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委員会会議録

質問文書

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平成27年2月定例会厚生委員会 質疑・質問
質疑・質問者:鳥澤 由克 議員
質疑・質問日:03/03/2015
会派名:自民改革会議


○鳥澤委員
 では、一問一答でやらせていただきますので、どうぞよろしくお願いします。
 1年を通しまして、厚生委員会において大変多く学ばせていただきました。ありがとうございました。
 それでは質問でございますけれども、先ほど来、各委員の皆様からお話が出たところでございますけれども、まず、がんセンターについて2点お伺いをいたします。
 1点目でございますが、委員会資料にあったとおりに、がんに強い病院の総合評価で全国第2位の評価を受けているとのことでございまして、我々県民としましても、また近隣の地域に住む者としましても、この評価に値するのは大変心強く思っているところでございます。これは、雑誌等においての評価でございますが、県当局といたしまして、どのような点が評価されたと考えるのか御見解についてお伺いをいたします。

○滝マネジメントセンター長兼経営努力室長
 今回、雑誌でがんに強い病院ランキング第2位という評価をいただきまして、どう考えているかということでございます。
 今回の公表されました数値は、要件といたしまして、肺がん、胃がんなど対象とする13種類のがんにつきまして、患者数、手術数、病床当たり専門医数、医療体制の4項目を数値化した結果となっております。この結果を見ますと、患者数、手術数ともに国立がん研究センターを上回っております。また医療体制もがん研究会有明病院などに並び同数値1位。若干、病床数当たりの専門医数は国立がん研究センターを下回りますけれども、いずれにしましても、全国トップレベルの評価で、数値に直すとこの結果だということだと思います。がんセンターは開院当初から「患者さんの視点の重視」を基本理念といたしまして、多くの患者さんに最善のがん医療を提供してまいりました。そういう形で提供もしながら優秀な医療従事者の確保、育成あるいは最先端の医療機器の導入ですとか診療機能の強化に取り組んでまいりました。そうした実績が総合力といたしまして、今回のような結果になったと考えております。

○鳥澤委員
 御答弁ありがとうございました。
 医療水準にしても、患者さんに対するケアにしても、総合的に高い評価を得たということでございますので、県当局の皆様の御努力もいただきたいと思っているところでございます。
 それで、ダイヤモンドQ誌を見ますと、手術数の評価の中では、がん研有明病院と手術数に差が若干あるようですが、がんセンターにおけます手術の対応は実態的にはどういう形になっているんでしょうか。

○滝マネジメントセンター長兼経営努力室長
 がんセンターにおきます手術の状況でございます。
 がんセンターでは手術室を13室設置をしております。なるべく1人でも多くの患者さんに手術ができるようにということで、手術室の運用なども工夫しまして最大限の努力をしているところでございます。実績を申し上げますと、平成24年度で年間4,110件、平成25年度で4,242件、また今年度につきましても前年を上回る見込みでおりまして、年々増加傾向でございます。その状況といたしまして、例えば患者さんの体への負担の少ない低侵襲性手術が行えます手術支援ロボットダビンチも2台保有いたしまして、現在、大腸、胃、前立腺、呼吸器を対象としておりましたけれども、このうち、大腸分野につきましては全国トップ、胃分野につきましても全国トップレベルの症例でございます。
 そうしたことも初めといたしまして、全体的に見ましてもやはり難易度が高い手術も数多くこなすなど、各診療科ががんセンターならではの高度な技術を提供していると考えております。

○鳥澤委員
 ありがとうございました。
 私も去年がん学会で、ダビンチ導入の消化器系がんの手術状況だと思うんですが、映像を見る機会がありました。専門的なことはよくわかりませんけれども、最先端の技術の導入、常に技術革新とともに医療体系の整備も進めていらっしゃるということでございますので、手術数はがん研有明病院とは差があっても、やはり前に進む姿勢が見られておりますので、その点について、ぜひともまた先進的に取り組まれるよう期待するところでございます。
 いずれにしましても、県民に安全で高度ながん医療の拠点としての位置づけもありますので、今度はぜひとも2位ではなく、1位を目指していただきたいと思っておりますので、ぜひよろしくお願いをいたします。ありがとうございました。

 そして、もう1点でございます。がんセンターに併設されております静岡がんセンター研究所について、お伺いをいたします。
 当然、がんセンターでは手術、あるいは医療の実際的な現場対応がされているんですが、研究所ですから、そこに技術的な補完がされていると思っております。研究所の概要と目的について教えていただきたいと思います。

○小櫻がんセンター事務局長
 がんセンター研究所についてお答えいたします。
 9番委員御指摘のとおり、がんセンターにおいては、研究所単独で何か成果を出したりとか、活動しているということは、実は非常にまれでございまして、まさにがんセンターの臨床現場と連携し、一体となった研究活動が主体になっております。8つの研究部と3つの室という組織で対応してございますけれども、実際にその研究の中身を見ますと、臨床側からのいろんなニーズに基づいた研究内容とか、臨床側にいろんな研究成果を橋渡しすることによって臨床の成績を向上させることが、がんセンター研究所の大きな目的になっております。
 特に成果の中では、これは民間企業的な切り口になってしまいますけど、特許を何件出したとか、特許の実施権料収入が上げられたことが挙げられると思います。これまでに97件の出願を果たし、そのうち39件の特許の登録という成果を上げておりまして、がんセンターで実際の製品を製造することはございませんので、実際のいろんな診療技術であったり、いろんな製品づくりのための権利化をしているのが、がんセンターにおける研究成果の1つの特徴だと思います。
 もう1つは、がんセンター研究所としての特徴でありますけれども、これまで、いろんな基盤技術を確立しようと日々努力しております。特にゲノムの解析でありますとか、たんぱく質の解析技術にずっと取り組んでまいりまして、網羅的なミックス技術――マルチオミクス解析技術を確立してまいりました。この3年間がん医療域の中で、今後、個別化医療に非常に需要な要素だということで、このプロジェクトHOPEをスタートさせたのも、研究所の基盤技術を臨床の現場にどう活用するかという観点から、特にがんセンター研究所における基盤技術で、ゲノム解析技術を非常に重視して取り組んでまいりまして、これが結果的にがんセンターにおける診療成績の向上につながるのではないかと、私どもとしては目的として非常に重視しております。
 もう1つは、先ほどの患者家族支援センターの話もございましたけれども、がんセンターの中に患者・家族支援研究部と看護技術開発研究部という2つの非常に特徴的な研究部がございます。実は疾病管理センターとの連携を非常に強く打ち出しておりまして、がんセンターに寄せられます膨大な相談データを解析、分析いたしまして、これを将来的な相談ツールとしてまた新たに現場で活用していくという双方向の研究を非常に重視しております。そうした中からWEB版よろず相談Q&Aとして活用していくと。これを結果的には患者・家族の満足度の向上に結びつけていくのががんセンター研究所のまた1つの大きな目標となっておりますので、2つの診療成績の向上と患者満足度の向上を目指して、がんセンター研究所活動をこれからも進めてまいりたいと考えております。

○鳥澤委員
 ありがとうございました。
 当然、医療現場とそして、そこに補完するべき技術の高度化のたゆまぬ技術革新ということで、一体となった組織となっているとお話を伺いました。
 よろず相談についても、それぞれの患者さんの心のケアもしていこうということでございまして、その点についても、今の御説明でわかりました。山口静岡がんセンター総長も、がんセンターも地域医療との連携をしていこうとおっしゃっている面もあります。研究所については、官民一体で研究開発あるいは企業も協力をしているわけだと思うんです。その辺について、特に研究所として、人材育成を初め地域において還元をしていこうという姿勢はがんセンターの姿勢として共有していると思うんですが、その辺はどうでしょうか。官民一体の技術的な協力体制はあるんでしょうか。

○小櫻がんセンター事務局長
 がんセンターの研究所の地域への貢献、地域企業とのいろんな連携では、まさに県を挙げて取り組んでおりますファルマバレープロジェクトの中で、がんセンター研究所といたしましても、いろんな人材育成や技術協力についても非常に積極的に取り組んでおります。特にこれまでファルマバレープロジェクトでは、たしか70製品ぐらいの製品化を実現していると経済産業部からの数字がありますが、その中のかなりの部分で、がんセンターの研究員や臨床スタッフからのアドバイスや評価が非常に大きいと思っております。特に、地元の企業の製品化においては、なかなか大企業と違いまして、まさに資本力や人材力が非常に低いものですから、がんセンターといたしましては、製品の開発においては、臨床現場の看護師ですとか医師といった専門的なスタッフが臨床的な評価をした上で、いろんなアドバイスをしていると。そういうことで、がんセンターとしましても地域の企業や産業に対して貢献していく姿勢で現在も取り組んでいるところでございます。

○鳥澤委員
 ありがとうございました。
 研究成果として39件の特許登録もあるとお伺いしておりますし、がんなどの骨転移のマーカーについてもビームスキャニングなど常に技術革新をされて、最先端の医療と現場と研究が相互関係で、よりよい方向に向かっていると思っております。がんセンター研究所はやはり相互に注目されて、お互いに県民の皆さんから評価を得られるようにしたほうがいいなと私は思ったものですから、あえて質問させていただきました。ありがとうございました。がんセンター関係は以上でございます。

 次に、委員会資料の16ページの11の第85号議案「補助金返還請求事件の提訴について」でございます。
 1行目に障害福祉推進基金事業費補助金の交付決定が取り消しされたということでございまして、相手方に対しまして県に返還すべき補助金、加算金、あるいは延滞金が発生しているのかどうか。この委員会資料だけですと、全体像がよくわかりませんので、補助金返還請求の概要と経緯について御説明をいただきたいと思います。

○山口障害者政策課長
 まず、概要についてでございます。
 障害福祉推進基金事業は、当時の障害者自立支援法に基づきます障害者が自立した日常生活、社会生活を営むことができるよう支援するもので、今回の補助事業は、その基金事業の中で障害者自立支援基盤整備事業といいまして、具体的には障害福祉サービス事業の運営上、必要なエレベーターの設置また作業室やトイレの改修、備品整備等の経費を助成するもので3法人に補助したものでございます。そのうちの1つ株式会社フロンティア・スピリッツには、平成19年12月、NPO法人地域で暮らす・笑顔で生きるには平成21年10月、そして株式会社寺子屋匠には、平成22年9月に、それぞれ2000万円交付決定したものでございます。
 補助事業者につきましては、障害者自立支援法に基づき事業者の指定を受ける必要がありますが、当該3法人は、利用者の水増し請求等による給付費の不正請求がありまして、事業者指定を平成23年度に3法人とも取り消されました。そして、そのため補助事業も実施できないため、県では交付条件違反として、平成23年度中に補助金交付の取り消しを行ったものであります。
 経緯でございますが、給付費の不正受給につきましては、寺子屋匠につきましては、補助金の交付決定前、またそのほかの2法人については、交付直後から行うなど、そういった事実に鑑みまして、県では補助金の全部取り消しを行いまして、全額の返還請求をしました。しかしながら、返還がないため、文書による督促を株式会社フロンティア・スピリッツには平成24年3月、NPO法人地域で暮らす・笑顔で生きるには、平成24年5月、株式会社寺子屋匠には、平成24年4月に行いました。その後、平成24年10月NPO地域で暮らす・笑顔で生きると株式会社寺子屋匠の役員は、一旦は返還の意思を口頭で表明しましたが、その後の納付の誓約書の提出等には応じていただいておりません。これまで県では3法人には文書によります来庁の依頼また県庁への連絡依頼を4回、また納付誓約書の提出依頼については3回ほど文書で行っておりますが、一切対応いただいておりません。電話もこれまでも何度もしておりますが、留守電や着信拒否また訪問してもいつも不在といった状態が続いております。
 県といたしましては、督促後、相当期間を経過していること、また返還請求額が2000万円と多額であること、また返還の意思が見られないということで、返還させるには訴訟以外に方法はないことから、今回議案として上程したものでございます。

○鳥澤委員
 経過等御説明をいただきました。債権保全上でいうと、例えば親族あるいは関連資産の調査もされたとは思いますが、その辺で、遡求権が及ぶような――今のところ着信拒否で連絡がとれないということですが――保証人とか返還に対する保全上の裏づけは、一切ないということでしょうか。

○山口障害者政策課長
 NPO法人につきましては、所管の市へ毎年、事業報告することになっておりますが、報告書は提出されておりません。またほかの株式会社につきましても、特別に調査機関にお願いしなければ、資産状況を把握できないといったこともございまして、我々としましては、任意での調査には限界があるということでございます。当然、法人の登記簿謄本等については最新のものを取り寄せておりますが、具体的に現在までの状況もわからないこともございまして、今回訴訟によりまして、法的な手段をもって、その勝訴判決をいただいて、財産調査や法的な手続を進めたいと考えております。

○鳥澤委員
 わかりました。ありがとうございました。
 この補助金制度の本質からいけば、地域福祉を向上するようにという目的をもって補助金が出たと思いますが、結果的にこういう形になったのは大変残念な気がいたします。このようになる前に指導などを厳格にしていただき、こういう事例が1件でも少なくなるように御尽力いただきたいと思います。ありがとうございました。

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