計画を策定することになっておりまして、当然この計画の対象は母子家庭、父子家庭等が含まれています。ですので、父子家庭の方々の御意見をいろいろ聞きながらメニューの充実、自立支援政策の充実ということも図っていきたいと思います。
 母子家庭等にあるような貸付金等につきましても、今後は対象になってくると思いますので、そのような支援が考えられるということで、今検討している状況でございます。

○宮沢委員
 当然そういうことで今までやられてきたということでありますが、改めてここに明記されたということで、母子家庭、父子家庭ともにきちっと支援をしていただけるような対応をお願いしておきます。

 続いて、少子化対策の推進ということで、厚生委員会資料33ページから載っていますが、このことについてお尋ねをしたいと思います。
 少子化対策というのは結婚、妊娠、出産、子育てなど総合的な対策が求められるわけであります。少子高齢化や人口減少ということで、ここの部分に注目が集まってきておりまして、本会議でもいろいろ聞かせていただきました。その中から幾つかの点についてお尋ねをいたします。
 まず最初に大変申しわけないんですが、今回のここにも書いてありますとおり子育てはとうとい仕事という理念を普及していくということでありますが、私にとっては子育てはとうとい仕事という言葉がどうもうまく理解できておりません。この子育てはとうとい仕事というこの理念というのは一体どういうことなのか、まずお尋ねをいたします。

○河森こども未来課長
 子育てはとうとい仕事という理念についてお答えいたします。
 静岡県では子育て理想郷ふじのくにづくりを基本理念に、親子の笑顔があふれ誰もが安心して希望する人数の子供を産み育てることができる環境整備を基本方針に掲げて施策を展開しているところです。
 しかし少子化が進行する中、近所に子育て中の仲間が少ないですとか、あるいは核家族で近くで子育てのアドバイスをもらえるような環境が少ないというような子育ての孤立化、あるいは仕事と子育ての両立がなかなか難しいという子育てを負担に思うような方たちも少なくないという実態がございます。
 そういう中で、子供は社会に希望と活力をもたらす地域の宝でございます。この大切な宝物を育てる子育てにつきましては、子供の両親も含め、いろいろな場面で子育てにかかわってくださる方々がたくさんおられます。子育てということを尊敬し、評価し、そして社会で応援していく、そういう体制をつくっていこうということで、子育てはとうとい仕事という言葉を理念として掲げさせていただいております。

○宮沢委員
 そういう説明は本会議の中でも出てきたんですが、単純に仕事というと労働を提供してそれに見合う対価をいただくというのが仕事になってくるかと思います。やはり子育てというのは今言ったように、そうしたことを超越したもっと大事なものだという捉え方を私はしています。そういう意味で、やっぱり子育てがとうとい仕事という言葉が私にはどうも納得がいきません。仕事とかそういう理念を超えてもっともっと大事なことだということであると私は思っているんですが、その辺について何かお考えがあったら私を説得してください。

○堀内健康福祉部理事(少子化対策担当)
 仕事という言葉がとかく誤解を招きやすいと思うんですが、仕事という言葉には、宮沢委員が先ほどおっしゃられたように対価を稼ぐための労働という意味と、もう1つ大きな目標に向かってやっていく大切な役割という意味もあろうかと思います。
 この場合の仕事というのは、子供を産み育てるというのは社会全体の活力であり、持続可能な社会をつくっていくための大きな目標、それに向けて努力をしていく大切な役割、こういう意味で仕事という言葉を用いさせていただいております。

○宮沢委員
 事業の名前というのは非常に大事だと思うんです。そういう意味でなかなか私にはうまく理解ができないんですが、また折に触れてその点についてはいろいろ議論をしていきたいと思います。

 そうした中で、子育てというのは非常に大切なことだという理念を普及をしていこうということでありますので、その点についてお聞きします。
 委員会資料の41ページにありますが、そうした大事な仕事であるということであるならば、そういう中で親御さんに対して子育てというのは大事な仕事であると言っておきながら、例えば保育の資格を取っていただくとかということで、今度はいわゆるワーク――仕事のほうにさっきの役割とか目標とかという説明を堀内少子化対策担当部理事からお聞きしましたけれども、そういう現場で仕事をする、いわゆる仕事に結びつけていくような施策を社会参加の促進ということの中で、いろいろここでうたっていることが誤解を招く1つの原因かなという気が私はしているんですが、その辺についてはいかがでしょうか。

○堀内健康福祉部理事(少子化対策担当)
 確かにそのように見られる可能性はあるかもしれません。育児というのがとかく一般的に家事労働の延長というふうに見なされることが多いかと思います。
 ただ先ほど申し上げたように、社会を維持していく上で、子育ては非常に大切な役割であるということを育児をやっているお父さん、お母さんがまず認識をしていただきたいと。それには、今やっていることが意味のあることだということを社会全体が認めてあげなければならないと。そういう意味で、どうすれば育児というものを社会的に評価できるかということで考えて今やっているのがこの事業でございます。
 まず資格のことです。毎日育児をやっていることを社会的に評価するという意味で、育児に一番近い資格が保育士だと思います。ですので日常的にやっている育児が保育士の資格に結びつくということを体験していただく。
 もう1つのほうが社会参加促進事業です。こちらは先輩のお母さんが新米のお母さんに、日ごろの育児経験から学んだことをアドバイスするといった事業でございます。それに対して、本当にありがとうということをクーポンでお返しするということです。毎日やっている自分の育児の経験が、社会的に役に立っているということをわかっていただくための事業という意味で、まず昨年度からモデル的に実施をしているということでございます。

○宮沢委員
 少子化対策として出生目標が5月25日の新聞で一斉に報道されました。静岡県もその目標値が示されたわけです。全体的に見ると全国で16の道府県は目標値を定めているということです。あとの都府県についてはむしろこうした目標値を定めることは女性に対する出産の押しつけということになって人権侵害だという考えも一方にはあるということで、16道府県にとどまっているという報道もあわせてありました。
 必要なのは目標値ではなくて、子育てしやすい環境をつくることであるということがその根底にはあるようでありますが、静岡県は目標値を定めてこれに向かって少子化対策をしていこうという考えに立っていると思います。その辺についてのお考えがありましたらお尋ねをいたしたいと思います。

○堀内健康福祉部理事(少子化対策担当)
 宮沢委員御指摘の新聞記事のもとになってるのが、内閣府の有識者会議である少子化危機突破タスクフォースの報告書であります。ここに国としての合計特殊出生率の目標を入れるか否かということで、そのとき大分大きな話題になりました。これは個人の生き方に国が直接介入することになるんじゃないか、そういう数値を挙げると目標がひとり歩きするんじゃないかというような理由で、国が数値目標を入れるのを断念したと把握しております。
 静岡県の場合、これを出生目標値と捉えられると、まさに数値がひとり歩きしてるのかなと思うのですが、もとは県が平成23年2月に定めました静岡県総合計画の基本構想にこの数値が入っております。ただ入り方としましては、富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりに3つの項目がございまして、この中にふじのくにの豊かさの実現という項目があります。そこに実現するための目標指標が載っております。例えば静岡県が住みよいところと思っている人の割合を80%にする、1人当たり県民所得を30%増にするという幾つかの指標と並びまして、この合計特殊出生率の2というのが掲載をされているということでございます。

○宮沢委員
 国でもそうした目標値のことについては、お答えをいただきましたように議論があったということです。その理由としては、地方に任せるべきだという観点から、国のほうでは目標値を定めなかったと私は理解をしていたんで発言をさせていただきました。
 その新聞報道の中身なんですが、先ほど言いましたように、静岡県の合計特殊出生率2.0、これが2017年までの目標数値ということになりますが、全国で一番高いということになっております。こういう目標が高過ぎるとか下げるとかという議論は余りしたくはないんです。高い目標を掲げて当然それに向かっていくというのはすばらしいことだと思います。ただ合計特殊出生率2.0という目標値が余りにも高過ぎるのかなというような印象を持ってこの数字を見させていただきました。
 合計特殊出生率2.0という目標値を定めた根拠とあと4年間という中で、目標達成に向けての取り組みをどのようにしていこうとお考えなのかお尋ねをさせていただきます。

○堀内健康福祉部理事(少子化対策担当)
 この基本構想に載っております指標の合計特殊出生率2についてです。
 これを定めた根拠というのを当時所管しておりました企画広報部に確認をしてみたところ、人口がこれ以上ふえもしない、減りもしない人口が静止するための合計特殊出生率――人口置換指数というそうなんです。これが人口問題研究所が出しております資料によりますと、2.07ということでございます。ですので、いきなり2.07という数値をここに指標として入れるのではなく、なるべくそれに近い、わかりやすい数値として2という指標を入れたと伺っております。
 あわせて、我々が平成21年度に少子化対策に係る県民意識調査というのを実施しました。ちょっと古いんですけれども、ここで県民の方に希望する子供の数、理想の子供の数を伺ったところ2.60人でした。それ以外に、将来持つ予定の子供の数、これを聞いたところ2.11人でした。
 しかしながら現実的には本県の合計特殊出生率は1.53でございます。ですのでそういう意味で、県民の皆さんが望んでいる子供の数である2人か3人、これをかなえる政策をやっていくという意味で合計特殊出生率2を目標の指標としていると解釈をしております。
 それから、あわせて今宮沢委員から目標達成に向けた取り組みをというお話でございました。同じ県民意識調査の中で、どうして理想よりも実際持つ子供の数が少なくなったのかと聞いたところ、子育てや教育にお金がかかり過ぎるというのが一番多く、64.7%でした。これは前回平成16年にやったときが60.6%ですから増加をしております。今年度も同じ調査をする予定なんですが、さらにふえるのでないかなと推測をしているところです。
 こうしたことで、これまでにやってきた取り組みといたしましては、まず子育て家庭の直接的な経済的支援として、子供医療費助成というのをやっております。これは中学生までの子供の通院、入院を公費負担している市町に対する助成でございます。それから子供を願う世帯への経済的支援として不妊治療費助成ということで、特定不妊治療費の一部助成、それから人工授精の治療を補助する市町への補助額の助成などを行っております。
 それ以外にも、これまでどちらかというと子育て家庭への支援が中心でございましたが、最近の晩婚化とか未婚化という話もございますので、出会いから結婚、妊娠、出産までの切れ目ない支援をしていく必要があると考えまして、国の地域少子化対策強化交付金を利用しまして、今年度は出会い、結婚、妊娠、出産にかかわる各事業を切れ目なく実施していく予定でございます。

○宮沢委員
 平成25年の静岡県の特殊合計出生率が1.53になったということは委員会資料の中にあります。0.01ポイント上昇したと書いてありますが、0.01ポイントが上昇かどうかというと、横ばいというか、4年間ということを考えるとなかなかこれを2.0に持っていくというのは非常に難しいかなと思っております。1年間で0.01で4年間だと0.04しか単純に計算すると上がらないわけであります。0.47ポイント上昇させるということは、よほどの覚悟がない限り難しい目標値であるなと思いますが、目標達成は可能だと認識をされているんでしょうか。

○堀内健康福祉部理事(少子化対策担当)
 先ほど申し上げましたとおり、この指標が総合計画の基本構想に載っていたということです。この基本構想自体は平成22年度から31年度までのおおむね10年間の計画でございましたが、その後、御存じのとおり後期アクションプランが出まして、この基本構想を前倒しして実施していくということで、平成26年度から29年度までに基本構想に載っている中身を実現していくということです。
 新聞の報道によりますと、平成29年度までを目標に合計特殊出生率2を実現したいと書かれているわけでございますけれども、宮沢委員御指摘のとおり、あと4年の間にこの0.47ポイントを上げるというのは非常に大きな課題だと認識をしております。ただ今年度出ました県内市町の合計特殊出生率を見ますと、一番高かったのが裾野市と長泉町でございました。ここは1.82です。特に裾野市は1.62から1.82まで0.2ポイント上昇させております。ですので、今分析中でございますが、こうした大きくポイントを上げている市町の情報などを細かく分析しまして、ほかの市町に情報を流すとともに、先ほどの子育てはとうとい仕事ではございませんが、企業、それから社会、あらゆる方たちが子育てを支援してこの実現がかなうように努力をしてまいりたいと考えております。

○宮沢委員
 少子化対策というのは静岡県というよりも、むしろ国の大きな課題ということになっておりまして、こうした高い目標を掲げていただいたということで、これに向かって知事が言っているように、日本のモデルになるような、そうした取り組みを積極的にしていただくようにお願いをしたいと思います。
 子育てのことはきょうは質問しませんが、子育ての施策もこれに付随していろいろやっているわけです。施策を見ていると、大人のあるいはまた親の視点に立った施策というのはいろいろあるんですが、やはり子育てということを考えると、子供にとって何がいいのか、何が必要なのかという子供の視点に立ったいろんな施策という考え方というのもそれに折り込んでいただかないと私はいけないと思っております。今後いろんなことを事業展開していく中で、そうした視点もぜひ持ってやっていただくことをお願いしておきます。

 次の質問に移ります。
 医師確保対策ということで、これは委員会資料にはありませんが、平成26年度健康福祉部の概要の中の78ページから載っているかと思います。この中でふじのくにバーチャルメディカルカレッジ運営事業費というのが、ことし新規事業として12億円予算化され、これに向かって事業展開をしていこうということです。またしつこいようで申しわけありませんが、このバーチャルとはどういうことなんでしょうか、まずお尋ねをしたい。

○酒井医療人材室長
 ふじのくにバーチャルメディカルカレッジということに関しまして、バーチャルはどのような意味かという御質問にお答えさせていただきます。
 まず、ふじのくにバーチャルメディカルカレッジ事業でございますが、これまでふじのくに地域医療支援センターを中心に一元的かつ専門的に実施してまいりました。医師確保対策をこれまでどおりセンターを中心にしてさらに充実強化して新規事業として改めて取り組んでいこうといった考えのもとに立ち上げられた事業でございます。
 そのバーチャルという言葉でございますが直訳いたしますと、御承知のとおり仮想的なという意味になります。実際に本県の医学修学研修資金につきましては昨年度までで551人の方に貸与してまいりました。このうち155人が県内の出身者でございます。また277人は県外の大学の在籍者ということになっております。
 このような状況も念頭に置きまして、医学生のうちから本県のさまざまなよさや、医療の現状等を知っていただき、本県で勤務している医療機関の医師との交流を深め、さらに医学修学研修資金貸与時における本県の思いを強め、静岡県への帰属意識、あるいは連帯意識といったところを高めていきたいと考えるところでございます。
 また、本県の医師確保対策事業として、これまで行ってきているもの、あるいは拡大していくもの、これらをいわゆるカレッジ――大学というものになぞらえまして体系化してお伝えしていくということで、奨学金の利用者であります医学生等がイメージして理解していただきやすくなるといったことも視野に入れて、こういう名前になってございます。

○宮沢委員
 これも理解の仕方による違いですけどバーチャルというと、私も大辞林であるとか辞典でいろいろ調べてみたんですけど、仮想的なとか実態を伴わないさまとか、どちらかというとこういう余りいいイメージで取れないような訳がいろいろ出てきます。果たしてこの名前で県のやってる施策の実態をあらわすことができてるのかなという多少疑問を持ちます。もう名前も決まって予算もできているんで、これで進むしかないかと思いますが、私としてはもうちょっと適当な名前があったのかなという思いがあります。
 あわせてこうした具体的な施策、事業をやるときに、ふじのくにというのを書いてありますけど、ふじのくにといっても現実的には山梨県と一緒にふじのくに何とか何とかというのもつくりましたけれども、決してもう静岡県だけを指すというふうに、全国の方から見ると思わないんじゃないかと。静岡県で医師確保をしていこうということだったら、やっぱり静岡県ということをしっかりと事業の名前に打ち出すことが現実的な実効性ある事業展開につながっていくと、私は理解をしています。そういう意味で曖昧なというか言葉遊びというのはやっぱり施策には私は似合わないと思っておりますので、その辺のことについても私の意見だけ述べさせていただいておきます。

 次に12億円、この事業費があるわけですが――先ほども多少触れていただきましたが――医学修学研修資金貸与事業費というのが81%くらいの主要事業ということになっているかと思います。今年度は120人分ということで昨年度から20人プラスして予算化をされております。この事業は平成19年から始まった事業ではないかと思いますけど、過去の実績はどのようになっているのか、まずお聞きをいたします。

○酒井医療人材室長
 宮沢委員御指摘のとおり、医学修学研修資金につきましては平成19年度から開始してまいりました。これまで551名の新規貸与者がございます。今年度は120名を予算上計上しておりますので加えれば671名の貸与が実現するという形になります。
 各年度のこれまでの貸与実績を御説明いたしますと、平成19年度は貸与者が17人、平成20年度は20名、平成21年度から貸与予定者を100名規模に上げましたものですから実質130名、平成22年度は95名、平成23年度は92名、平成24年度は100名、平成25年度は97名となっております。平成26年度は御指摘がございましたとおり、20名増加いたしまして医学部の入学定員に匹敵する120名となり、全国一番の規模になっているわけでございます。
 1次募集期間の5月23日までに90人の応募があったところでございまして、今現在2次募集を行っております。

○宮沢委員
 20名定員をふやしたということでありますので、この事業費がうまく使われるように、120名の貸与者があらわれるような取り組みをお願いしておきます。
 先ほど言いましたが平成19年からスタートをしたということでありますと、この貸与金を借りて、実際に勤務医として活躍をしているお医者様も既に生まれているかと思いますが、実際にこの事業によって静岡県の医師確保につながっているというデータがありましたらお聞きをいたします。

○酒井医療人材室長
 平成25年度までに貸与いたしました551名のうち平成26年4月1日までの間に79人が県内の公的医療機関で返還債務免除のための勤務を行いました。7月1日時点では、返還債務免除のため勤務している医師は県全体で59名おります。さらに返還債務免除のための勤務が終了しました医師は21名おりますが、このうち19名はその後も県内の医療機関に勤務していただいていると、これが実態でございます。

○宮沢委員
 実際59名の方が勤務をしていただき、義務的な勤務が終わってもその後も引き続き県内の医療機関で勤務をしていただいているということを考えると、この事業も大変意味がある事業だったのかなというように思います。定員も大幅にふやしていったので多くの方が勤務医としての資格を得ていくわけでありますので、義務的な勤務はもとよりその後も本県に定着をしていただけるようお願いをしておきます。

 この事業の目標としては医師確保をするということであります。効果も上がりつつあるということは理解をいたしますけども、やっぱり相変わらず医師の地域的な偏在とか診療科による偏在というのがまだまだ顕在化しているわけです。
 4月30日、NHKの特集番組の中で榛原総合病院の実態についての報道がありまして、その中で6割ものベッドが使われていないということを聞いて非常にショッキングな思いをいたしました。そういう意味で、この制度の仕組みをもう少しうまく使って、地域の偏在とか、あるいは診療科の偏在の解消に結びついていくようなそういう戦略的な取り組みというのもできないかなと思っているんですが、その辺についてこの制度を運用していく中でのお考えがありましたらお聞きをいたします。

○酒井医療人材室長
 宮沢委員御指摘のとおり、医師不足の問題には地域の偏在、それから診療科の偏在、この2点がやはり大きく考えられます。
 そのうちの診療科の偏在に関しまして、本県の貸与制度の特徴といたしましては、償還免除となる診療科を指定しないということとなってございます。こういったことから貸与を希望されます学生からは非常に喜ばれております。実際に診療科の一部に偏ることがなく、他県等では医師不足がある診療科ということで産科、小児科等を償還免除のための診療科ということで指定しているところもございますが、逆に指定していない本県におきましても産科、小児科、麻酔科等にも御勤務いただいてると。こういったことから診療科の偏在については、この制度の特徴をさらに生かしていきたいと思います。
 それからもう1つ、地域の偏在ということにつきまして、これは実態になるわけなんですが、実際先ほど県全体で59名が4月1日現在勤務していると御説明いたしました。この中で東部地区は4名ということで少ないということがございます。しかし、その御本人の意向のみでは2名という実態であったところ、県のほうもこれを調整いたしまして、4名にまでするということはできているといったことで、実際に勤務される先生方の配置情勢に県も関与しているといったことでございます。
 また、勤務先の決定につきましては本人のキャリア形成を支援する意味でも、病院の指導体制といったものが非常に重要になってまいります。本県におきましては、専門医研修ネットワークプログラムという複数の病院が連携する中で、専門医をしていくまで支援していくといったプログラムを御用意しているところです。こういったものの実施上の充実でありますとか、あるいは多くのプログラムリーダーが所属します浜松医科大学などと協議をいたしまして、多くの方が東部のほうへもこのプログラムを使う中で勤務していただけるように取り組んでまいりたいと考えております。

○宮沢委員
 いろんな努力の中で東部地区で2名だったのが4名になったということで、2名でもふえていただいたということはありがたいと思います。こういう偏在の解消はなかなか強制的に指定してやるということは難しいのかもしれません。しかしせっかく効果的な事業をやっているので、こういう仕組みをうまく工夫していただいて戦略的に対処できるような組み立てを私自身も考えなくてはいけないかと思っております。ぜひまたいろいろ念頭に置いて今後の事業展開に生かしていただくようにお願いをさせていただきます。

 次に最後になりますけど、がんセンター局の関係についてお尋ねをいたします。
 がんセンターというと、がんの拠点病院として県民の皆さんからも非常に期待を集めている病院でありますが、これはいつも話題になることでありますが、全床開棟を一日も早く何とか実現をしていただきたいという声があるわけであります。平成26年度についての現状と今後の見通しについてまずお尋ねをさせていただきます。

○滝マネジメントセンター長兼経営努力室長
 静岡がんセンターの全床開棟の現状と今後の見通しということでございます。
 静岡がんセンターは平成14年に開院いたしまして18年度当初までは増床も順調に進みまして、開院時の313床から18年度の557床まで増床を図ってまいりました。しかしながら平成18年度の診療報酬改定におきまして7対1の看護基準が導入されたことに伴い、全国の病院が看護師確保に一斉に向かった結果、全国で看護師獲得競争が激しくなりまして、増床に必要な看護師がなかなか思うように集まらないということで現時点で589床の運用でございます。全床開棟の615床まであと26床という現状でございます。
 今後の見通しということでございます。
 病棟を開くためにやはり重要なのは、夜勤可能な看護師を何人病棟に配置できるかというところがございます。そうしたことで6月1日現在、589床での定数537名に対しまして現員といたしましては573名と一見充足しているようには見えるわけですけども、実は静岡がんセンターは非常に若い職員が多くて育児休業ですとか、産休者が42名ほどおりまして、定数を6名ほど下回っております。さらに休業明けで復帰しましても育児への短時間勤務ということで、夜勤のできない看護師も30名程度おります。そうしたことで全床開棟に必要な夜勤可能な看護師はまだ確保できていない状況であります。加えまして看護師は病棟だけではありませんで、例えば手術室、外来や検査部門、そうしたところにも多くの看護師が必要であります。例えば今は、手術件数が伸びなければ入院患者もふえません。また手術の前後にはいろいろ検査もございますので、そういった部門にも看護師は必要になり、さらには手術の終わった後は外来通院というようなことで、いろんな部門で看護師が必要になってまいります。そうしたことで、どのような看護体制をとるのかということもございまして現時点では今後の看護師確保の状況というものを見ないとこの見通しは申し上げられないわけですけども、静岡がんセンターでは看護師確保を最重要課題として一生懸命取り組んでいるところでございますので、より多くの看護師が確保できるように今後も努めていきたいと考えております。

○宮沢委員
 615床の全床開棟に向けて引き続き努力のお願いをしたいと思っております。看護師確保も医師確保と同様に非常に大変なことであると思います。がんセンターでもいろいろ考えていただいて、さまざまな角度からこのことについては取り組んでいただいていることはいろいろな報告の中で伺っております。実効性ある対策をして離職の防止であるとか、あるいは復帰を促すとかいうことも含めて、あらゆる角度から看護師確保に取り組んでいただき、615の全床開棟を一日も早く実現するようにお願いをしておきます。

 もう1つ、がんセンター局関係ということでお聞きをします。たまたまきょうの新聞の中で県のファルマバレー新拠点、長泉高校跡地に15億5000万円の予算をかけて新たな拠点をつくろうということで、そこに医療機器関連の大手でありますテルモさんがリーディングカンパニーということで入るという報道がありました。当然ファルマバレーの推進にあたっては、がんセンターも中心的な施設として大きな役割を今まで果たしてきてくれたわけですけど、この新たな拠点とがんセンターとのかかわりというのは、どのようになっていくのか、お尋ねをいたします。

○小櫻がんセンター事務局長
 長泉高校跡地のファルマバレー新拠点の施設とがんセンターとの連携についてお答えをいたします。
 今回新拠点施設への入居候補者として決定された2社でございますけど、これまでもがんセンターとはさまざまな交流連携がございまして、多くの製品が臨床現場で使用されているという状況でございます。今回の決定によりまして、今後この新拠点が2年後に稼働される予定だということを聞いておりますけども、稼働されればまさに臨床現場と開発生産現場との距離が一段と近くなるわけでございます。ますます交流連携あるいは共同研究の機会もふえていくのではないかなと期待をしているとこでございます。
 特に医療機器の研究開発につきましては、臨床側からの積極的な関与が大変重要であります。したがって、がんセンターといたしましては、このファルマバレープロジェクトの支援機関でもありますファルマバレーセンターと今後も密接に連携を図りながら、今回の2社に限らず医療関連の地域企業も含めまして積極的に連携して、できる限りの支援をしていきたいと考えております。具体的には、まず臨床現場のニーズとか課題を積極的にまず提供してまいりたいと思ってます。
 また、臨床側からのいろんな評価とか助言、これも非常に重要でありまして具体的には臨床研究とか臨床試験という形で進めていきたいと考えております。さらに製品化後におきましては、臨床現場において効果が高いと期待される製品については、がんセンターとしても購入採用していくということなどについても今後積極的に検討していきたいと考えております。
 こういうことによりまして医療現場が求める新たな医療機器、あるいは次世代の製品の開発などの実用化にがんセンターとしても貢献できるのではないかなと考えているところでございます。

○宮沢委員
 このファルマバレーのプロジェクトは東部地区においては大変期待をされている事業でありまして、平成25年度は医薬、医療機器生産額合わせて1兆円を超えたというようなことで、まさに東部、静岡県を牽引する事業となっております。新たな新拠点もできるわけでありますので、先ほどお答えをいただいたようにがんセンターとしっかり連携をとって、さらに発展をしていくような努力をお願いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

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