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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成19年6月定例会厚生委員会 質疑・質問
質疑・質問者:千石 貞幸 議員
質疑・質問日:06/27/2007
会派名:無所属


○千石委員
 きょう、私は、この県立3病院の独法化についての123号議案に絞って質問をさせていただきます。
 まず、当県は県民満足度日本一と暮らし満足度日本一ということを標榜している県ですから、こういう制度変更と言いますか、経営形態の変更という、こういう案にしても、そういう線に沿った、その満足度を高めるための施策であるというふうに理解をしたいと思いますけれども、そういう観点からちょっと質問させていただきます。
まず最初に、この独法化について法定でいろんなことがありますけれども、運営のやり方によっては、この地方公営企業法の全部適用ということでも、相当同じようなことができるというふうに思うんですけれども、この検討の過程で全部適用との対比、これは十分徹底的におやりになったかどうかと。特に当県の場合は、がんセンターという全部適用の例がありますし、それとの関係においてどうなのかということがまず1点です。

 それから、一般地方独立行政法人化というのは今までに何県かで幾つかの病院で行われておりますけれども、例えばさっき名前を確かめたんですけれども、長崎県の江迎町で行われている北松病院ですか、あの場合はもともと独法化の前に既にあれはもう公設民営というような形態で、従業員や職員も全部公務員ではなかったと。したがって、比較的スムーズに余り職員の抵抗もなく行われたと思いますし、それから、宮城県の県立子ども病院も同じようにこれは公設民営であったと。それから、大阪府の病院は、地方公営企業法の一部適用から独立法人化が行われたわけですけれども、この場合は特定ですから非公務員化ではないという点でまたちょっと違う。したがって、今我々が検討しているこの当県の3病院のように、地方公営企業法の一部適用から、いきなりこの独法化と、しかも非公務員型というのは初めてのケースなんですけれども、この辺についてひとつどういう見解かお聞かせ願いたいと思います。

 それから、国立病院等のように先行してやっている場合がありますけれども、例えば当県の場合であれば東静病院なんかはそれに該当するわけですが、東静病院ではこの独法化の後、どういうことが起きているかといったようなことについて、十分現状を把握されているかどうかということをちょっとお伺いしたいと思います。

 それから、この6月1日付でいただいたこの説明資料、県立3病院の地方独立行政法人化というのがございますけれども、その中でこの目的とか主な効果というのがあります。目的のところに質の高い医療の提供とより効率的な病院経営と。これはきのう2人の方が質問されて、余りそれと重複するようなことはしたくないんですけれども、具体的に質の高い医療というのを確保しようと思いますと、やはりこの優秀な医療スタッフ、医師とか看護師とか、そういった優秀な医療スタッフを必要十分な数だけ確保するということが一つまず前提としてあると思いますのと、それからやはり先端医療機器ですか、といったものを相当備えている必要があると。今はそれはないんだけれども、あるいはある程度あるけれども、独法化によってそれがさらに強化されるのかと、そういう可能性があるのかということが一つと。

それから、効率的な経営というのは具体的に何を指すのかと。これは、私は例えば1人当たりのアウトプットと言いますか、アウトカムと言いますか、要するに労働生産性というのが一つにあると思いますけれども、それ以外にベッドの回転率を高めるとか、あるいは機器の稼働率を高くするとかいったようなことが含まれるんだと思いますけれども、いずれにしましても、具体的にその効率的な経営というのはどういうことを指していらっしゃるのかと。

 それから主な効果の中に、「現場に採用や予算執行の権限を委譲することで意思決定が簡素化され」という表現があるんですけれども、この現場というのは具体的にだれを指しているのか。それから意思決定というのは、だれがその意思決定の主体であるのかといったことについてお伺いをしたいと思います。

 それから、この業績評価ですね、それが反映された要するにその処遇制度というふうなのが可能になるということなんですけれども、これがインセンティブとして働く場合は、だれもが給与の引き上げと、今までの直営ではできなかったような処遇の言ってみれば改善と言いますか、給与の引き上げというふうに、もしそれがインセンティブであれば、というふうに解釈されるわけですけれども、それがつまりは人件費の高騰というふうな方向にいくわけですけれども、そういうことも一部は受けられるのかどうかといったようなことです。

 それから、定款の案についてなんですけれども、理事長は法律で4年というふうな任期を規定されていると理解しますけれども、この定款の案によりますと、理事会というのは議決機関としては位置づけられていないと。あくまでも審議だけをして、最終的な決定というのは理事長がやると、言ってみれば理事長のワンマン体制だというふうになるわけですけれども。しかし4年という理事長の任期を考えれば、ワンマン体制というのは非常に危険性があるのではないかと。よほどすぐれた、病院経営にも通じ、一般の企業経営にも通じ、医療の実態にも通じ、そういったことは本当に備わっている方が理事長になるということであればいいかもしれませんけれども、仮にその理事長が実際に仕事を始めてみたら余り適任者ではなかったといったような場合に、その人に権限が集中してしかも4年間ということになると、それは非常に問題ではないのかと。
したがって、私が言いたいことは、要するにこの理事会というものはきちんとした意思決定機関として位置づけられる必要があるのではないかと。ほかの独法の定款なんかを見ますと、大体その理事会というのはそういう意思決定機関と位置づけられておりまして、理事会における合議制でもって意思決定が行われるというふうになっているわけですけれども、なぜ当県の場合はそうでなくて、理事長のワンマン体制、要するにそこに権限が集中されるような案になっているのかとその辺についてお答えを願いたいです。
とりあえず、それだけよろしくお願いします。

○松浦病院管理室長
 独法化につきまして、8点ほどいただいたかと思います。
まず、運営のやり方で全適との対比ということでございますけれども、現在一部適用でございますけれども、全部適用にした場合には、現在、財務会計制度だけが企業会計制度ということで、組織・人事に関しては適用されていないということで、それが全部適用になった場合には組織・人事権が公営企業管理者の方に移るわけですけれども、ただその場合であっても身分は地方公務員ということで、地方自治法ですとか地方公務員法の制約を受けることになります。
 昨日来申し上げております医療の高度化、それから経営の効率化の両輪を目指すという中で、やはり自由度の高い運営体制が望まれるだろうということで、昨年、3病院の運営形態検討会というものを設置しまして、その中でもやはり病院に機動性あるいは迅速性を求める上では、そういった地方公務員法ですとか自治法の制約を外した方がいいだろうということで、一般地方独立行政法人が適当ではないかというような御意見をいただきまして、検討した結果、やはりそちらが適当であろうということで、今回そういった一般地方独立行政法人というところを選んだところでございます。

 2点目、他県の状況でございますけれども、他県の状況につきましては、委員御指摘のとおりでございまして、言ってみれば全国でも初めてとなる純粋な一部適用から一般地方非公務員型の独立行政法人ということでございます。我々としましても、この法人化というものはあくまで手段であって、これからのやり方であろうというようなことを考えております。したがって、どのような形態をとっていこうが、いろんなやり方を適切に講じて、先ほども言った自由度のきく体制をいかに構築していくかということが重要であろうかというふうに考えております。
 したがいまして、我々としては前例にとらわれることなく、果敢にこの全国でも先駆けとなるやり方に挑戦していこうというふうに判断したところでございます。

 それから、3点目の国立東静病院のことでございますけれども、個々の病院についての状況については、申しわけございません、今のところ個々について法人化に至っての評価の把握はしてございませんけれども、国立病院全体の業務全体としての評価結果につきましては、既に16年度、17年度の実績が出ておりまして、総体としては法人の努力が高く評価されているというような内容になっております。
 具体的に申しますと、例えばセカンドオピニオン対応の病院が増加している、例えば15年度7病院であったものが17年度89病院、あるいは看護師の採用、これも法人の判断でできております。国の機関が幾つか法人化する中で、大分職員の削減が図られておりますけれども、国立病院機構だけは増員になったというような昨年の新聞記事もございました。
 そのほか、高度医療機器の共同利用件数が大幅に増加しているですとか、あるいは住民とか地域の医療関係者に講座も開設されているあるいは国の建設コストを大幅に下回る整備単価――これもいわゆる昨日申し上げました営繕単価のことですけれども――それを下回る整備単価が設定されている、あるいはコンビニ決済もある等々、かなりの効果が出ているというふうに考えておりまして、県立病院も同等あるいはそれ以上の効果を目指していきたいというふうに考えております。

 それから、4点目ですけれども、法人に移って、引き続き医療機器の充実が図れるかということですけれども、やはり経営の効率化あるいはコスト縮減等々を図りながら、そうしたものは積極的に先端医療機器あるいは優秀な人材の確保に努めていきまして、繰入金ベースでは採算性をとれる程度にしておきながら、なるべくそういったものには積極的に経営資源を投入していきたいというふうに考えております。
 それから、効率的な経営とは何かということでございますけれども、これについては一言で言えば知事が常日ごろから申し上げております生産性の向上ということでございまして、それについてはただ単にコスト縮減ということではなく、医療の内容を充実する、あるいは医療の充実の中には職員のレベルアップ、あるいは機器の高度化等もございます。それから直接的な医療だけじゃなく、例えば患者様の住環境、いわゆるアメニティーと言われている部分を高めるですとか、さまざまなサービスの提供、こういったものが総体となってサービスの向上を図っていけば、結果として生産性の向上につながるものというふうに考えております。

 それから、法人としての意思決定ということで、現場はどこかということでございますけれども、これはまさしく病院の現場そのもの、さらに言えば、個々のスタッフ、一つ一つの診療科ですとか、そういったところまで言おうといえば言えるかと思います。
 これまで、いろいろな権限が、県の組織で言えば総務サイドに集中的にあったわけなんですけれども、それをまず法人の方に委譲いたしまして、それをさらに各病院に委譲すると。その際、法人、いわゆる理事長と病院長の権限の配分の問題がございますけれども、それについては今後、病院の現場の意見ですとか、あるいは先行事例も参考にしながら、配分については意思決定の主体を決定していく必要があろうかと思います。いずれにしても法人が動きやすいというメリットを最大限に生かせるような仕組みを構築していく必要があるだろうというふうに考えております。

 それから、処遇制度の関係で、人件費が高騰するということでございますけれども、これも昨日来申し上げておりますように、絶え間ない業務改善、今、全県を挙げて、もう10年来、ひとり一改革運動というものをやっておりまして、病院も大体毎年、本庁で知事から表彰を受けるような実績を上げております。こうした隅々に至る現場サイドでの取り組みに加えて、例えば、さっき言った庁舎管理の営繕単価を使わないといったものですとか、それ以外にも、例えば契約一つ一つとってみても、複数年契約できるものはやっていくですとか、複合契約――複合契約と申しますのは、例えば機器購入と、それ以後のメンテナンスを同一業者にやっていくといったような契約――こういったものを取り入れながら、コスト縮減を図っていきながら人件費の方に投入していくというふうなことを考えております。

 それから、最後の8点目の定款の意思決定の関係でございますけれども、これにつきましては法律の方で理事長の権限が定められております。それで、委員御指摘のような、悪い場合には理事長の専断というか、そういったものが出る可能性が全く否定できるわけではございません。
 そのようなことから、本県といたしましては、他県の例も参考にしながら、法律上特段の定めのない理事会というものを設定したところでございます。この理事会の設定は、最終的にその目標の達成のために開くわけなんですけれども、まず各役員の意見を幅広く聞いて、理事長の慎重な判断を促して、適正な意思決定を図っていっていただくということですとか、役員が一堂に会して重要事項の審議を行うことによって、法人運営に関する役員間相互の共通理解も図るということで、法人としての適正で円滑な運営を目的としたものでございまして、これは法律には定められておりませんけれども、あえて今回、定款の方に定めまして適切な法人運営を図っていこうというようなことを考えております。以上でございます。

○千石委員
 まず最初に確認をしたいんですが、今の病院自体は一部適用なんですけれども、全部適用になれば、法定ではないけれども、ちょうど独法のように、中期目標を県側でつくって、中期計画もつくって、年次計画もつくってといったようなことというのは、これは運営上可能ですよね。ですから、そういったことをやってみて、実はほかの県では、やはり病院でそういう例があって、全部適用でできることはほとんどやっていると。法定では定められてないけれども、そういうことをやっていて、じゃあ独法化しようかどうか検討したときに、基本的にはほとんど変わらないんじゃないかと。だから、独法化はあえてする必要はないという結論を出している県もあるやに聞いております。
 今の御説明ですと、要するに経営の自由度と言いますか、特に処遇に関する自由度というのが、つまりその地方自治法とか地方公営企業法とかに縛られないでやれるという点が一番大きいんだというふうになると思うんですね。つまり全部適用と独法との違いというものは、むしろそこにあるんだと基本的には、というふうになるんだと思うんですけれども、その場合の採用とか昇進、あるいはそういった処遇に関する一応自由度ということについて言いますと、具体的にどういうことが考えられるんだろうと。
 例えば、あるところに非常に優秀な医師がいて、条件次第では来てもらえるかもしれないと。その時に、その条件の決定に、今の場合であるととても時間がかかってしまうと。最終的には、場合によっては知事までいかなくちゃいけないかもしれないです。それがこの独法化すれば、理事長あるいは病院長の権限でそういうこともできるだろうと。仮にそうだとして、それでじゃあどういう程度の処遇でその人を雇えるんだといって、特にもう既にそこにある体系から大幅に外れてたような処遇も可能なのかどうかと。そういったことを例としたのかわかりませんけれども、とにかくどっちかにしても、大多数の人が今の一般的な処遇体系で処遇されている中で、一人だけ特別に扱われるといったようなことで病院の中の秩序が乱れるとか、そういった士気に影響するとかいったようなことはないのかどうかと、つまりそういうことというのは、実際上は確かに自由度があって採用なんかもできるとは言っても、現状に照らしてみると、そういったものの適用というのは難しいんじゃないかと、そういった面があるんではないかと思うんですけれども、その点についてはいかがでしょう。

 それと、さっき効率ということで、現場ということで、現場でもそういう問題がありましたけれども、知事のおっしゃっている生産性の向上というのが効率だというふうなお話がありましたけれども、私は実はその生産性――ちょっとまだ議員になって間もないですから未消化なんで――知事のおっしゃっているその生産性というものはそもそもどういうものなのか、よくわからないです。しかしいずれにしても、効率的な経営といわれる場合に、一般的に受けとめる我々の解釈は、これはやはり経営の合理化と、あるいは場合によっては、言い方によってはリストラというようなこと、つまり不採算部門をなるべく減らしていって、採算のとれるところに集中していくとか、かといって医療スタッフを減らすわけにいきませんから事務職を減らすというようなことでもって人件費を減らそうとか、そういうようなこととか、ついついそういうふうに考えてしまいますし、多分、職員組合が反対していると、そういう面において反対しているんだと思うんですが、その辺についてどうお考えになるかと。

 それから、この非公務員化ということで争議権が与えられるわけですね。この争議権というものが発動される危険性は全くないと思ってらっしゃるかどうかですね。つまりこの今の処遇、公務員というような安定した保証された身分から、出発点においてはほとんど変わらないような処遇かもしれませんけれども、だんだん一般の企業と同じような扱いを受けていく可能性があると。そうすると、だんだん待遇が悪化していくとか、給与の引き下げが行われるかもしれないと、そういうようなことが起こると。特に前にそういう身分であっただけに、余計にそれに対して不満を持って争議を起こすという可能性がないとは思えないんですね。そうすると、こういう医療機関でそういう争議なんかが起きた場合には、それだけ医療サービスが停滞しますし、もちろん、いろんな問題が生じるわけですけれども、そういうことに対する懸念は全く持っていらっしゃらないのかどうかといったことについてお答えください。

○松浦病院管理室長
 まず、1点目の全部適用との関係で、この中期計画、中期目標の関係でございますけれども、これは独立行政法人の経営の一番の特徴は、いわゆるPDCAサイクルが確立しているということでございまして、しかもこれが法律で定まっているということでございます。確かに全適でもPDCAをやることはもちろん可能でございますけれども、今回法律で第三者機関の評価委員会、今回の議会に上程をしておりますけれども、この知事が設置する附属機関である評価委員会、こちらがその実績を評価し必要な場合には勧告をすると、勧告も法律の根拠を持った勧告になります。こういうふうに、特に全適と比べてそのPDCAのサイクルがかなり強力であるというふうに考えております。県民の皆さんの意見が評価委員会の意見ということで反映できるのではないかというふうに考えております。
 それから、採用の自由度のところでございますけれども、確かに委員おっしゃるような給与体系を崩したようなものがどこまで可能かということについては、今後、我々としても十分研究をしていく必要があろうかと思います。
 ただ、ここで我々が求めておるのは迅速な人員配置ということで、例えばニーズに応じた診療科を設置するということもありますけれども、以前こういったような事例がございました。実は3年前に、このこども病院でMSW――医療ソーシャルワーカーが1人欠員となりまして、その欠員はもともと非常勤で1人おったわけなんです。医療ソーシャルワーカーというのは、例えば退院促進のときに地域の福祉資源ですとか医療資源とをコーディネートしたり、お金がかかる場合の助成制度などの相談にも乗るというようなことで、かなり重要な職種なんですけれども、病院現場の方からどうしても常勤で欲しいということがございました。3年前の6月に非常勤がおやめになった後、直ちに常勤を採用しようというふうに考えましたけれども、県の制度上、組織要求がその年の秋ということで、その定数が認められるのが翌年の4月、さらにそれから採用試験が行われて、その欠員になった翌々年の4月に採用、そのときには採用された方にお願いして、何とか1カ月早めに来ていただいたんですけれども、約2年近くが空白期間になってしまったと、こういった状態を回避したいというふうに考えていたところでございます。

 それから、3点目の争議権の関係でございますけれども、労働基本権を保障することによって、確かにそういった懸念もありますけれども、我々としては、やはり争議権というところに至る前の、職員あるいは職員組合との話し合いが何としても大事であろうというふうに考えております。
 現在も職員組合との話し合い、定期的には大体年に1、2回程度ということで、今回のは独法化は別にやったわけなんですけれども、それもやはり頻繁に何かあるごとに柔軟に回数を重ねていろいろ話し合いを重ねて、双方誤解のないようにしていきたいと。それでもって、争議というものには至らないような対策をお互い話し合ってやっていきたいというふうに考えております。

○安本病院局次長
 生産性の向上についての御質問をいただいてございます。
 私ども理解しておりますには、本県が取り組んでおります生産性の向上というのは、人でありますとか、あるいはその財源、時間、こうしたものを同じ量投入するんであれば、その行政サービスの質、量がより多いものを生じてくるという、そういう面でとらえております。いわゆるその生産性の同じコストに対して生産量をふやすという意味よりか、もう少し幅広く考えてございます。
 こうしたことによりまして、病院経営におきましても、合理化とか事務職の人減らしとかという発想よりも、先ほど申し上げました例えばひとり一改革運動みたいなそういった工夫を個々の職員が出すことによって、医療における量、質における向上を図っていくということで考えてございます。以上です。

○千石委員
 この理事会、理事長との関係なんですけれども、法的なそのことは別としまして、実際の運営上は、やはり理事長のワンマン体制というものに対しては、特に今まで実績のある経営の団体その独法化された後の経営についてある程度実績があってのことならいいんですけれども、全然そういうものがない段階で、最初からそういうふうに一人の人に権限が集中するということに対する懸念もあって、多分、よその県なんかの場合には全部、理事会が一応決議をして重要なことは決めていくと、理事長はあくまでそれを執行する人であるというふうに決めてるんだと思うんですね。それをあえてしなくていいというためには、もうすでにそこに理事長としてみなされている人がいて、それがもう非常にすぐれた人であるという前提がなくちゃいけないんだと思うんですけれども、なぜその理事会にそういう権限を与えないでやっていこうと、合議制でやっていくのが問題なのかというふうに、ちょっともう1回確認をさせていただきたい。
あと、先ほどちょっと複数年契約というような話が出ましたけれども、この医療、私もよくは実態知りません、薬なんかもどんどん新しいものが出てくるといったような、あるいは機器にしても新しい機器が出てくるということで、医療の現場ではとにかくその技術革新というのが非常に速いんだと思うんですけれども、特定の業者とそういうことによって複数年契約するというのは、あんまり感心したことじゃないのかと、そういうことによって、多少、例えば材料にしても機器にしてもコストは下がるかもしれませんけれども、かえって災いの方が多いんじゃないかという気もしないわけではない。まして業者との癒着ということも起こり得る可能性がありますから、そういった点はどうなのかなというふうに思いますけれども、それについてどうお考えかということ。

 それからもう1つ、争議権に関連しまして、やっぱり今おっしゃったように、確かに争議に持っていくような、争議になるような前の段階で職員組合とはよく話し合って円満解決に持っていこうと、確かにそういった努力をする必要があると思いますが、現に今、この法人化をめぐって、独法化をめぐって、まだ職員組合は納得をしていないと、とりあえず先延ばしをしてくれという要望書も出しております。つまり、それが今の状態ですよね。そういうまだ職員組合が満足してない、不満であると、納得してないという中で多少強行的な形でこれが決定されたら、やはりそういった何て言いましょうか、わだかまりとか、何かいろいろと残って、それが後の組合、職員との間のそういうトラブルのもとになりかねないと。もし本当に争議を避けようとするのであれば、この今のまずこの法人化する段階で、やはりきちんと職員組合と話し合っておいて、お互いに納得した方がいいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。

○松浦病院管理室長
 まず1点目の理事会と理事長との関係でございますけれども、地方独立行政法人法において、理事長についてはかなり強力な権限が既に法律の方で与えられております。病院経営全体をマネジメントするということで、副理事長及び理事の任命、解任、あるいは病院職員の任命、予算の作成、資産の取得、管理、契約の締結、あるいは病院事業の運営に係る諸規定の制定等々、広範な権限が既に法律の方で定められておりまして、これは先行する法人も同様なことかというふうに考えております。あとは個々の運用の仕方であろうというふうに考えております
 そういったところで、本県としてもまず理事会を設けてということでございまして、後は理事長と理事会の方に何を審議案件としてかけるのか、あるいは理事長と病院長との権限の役割をどういうふうに配分していくのか等々、それについては今後、内規で定めていくことになろうかと思います。

 それから、複数年契約につきまして、確かに複数年契約、効率化が図れるという一方で、癒着ということももちろんあるわけで、こういったものは常にリスクというものはあろうかと思います。これにつきましてはやはり適正にそういったことのないよう、例えば内部監査体制を強化するということが一つあろうかと思います。法人の場合には幸いにしてその監査体制がかなり強化されておりまして、法人の役員となる監事も知事が任命する、それから外部監査もそれとは別に制度がございまして、これも知事の方が任命するということになっております。例えば民間企業の場合では、監査を受ける会社が契約するというようなことになろうかと思いますけれども、法人についてはこのように設置者である知事がそれぞれ任命するというようなことで、いわゆる第三者の外部監査体制がしっかりしているというふうに考えております。

 それから、職員組合との関係でございますけれども、確かに現在のところ法人化については反対ということが向こうの方でも主張がございますけれども、これにつきましても、8カ月にわたる話し合いを積み重ねる中で、最終的に5月31日に厚生部長が組合の委員長とも――2人ではなく我々も入ったわけなんですけれども――話し合いの場を持ちまして、8項目について今後十分に県民あるいは組合とも話をしていく、あるいはさまざまな疑問点の解消についても努めていく、それから十分な話し合いの期間も設けるということで、委員長との話し合いの中で、最終的に6月1日付の組合の県職ニュースというものがございますけれども、独法化の反対意見については平行線で終わったけれども、独法化の是非については6月議会で議会に判断していただくということで、やはり双方主張して議論を尽くして、議案についての上程には組合としても御理解いただいたと、あとはこちらの議会の方で適切なる御判断をお願いしたいと思います。以上でございます。

○千石委員
 議会との関係についてなんですけれども、要するに独法化されれば、議会は予算の承認とか決算の審査とか、そういったことに関しては関係がなくなると、中期計画、中期目標は議決を必要としますから議会もかかわりますけれども、中期計画については報告だけであるということだと思いますけれども、予算、決算に関しては一応は法律上は議会はかかわりがないというふうなことがあると思うんで、それはちょっと確認させてください。

 それともう1つは、経営形態が変わることによって、とりあえず最終的にはどうかは別としまして、出発点においてはこの理事と幹事ですね、これ、どういう報酬が決まるのかわかりませんけれども、少なくともその方については今までなかった分の新たな費用が発生するということは、そのとおりかどうか、確認お願いします。

○安本病院局次長
 予算、決算についての確認でございますが、地方独立行政法人の予算、決算につきましては、議会の審議は負いません。しかしながら、県の一般会計からこの法人への繰入金――今の言う繰入金、今度からは法人化しますと負担金になりますけれども――これにつきましては予算、決算という形で審査されます。例えば将来、施設を整備するといった場合には、県が借入金を起こして、県が法人に対して貸し付けるようになります。これにつきましても予算、決算がかかわってきます。毎年度につきましては予算、決算について寄与されるものは、現在の繰入金、これからの負担金になります。

それから、維持管理につきまして、新たな費用が生まれる、これはそのとおりでございます。

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