本会議会議録


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令和6年決算特別委員会文教警察分科会 質疑・質問
質疑・質問者:蓮池 章平 議員
質疑・質問日:10/29/2024
会派名:公明党静岡県議団


○蓮池委員
 分割質問方式でお願いします。
 まず、主要な施策の成果及び予算の執行実績についての説明書12ページ、不祥事根絶への取組についてです。
 様々なことをされたと思いますが、令和5年度に様々な取組をしてどんな状況だったのか、成果に結びついたもの、結びつかなかったものそれぞれについて教えていただきたいと思います。

○高林教育総務課長
 昨年度、児童生徒が被害者となる不祥事案件は9件ございましたので、これに対する重点的な取組として安全・安心な学校づくりを目指して、体罰・不適切な言動のない学校づくりというリーフレットを配付させていただき周知を図ったところでございます。
 その効果として、今年度は上半期までで児童生徒に係る不祥事案件は1件であり効果が現れていると捉えております。
 また、成果に結びついていない取組でございますけれども、不祥事根絶に向けた取組の1つとして臨床心理士による被処分者である教員への面談等を行っていますが、心理的なアプローチも含めて事件の背景や原因等について対策を導き出すところにまでまだ至っておらず課題として考えております。

○蓮池委員
 次の13ページの評価と課題で、評価には児童生徒が被害者となる事案が令和4年から3件増加、課題には令和4年度と比較して児童生徒へのわいせつ、セクハラは同数、体罰、不適切な言動はいずれも増加したとありますが、教育委員会としてそれぞれ課題を深掘りして対策として考えているものがあるのでしょうか。

○高林教育総務課長
 不祥事事案が発生するたびに、教育長通知の発出により学校に周知徹底を図っていることに加え、コンプライアンス通信を作成して教員の不祥事に対する校内研修に使っていただいております。そういった様々な取組を通して不祥事根絶に取り組んでおります。

○蓮池委員
 これまでも研修等はずっとやってきていますよね。それでもなお増加するのは何か原因があるのでしょうか、その分析をお聞きします。

○高林教育総務課長
 組織として風通しのよい職場づくりと教職員一人一人の人権意識の徹底が重要である思っております。人権意識の徹底につきましてはガイドブック、セクシュアルハラスメントアンケート等を通じて意識を徹底し、風通しのよい職場づくりにつきましては機会あるごとに校内でグループでの意見交換などを行って機運の醸成に取り組んでいるところでございます。

○蓮池委員
 いずれにしても子供たちの重要な教育環境である学校現場において、教育に携わる人たちが起こす不祥事は非常に大きな問題なので、引き続きしっかりと対応していただくことをお願いしたいと思います。

 続きまして、説明資料20ページ、なやみ相談ナビ「はなそっと」の開設についてです。
 令和6年3月に開設したので令和5年度の開設になりますが、令和5年度は実績としてどのぐらいの相談件数があったのか分かったら教えてください。

○秋野教育政策課長
 「はなそっと」は今おっしゃられましたように令和6年3月末に開設し、児童生徒が1人1台端末を使って相談窓口を検索できるように市町教育委員会や県立学校に案内いたしました。
 利用状況でございますけれども、例えば8月は一旦利用者が減少して9月に増えるなど変動はありますが、月平均にしますと大体一月に1,300件の利用がございます。1日当たりにしますと42件でございます。
 現時点で御説明できるのはこの件数のみですが、その検索した児童生徒が相談窓口につながっているかどうかが気になっているところでございます。
 検索のハードルを下げるために、児童生徒からは個人情報や相談内容の情報を取らないようにしていますが、相談窓口担当者に集まってもらい「はなそっと」の効果や改善が必要な点などを確認したいと思っております。

○蓮池委員
 相談窓口の担当者は何人ぐらいいらっしゃるのですか。月約1,300件の相談を受けて、相談した子にフィードバックとして返しているんですか。

○秋野教育政策課長
 「はなそっと」で案内しております相談窓口は、県設置の相談窓口が28機関、市町設置の相談窓口が101機関あり、教育相談のみならず福祉、医療、雇用など様々な分野の相談窓口を含んでおります。ですので今御質問頂いた担当者の人数は即座には出ませんが、機関で言いますと今申し上げた状況でございます。

○蓮池委員
 また常任委員会で詳しく聞きたいと思いますけれども、状況を調べていただくようお願いします。

 次に、説明資料25ページの社会全体の意見を反映した教育行政の推進に、効果的な情報発信が必要とあります。これまでもいろいろな情報発信をしていたと思いますが、令和5年度の情報発信で改善された点はあるのでしょうか。

○秋野教育政策課長
 広報媒体には、教育委員会はもちろん知事部局で持っている紙媒体、SNS、記者提供の枠組みなども活用しております。教育委員会の取組を多くの皆様に理解して応援していただくためにも、おおむねの年間計画を立てながら適切なタイミングで積極的に情報を打ち出していくことが大切だと思っており、知事部局に重点的に取り上げてもらいたいことを説明する中で、知事部局の広報媒体に取り上げてもらったり、積極的な情報発信として令和4年度から教育委員会の取組のみならず学校の取組を学校が記者提供することを始めました。昨年度1年間で学校からの記者提供は117件あり、そのうちの7割をメディアで取り上げていただいております。

○蓮池委員
 行政の情報発信には、発信して終わりでそれが情報発信だとされるものがあります。必要なところに必要な情報をどうやって届けるのか、対象は誰でどういうことを知ってもらいたいのか、そこまで考えて初めて情報発信だと思うので、今後も情報発信の在り方について研究していただいて、本当に届いているのかどうかも含めてぜひ御検討頂きたいと思います。

 最後に、説明資料26ページの教職員の資質向上についてでありますが、これも様々な研修をしてまいりました。令和5年度に資質向上に向けた取組でどのような工夫をされたのか伺います。

○中山人権・教員育成室長
 教職員の資質向上については、主に2点お答えいたします。
 1点目は、若手管理職の資質向上支援についてです。
 常葉大学と連携し、来年度新たに管理職を対象としたスクールマネジメント研修を立ち上げる予定でおります。こちらは4日間の研修になっております。
 また、これまでにも管理職向けの研修が幾つかありましたので、そちらの新規研修と既存の研修を合わせてパッケージ化し、静岡県の教員研修計画に一目で分かる形で載せていきたいと考えております。
 教員研修計画には約250の研修が載っておりますが、来年度はその中から管理職向けに10件の研修を特出しでお示しし、校長先生が教頭先生を研修に受講奨励できるようにしていきたいと考えております。
 2点目は、子供たちの社会情動性を育むために教員研修にSEL――ソーシャル・エモーショナル・ラーニングの概念を取り入れたいと考えています。
 SELとは、対人関係や感情をコントロールするソーシャルスキル、自己肯定感など数値で測れない力を育成する学習プログラムの総称です。こちらを学校でやっていただくために、まずは教員研修で来年度概要を学んでいただきたいと考えています。
 具体的には、来年度の初任者研修と中堅教諭等資質向上研修で行っていく予定です。

○蓮池委員
 資質が向上したことをはかる物差しみたいなものではかって令和5年度はさらに改善しようと取り組まれたのですか。

○中山人権・教員育成室長
 これまでも研修後に研修員自身が自分にどのような力がついたかをはかる振り返りを行っておりましたが、今後もそういった研修後にどのような力がついたかを自分自身が把握すること、あとは例えば教頭が研修を受けたら校長が評価するなど資質向上を確認していきたいと考えております。

○蓮池委員
 教員の資質向上については今後も継続して実のある研修になるようにお願いして終わりたいと思います。

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