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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成29年6月定例会厚生委員会 質疑・質問
質疑・質問者:平賀 高成 議員
質疑・質問日:07/25/2017
会派名:日本共産党静岡県議会議員団


○平賀委員
 日本共産党の平賀です。一問一答方式でお願いします。
 最初に、今は皆さんも御承知のように年金や介護や医療など社会保障関係のサービスは軒並み後退しながら保険料が上がる状況に置かれております。
 そのような状況の中で先日の知事選挙の中では川勝知事が今後第一に優先すべきは命を守る安全な地域づくり、2つ目には福祉の充実、3番目には暮らしを豊かにと表明されました。
 そこで、私はきょうは3つの問題をお聞きしたいと思います。
 まず1つ目は、子供の医療費の現物給付問題です。
 委員会資料をいただきましたらこれは福祉医療費助成の概要ということで、こども医療費助成は現物給付になっておりまして1回500円、月4回までと入院は1日500円ですね。母子家庭の医療費については自己負担はなしですが、窓口での自動償還払いです。それから障害者の方は1カ月1医療機関当たり500円の自己負担があって、窓口で自動償還払いと。ですから障害者の方も3,000円かかったら2,500円の自動償還払い。つまり後で戻ってくる制度になっているわけです。それで私が思うのはとにかくお金の心配をしないで何かおかしいなと思ったら病院に行くことができる制度にしていただきたいんです。母子家庭や障害者の方で言えば窓口でお金を負担して、後で返ってくるとは言いながらも金銭の負担があるわけです。財政的にもなかなか大変な状況にある方たちが多いわけですから、そういう制度にぜひしていただきたいと思います。この点で一般質問で聞いたときにはなかなかそうはならないということでしたが、何か特別な理由があるんでしょうか。伺います。

○土屋障害福祉課長
 重度障害児(者)の医療費助成についてお答えします。
 現物給付を採用した場合には、国民健康保険の保険者である市町に支払われる国庫負担金が減額されまして、市町の財政に影響を及ぼすことから平成24年度以降、県独自で国に対して国庫負担金の減額措置については廃止するよう要望しております。
 国民健康保険の国庫負担金の減額は本県だけではなくて全国的にも課題となっておりますことから、毎年全国知事会や全国民生主管部局長会議などからも減額措置について廃止するよう国に求めているところです。本年度につきましては、本県からの発案により中部圏知事会におきましても減額措置の廃止を要望することになっております。ですので減額措置がなくなるよう廃止に向けて粘り強く国に対しては求めていきたいと考えております。

○佐藤こども家庭課長
 母子家庭等医療費助成についてお答えします。
 先ほど土屋障害福祉課長から答弁しましたとおり、国民健康保険事業に交付される国庫負担金の減額措置につきましては、全国知事会等を通じまして国に対して積極的に強く要望していくところです。

○平賀委員
 全国知事会などを通して国に対してペナルティーをかけるなと要請していると伺いまして、そういうやり方自身が今の住民福祉や地方自治の精神から言いましても国のやり方は本当に不当だと思うんですよ。
 そういう国の不当性を認識しておられるわけですから、困難な中でなかなか思うように病院にかかれない人たちのために窓口負担は自動償還払いじゃなくて現物給付にしていただけるようぜひ県の支援でやっていただきたいと思いますが、どうでしょうか。

○土屋障害福祉課長
 6番委員がおっしゃいますように障害のある方の命と健康を支える重要な施策であります。6番委員も国の不当性をおっしゃっておりましたが、これは各都道府県の独自の施策としておりまして、基準などがまちまちになっています。受けられるサービスや経済的な負担の軽減の仕組みが違ったりすることもございます。よって県が国に対して要望している中には、負担金の減額措置の廃止だけではなくて、全国一律でどこでも同じサービスを受けられるように新しい医療費制度の創設についても要望としているところです。
 引き続き、要望を続けながら障害のある方々の生活を支えられる制度にしていければと考えておりますのでよろしくお願いします。

○平賀委員
 御答弁ありがとうございました。
 委員会資料51ページの障害者差別解消条例の施行の中に障害者権利条約及び障害者差別解消法の趣旨を具現化し、不当な差別的取り扱いの禁止、合理的な配慮の提供を徹底するために4月1日から障害者差別解消条例を施行したと書いてあります。
 この法律や条例の精神からいっても障害のある人に一旦窓口でお金を負担させて後で戻ってくるからいいじゃないかということかと思います。これは本当にお金がなければ金策に走らなければなりませんし、そういう心配をしないで体調が悪かったら病院に行けるように例えば立てかえたとしても県がその一時立てかえをやるような考えはないんでしょうか。立てかえたとしても県の財政に戻ってくるわけでしょ。だから財政の持ち出しとかそういうことじゃなくて、困っている人たちに県がかわりに立てかえましょうと。後で申請すれば県に戻ってくるわけです。だから、そのように考えていただけないでしょうか。これは山口健康福祉部長に伺います。

○山口健康福祉部長
 県が一時的に立てかえるのも今回の現物給付と同じペナルティーが生ずると私は認識しております。ですので一時的に立てかえる行為は非常に難しいと思います。
 そうしたことから、現状の制度をしっかりやっていきまして対応していきたいと考えております。

○平賀委員
 多分そう言われるんじゃないのかなとは思いました。
 ただ、山口健康福祉部長は健康福祉部のインターネットのページに書いてありますけれど、健康福祉部では、安心の健康福祉の実現のため、命輝き笑顔あふれる社会を理念として、と言われていました。最後の部分で県民幸福度の最大化を目指し、誰もが健康に生き生きと暮らせる、産んでよし、育ててよしのふじのくにづくりを県民の皆様方とともに、健康福祉部一丸となって進めてまいります、と言われているわけです。ですから少なくともそういう大変な状況に置かれている障害者や母子家庭の皆さんに対して一時立てかえ払いをして、仮にペナルティーがあってもそれは不当だということで国に対して厳しく指摘してはね返していく立場に立つべきだと思います。
 例えば、地元で県政報告会をやったときに、障害者を育てるお母さんが手を挙げて同じ質問をしたときに、ペナルティーがあるから困るのでできませんと答えたら次回の当選はないわけです。やっぱりこういう問題に対して人間性が問われると思うんですよね。そういうものに本当に心を寄せて何とか解決しようと思って頑張るのか、それとも制度だからしょうがないとなるのか、そこのところをよく受けとめていただきたいと思うんです。改めて山口健康福祉部長に伺いますが、そういった立場でぜひ頑張っていくという決意表明を私はやっていただきたいと思うんですが、どうでしょうか。

○山口健康福祉部長
 障害者のための施策につきましては、先ほど6番委員からも指摘がありましたように障害者の方々が安心して暮らせるようにさまざまな施策に積極的に取り組んでおります。
 今回の差別解消条例におきまして合理的配慮の徹底ということでまだ知られていない合理的配慮も県民が一丸となってやっていこうとやっております。今回の医療費の現物給付につきましても、国に対しまして積極的に要望してしっかり取り組んでいますので決して表面だけでやっていることではございませんので御了承いただきたいと思います。

○平賀委員
 簡単に了承できませんが、実現のためにしっかり頑張っていただきたいと要望しておきます。

 それから、2つ目に国の制度である社会保障それから医療、介護がいろいろ悪くなる一方で、生活保護になってしまえば医療費の心配などは必要なくなります。しかし生活保護になる以前の持ち家があったりして生活保護の対象から外れてしまう人たちや生活水準は生活保護水準と何ら変わらない人たちが診療を受けることができる無料低額診療があります。県内でも済生会病院を初めとして民医連の診療所とかでもやっているわけです。それでこの前、省庁交渉についていったときに済生会病院は明治天皇がお金がなくて病院にかかれずに命を落とすという悲劇が起こらないように天皇のお金でこの済生会病院をつくったとのお話を聞きました。そういう病院があることを恥ずかしながら私も初めて知ったわけです。しかし実際に現実の問題として、生活保護になるかならないかの境界線にいる人たちでお金がないからなかなか簡単には病院にかかれない人たちを救済するに当たっての無料低額診療についての健康福祉部のお考えを伺いたいと思います。どう認識されておられるのか。

○黒岩福祉指導課長
 6番委員御指摘のとおり、無料低額診療事業いわゆる無低診事業と言っております事業は、低所得者あるいはホームレス等の生計が困難な方に安心して無料または低額な料金で診療の機会を提供する意味で、生活保護に移行する前のセーフティーネットの役割を果たしているものと認識しております。御指摘のとおり非常に重要な制度という認識です。

○平賀委員
 現代の資本主義社会の中で無料低額診療をやっている病院があると大々的に報道されたことがありました。実際に無料低額診療で病院での診察そのものは無料になっても医薬分業で、薬は院外の薬局でもらってくださいということになりました。ですから、薬をもらう段階になると対象外であり、同じ病院で治療を受けて薬ももらうんだったら税金の優遇措置の対象になるんですが、医薬分業で院外処方制度をとっている病院だと本体の病院での治療は無料ですが、薬代は自己負担となるんですね。だから薬代も税の優遇措置を与える対象に加えてもらいたいという要請についてどう思っておられるのか。また支援をする考えはあるのかないのか、お聞きします。

○黒岩福祉指導課長
 ただいま御指摘いただきましたように、制度はあくまでも病院内、医療機関内での診療行為、診療事業に対しての無料低額の支援事業です。現状では院外の保険調剤薬局で薬をいただいた場合には、やはり自己負担分は支援が行われないという状況で6番委員御指摘のとおりです。昨今医薬分業が進みまして、社会福祉法上の第二種社会福祉事業に位置づけられている診療事業から制度上漏れている状況が今まさに起きているといった、1つの制度矛盾と言えなくはないと捉えております。そういう社会状況の変化に伴う制度矛盾ですので、基本的には制度改正で対応していただくのが本来のあり方かなと思っております。そういう状況ですから例えば県単独で助成事業を創設する考えは現時点では持っておりません。

○平賀委員
 先日説明に来ていただいたときには、2年に1回監査をして指導、援助をやっているというお話でした。そのときに助成対象にするに当たって、全患者の中に占める無料低額診療の患者が10%以上という基準があると言われました。実際にはその10%の基準を満たしていない場合でも直ちに援助を取りやめるとかいったやり方はとっていませんとお聞きしました。なるべくその10%の基準を達成することができるようにぜひ頑張ってくださいと指導監査をやっているという説明でした。ですから県としても無料低額診療の意義や役割についてよく認識し、頑張れとおっしゃているわけですから、この薬代についても決して患者の人たちが医薬分業を決めたわけじゃなくて、国が勝手に決めたわけでさっき言われたように制度の不備があるんだと思うんですね。ここのところをやはりよくわかってらっしゃると思いますので、この点を踏まえて支援する制度をぜひ考えていただきたい。例えば国民健康保険法第44条の法定減免みたいに全額または一部を負担するような形でぜひ検討していただきたいと思うんですがどうでしょうか。

○黒岩福祉指導課長
 この問題に関しましては、以前より社会福祉の関係団体からも県単独事業化はなかなか難しい中で、そういった声が実際に現場にあることを国に働きかけてくれといった要望を受けてございます。
 ですので、6番委員のお話も踏まえて、引き続き機会を捉えまして今般の御提言、要望については国の所管課へ粘り強く働きかけてまいりたいと思っております。

○平賀委員
 もし県がやることになったら、県民の皆さんから歓迎されると思うんですね。それから今言った現物給付の問題についても、健康福祉部が一丸となって実現のためにぜひ頑張っていただきたいと改めて要望しておきたいと思います。

 それから、3つ目に国保の都道府県化の問題です。
 制度改定が来年4月から始まるとのことで今準備がされていると思います。国保の構造問題とは、加入者に低所得者の皆さんや高齢者が多くて医療費がかさむ問題です。これまでずっと指摘されてきていまして、各地方自治体でも保険料が高いという問題があるものですから、一般会計からの法定外繰り入れとかさまざまな形でいろいろ努力されているわけです。
 今回の制度改革によって、構造問題が解決することになるのかならないのかについてまず伺います。

○赤堀国民健康保険課長
 6番委員御指摘のとおり、国保は年齢構成が高く医療費が高いという課題を抱えております。
 今般の制度改革では、まず平成27年度から1700億円、平成30年度以降は3400億円の公費投入により拡充されることから保険料上昇の抑制が期待されます。
 また、もともと所得の低い世帯には保険料の軽減制度もあり、この改革を契機にさらに市町と連携して国保制度をよりよいものにしてまいりたいと思っております。

○平賀委員
 確かに言われるような状況にあると思うんです。
 それから、国保の保険料で減免規定があるとのことですけれども、それに基づく減免申請をしてもなかなか通らないと。大規模災害などで自分たちのなりわいが成り立たないとか、商売がうまくいかなくて収入がほとんど入ってこないとか、いろいろな理由が書いてあります。しかし、そういうことでも減免を認めることになかなかならないのが現在の実態です。
 それで先日、1人当たりの国民健康保険料は幾らかと尋ねたら、6,518円と回答がありました。法定外繰り入れをやらないことを前提にすると、1人当たり大体幾らぐらいの保険料になるのか。まだ計算の途中でしたらいいですけれど。

○赤堀国民健康保険課長
 平成30年度の保険料につきましては、まさに計算の端緒についたところでございまして、国が公費の配分の仕方等を決めて実際の計算に入るのが今からだと思うものですから、まだ平成30年度の保険料については計算ができないところでございます。

○平賀委員
 私の住んでいる浜松市の国保担当の方は、国保の都道府県化によって保険料は上がっていくんじゃないのかと心配しているんですね。
 政府は、これまでと違って3400億円の国費をさらに追加で投入するから、一般会計予算からの法定外繰り入れはやめてもらいたいという要望を持っているようです。
 しかし、現状の保険料にさらに国費が入ったとしても、法定外繰り入れをやらないことになったら滞納されている人たちが10%もいるものですから、1人当たりの保険料は間違いなく上がっていくんじゃないかと心配しているんですね。
 構造問題については、制度改定をやることによって保険料が下がるのではなく、逆に上がるのではないかと私は心配しているんですけれども、そうならないと言うなら説明してください。

○赤堀国民健康保険課長
 制度改革により保険料が上がるのではないかとの御質問についてお答えいたします。
 まず、オプジーボの影響など医療費の自然増については見きわめが必要なところがあります。そういった制度改革によらないで増加するであろう部分がないものとして考えた場合は、制度改革による公費の効果はあると思われます。
 また、仮に保険料が上がる場合には、国できちんと激変緩和措置を用意してございます。現実には大きな変動がなく、皆様に混乱が生じないようにしてまいりたいと思っております。

○平賀委員
 国から1700億円が投入されて、実際に保険料が下がったのは県内の35市町の中でどこかにあるんですかと聞いたときに、いただいた資料では静岡市と沼津市とそれから御前崎市の3市でした。私の住む浜松市では9.8億円が配分されましたけれども、お年寄りの医療費が11億円増加して、差し引きは逆に不足している状況です。
 ですから、今お話のあった社会保障や医療分野の自然増の部分もありますし、10%の滞納者分は入りませんから、その分を見越して今払っている人たちに10%分を上乗せして保険料を徴収して、100%の納付金を県に納めようと市の担当者は考えているわけです。
 ですから、国民健康保険の制度改革によって保険料が高過ぎるという構造問題は解決できないんじゃないかと思っているわけです。そうではないと言うのでしたら理由をわかりやすくお願いします。

○赤堀国民健康保険課長
 自然増分以外は保険料が増加しないよう、そもそも医療費の総枠が大きくならないようにするために医療を受けなくてもよい健康な状態を目指すことが必要になってまいります。
 また、制度改革により、市町の保健事業やそれに対する県のサポートは、国から交付金を得られる保険者努力支援制度の対象となります。こういったもので市町の保険者としてのインセンティブを高め、医療費の増をなるべく小さくして、医療費のかからない静岡県にしていく契機としていきます。

○平賀委員
 今お話がありました保険者努力支援制度について、もちろん医療費を抑えるために健康を増進する取り組みを一生懸命やるのは当然のことだと思うんですね。多くの皆さんもそうやって健康を維持していらっしゃると思います。そういうことで医療費を削減していくのは大いにやるべきだと思っているんです。
 ただ、それをやるに当たって、インセンティブを発揮するために滞納制裁を強化するとか、さまざまなことをやっていくことになったら、まずいんじゃないのかと思うし、いろんなことによって競争に駆りたてるやり方はよく考えていただきたいと要望しておきたいと思います。

 それから、この国民健康保険に一体なぜこういう構造問題があるのかといえば、国が国保の医療費に対する支援をずっと削り続けてきた問題が根本にあると思うんですよ。栃木県の福田富一知事は、国が1兆円ぐらいのお金を国保の財政に入れないと協会けんぽ並の保険料負担にならないとして、全国知事会に要望しているわけです。
 それで、国保の大変な財政状況に対して県としての支援は考えないのでしょうか。私はやるべきだと思うんですけれども。

○赤堀国民健康保険課長
 国民健康保険制度は、お預かりした保険料と定められた公費により運営していくものと考えております。ですので国に対して必要な財政措置をきちっとしていただけるように要望を続けてまいりたいと思います。

○平賀委員
 国が財政措置を削ってきたわけですから、国に対して財政的な支援を要望することは当然のことだと思うんです。
 しかし、そう言っていればそれで済むかとしたらそうではなく、全国では法定外繰り入れをさまざまな県がやっております。例えば岩手県では加入者1人当たり1,165円、総額では4億314万4000円。秋田県では1人当たり1,050円、総額2億9152万2000円。東京都では1人当たり1,253円、総額46億6313万8000円。山梨県では1人当たり596円、総額1億4884万8000円の支援を行っているわけです。
 先ほど言われたように国民健康保険はちゃんとした原則に基づいてやるということを言っているだけでは構造問題や保険料が高過ぎる問題をなかなか解決することができないものですから、各市町がやっているように県も踏み出さざるを得ない実態があると思うんですね。県内でもやっているところがあるわけですから、県は支援制度をつくることに踏み出すべきだと思うんですけれども、山口健康福祉部長、どうでしょうか。見解を伺いたいと思います。

○山口健康福祉部長
 県が法定外繰り入れを行う必要があるかについてお答えします。
 現在、県は各市町の法定外繰り入れの状況等を見させていただきまして、また保険料と医療費の関係も見させていただきまして、繰り入れは行っておらず、特に行う必要性もないと見ております。
 また、先ほど来、平成30年度以降のことをお聞きになっておりますが、今回の制度改革は国といたしましては今後も安定的に国保制度がつながるように財源管理を県にやっていただく制度になっております。
 そういったことから考えまして、平成30年度から毎年3400億円規模の財政支援等も行うと言っておりますので、恐らく法定外繰り入れもない状態で持続可能な保険制度が確保されると認識しております。

○平賀委員
 私は、そういうことが言えない実態が県内にあると思っておりますので、他県でやっているように市町がやっている法定外繰り入れに対する財政支援を県としてやるべきだと改めて要請しておきたいと思います。

 それから、今医療費が高騰している問題があります。
 国保の都道府県化の目的は、財政の安定化のためで伝染病が起きた場合に小さな保険者では対応できないから財政規模を大きくして、急な支出に対しても対応できるようにすると説明されてきたと思うんです。
 今、政府は地域医療構想を各県につくらせておりますけれども静岡県の地域医療構想では、2025年の必要病床数は2万6584床と推計されているわけです。
 国が年金などの問題、団塊の世代がピークになる2025年を迎えても制度をちゃんと維持できるようにということで、減り続ける年金の問題や物価が上がっても年金が上がらない制度をつくって2025年問題に対応していきましょうと。年金問題については、大体めどがついたものですから、今度はふえ続ける医療費をどうやって減らしていくのかと。先ほど言われたなるべく健康維持に努めて医療費を減らそうということもありますけれども、政府は2025年に向けてどういう医療制度をつくっていくのか、どういう医療サービスを供給していくのか。
 こういうことで、静岡県がつくった2025年の必要病床数が2万6584床は現在よりもふえるのでしょうか、減るのでしょうか伺います。

○鈴木医療政策課長
 2万6584床の必要病床数につきましては、現在許可を与えている病床数と比較しますと、減る数字になっております。
 平成26年7月に報告されています病床機能報告では稼働病床数は2万9783床と報告されています。この数字との単純な比較では3,199床の差があります。

○平賀委員
 ベッド数が減るということは、それにかかわる医療費は減るということなんでしょうか。

○鈴木医療政策課長
 ベッド数が減少するから直ちに医療費が減少することにはならないと理解しております。

○平賀委員
 高度急性期、急性期それから回復期、慢性期あと在宅医療で、どこのベッド機能を減らそうかという考えが大もとにあって、全体としては在宅医療にシフトしていくのが政府の考えだと思うんですね。
 ふえ続ける医療費を削るという点で、在宅医療になったら病院に入院しているときの医療とは違って、医療全体の量そのものは減っていくんじゃないでしょうか。

○鈴木医療政策課長
 地域医療構想は、いわゆる団塊の世代が後期高齢者になる2025年度――平成37年度になりますが――このときに必要となる医療をその地域にふさわしいバランスのとれた医療機能の分化と連携によって提供される体制を目指すものでございます。
 この中で、先ほどから出ております必要病床数は厚生労働省が示す一定の仮定のもとで、各地域の将来の人口構成等から推計したものでございます。
 この必要病床数は病床の規制あるいは削減のためのものではなくて、将来必要になると見込まれる医療需要をあらかじめ提示することで、各地域で今後の医療提供体制のあり方を検討してもらうことが主な目的となっております。
 そういうことを踏まえて、どうやったら今後その地域でふさわしい医療が提供されるかを主眼に各地域で検討していただくことが重要だと思っております。

○平賀委員
 来年4月から国民健康保険の制度改革があって、それから地域医療構想で地域の医療水準をどうしていくのかを想定して確定していくわけですね。国民健康保険の保険料問題も医療全体の量をどの程度に想定するのかという医療構想も県がつくるわけですから、この両方で県全体の医療費を減らしていく方向に今立たされているんだと思うんですね。
 それで、やっぱり国保の加入者が一番困っている高過ぎる国民健康保険料の問題を何とかしてもらいたいと。
 浜松市の場合で、40代の自営業者の御夫婦で所得が250万円、子供2人の家族構成の場合、国保の保険料が44万4700円というデータがあります。大都市で言えば、教育扶助と住宅扶助などを入れますと生活保護水準の人たちに40万円、50万円規模の保険料をかけるのは本当に過酷な負担だと思うんですね。収入の2割近くになる保険料を徴収されているわけです。
 ですから、国民健康保険料の滞納も大体県全体で12%ですか。国保に加入されている方を10件回ったら大体1件以上は滞納していると。自分の家の周りをぐるぐるっと歩いて、国保ですか、どうですかと10件回れば大体1件は滞納だと。こういう実態に本当に対応していく必要があると思うんです。
 保険料を下げるという問題に対して、県として対策か何か考えていらっしゃるんでしょうか。

○赤堀国民健康保険課長 
 保険料は市町の対応でございますので、現在のところ特段の対策は考えてはおりませんが、国保運営方針を県が県内の市町といろいろ決めております。その中である程度一定の方針でいろんなものを考えていこうと協議しているところです。
 県としましては、法令の定めるところによりまして、県調整交付金や低所得者への保険料軽減に要する経費、また高額な医療費に対する経費などを負担しつつ、平成30年度以降も法令に基づき必要な負担をしてまいります。
 また、医療費の増大については、県が一般会計からの法定外繰り入れなどを行わなくても国保として財政運営ができるよう、またそれが可能になることが国保の持続可能性を実現する道だと思いますので、十分な財政措置がなされることを国に対し引き続き働きかけてまいります。 

○平賀委員
 その財政的な支援を今は考えていませんとのことでした。一般会計からの法定外繰り入れをやっている市町がありますけれども、新しい制度になっても、禁止されるものではないとの認識でよろしいでしょうか。県が各市町に対してやめなさいという働きかけや指導をやるのかやらないのかを答えていただけますか。

○赤堀国民健康保険課長
 法定外繰り入れは法的に禁止されるものではございません。今後も市町の判断で行うことが可能です。

○平賀委員
 それは私も当然のことだと思うんですね。大体地方自治の精神からいっても、地方自治体が決めたことに対してあれやこれや上から指図するのは本来の考えからいっても外れていると思うんです。
 この法定外繰り入れをやめろと言うことはないとのことですから、この高過ぎる国民健康保険料を引き下げる点について言えば、国から3400億円の財政支援があり、これまでと同じように各地方自治体で一般会計からの繰り入れをやっていくとすれば、間違いなく保険料を引き下げることが可能となると思うんですね。
 こういうことを県は考えないのか、山口健康福祉部長に伺いたいと思います。

○山口健康福祉部長
 この件につきましては、先ほども回答させていただきましたが、今回の制度改革は今後とも永久に持続可能な保険制度、国民皆保険制度ができるようにというのが大きな趣旨で導入されたと考えております。
 ですので国には3400億円の財政支援をしていただきまして、それに基づきまして県としてもこの保険制度にしっかり取り組んでいくと考えております。

○平賀委員
 最後に意見だけ申し上げて終わりたいと思います。
 制度を維持することをまず最優先に考えるというのが今の御答弁だったと思います。介護保険で言えば保険料を払っていても要支援1、2の人たちは、そもそも制度の対象外だと。それから要介護1や2は特養ホームに入居する対象から外されようとしております。ですから幾ら制度があっても、まさに国家的な詐欺と言われるような状況があるわけですよ。ですから制度を維持することに主眼があるんじゃなくて、やっぱり加入者の状況を本当に救済することこそ、この保険制度の意味があるわけです。本当に払える国民健康保険料にするという点で、一般会計からの繰り入れの存続を各自治体に認めながら、県としても財政支援をすることこそ、この構造問題の解決策であるということを私は強調し、そのことを改めて山口健康福祉部長に求めまして終わります。ありがとうございました。

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