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委員会会議録

質問文書

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平成20年2月定例会文教警察委員会 質疑・質問
質疑・質問者:八木 健次 議員
質疑・質問日:03/10/2008
会派名:自由民主党県議団


○八木委員
 それでは質問させていただきますが、先日、聾学校の父兄の方から電話がありました。とにかく聾学校の名前を変えないでほしいと、こういうことでありました。そこで私は、どこでも校名が変わったり呼び名が変わると、なれ親しんだものが消えるものですからそういう異論がありますよ、しかし、内容が大事じゃないですかっていうお話をしました。いずれにしても委員会でいろいろ質疑が出るものと思いますと、こういうことで話をいたしました。そういう保護者の心情に対して、この特別支援学校の校名変更について何点か質問をいたします。
 まず1つは、この説明によりますと学校教育法の一部改正により、盲・聾・養護学校が特別支援学校に改められたことに伴いということであります。そういうことで変更すると。これはどのような内容の法律改正であったのか、また校名については、最終的には設置者である都道府県が決定することになると思われますが、どのような考え方に基づいて校名変更をしようとするのか1点目にお伺いいたします。

 それから2点目は、そういうことからいきまして他の都道府県における校名変更の状況はいかがか。

 3点目といたしまして、各障害者の関係団体へはどのように説明されたのか。
 それに対してどのような反応があったのか、これをお聞きいたします。

 それから4点目といたしまして、校名変更についてパブリックコメントあるいはアンケート、そういうものを募集したのかどうか。そういうことを考えなかったのかどうか、その辺をお聞かせください。

 それから、現在聾学校に通う児童生徒の保護者からは、理解が得られると考えているのかどうなのか、その辺もお聞かせいただきたいと思います。

 それから最後になりますが、3月2日の新聞で聴覚障害者協会の校名変更反対の署名活動の状況が記事になっておりました。
 その中では校名変更の反対理由として、将来的に養護学校などと併合されることや手話教育が維持できなくなる危惧と、こういうものが挙げられておりましたが、そのような計画があるのか、そのようになるのか、以上5点を質問させていただきます。

○名倉特別支援教育課長
 それでは、ただいまの御質問にお答えをしたいと思います。
 まず、第1点目につきましてですが、今回の校名変更の根拠となります学校教育法の改正内容については3点が挙げられようかと思います。
 第1点目は、盲学校、聾学校、養護学校という校種がなくなり、特別支援学校に改められたということであります。
 2点目は、特別支援学校の対象となる児童生徒について、盲者、聾者から視覚障害者、聴覚障害者という視覚、聴覚の障害を幅広く指し示す表現に改められたことであります。
 そして3点目は特別支援学校が小中学校等通常の学校に対し助言、援助を行うこと。いわゆる地域におけるセンター的機能の役割について新たに規定されたことでございます。
 次に、校名を変更することといたしました考え方は3点あるかと思います。
 1点目ですが、ただいま説明しましたとおり、法律改正により盲学校、聾学校、養護学校という校種がなくなり特別支援学校に改められたことにより校名変更をするものでございます。
 例えば、小学生が通う学校には○○小学校といった校名の中に校種をつけているように、校名には校種をつけるべきものと考えますので、盲学校、聾学校、養護学校という法律上なくなった校種ではなく、特別支援学校という法律で定められている校種をつけた校名に変更するべきと考えております。
 次に2点目ですが、これも先ほど説明しましたとおり、法律改正により特別支援学校におきましては、地域におけるセンター的機能を果たすことが求められておりまして、こうした学校の役割を広く県民に御理解いただき、特別支援教育をさらに推進していくためにも校名変更をすることが重要であると考えております。
 そして3点目ですが、本県は盲学校、聾学校が今後も引き続き特定の障害に対応した学校として専門性を維持、継続していくことを目指しておりますので、特別支援学校の前にそれぞれ視覚、聴覚という言葉をつけて変更しようとするものでございます。
 特に聾学校について申し上げますと、現在聾学校に通う子供たちは、ほとんど耳が聞こえない聾者だけでなく、難聴の子供や医学の発達により人工内耳を装用する子供など、その聴覚障害の状況が多様になっております。
 そして、これまで使われてきた聾という言葉は聴覚の障害の中の一部を指し示す言葉でありますが、聴覚障害という言葉は聾だけではなく難聴の方なども含めた聴覚の障害を幅広く指し示す言葉であり、一般的に広く使われている言葉でもあります。
 聾学校では、そこに通う子供たちの聴覚障害の状況がさまざまでありますとともに、通常の学校に在籍する軽度な難聴の子供たちへの助言、援助も行い、特別支援学校としてセンター的機能を果たしていかなくてはならないと思います。
 したがって、聾者だけではなく幅広い聴覚障害者のための学校として、法律上なくなった聾ではなく、聴覚特別支援学校に変更することがふさわしいと考えております。

 2点目の御質問ですが、他の各都道府県においての状況ですが、本県と同様に盲・聾・養護学校のすべてを校名変更するケースや、養護学校のみを変更するケースあるいは新設や再編整備した学校のみを特別支援学校としているケースなどさまざまではありますが、私どもが電話で確認をし、得ている状況を御紹介いたしますと、何かしら校名を変更した、あるいは来年度から変更するということが決まっている自治体につきましては17都府県ございます。平成19年度――今年度変更したものが7、それから20年度からが10ということになっております。それから現在検討中であるというところが17道府県、現在は特に計画がないというところが12県という状況でございます。
 次に、聾学校の扱いに限って見てみますと、聴覚特別支援学校というふうに変更したのが兵庫県1県、それから聴覚支援学校というふうに変更をしたところが大阪府と宮崎県、これは来年度――20年度から変更すると決定しているというところでございます。それから聴覚も聾もつけないで特別支援学校というふうにしたのが広島県、これは今年度からでございます。それから総合支援学校というふうにしたものが山口県、これは来年度からということでございます。以上5県が聾学校の校名を変更している、あるいは計画しているということでございます。
 なお、国立の特別支援学校におきましては、平成19年度から、盲学校を視覚特別支援学校、聾学校を聴覚特別支援学校、養護学校を特別支援学校に既に変更をしてございます。

 3つ目の御質問になりますが、各障害者の団体への説明ということでございますが、いずれも12月の20日ごろに、こちらから出向いて説明をさせていただいております。
 聴覚障害者協会以外の団体につきましては、問題なく了承をいただき、中には法律改正に伴う変更であるから、わざわざ出向いていただかなくてもいいとおっしゃってくださった団体もあり、また視覚障害者協会は、視覚障害者に対する専門的教育の継続確保を御要望された上で教育の中身と校名変更の件は別であるとして了承をされております。
 そして聴覚障害者協会とは12月20日に最初の説明を行って以降、2時間以上――長時間にわたる協議だけでも5回実施をいたしまして、時間にすると13時間以上に及んでいると思います。十分な説明をしてきたものと考えておりますが、校名変更には反対という御意見をいただいているところでございます。

 4つ目の御質問でございますが、今回の変更は法律改正に伴い、校名のうち、どのような学校であるかといった校種をあらわす部分のみを変更しようとするものであります。
 例えば、かつて法律改正によって国民学校から小学校に改められたときに、静岡市で言いますと安西国民学校が安西小学校というふうに改められたことと同様で、制度改正による問題でありますのでパブリックコメント等の必要はないものと考えております。

 また、聾学校に通う児童生徒の保護者におきましては、数名の保護者からは聴覚障害者協会と同様の反対意見もいただいておりますが、聾学校のほうが抵抗があり特別支援学校のほうがよいとか、聴覚特別支援学校になればさまざまな聴覚に障害のある子供たちの学校であることがわかりやすくなって賛成であるという意見もいただいており、多くの方は現在の聴覚障害に対応した教育の専門性が維持、継続されていくのであれば校名変更は問題ないとして、おおむね理解が得られているものと考えております。

 最後の御質問ですが、将来的に聾学校と養護学校を併合するのではないか、あるいは手話が維持できなくなるのではないかということを聴覚障害者協会の方が危惧していることは、私どもも承知をしております。
 確かに他県においては聾学校と養護学校を併合した再編整備を行い、特別支援学校と校名変更しているところもございます。
 しかしながら、本県では今後も盲学校、聾学校が特定の障害に対応した学校として視覚障害、聴覚障害への専門性の高い教育を確保していくことを目指しており、そのことを意思表示する意味からも特別支援学校の前に、それぞれ視覚、聴覚という言葉をつけて変更しようとしているものであり、将来的な計画として現在の聾学校と養護学校を併合しようとする計画はございません。
 また、手話教育についても手話の排除といったことは一切考えていないところでございます。以上でございます。

○八木委員
 大変丁寧な御答弁をいただいたわけですが、要約してみると、この変更の理由については法律改正であったと。それから特別支援学校がセンター的機能などの役割をアピールして、特別支援教育をさらに推進していくために校名変更は重要であると、また聾学校が聾者だけでなくさまざまな聴覚障害者の子供たちに対応した学校であることを示すために校名変更は必要であると、こういう理解でよろしいですね。
 今後ですが、私は聴覚特別支援学校が聴覚障害のある子供たちへの高い専門性を持った学校として、さらにその専門性を充実させるよう望むわけであります。
 それからもう1つは、児童生徒を含め聾学校という名称に、先ほどお話ししたように愛着がある方も相当多いと思うんですよ。ですからね、例えば愛称や通称のような形で聾学校という言葉を残す、こういうことも検討したらどうかなと、こんなふうに思います。
 それから教育委員会は手話を含めた教育内容について、聴覚障害者協会の意見も十分聞きながら、さまざまな教育的ニーズにこたえた学校づくりを行っていくべきであると、こういうふうなことを最後に申し上げてこの質問は終わります。

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