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委員会会議録

質問文書

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平成26年6月定例会文化観光委員会 質疑・質問
質疑・質問者:大石 哲司(牧之原市・榛原郡南部) 議員
質疑・質問日:07/03/2014
会派名:自民改革会議


○大石委員
 皆さん、おはようございます。私もさわやかにいきますので、よろしくお願いします。
 空港問題について一問一答方式でお願いいたします。
 まず、このたび空港に関する組織を再び一本化することになりまして、利活用といういろんな要素から、文化・観光部が所管するということです。私も長くかかわってきたことですから、まさか空港管轄の部局が文化・観光部になるとは思わないでもありませんけれど、組織の一本化で決意新たな面がおありになろうと思います。そういうことで、新たに就任されました伊藤文化・観光部長は、まだ富士山静岡空港ができるかできないかわからない、地権者交渉がやっとおさまって、住民投票云々の問題をクリアしたあとの具体的な隣接事業とか地権者との用地交渉等があった当時の地元の榛原町助役として、3年ぐらい本当にじかに御苦労された方です。
 そうした10年前のことを踏まえましてね、開港5年になりましたけど、どのような決意を持ってこれから対処されていくか。他の委員の方々からの御意見にもお答えされていましたけれど、簡潔で結構ですので、まず決意をいただきたい。

 それから私は去年から引き続いてこの委員会に所属していますが、服部理事におかれましては、本当に自治体に対する分析、未来への洞察力とか決断力とか、類いまれなる方だなと。それから27年もたっているわけですが、それらが全部頭の中に入った上で御対応されているということで、私は本当に敬意を表する次第ですけれど、ただこれからの課題というのは、本当にもう言い尽くされておりますけど山積しておりますので、そのことについても改めてお言葉をいただきたいと思います。

○伊藤文化・観光部長
 3番委員から、空港を所管する部長に就任しての決意ということでお伺いしました。委員からも御紹介がありましたように、空港開港前の平成15年から17年の途中までまさに地元の旧榛原町で仕事をさせていただきました。富士山静岡空港につきましては、昭和60年代ぐらいから話が進む中で、開港までいろいろと難しい局面を迎えておりました。
 空港開港を間近に控え、500ヘクタールの土地を地域の方から御提供いただき、それを大きく改変するということで、例えば農地を新たにつくって移転していただくとか、土地問題等で地域が割れるとか、この地域に暮らす方々の生活環境が一変するような御苦労、御心配をおかけした上で開港し、地域の方々のいろいろな思いの中で今の空港があるかと思います。そうした中で、3番委員を初め空港開港に向けて、建設に向けて熱い思いを持って奔走してくださった、調整してくださった方、また開港後も空港発展のために熱い思いを持って取り組んでくださっている方などいろいろな思いを感じております。
 そうした中で今般、私どものほうにハード部門とソフト部門の空港組織を一体化して、そういう思いで建設された空港を地域のために、また県民のために発展させていかなければならないという思いでございます。いろいろな思いの中で今の空港があるということを忘れてはいけませんし、3番委員からも御紹介がございました、例えばいろいろ環境が変わる中で生活環境を守る、また空港地域の振興を図っていくという目的で創設した隣接地域の振興制度などがございます。そういったことを忘れないで、なおかつ空港を県民の貴重な社会資本、財産として発展させていくという思いで文化・観光部一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。
 また、今後とも委員の方々を初め県議会の皆様にまでいろいろ御指導、御支援をいただく場面が非常に出てくるかと思いますけれども、頑張ってまいりますので、よろしくお願いしたいと思います。

○服部県理事(空港担当)
 今3番委員から、過分なお言葉を頂戴いたしました。私自身、決してそんなに優秀な人間ではございませんけれども、ただ、これまで国土交通省でいろいろ経験させていただいた知見を何とかうまく生かして、この富士山静岡空港の発展のために少しでも寄与できればという思いでやってきております。
 富士山静岡空港はポテンシャルがまだまだ大きい空港なので、もっともっと利用者数、それから路線のネットワークというものは、伸びていくべき空港だと私は本心から思っております。まずはその空港利用者数70万人、それから取扱貨物量も1,200トンという非常にハードルは高いのですけれども、より現実的な数字に今回の目標を見直しましたので、そこに何とか手を伸ばして届くようにしていきたいという決意でございます。
 そのためには利用促進策を、利用者目線で毎年少しずつより実態に即した形で見直していくのと、あわせてこの空港の利便性の向上、それから就航したいという意欲を持ってくれる航空会社にとっても、就航しやすい環境を整えるということが大事だと思っております。そのために私自身は三本の矢と自分で言っているのですけれども、空港の旅客ターミナルビルの増改築、空港の運用時間の延長、それから空港の2次交通の改善ということについて、力を入れてやっていかなければならないと思っております。いろいろとやるべきことは山積みではございますけれども、何とか目標達成に向けて頑張りたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○大石委員
 どうもありがとうございました。
 2人のお話がありましたが、この空港が昭和60年ごろ県の総合計画の中で一番の重要項目として浮上してきて、それから14カ所の候補地からずっと絞られて3カ所になって、最終的に昭和62年12月に今のところに決定したと。
 あのときは今の袋井市の浅羽海岸もすごく有力な候補地で大変な綱引きがあったわけです。その経過は省略しますけど、まだ若輩の地方の一首長だった私が県議会の歴代の議長、副議長とか当時の与党の自民党、それからほかの会派の議員へ陳情に行くと、どちらを応援するかで物すごいけんまくで、灰皿が飛ぶような風景もあったり、私どもがどやしつけられたり、それから東部、西部、伊豆半島の先までお願いに回った経過があります。物すごい修羅場がございまして、この中では天野委員がおわかりだと思うのですけれど、そういうことを考えると、今、自分がこの部屋で仕事をさせていただいて感慨無量のところもございます。
 それから決定してからあとの過程は本当に大変でした。開港直前に立ち木問題というのがありまして、あれは県の航空測量で鉛筆1本のずれがあったために、あの立ち木だけ残ってしまったわけですよね。強制収用の対応から。だからそれを盾にとられて反対地権者が絶対に売らないと。あれが制限表面にかかるからもう飛行機は飛べないという状況で、石川知事が辞職という自分の名誉をかけて、了解をとったという経過があって開港になったわけです。
 また余り一般的に言われていませんが、川勝知事が就任された直後にもう1つ立ち木問題があったですよね。これは御案内のとおり管制塔が完成して、東南の滑走路の先端が管制塔から見えない。管制塔といいながら立ち木があって見えない。その見えない立ち木は県が買収した木もあったけど、民有地もあったわけですよね。それを切ってもらわない限り、あの6日の日に開港できなかったわけですよ。それが知事に就任されてからすぐの問題で、県有林はもちろん誰が切ったか知りませんけれど民有地も切ってしまったのですね。だからそういう訳のわからないことがあって、それでうやむやになってしまって開港できたというのは、調べていただければ事実ですよ。だからそういう立木問題という大変な問題を克服してやっと開港した空港なのですよね。
 ここにも空港担当の職員の方、まだ県庁職員になって間もない理事の方もいらっしゃると思うのですが、あのときのことを思うと本当に今5年もたっている。今度は前向きな仕事ができるというのは、隔世の感がするのではないかなと私は思っています。それからあと例の搭乗率保証の問題が出てきたり、日本航空の撤退等があったり。知事も今は前向きに取り組んでいただいていますので、我々も新幹線新駅の問題というものは全面的に応援して、できれば早期に開設してもらいたいと思っております。
 しかし振り返って考えれば、あのときそういうもろもろの出来事を踏まえて、納得いかないと言って当時の空港部を解散したわけです、年度途中に。だから年度の初めに辞令をもらって、覚悟を決めてこの仕事にかかった人たちが2つに分かれてしまって、その意欲をそがれたことは事実なのですよね。だから組織改編というものを年度の途中で、こんな荒っぽいことをやるものではない。上杉鷹山だってこういうことをやらないですよ。だからそういう点で私は非常に怒って、私どもの会派も激動の時期を迎えたのは御承知のとおりですが、県庁の庁舎内だけではなく、周辺の人たちとか、あるいは議会まで含めて大きな影響を与えた部の二分化であって、1つは交通基盤部、1つは文化・観光部で、片方はハード面、片方は利活用であるといったのですが、関連あるに決まっているではないですか。こういう世紀の、百年に一遍の大事業ですからね。だからそういうことを考えると、やっと関連性に気づいて、また1つの部に集約されたということは、私は本当にいいことだなと。だから過去のことを余り言うのではなくて、前向きにとっていく意味でいいなと思っていますので、ぜひそういう過去を知る伊藤部長、それから服部理事のように日本各地や世界を知っているリーダーが本当に力を合わせて頑張れば、1足す1は10にも20にもなって、ここにいる皆さんが本当に頑張ったら、すばらしいものになっていくと思います。私どもも足を引っぱったり重箱の隅をつつくようなことは余り言いませんので、ぜひ頑張っていただきたい。これは意見でございます。

 次に、私は一般質問や代表質問で何度もやってきたことなのですが、それからほかの委員の方からもいろいろ御質問も出ていますが、空港の運用時間の延長です。
 騒音コンターがどうだとか、反対の皆さんから子育てしているお母さんのお乳が出なくなるとか、家畜がどうなるとかというような極端な反対論は、時間延長をだめにするための反対というのは、私らわかっていましたけど、やっぱり聞く耳を持ってやったのが、騒音コンターであり騒音協定です。それで二重サッシをやった地域が今は余りやかましくなくて、そうではない地域で航路の関係で非常に騒音があるという事態もありますけれど、その騒音といえども法律で規定されている、生活ができないほどの騒音地域ではありません。騒音基準に達していないからプラスアルファのことはないにしても、騒音区域に対してはいろんな公共施設とか環境整備に配慮してくれたというのは、ありがたかったなと思っています。
 そういうことの中で、いわゆる運用時間が今までの時間設定より長く、15時間になるのですね。この話し合いを今、地元とやっていただいていると思うのですが、地元の皆さんも空港と切っても切れない地域だから、空港が高度利用されて地域にも反映していくことが、苦難を乗り越えて了解してきた1つの大きな意味だから、ぜひ聞いてあげてほしいということは常々言っています。また地元の皆さんも反対とか極端なことは言っていませんので、その辺は今どのあたりまでお話が進められてきているか。できれば早くやってもらいたいなというのが私の考えですので、そのことについてお聞きしたいと思います。

○服部県理事(空港担当)
 空港の運用時間の延長につきましての御質問がございました。
 運用時間の延長につきましては、まずは地元2市1町、さらにはその中に10個の空港対策協議会がございまして、そこへの説明は既に終わりまして、今、各対象地域の住民への直接の説明会というものを順次行っているところでございます。
 空港の運用時間について、13時間から15時間に延長するということの説明もさることながら、そもそも昨年度実施してまいりました騒音評価の仕方をW値という値から新たにLdenというやり方に変わっているわけですけれども、その辺のことを踏まえて、騒音の調査をもう一度各地でやっております。その調査の結果説明とか、そういったこともひっくるめて御説明をして回っているところでございます。
 13時間から15時間に運用時間が延長になることについて、地元の住民の方々も含めてですね、今のところ15時間に延長になるということであれば、22時という終わりの時間になるのですけれども、それよりもさらに航空機が遅延をした場合に、場合によっては23時というような時間に飛んでくるのではないかという御懸念とか、それから騒音でうるさくなるということについて、地元に対して何らかの対策というものはないのかというような御意見をいただいているところでございます。まずは地元の方々の御意見を真摯に受けとめて、我々としては、今後どのように対策を講じていくのかということを一通り住民説明が終わったあとに取りまとめて、再度地元に御説明に回りたいと考えております。

○大石委員
 ありがとうございます。
 この問題については早急に解決してもらいたいと思いますし、地元の区長とか空港対策協議会の会長に私はしょっちゅうお会いするのですが、基本的には理解しています。ただ、今おっしゃったような時間外の問題とか、集団的自衛権の問題ではないのですけれど、いろいろ想定していくといろいろなケースがある。それを一々言っていたら、とてもじゃないけど際限がありませんから、さっき私が言ったようなことで進めていただくように、できれば協力していきたいと。近々そういう会合もあるようですので、出席してお願いをしたいと思っていますので、よろしくお願いします。

 次に私が今年の2月議会の本会議で質問しましたが、空港隣接地域振興事業費補助金制度です。 これは開港翌年度から5年間の期限つき補助金で、100億円の基金を設定して、お金が金庫の中に置いてあるかどうかは別として、いわゆる需要と条件さえ合えばすぐ出せるお金として御準備いただいております。それで空港の完成前からずっと十五、六年たつのかな、いろいろ事業をやってまいりましたけど、今年度末の執行見込額が66.5億円で33.5億円が執行残になるということを報告いただいております。
 ことし期限切れになるものですが、ここでぱっと切るものではなく、あの空港を認めるかどうかというときに榛南地域というのはいろんなインフラ整備のおくれている代表的な地域だったことは事実で、あまりにもあの地域がおくれた地域だったものですから、いろんな事業をお願いする中で、臨機応変に使える基金をお願いして、当時の2市2町に分けたと思います。
 騒音直下の吉田町は行政需要がたくさんありますし、自主財源として3分の2を出すわけですので、3分の2を負担できる町としてどんどん仕事をされて、満額執行済みになってしまいました。そういう中で牧之原市が今、財政的に厳しいし、農村地域なものですから非常に進捗が遅くて残っているというのが事実です。3分の1の補助金ということは、33億円やるためには100億円の仕事を新たに創出していかなければいけない。あるいは、あらかじめメニューはあるわけですけど、それをみすみすゼロにしてしまうか、またはやるとしてもそれだけのキャパを広げてやらないとできないということになります。ことしで切れますが、このお金を使ってしまうまで延ばしてくれということをお願いしたわけです。際限ない決め方はないと思いますけれど、最低10年ぐらいはやっていただいて、せっかく準備したお金ですから、本当に使えるやり方でやらないと。2分の1とか3分の2補助をしていただいて、地域の人が本当にやりたい仕事というものについて、集中的にやっていただいて、地元と話し合いをして早く終わってもらいたいというのが偽らざるところです。
 今までやってきた3分の1の一般市町の単独事業、それから期限がもう切れて、これからあと延伸するという内々の御意向は伺っていますが、期間について、文化・観光部としてはどういうお考えを持っているかということをお聞きしたい。
 さらに知事は新幹線新駅をつくりたいということで、私ども会派の役員が行ったときにも相当具体的なお話をされて、この前の塚本議員の一般質問でも東京オリンピック・パラリンピックまで6年しかないと言ったら、いや6年もあればできるという言い方もされていますが、ただミカン箱を並べたようなものをぽんとつくるわけにはいかない。あの地域をどうするかという問題が出てくると思いますので、その辺と絡めて、この空港隣接地域振興事業費補助金についてのお考えをお聞きしたいと思います。

○伊藤文化・観光部長
 今、空港隣接地域の振興事業費補助金について御質問をいただきました。
 先ほど申しましたように、空港周辺地域の方々には、空港建設時や空港開港後も含めて、生活環境が変わり、御心配をかけることとなりました。そういう中で平成7年に100億円というお金を積みまして、空港周辺地域で生活される方々の生活の安定と地域の発展を図っていくという目的でこの制度がスタートしたものでございます。
 先ほど、その補助制度を執行されない地元の市の状況を3番委員から御紹介いただきました。バブル崩壊後の地方財政が非常に厳しい状況で、地域で抱えているいろいろな課題を何とかしたいが、補助金を幾らいただいても、元のお金は用意しないといけない。制度を設けていただいたけれども、なかなか事業が執行できないという状況に私も当時地元の町の職員でしたので、非常に苦慮したことは今でも覚えております。
 そうした中で、先ほどもお話がございましたように、15年ほどたっており、制度そのものは当初予定の終了時期を迎えている中で、まだその3分の1の33億円余が未執行という状況になっております。そもそもこの地域を何とかしよう、生活が改変する中で生活の安定を図ろうという趣旨で設置された事業ですので、執行されてそういう効果を発揮することが大切だと考えております。当初の発足の思いは、きちんと継承していかないといけないのかなと思います。
 そしてもう1つ御紹介がありましたように、空港周辺は新たな展開として新幹線新駅の話もございます。このように空港を核として、この地域や本県全体が発展していく起爆剤となるような動きも生まれてきております。そういったものに、きちんと手をつけていかないといけないという状況にもあります。そうしたことも含めて、この隣接地域振興事業制度は今年度末で終了という状況にあるのですが、今言った新たな展開も含めて、やはり思いを継承しつつ、新たな制度としてつなげていくことが必要かと考えております。
 また、事業執行がなかなかできなかった状況をきちんと改善していかなければならないと思います。3番委員からも補助率の問題とか期限の問題とか、いろいろ具体的な提案をいただきました。地域の方々からもいろいろ御意見をいただきながらこの制度を使って地域をよくしていく、または空港を発展させていくために、よりよい制度にして継承していかなければならないと考えております。
 3番委員の思いは非常に重く受けとめ、今後検討していきたいと考えておりますので、よろしくまた御指導をお願いいたします。

○大石委員
 私は地元の議員として、かかわった者として県にたかってやってくれという気持ちは毛頭ありません。ただ、あの長い間のやりとりの中で約束したことが履行されてきていないことについては、もう早く過去のものは決済して、本当に空港をつくってよかった、賛成してよかったといって、ちょっと目標は下げましたけど利用者数70万人を含めて、いろんな人のにぎわいのある地域に、新幹線新駅を含めてやっていくということに、地元を挙げてこぞって前向きになっていくべきだと私は思っています。というのは――自分のことを言ってあれでしたが――やっぱり我々もかかわってきて、1つの時代が今度は次の世代に移っていくという段階で、そういうけじめだけはしっかりしたいという気持ちです。
 それで、ちょっとまだ決まったわけではありませんのでここでは申し上げませんけれど、延長年限とか補助率について、内々にいただいている案では私は納得しませんから、いいですか。というのは今の地方には3分の2も負担するようなパワーはありません。さっき言ったように残ったお金はそのために準備しているわけだから、使いやすいようにしてやれば少しはお金を出し合っていく、協力しようという機運が必ず出てきます。それをやるのが政治家の役目ですから、しっかりやりますからね。そこを受けていただいて、補助率も延長年限の問題も鉛筆なめていたら終わってしまったという時間ではできませんから、最低限で必要なところを皆さんで考えていただいて、また財政当局とも話して、早く来年度からの体制をつくってもらいたいということをお願いいたします。

 そのことは終わりまして、あと富士山静岡空港の経済波及効果について、こういう立派なものが出て、県民や地域の皆さんに決して無駄な公共事業ではなかったという説明が必要だという話がありましたが、それはわかりますが、あらゆる公共事業は実はそうなのですよね。新幹線の駅にしても新富士駅や掛川駅ができて経済効果は物すごいものがあると思うのだけど、一方で反対する人からすれば、そのためにかかわった静岡県職員の20何年分の給与総額は幾らぐらいになるとか、反対しようとすれば幾らも出てくるわけです。空港で働いている人の給与による効果も、それは経費だと見る人もいるわけです。
 そういうことを考えると富士山静岡空港は800億円も周辺に経済的効果があると大々的にキャンペーンするだけではなく、実際に搭乗するお客さんが払ってくれるお金とか、バランスシートを考えれば、なかなか厳しいことも事実ですから、そういうことを踏まえて、しかしこうなのだよという丁寧な説明をしてもらいたい。経営に対して厳しい御意見があることも事実だけど、やっぱり次の世代の必要不可欠な公共基盤として、我々はこれを敢然と維持していきたいという誇りを感じさせるような書面もつくってもらいたい。あらゆる面でプラスではないかというのだけだと、ちょっと突っかかる面もありますので。このあたりは意見です。

 最後に1つだけ。最近インドネシアのLCCでしたか、楽天とタイアップして再び日本国内の航空事業に参入するというのが発表されました。機材の大きさとかを考えると、就航させたけれどもがらがらではしょうがないわけですので、なかなかこの問題は難しい話です。
 フジドリームエアラインズが富士山静岡空港を拠点にスタートしましたけど、経済的理由もあって名古屋小牧空港にシフトして、あちらが経済的な活動のメーンになっている。富士山静岡空港はもちろん誕生地ですので大事にしてはくれています。
 こういうことを考えると石川県の小松空港便はすぐに廃止になってしまったけれど、もうちょっと北の新潟市、山形市、秋田市あたりというのは魅力的かなと思ったり、仙台市とか被災地の石巻市とか函館市とか、それから四国の高知市とか、まだもう少し知恵を絞ってもいい。それから成田空港へ飛んでいくとどうかなと思うのですけれど、その点について服部理事、どうですかね。

○服部県理事(空港担当)
 富士山静岡空港の国内路線の将来の可能性についての御質問と受けとめました。
 まず楽天とタイアップして日本国内の路線に就航しようとしているのは、エアアジアという会社でございまして、本社はマレーシアでございます。一度全日空と組んで参入したのですけれども、一旦撤退しておりました。今度は中部国際空港を拠点に、楽天とタイアップして参入ということなので、国内線で中部国際空港と静岡空港の路線間の就航というのはちょっと余りにも距離が短過ぎます。新幹線のほうが圧倒的に有利だろうと思うので、この会社がすぐに富士山静岡空港に就航するということは想定しないと思います。
 一方、今御指摘いただいた新潟市ですとか秋田市ですとか、あるいは山形市、高知市といったようなところとの間の路線就航の可能性というのは、やはり航空路線としては陸上の例えば鉄道の高速輸送体系との競争等もございます。陸上ルートで、大体、新幹線とかも使って4時間ぐらいかかるところと航空機で結ぶということになれば、航空機の優位性が出てくるかと思います。
 そういったところを探さなければならないということと、あともう1つ、やはり富士山静岡空港と就航先の候補となっている幾つかの路線間の需要がある程度ないと航空路線としてはなかなか成り立たないということもあろうかと思います。小松空港も含めて我々としては今後も国内路線の可能性が、まだまだあるかと思っております。必ずしも北海道、九州、沖縄県だけでなく、本州のどこか、あるいは四国というのもあるかと思いますけれども、需要の面と陸上との競争の関係でどういったところがあり得るのか、これからも研究を続けてまいりたいと思っております。
 そしてその結果、少しでも可能性があるのであれば、航空会社とよく協議させていただいて、必要に応じて支援をしながら航空路線の誘致に全力を挙げていきたいと思っております。
 一方で成田空港という可能性については、もう1つ違う要素がございまして、成田空港を経由して国際線という需要が出てまいります。これについては、我々もかねてから成田空港の可能性はかなりあると思っております。特に成田空港の路線の北米ですとか、ヨーロッパといった長距離路線については、大きな需要がありながら静岡県から成田空港まで行こうと思ったら、東京駅まで新幹線で行く。さらにそこから成田エクスプレスということで、かなり時間がかかります。また時間帯によっては前泊あるいは到着したあとの後泊というのが必要になってくるようなところもございますので、直接飛行機で結ぶという可能性は大いにあろうかと思っております。ただ、今就航している航空会社の中では、機材繰りの関係ですとか、いろいろあって成田空港の就航というものは、今のところまだ実現しておりませんが、我々としては、引き続き可能性を追求していく有力な国内の就航先候補だと思っておりますので、引き続き取り組んでいきたいと思っています。

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