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委員会会議録

質問文書

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平成26年9月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:中谷 多加二 議員
質疑・質問日:10/08/2014
会派名:自民改革会議


○中谷委員
 4点ありますが、一問一答方式で1つずつ質問していきたいと思います。
 最初に、大工が大いに減少しているという数字を紹介します。1995年に76万1000人。2010年に39万7000人。将来予測として、2020年――かのお祭り騒ぎの年に21万1000人と推測されています。後からCLTにも触れますが、県産材の利用拡大、消費拡大、いろいろな観点から県産材の消費に向かって努力をしていくというのが大事なことだと思うのですが、大工がどんどん減ることによって使う量も当然減るということです。県はこの大工の育成支援ということで、どういう形で取り組んでいるのかというのをまず伺いたいと思います。

○伊藤職業能力開発課長
 大工の人材育成につきましてお答えいたします。
 県立の技術専門校で職業訓練をやっておりまして、浜松技術専門校では高校卒業者を対象にした若年者訓練、また浜松と沼津の各校におきましては、失業者を対象とした離転職者訓練で、建築大工の職業訓練を実施し、工務店等に人材を送り込んでおります。
 また、地域の工務店の組合などが設立いたしました民間の職業訓練、カリキュラム等を精査しまして認定をするわけですけれども、県内各地域に10校はございます。現場で働きながら2年から3年、訓練校で技術を学ぶ職業訓練を実施しておりまして、県としては訓練経費の一部を補助するなど支援いたしまして、大工の育成に努めております。

○中谷委員
 日本の伝統技能、芸術、これを受け継いでいる建物が日本にはたくさんございます。それらをつかさどるというか、修理、大改築等々は俗に言う宮大工という方々がやられているわけですね。蛇足の参考ですが、平成12年から12年かけて平成の大改修をした奈良の唐招提寺あそこの大黒柱の1本は天龍産の直径1.5メートルの300年以上のヒノキです。所有者は個人情報で言いませんが、聞きたい方があったら私のところに。
 そういう状況もあって、そのような古くから伝わる日本の伝統、芸術、技能を集約したような建築物が永遠ではありませんが、続いていくと、建っているということの必要性は十分に感じている。皆さん方もそうでしょうけれども、私もそうです。今、専門学校でいろいろやることについて多少補助をしているということですが、私が思うには、それでは足りないと思っています。もっとしっかり目を向けてほしいです。昔、名前は忘れましたが民間の会社で大工を育成する会社が富士市にありましたけれども、最近はそういう動きが見られない。
 平成15年から国土交通省の支援で大工育成塾が設立されています。あわせて、最近のプレカット工場の増加ですね。プレカットですから、大工がつくる前までの工程を全部機械がこなすということで、これが普及してきていることも大工が減っている原因の1つだと思います。例えば宮大工の一番重要な仕事は、俗に言う墨つけ職ですね。前の列の年配の方はおわかりだと思いますが、ふっとやってぴんとやるやつ。あれができる大工さんが非常に少なくなっているということです。ですからトータルで、例えばそのプレカットの工場を減らせとか、そんなことは決して申しません。需要に応えるためには必要であると思いますが、これは極端な1つの例ですが、日本の伝統的な建築物をつかさどる大工を育成するというのは非常に大事だと思いますが、もう一度、前の列の方に答弁願います。

○石川就業支援局長
 今、中谷委員から話があったプレカット工場の増加というのも非常に問題だといろいろ現場から聞いております。我々としては今、先ほど申し上げましたとおり、県の職業訓練とか、あるいは民間の認定校への支援とか、あるいは今、工業高校で、大工も含めた競技大会をやっていて、若くて興味がある人がそういう道に進めるよういろいろやっておるところでございます。
 それから、そういう機運を醸成することも非常に大事ですから、優秀技能者の県知事の表彰であるとか、大臣表彰、それから最後には技能マイスターということで、宮大工さんも含めて何人か認定をしまして、小学校、中学校にそういう方の話をしていただくというようなこともやっておりました。あるいは、県内でも先ほど申し上げましたとおり、高校でもやっておりますし、あるいは富士宮市に富士教育訓練センターという全国唯一の学校もございますので、そういったことでいろいろ連携しまして、ぜひ伝統の技が途切れることのないように、しっかりとサポートをしていきたいと考えております。

○中谷委員
 技能オリンピックを含めてこれから一生懸命取り組んでもらいたいと思います。

 次の質問ですが、前回も聞きましたCLTです。森林・林業・林産業活性化議員連盟でドイツ、オーストリアに行ってきました。オーストリアのウィーンから車で3時間ほど走って、アルプスの山の麓にあるKLHと書いて、カーエルハーという呼び方をするわけです。そこの工場を視察して、かなり臨場感がありました。
 これから私をCLTだと思ってください。ちょっと自慢話をします。
 まず短期間で施工が可能です。高い耐震性を備えているので、高層建築に向いているよと。それから、厚みがあるから高い断熱性、遮音性、耐火性が期待できると。それから、直交集成板でありますので、例えば節の多い杉のような材も十分これに加工が可能だと。それから杉は比重が非常に軽いですね。断熱性があるので、CLTには一番適していると言われていると。それから、これちょっと気になるところですが、在来仕込み工法に比べて木材の需要拡大につながると、私はそうは思っていませんが、一応、私はCLTだと思って言っているわけですが、そういったいろいろいい面もあります。
 パッシブハウスという集合住宅も見てきましたし、かなりの高層住宅もできていると。高知県の高知おおとよ製材という製材会社があって、前回の委員会で申し上げましたが、ここでもその職員寮をこのCLTを使ってもう既につくっていますし、人も住んでいる。
 まず入り口として、この新しい建築部材と言われるCLTを県はどのように評価をしているのか伺いたいと思います。

○長谷川林業振興課長
 このたびは森林・林業・林産業活性化議員連盟からCLTの先進国であるオーストリアほかの視察のお声をかけていただきまして、ありがとうございました。私も一緒に視察をさせていただきました。大変勉強になりましたとともに、多くの知見を得ることができました。
 そうした中で、CLTについてなんですが、ウィーンでは3タイプの4階建ての集合住宅や7階建ての集合住宅を見てきました。また先ほど中谷委員から言われましたKLH社の近くでは、4階建ての集合住宅を実際に見てきました。ウィーンで見た集合住宅は、後から調べてみますと、1階と階段部分はコンクリートでつくっているということで、それ以外の2階、3階、4階の住居部分は木造という形になっています。あと郊外のKLH社の近くの集合住宅につきましては、1階から全て木造で、それぞれ特徴があるつくり方になっていると感じました。特徴としましては、どの集合住宅にもバルコニーが設置してありまして、そこには、掃き出しの窓があり、光がかなり住宅の中に入る形になっています。
 そういったことを通しまして、CLTは単独でも建築可能でありますが、鉄骨や鉄筋コンクリートとも組み合わせが可能で、工夫次第では構造やデザインなどの可能性については無限に広がると考えています。静岡県はオーストリアと気候が異なりますが、CLTをうまく使えば、静岡県の気候風土に合った集合住宅などの建築というのは十分本県でも可能であると評価しております。

○中谷委員
 そうだよ。一緒に行ったんだよね。
 このCLTの工場を見てすごいなと思ったのは、最大の長さが16.5メートル、幅が約3メートル、このどでかいやつを2時間ほどプレスしてつくっているわけですが、厚さは10センチから20センチということで、非常にスケールの大きさを感じましたし、日本にも取り次ぎの店というか、電話が三、四台あって、もしもし、はいという程度のブローカーみたいなやつかもしれませんが、そういったシステムもある。
 特にフィンランド、ノルウェー、スウェーデン、北欧の3国あたりですとか、ドイツとか非常に普及していて、KLH社は130何人の従業員で年商60億円ぐらいの会社ですが、大いに伸びていくと思っていまして、実は静岡大学の住環境行動学研究室に安村教授という方がおいでになるらしいのです。私はお会いしていませんが、実はこの方が日本のCLTの研究の第一人者だということがあるので、私もぜひそのうちお目にかかって、いろいろ御高説を拝聴したいと思っております。
 これから、静岡県のCLTに対する取り組みですが、うちでも扱いたいよというところがあると思うんですが、実際に製造できるのは岡山県真庭市の銘建工業と鹿児島の製材会社ですね。2つしかありませんが、これからどんどんふえていくという認識を持っていまして、いろいろ基準もこれから確立させて、建築基準法にどのように適合するかとか、そういったこともぼちぼちと形ができてくると認識しております。
 ぜひ、このことについては大いに取り上げていただきたい。知事は木材を50万立方メートル搬出しろと言っていますが、現在の実績が30万立方メートルちょっとなので、眉つばには眉つばですが、言えば言うなりに何とかなる。特にここの部署じゃありませんが、森林計画課の皆さんの大変さは走馬灯のように私の頭の周りを回っていますので、頑張っていただきたいと思います。意見というか感想みたいなものです。

 次の質問です。また川の話です。
 最近内水面の漁業を見ると、釣り人がどんどん毎年減少傾向にあるということと、あわせて、当然ですが、遊魚料、遊魚券の販売実績も落ちて、遊魚料の収入も下降していると。漁協の経営も厳しい。これは当然だと思いますが、根本的に釣りが余り好きでないという人と、私みたいに大好きだという人がいます。まず釣り好きを育てることは大事じゃないかなと思っています。
 例えば、今の子供たちに、もっと川に親しんでいただいて、例えば私の家の前の只来川ではこんな大きいアユがとれるぞと。塩焼きで食えばうまいぞというのを、子供心に釣って食べてというのことを経験させれば、この川になぜ魚がすめるのかとか、自然の大切さだとか、そういったものが知らず知らずのうちに醸成されて、将来、釣り好きになる、ならないは別としても、自然に対する思い入れが変わってくると思います。
 ここに壁があって、漁業協同組合という組織があるわけですよ。当然ながら、そこに漁業権を設定をして、それで解禁日はいつで、この期間はいいということになっていまして、いろいろと難しいことがあるようです。県のそういったことに対する認識、それから対策を考えていただきたいということがまず1点。

 追加でもう1点質問ですが、先ほど内水面漁連の裾野市にあります種苗センターの元場長が、何かアユの関係でちょっとお金の流れがおかしいという疑いを持たれて、確定したわけじゃありませんが、逮捕されて今、取り調べを受けているという最中です。
 内水面漁連に対する県の関与といいますか、これからそういったことがあるとするならば、仮定で質問できませんが、少し緩んでいるのではないかと思いますので、そういったことに関して指導的立場にある藤田水産業局長並びに嶌本水産資源課長に御答弁いただきたいと思います。

○嶌本水産資源課長
 子供が川で親しむ機会をふやすための県の施策についてお答えいたします。
 県内の内水面漁協数の減少とそれに伴う各漁協の遊魚券の販売減は御指摘のとおりでございます。
 一方、内水面漁業には市民に釣りの機会の提供や河川環境の維持等の多面的な役割があることから、県では特に子供たちに川の生態系の仕組みや自然との共生の大切さを学び、生き物にあふれた豊かな自然を次世代に残す意識を持ってもらうことが重要であると考えております。このため内水面漁協が子供たちを対象に行う釣り教室などを支援しているところであります。
 具体的には、平成26年度につきましては、4つの内水面漁協がこの事業を活用し、アユ友釣り、ニジマス釣り体験等の釣り教室を延べ13回行うことになっております。このように、県としても子供たちが川の楽しさ、大切さを学び、将来の遊魚者となるよう取り組んでまいります。以上でございます。

○藤田水産業局長
 私からは、内水面漁連のことについてお答えいたします。
 10月1日に新聞報道にもありましたけれども、県の内水面漁業協同組合連合会、いわゆる内漁連は、稚アユを養殖、生産をして、これを販売しております。この種苗センターの元場長がアユの売却代金を着服したということで、業務上横領の疑いで逮捕されたという報道がなされております。逮捕の容疑としましては、平成25年3月と4月にセンターで養殖したアユの550キロ、340万円相当を売却した際に、その代金110万円を横領したと報じられているところであります。
 この件に関しましては、その前からずっとやりとりがありまして、私のほうでもいろいろ見て指導など、いろいろなことをやっております。今までやってきたことを申し上げますと、まず県は内水面漁連の監督官庁ということになりますので、昨年のこの件が発端になりました平成25年の11月に県に一報があったんですけれども、それ以降、指導などを行っております。この件を契機といたしまして、内漁連の内部で会員間の多少の対立が生じておりますので、これを運営の正常化に向けて両者の協議を仲介するということをことしの4月からはやっております。そしてさらに、再発防止策をきちんと立てないといけないと思っておりますので、策定を指示しまして、ことしの5月からでありますけれども、作業をしております。今後も会員間の連携を密にして、運営が正常化されるように引き続き指導監督をしっかりやっていきたいと思っております。

○中谷委員
 よくわかりました。ぜひお願いをしたいと思います。
 それから、最後の質問になりますが、日本経済新聞の記事で、農作物被害を防ぐ新しい手法として、県の森林・林業研究センターが硝酸塩入りの餌を食べさせる方法でニホンジカを駆除する新たな方法を開発したとあります。
 従来の銃やわなによる捕獲に比べて、他の動物に与える影響が小さいというのが特徴のようで、いろいろ実用化に向けて検討や研究がされているようです。餌の食いが悪いとか、いろいろ問題はあると思いますが、現在、これは私にとって、山間地に住まう者にとって鳥獣の被害――東部においては特に鹿ですが――非常に朗報というか、うまくいけばこんなにすばらしいことはないと思っています。注目をしている取り組みで、森林・林業研究センターの皆さんに頑張ってもらいたいです。この辺の開発の状況、報道から少し時間もたっていますので、説明を願いたいと思います。

○櫻井研究調整課長
 新聞に掲載されました研究の取り組み状況等について御説明させていただきます。
 硝酸塩を摂取いたしますと、血液中の赤血球が酸素を運ぶ能力を失って、酸欠状態になってしまうということで、これをニホンジカの狩猟に用いることができないかということで、ただいま研究に着手してございます。
 現在の狩猟は、中谷委員がおっしゃるように銃やわなによるものが主流であるわけですが、地域の状況によりましては住宅に近く銃が使いにくい、林の中にあって柵を仕掛けにくいので、わなに鹿を誘導しにくいといったところがございますので、これらの従来の方法を補完する方法として、今現在、新しい方法として、森林・林業研究センターが実用化に向けて取り組んでおります。
 ただ、硝酸塩を摂取すると酸欠状態になるというのは、牛、ニホンジカなどの反芻動物に特徴的な症状であるわけでございますが、カモシカなども反芻動物でございますので、この硝酸塩入りの餌を食べた場合には、天然記念物のカモシカも死亡してしまう可能性もあるわけでございます。今後、実用化するに当たっては、カモシカなどが誤って食べてしまわないように、さらに実用化に向けた検討をしていかなくてはいけないと。
 今のところ、カモシカというのは縄張り性が強くて、ニホンジカなどほかの動物が生息するところにはあらわれないとか、ニホンジカとは異なる葉っぱや草を食べるといった嗜好の違いもあるようでございます。ここら辺をさらに研究しまして、実用化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。現在、伊豆半島にはカモシカはおりませんので、ここをフィールドにして研究を進めているところでございます。以上でございます。

○中谷委員
 ありがとうございました。
 もしカモシカが食べて死んだら、中国式の方法というのがあるらしいんですよ。もう少し明るい茶色で色塗って、ペンキでちょっとかいて、そうすれば、日本では通用しませんが、中国では通用するという実績があるので参考までに申し上げておきます。
 私、わなの免許を取得して3年たったので、ことし更新をしました。いわゆるそのカモシカとニホンジカね。やつらと言っちゃ悪いですが、大体食性も似ているし、わなにかかることも似ているんで、例えば所管の問題もありますが、カモシカだってわなにかかるときが実はあるんですね。私のじゃないですよ。暴れてどうしようもないと。そのときに、私が今言ったことを言ったわけですよ。スプレーできるのでと。理屈では確かにわかるが、実際にこれを活用しようとしたときに、いろんな問題が出ると私も思っています。
 静岡県には有名なふじのくに食の都仕事人という人がいますね。せっかく大勢指定しているので、この硝酸塩入りのえさを食わせる方法――カモシカが嫌いで、ニホンジカが好むえさを――を考えてもらうのも1つの手だと思います。参考までに申し上げて終わります。

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