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委員会会議録

質問文書

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令和4年2月定例会危機管理くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者:阿部 卓也 議員
質疑・質問日:03/08/2022
会派名:ふじのくに県民クラブ


○阿部委員
 それでは分割質問方式で伺います。
 まず、有識者会議の中間報告が出たので、県としてもこのリニア問題がなぜここまで長引いたのか、一度中間総括をお聞きしておきたいと思います。
 我が会派としてはプロジェクトチームをつくってリニア問題をずっと検証してくる中で、やはりJR東海さんは、大変失礼な言い方ですが、流域の方々の非常に大切に思っている水の問題や生態系への思いにしっかりと正面から向き合ってこられなかったこと。それからまたこれも大変失礼言い方ですが、力押しをして取りあえず造らせろというような言い方や印象操作のようなことをしてこられたということ。それからまた如実に出ているのが、先日3月1日に愛知で発生した事故はその前に事故が2つあって、岐阜と長野両県の知事からも非常に厳しく言われていたにもかかわらず、すぐに発表しなかった体質が、やっぱり不信感を呼んでしまったのではないかと思います。我々の会派のプロジェクトチームの検証の中ではこのように思っていますが、県としてこの部分で中間総括がもしあればお聞きしておきます。

○難波副知事
 やっぱりJR東海のいろんな姿勢の問題が一番大きいと思います。
 先ほども世間からどう見られているかというお話がありましたけれども、有識者会議が始まる前は県がかなり無理難題を言っているんじゃないかなという印象はあったと思います。国の有識者で最高峰の方々が寄ってたかって、しかも13回の委員会だけでやっているんじゃなくて、個別にいっぱいやっているんです。それが1年8か月かかった意味合いです。何でこれが分からないのという姿勢だったと思うんです。だからまずその姿勢に問題があると思います。
 それからもう1つは情報開示です。今御指摘があったように、とにかく資料が出てこないんです。資料が出てこない、情報がないというのが影響を受ける側は一番不安になります。資料が出てこない、情報開示されない、どこかで何かを隠しているんだろうと不安を増幅させて、相手が何か普通のことを言ってもこちらも過剰反応になってしまうようなところはあると思うんです。ただそれはどちらかというと過剰反応じゃなくて、もうとにかく資料が出てこないので不安になるというのが皆さんの普通の状態だと思います。
 したがって、やはり姿勢の問題、それから情報を開示してこないという社風に非常に大きな影響があったんではないかと思います。

○阿部委員
 分かりました。
 今回これだけJR東海さんも厳しく国からも指導されて、いろいろお分かりになられた部分はあるんだろうなと我々も思っているので、ここから建設的な話合いがもう一度きちんと始まればいいなと思っています。我々もJR東海さんを信じたいとは思いますので、県としても時に厳しく時には理解を持って話合いに臨んでいただきたいと思います。また県民には県としては今までも貫いてこられたようにしっかり情報開示をしていっていただきたいと思います。

 次の質問に入りますが、中央新幹線の環境影響調査が平成26年に出ていて、そのときの事後調査報告書でJR東海さんは大量湧水について認識していたと言っていますが、これを見ると書いていないんです。これは隠していたという判断でいいんでしょうか。確認しておきます。

○難波副知事
 隠していたかどうかは分かりません。持っているデータ全部を書き込むわけではありませんのでその中で選んでやられたんでしょうが、結果的にやはり非常に重大な問題だと思いますから、重大な問題について書き込まれていないのはたまたま落ち度があったのか、意図的なのかは分かりませんけれども、そこは問題であると思っています。

○阿部委員
 まさに冒頭に申し上げた最初の設問と同じですが、議会としてもこういう指摘をあえてここでさせていただくのは、やはりここに如実に出ていると思うのでJR東海さんには今後も都合のよいところだけを出すのではなくて不都合なものもきちんと開示をしていただかなければ困る。それを静岡県民は望んでいて、不都合なものの中でどういう形で話を進めるかが一番大切であるし、一番建設的であると思いますので、そういうスタンスを崩さないようにしていただきたいと強く申し入れていただきたいと思います。

 それから次の質問に入りますが、水専門部会で全量戻しがちゃんと報告できないので3月開催を延期してくれと言われたことを昨日知事の記者会見で発表されましたが、これを受けて県としては何をJR東海さんに期待するか、ここではっきりと聞いておいたほうがいいと思いますので、お聞きしたいと思います。

○難波副知事
 中間報告を受けての最初の専門部会ですので、そこでどういう説明をされるかは非常に注目すべき問題だと思います。今までと同じなのか、がらっと変わったのか、その辺りの確認が必要になります。そこの中で今回延期された細かい事情は分かりませんけれども、恐らくこの説明では結局は十分な信頼が得られないといいますか、余計にまた不安を増幅させるとかあるいは今までと変わらないじゃないかということがあり得るので、やはりもう1回考え直してみようと思われたんではないかと思います。
 今までであれば、もっと説明されてきたと思いますけれども、1回延期されたというのは何かお考えになるところがあってのことだと思いますので、次の機会にどういう御説明があるのか大いに期待したいと思っています。

○阿部委員
 おっしゃるとおりだと思います。次の部会でJR東海の姿勢がどう変わったかがはっきりすると思うので、ここは県民としても注目されるところだと思います。ぜひそこは我々もしっかり、また交渉担当者としてもしっかりと臨んでいただきたいと思います。

 次の質問に入ります。
 先ほどの難波副知事の御説明の中で、全量戻しがされたとしても導水路トンネルより上流部がやはり問題になることはそのとおりで御指摘されましたが、ここについて具体的に県としてJR東海にこうしてほしいという所見を現時点でお持ちであればお聞きします。

○難波副知事
 はっきり申し上げて、まだ対策を持ち合わせていないというか、我々としてもどうしたらいいのか分からないところです。上流側の流量が減る問題もそうですけれども、沢が確実にかれるところに対してどう対処するべきかというところです。やっぱり対処しようがないということだと思うんです。したがってやれることは影響が出たときに、それを何か補償するとか代替措置を取るとかそういう問題ではなくて、やはり影響の回避・低減とに正面から向き合わないといけないんだろうと思います。
 今は地下水位が何百メートルも低下するという状況になっていますけれども、低下量を抑えないと先ほどの生態系の問題のお話もありましたけれども、そこのところの影響の回避、低減に正面から向き合わないと答えは出ないんじゃないかなと私は思います。
 したがって、流量が減ったのでその流量の水をどこからか回して戻すとかではなくて、流量そのものが減る対策をしないと答えにならないんではないかと思っています。

○阿部委員
 ありがとうございます。
 非常に明快なお答えだったと思います。ぜひそういうスタンスで、場当たり的にここはこういう補償をすればいいでしょうではなくて、抜本的に解決する方法はないのかという原点に立ち戻って、ぜひこれからも協議していただきたいと思います。

 次の質問に入りますが、先ほどの難波副知事の御説明の中で、16ページの部分でJR東海さんにモニタリングなども含めてリスク管理の考え方を出させるとありましたが、この内容について県としていわゆる最低ラインはここで、これを下回るようなリスク管理ではとても受け入れられないという線が現時点であるのか。もしなければ、そういうものはやっぱりこれから設けていかなきゃいけないと思うんですが、もう一度考え方をお聞きしておきます。

○難波副知事
 リスクについては書かれてはいるんですけれども、実際のところの評価はこれからかなり突っ込んだ議論をしないといけないと思っています。
 影響の出方、例えば吉田町長さんはもう明確に懸念を示されていますけれども、影響の出方が遅いんです。地下水への影響は、特に離れているとすぐには出なくてじっくり出てくる、気づいたときにはもう遅いということがあります。そういったことも含めて、どういうところにリスクがあって、それがどのぐらい後に影響が出てきて、出てきたときにどうするんだというあたりを一つ一つ丁寧に詰めていかないといけないと思います。
 そこの整理はかなり進んで来ていると思いますので、これからはそこを具体的に話合いをしていく必要があると思っています。現時点でこれならいいというものはない状況です。

○阿部委員
 分かりました。
 先ほど5番委員も御指摘でしたけれども、これはやっぱり未来永劫きちんと責任を持っていただかないといけないので、そこはJR東海さんという会社がもし仮に組織替えをしたから知らないということがないように、そのあたりも中長期的にきちんと見て話合いをしていただきたいと思います。

 次の質問に入りますが、残土について私からもお聞きしておきたいと思います。
 先ほど引き合いに出した環境アセスに基づく調査報告書の中に、評価結果として建設発生土についてJR東海としては80%以上の建設発生土を有効利用しますという目標を上げておられるんですが、80%の具体的な明記がどこを探してもありません。
 これについて少なくとも我々が会派で調査する中で、燕沢に積む建設残土は危険リスクや災害リスクはあっても決して有効利用とは言えないと思います。こういうものを含めての80%でないと有効利用とは考えられないんですが、県としてはどのように認識しておられるのかをお聞きします。

○難波副知事
 静岡工区の特徴としてほとんどトンネルなわけです。一般的な例えば道路工事でいうといわゆる切り盛り期間、切ったり盛ったりするあるいはトンネルから出てきたものをどこか低い谷のところを高くして盛土にして道路にして、全体としてうまく出る量と活用する量が合うように土量バランスを保つのが普通です。
 ここの場合はトンネルが全てですので、出てきたものを有効活用する方法がないと思います。有効活用するとすれば、大井川の上流部にある道路を補強するといった活用はあると思いますけれどもそれ以外には活用がなくて、ほとんど残土置場のようなところで残置する方法しかないんじゃないかと私は想像します。

○阿部委員
 そうであれば、知事意見でも言ってはいないんですが、流域の皆様からは残土はやはり有害残土も混ざるので下流へ運び出してほしいという声を多くお聞きします。
 だから有効活用されるのであれば下流に運び出して本当に有効活用していただきたいというのが、流域または静岡県民としても望みだと思います。そういうことを希望される方も多いと思うので、ぜひそういう形でのお話もしていただきたいと思いますが、所見を伺います。

○難波副知事
 有効活用するときに一番の問題は、域外に出すときの距離の問題だと思います。南アルプスの非常に奥深いところでやりますので、それを有害物質が入っていない場合ですけれども、例えばどこかの防災対策のための河川堤防のかさ上げに使うことができれば有効活用だと思いますけれども、そういう場所はほとんどないのでそうすると運び出すにはかなりの距離を運ばないといけないと思います。
 そういう面で、有効活用は非常に厳しいんじゃないかなと思っています。厳しいというのはコスト的に厳しいと思いますので、そのコストを踏まえても有効活用することに踏み切ってくだされば、それはそれで非常に有効な活用方法はあると思います。

○阿部委員
 JR東海さんがお造りになりたいので、コストは当然JR東海さんが持つべきものと県としてしっかり言わないと。やっぱり流域の皆様もしくは反対されている方々からしたら納得できないことだと思いますので、県としてはそのスタンスを崩さずにぜひ話合いをしていただきたいと思います。大井川鉄道もありますので、ずっと下までダンプで運ばなきゃいけないってことでもないので、そこはぜひ俎上に上げていただきたいと思います。

 最後の質問になりますが、先ほど5番委員からもありました技術的な面をもっと知りたいというのが、実際に多くの県民が思っているところです。
 実は、日本の誇る建設技術、土木技術というのはゼネコンさんが一番お持ちのはずなんですが、ゼネコンさんの意見をお聞きしようとすると我々会派のPTでもそうですが、どうもJR東海さんが阻むんです。これはちょっとおかしいと思います。なぜ阻むのか、聞かれたら困ることがあるのかと、しっかりそこも真摯にゼネコンさんも入れて技術的な話合いもするとか、情報開示をしていくことがJR東海には必要だと思いますが、所見を伺います。

○難波副知事
 まずゼネコン側の立場から言うと、施主さんがいて施主の了解なくしてやることはできませんので、施主に気を使っていると思います。
 ただ、実際に施工するのはゼネコンあるいはその関連会社の方々ですので、ほんとに大丈夫なんですかというところについてはやっぱりしっかりと現場を担当している方からお聞きするのが、これから大事になってくるんじゃないかと思います。
 例えば先ほど言っていた水への影響の回避・低減策のときにこんな方法をやりますというお話があったときに、こういう特殊な条件のところで本当に水が止められるかを知っているのは現場をずっと経験してきた会社でしかできない問題だと思うんです。だから特にとりわけそういう問題については、現場施工に詳しい方の意見をしっかり聞くことが極めて大事だと思っています。

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