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委員会会議録

質問文書

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令和6年2月定例会文教警察委員会 質疑・質問
質疑・質問者:望月 香世子 議員
質疑・質問日:03/07/2024
会派名:自民改革会議


○望月委員
 分割質問方式で質問いたします。
 本県の教育理念について池上教育長に伺いたいと思います。
 静岡県は、富国有徳の美しい“ふじのくに”づくりを県政運営の基本理念に掲げ、教育の基本理念では本県の未来を担う有徳の人の育成を社会全体で進めていくとし、全ての県民がこの理念を共有するよう有徳の人づくり宣言を行っていると思います。
 有徳の人づくりのサブタイトルに、誰一人取り残さない教育の実現とありますが、私は有徳な人を目指すことを理念に掲げることに、お子さんのそれぞれの自由な意思の制約というか、最善な世界ふじのくにから何か外れているんじゃないか、自己肯定感を育むことができない状況をつくり出すのではないかと感じることがあります。
 私は、誰もが生まれてきたことだけですばらしいことであり、もちろん自由な意思が他者の権利を脅かすことがあってはならないものの、どのような人でもどのような選択をして生きていていいんだと思ってほしいと思います。
 池上教育長は、雑誌のインタビュー記事で、特別支援学校を訪れた際に同校生徒の取組に非常に感銘を受けて有徳な人だと感じたとおっしゃっていたのを拝見しました。子供たちの状況を見てそうお感じになるのはいいと思うんです。ただ有徳の人がそうあるべきと思われたのかなと。
 有徳の人は、言い換えれば探究できる人であるともその中でお話されていますが、もちろんどのような状況でも生きていくこと、探究すること、その子の力となるようサポートしてあげたいというのはすばらしいことだと思います。
 ただ、それが有徳な人と言い換えられるのか率直に疑問に感じました。有徳な人づくりを目標に掲げていることと、誰一人取り残さないということに矛盾みたいなものは生じないのか、お考えをお聞かせ頂けたらと思います。

○池上教育長
 御質問ありがとうございました。
 本質的な問いかけを頂きました。私が教育長に着任したときには既にふじのくに有徳の人づくり大綱が走っている状況でした。私自身この有徳の人という言葉がとても高邁な理想に思えて、着任当初は自分の中で落とし込むのにいささか苦労したのはうそ偽りないことです。
 雑誌のインタビューでも述べましたように、ある特別支援学校で障害を持った子たちが、コロナのときシトラスリボンを作ってコロナ差別をやめようと呼びかけをしたいため、隣の高校へ行ってリボンを結ぶことができる仲間を募り作っていった。できることを自分たちでやって、自分たちの志を伝えてよりよい社会づくりに関わっていった。それを見て私はその瞬間これが有徳の人なんだなと腑に落ちました。
 これはなぜか。このふじのくに有徳の人づくり大綱を見ますと、有徳の人を3つの柱に落とし込んだ柔らかな理解が書かれております。
 例えば、いろいろなことに興味を持って自らの個性を生かして努力し続けることがありまして、私はこれを個人として自立する、自分の興味関心を大事にして動いていくと理解しました。
 2つ目の多様な生き方と価値観を認めて自他を大切にする。これは徳を積む人と書いてありますが、これはまさにいろいろな人たちがいる社会の中で、自分も他者も大事にしていく生き方と私は理解しました。
 3つ目の社会や人のために貢献する才徳兼備の人。これだけ見るとすごく高邁な人物像ですけれども、これは自分ができることで少しでもよりよい社会づくりに関わっていこうという姿勢だと私は理解しました。
 そこで、先ほど申し上げた特別支援学校の子供たちの、ささやかですけれどその実践がまさに有徳の人なんだと感じたわけであります。
 したがって、まず今の質問の有徳の人づくりは自己肯定感につながらないのではないかとの御指摘については、教育委員会として学校の子供たちにこの有徳の人の考え方を落とし込んで、それぞれの発達段階に応じて理解しやすく説明していくことが必要だと思っています。
 もう一方で、サブタイトルにある誰一人取り残さない教育との間に矛盾がないかについては、私は有徳の人とはそれぞれの人が持って生まれた能力、資質、才能、場合によっては障害も含めた個性を何らかの形で自分なりの問題や関心を基に、よりよい社会づくりに生かそうとしていく生きざま、向き合い方だと思います。それにつながっていこうという志を持っていれば、それは立派に有徳の人だと感じています。
 その一方で、現実を見てみると様々な局面で困難に直面している子供や今大人もいると思います。そういった困難な人たちを救い上げるセーフティーネットをしっかりつくっていくことが誰一人取り残さないということなので、誰一人取り残さない教育で救われる人たちは有徳の人でないと私は考えていません。セーフティーネットで救われた人たちが、その志において有徳の人であるということは十分成り立ち得ると考えてこの2年間教育行政を担ってまいりました。

○望月委員
 ありがとうございます。
 落とし込んだ一つ一つの施策は私も理解できますが、やはり池上教育長が冒頭おっしゃったように、そこに落とし込んで自分に入ってくるまでにどうしても違和感というか、何だろうそれってどういうことだろうと、とても崇高な理念に感じました。あくまで理念であり一つ一つの事業には直結はしないかもしれないし、実際に県民でこの理念を御存じの方も少ないと思います。変化の激しい今の様々な状況に応じて、県庁や民間、地域が一体となって施策を講じなければならない中で、目指す姿が非常に重要だと思います。私が違和感を感じるように、この言葉に何かをお感じになる方もいらっしゃるかもしれないですし、ぜひ池上教育長には、引き続き子供たち一人一人の多様な成長に即した教育をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございます。

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