本会議会議録


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平成28年9月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:小野 達也 議員
質疑・質問日:10/05/2016
会派名:自民改革会議


○小野委員
 それでは、分割質問方式で4点伺います。
 初めに、補正予算について伺います。
 追加提出がありました工業用水道事業の補正についてであります。
 資料を見ますと、今回の補正額3億400万円のうち、2億5000万円が静清工水につけられております。これは特に老朽化している、もしくは耐震性に問題があるということになるんでしょうか。その補正予算の理由と考え方についてもう一度御説明いただきたいと思います。

 また、今の関連で管路の老朽化対策について伺います。
 企業局の第3期中期経営計画を読みましたところ、平成31年度に法定耐用年数が40年を経過する管路は工業用水道で71.2%、水道事業で41.6%ということで、相当老朽化が進んでいると思います。いつ漏水事故が起こってもおかしくないと一般的には考えますけれども、そういった漏水事故を未然に防ぐために管路の状態を把握し、悪いところについては更新していく必要があると思っております。どのように管路の状態を把握しているのか。

 もう1点は、管路の更新計画はどうなっているのか、まずお答えいただきたいと思います。

○佐藤事業課長
 今回の補正予算の関係で、静清工業用水に大幅に補正予算がついていることについて、お答えいたします。
 静清工業用水は、供用開始が昭和16年と県内の7工水のうち最も古く、平成22年には大規模な漏水事故が発生しました。その原因としまして、管路の材質が衝撃に弱い高級鋳鉄管というものであったためと考えられ、同じ材質で構成された管路につきましては、早急に更新すべく、平成22年度から平成23年度に管路の更新計画を立案し、平成24年度から国庫補助事業により、更新工事を行っております。
 その他の工業用水も建設から40年以上経過しているものがございますが、管体調査の結果、緊急性が高い管路はないということで、今回施設の更新が具体化し、更新がより急務であり、かつ大規模な更新費用を要するということで静清工業用水に重点的に予算を要望しているというものでございます。

 2点目の、水道施設の老朽化対策についてでございます。
 管路の状態の把握は、平成22年から平成25年にかけて管体調査を行っております。これは管路を部分的に掘り出しまして、管体の直接診断と周辺の土壌調査を行って健全度を調べるものでございます。この調査によって一部腐食の進行が著しかった箇所もありまして、それについては緊急に対応すべき箇所として対応しております。
 そのほかの管路につきましては、緊急に対応すべき箇所は少ないという判断をしております。ただし全ての管路を掘り返して調査することはできませんので、定期的な巡視点検や路上への漏水の有無、主要地点での水圧の測定や弁類の作動状況など日常の維持管理に努めております。
 あわせて、漏水修繕器具――要するに漏水が発生したとき、すぐに対応できるような器具を備蓄しておりますとともに、応急復旧協定を業者と結びまして、早急な老朽対策に対応できるように努めております。

 あと、管路の更新につきましては、策定中のマスタープランの中で適正な規模へのダウンサイジングや更新の優先順位の考え方を整理して、その後、長期修繕改良計画の中で計画を具体的にしてまいりたいと考えております。

○小野委員
 ありがとうございました。
 管路の状態は、全部は見られないものの、緊急性があるところはもう既に対応済みということでありますので、安心いたしました。これからまた更新計画をしっかりつくっていただきたいなと御要望申し上げます。

 次に、経営改革といいますか、技術の継承をこれからしていくことになろうかと思いますが、先ほど中期計画の中に平成17年度には147人が正規職員、これが平成28年度は117人となっています。減った分は一部を非常勤職員で賄うとなっておりますが、今、建設整備の時代ではないですし、コスト削減の観点からも人員削減もやむを得ないと考えておりますが、先ほどの老朽化の問題もあって、これからは維持管理が相当大変になってくると思っています。
 そこで、技術力の確保のために、職員の配置、組織体制など何か工夫をしているのかお答えいただきたいと思います。

 また、技術の継承のためにどのような取り組みをしているのか、あわせてお伺いいたします。

○西谷企業局理事
 技術力確保のための質問2点についてお答えします。
 まず、技術力確保のための職員配置等の工夫についてでございますが、企業局では土木、電気、水質等の専門の技術職が日ごろから安全で安心な水を安定的に供給するため、水質監視や施設の維持管理、更新などを行っております。その中で、企業局独自の技術や特殊な作業経験を継承し、技術力の維持を図るため、課長や班長等の主要なポストは、企業局経験者を配置しております。また企業局OB職員の活用ということで、再任用や非常勤雇用を行っています。
 近年、県の人員削減計画の影響を受けて、30代以下の技術職員の割合が少ない状態であります。特に土木は43名の技術職員がおりますけれども、30代がゼロ、20代が1名という状態で、非常に将来の技術確保が懸念されておりまして、今後、交通基盤部を初めとする知事部局と30代以下の交流を積極的に行いたいと考えております。

 次に、2点目の技術の継承の取り組みについてでございます。
 企業局では、管路設計研修、水質検査職員研修、電気技術職員研修等の専門性が必要な業務に係る研修を毎年計画的に行っております。また日本水道協会等が実施する専門研修や業務に必要となる資格取得を積極的に支援し、技術の継承、向上に努めております。加えて企業局OB職員のボランティアで構成される災害サポーターが開催する研修会に参加し、経験豊かな元職員の技術の継承を図っております。

○小野委員
 ありがとうございました。
 やはり人員削減の端境期といいますか、大変な時代だなと思いますし、今、取り組みの中で災害サポーター、こういう会議で連携をとっていくことになると思うんですけれども、もし災害が起きたときは、交通基盤部もそうですけれども、やっぱり技術職が当然フル活動しなければならないわけで、これから先、企業局だけの問題ではないですけれども、しっかりとまた人員配置を協力し合ってやっていきたいなと思っております。

 次の質問です。
 委員会資料10ページの水道施設更新マスタープランをつくるということでお伺いしました。
 先ほど説明もありましたけれども、更新基準年度が早くても富士川工水の平成34年度、中遠工水はもっと先で平成45年度となっております。これだけ先の話になりますと、将来の水需要であるとか、更新事業費などは相当変動するのではないかと思われます。今年度に策定する必要は何か。これについて、まず伺います。

 もう1点は、対象事業が工業用水道5事業、水道事業3事業となっていて、これは事業ごと、工水、水道ごとにプランを策定するという意味だと理解しておりますが、事業を統合、再編する可能性はないのでしょうか。
 例えば、富士川工水と東駿河湾工水などは統合もあり得ると思いますが、その点についてどのような検討がなされているのか、お伺いいたします。

○佐藤事業課長
 1点目の、今年度に向けてマスタープランの策定という点です。
 中期経営計画が平成29年までという計画になっておりまして、その前に基本となるマスタープランを策定する必要があり、本年度、基本計画を策定するというものでございます。

 もう1点の、5工業用水、3水道という中で、統合等の検討がなされているかということにつきましてですが、今、特に統合、再編という観点から見ますと、富士川工業用水と東駿河湾工業用水につきましては、岳南地域におきまして、供給区域が一部重複しておりますので、マスタープランの中で事業の統合も1つの案として検討しているところでございます。
 また、他の工業用水につきましては、区域が重複しておりませんので、ちょっと今のところ統合という観点では検討しておりません。
 水道事業につきましては、供給区域内での施設の縮小とか、いろいろ検討を行っているところでございます。

○小野委員
 ありがとうございました。
 ぜひまた効率のよい経営ができるように進めていただきたいと思います。

 最後4点目の質問であります。
 委員会資料の12ページに新たな工業用地整備モデルの創出というのがあります。このセミオーダーメード方式でありますけれども、企業局にとっては、リスクが減っていって、売れ残りとか心配が減っていくわけですが、その反面、市や町が大きなリスクを負うことになろうかと思いますので、この方式による市や町のメリットは何になってくるのか。

 また、具体的に手を挙げている市町があるのかどうかをお答えいただきたいと思います。

○杉山新プロジェクト推進室長
 現在行っているオーダーメード方式は、市町が地域の振興と工業の創出を図る目的で、企業を誘致した上で企業局が造成することを基本としております。進出企業の確定が事業着手の条件でございますことから、全ての区画で進出企業が確定しない場合、既に進出を表明した企業にとってその要望に即応できないという問題がございました。 
 そこで、このたび創設したセミオーダーメード方式についてですが、進出企業は確定していないけれども、進出の見込みは十分あると市町が判断すれば、買い取り保証をする条件はございますけれども、企業局に発注することが可能となりまして、早期の事業化が図れることで地域振興や雇用創出の効果を得ることができるという市町にとってのメリットがあると考えております。

 それから、具体的に取り組んでいるところはまだございませんけれども、相談を受けている地区はございます。

○小野委員
 ありがとうございました。
 このセミオーダーメイド方式というのは、私も推進したほうがいいなと思いますけれども、やはり財政的に市町は弱いところがありまして、うまくいけばいいんですけれども、長期にかかわることになったりすると、いろんな面で負担が出ると思いますので、その辺はよく協議していただきたいと思いますので、御要望させていただきます。

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