• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 委員会会議録 > 質問文書

ここから本文です。

委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成22年1月富士山特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:花井 征二 議員
質疑・質問日:01/12/2010
会派名:無所属


○花井委員
 富士山世界遺産の登録目標年度は、確か平成24年、2012年ということだったと思うんですが、そうしますと2年後ということになります。もうあとわずかということになります。登録の見通しはどうなっているのか、まずその点をお伺いいたします。
 前の委員会で皆さんと質疑応答することができたのは、たしか7月の委員会ですね。この間、いろんな出来事がありました。最近では元FIレーサーの彼も富士山に登ったようですね。遭難事故、一緒に行った2人が亡くなるという悲劇的な状況がありました。やはり富士山というのは、ある時期を除けば非常に厳しい山であるということが再認識させられたわけです。そういうことだけで言っているんじゃないかと思いますが、この間、いろいろなフォーラム、セミナー、シンポジウム等をやられて、イコモスからも人が来て、いろいろ発言をされる中で、景観プランナーのラムゼイさんが、富士山について決して安全組織が十分ではなく、観光客が入ると問題が起こるかもしれないという新聞の対談の中でそんなこともおっしゃられていたと思います。この辺、富士山の安全という面ではどこまで大丈夫だよ、安全だよと言い切っていくことができるのか。単に冬は危ないよというだけの話なのか、その辺についても伺っておきます。
 それから、9月には例の国際フォーラム、シンポジウムを山梨県の富士河口湖等でやられましたけれども、たしかこれは東京でやったかと思うんですけども、第2回の山梨県、静岡県学術委員会が10月のたしか30日にもありましたよね。そのときの資料はいただきましたが、そこで報告されている国際専門家会議での指摘事項についてであります。これはいろんなところでイコモスの方が発言をされていることからしても、資料を見なくてもそうだろうというふうに思ったのは、富士山というのは世界一美しい山で、あの山を見るだけで畏敬の念が生まれるというニュアンスの発言をされていたかと思うんです。そういうものを受けての話でしょうけど、自然的要素の強力な宗教的、芸術的、または文化的な関連性によって定義される景観としてとらえることができるんだということで、いわゆる評価基準のZの適用で富士山は重要な先例になりうると。文化遺産への適用としては初めてというのか、従来の評価基準ならば自然遺産に適用したと。しかし、自然美は文化的な観点からの評価ができることから評価基準Zなどの文化遺産への適用は可能だといっていましたね。
 この辺のとらえ方を県としてはどんなふうにとらえているのか。ただし、これはそうなってくると、文化財の指定範囲の拡大が可能かどうかということを検討する必要があるということが、学術委員会の中でも言われております。つまり富士山の自然美があらわす範囲を構成資産とする必要があると。そのためには、その範囲というものの再検討が必要になってくる。あわせて、国関係機関と協議を行って文化財としての価値や保護の実効性を高めていく上で、国立公園指定区域等を構成資産に含めることが適切かつ可能か検討する必要があるというふうに言っております。
この辺の問題というのはなかなか微妙な問題かなというふうに思うんですが、以前に私も指摘しましたが、演習場の問題にもたしか触れられておりますよね。この辺の問題、あるいは包括的監督組織というのでしょうか、両県だけではなくて、やっぱり国がどうかかわっていくのかというようなことなども、自然公園法などの監督権限のある組織の参加を決めますというようなことも言われております。この辺の状況について、少し御説明をいただきたいというふうに思います。
 前もお話ししたかもしれませんが、――やっぱりビジターセンター、これは山梨県側にはあっても、これはもちろん国がということで私は言おうとしているわけですが、――ビジターセンターの必要性ということを強調いたしましたけれども、その辺については国に働きかけているということは承知しておりますが、どんな見通しなのかという点をお伺いしたいと思います。
 それから、富士山というのはやはり世界遺産というだけではなくて、観光その他から言ってもここにもビューポイントがあるということを広く広報していくことは大事だと思うんですが、これについてもいろいろおやりになってはいると思うんだけれども、これは非常に大事なんじゃないかというふうに思います。
 いつかの新聞では、漁協の人たちが、海から見る富士山の神々しさというようなことが報道されていたかと思うんですけど、いろんなビューポイントが確かにあると思います。中でもここがすばらしいというのは、なかなか言いにくい話かもしれませんが、やっぱりそういうのを示すことによって、そこにぜひ行ってみようという気になっていくんじゃないかというふうに思います。
 それから、今回の資料では、中国の泰山、泰安市との関係の報告がありましたけれども、もちろん中国の泰山というのは、世界遺産でもありますし、大事だと思うんですけども、もともとたしかアメリカの例のレーニア山と富士山が、――これは国の環境省の関係かもしれませんが、――いわゆる姉妹関係になるといろいろな報道がされました。これは国がやっていることだから、県は関係ないじゃなくて、やっぱり大いに関係を持った方がいいということを私が前にも言ったかと思うんですが、この辺のかかわりについてはどんなふうにお考えか、お伺いいたします。
 そういう意味では、今回も富士山の日条例とのかかわりの中で、全国にはみなし富士と呼ばれるものがたくさんあるんだと。全国には何とか富士というような形で340もあるということはお調べになったようですが、調べて数字を発表するという話だけではないと思うので、こういうところとどういうかかわりを持って、何をしようとしているのか。この辺もお伺いをしたいと思います。
 それから、テレビで見ていたらモンブランの長距離マラソン、夕方から出ていって、夜中じゅう走り回って次の日ゴールするという、あれ日本人の方が2位になったといってテレビ番組で2時間以上やっていましたね。私も思わず見入ってしまったんですけれども、あれはたしかフランスから始まって、イタリアを経由して、またフランスに戻るということでした。距離でいうと、たしか静岡でも例の「ぐるり富士山ロングトレイル」の候補ルート調査をやっているという記事がありましたけども、ほぼこれと同じぐらいですね。これはたしか180キロと書いてありますが、あれもそんな程度だったような気がします。たまたま距離の長さが一致したからからという意味で言うわけではないですが、あれもひとつのおもしろい取り組みだったなということで、富士山へのアプローチの仕方というのはいろんなことがあるのではないかと、あれを見ながら私も感じたわけです。「ぐるり富士山ロングトレイル」これには県もかかわっているわけですから、いろんなコースがありますよという紹介にとどまらずに、こういうものを何か人を引きつけるものとして、私はやられたらいいんじゃないかというふうに思うんですね。
 とりわけ、出発点は静岡にするべきで、山梨県までいっても、ちゃんと静岡で出発して静岡へ戻ってくるようなイニシアチブを私はとられたらいいんじゃないかと思うんです。静岡というのは、――きょうの資料の産業部のところの2ページにもあるように、――海外でも富士山は知られているけれど静岡県の知名度は低いと。富士山は知っていても、静岡県なんて知らないというのが皆さんの認識であるようなので、そうであればこそ、そのためには何をするのということを示していく必要があるんですね。これは「何とかかんとかふじのくに」というだけでは、静岡県は一つも出てこないわけです。ふじのくにが出てくるだけの話なんですね。すぐ、ふじのくにというけど、そこでとまってしまって、結局静岡県は出てこないんです。ふじのくには日本だということは、川勝知事も言われるように、そこまではいくかもしれないけれども、静岡県は結局出てこないです。こういう点についても、積極的なお考えがあるようでしたら、お伺いをしたいと思います。
 それから、トイレの問題やごみの問題、こういう問題はもう解決できたというふうに皆さんは認識されているのかどうか、この点を最後にお伺いします。
○森委員長
 それでは、ここで暫時休憩をして、答弁は午後お願いしたいと思います。
 午後の再開は1時といたします。

( 休 憩 )

○森委員長
 休憩前に引き続きまして、委員会を開催します。
 花井委員の質問は多岐にわたっておりますので、説明員の皆さんは要領よく大きい声で簡潔にお願いしたいと思います。
 それでは、御答弁をお願いします。

○大野県民部世界遺産推進室長
 世界遺産関係5件お答えいたします。まず最初に平成24年の登録の見通しはどうかということでございますが、課題は幾つかございますけれども、現状では平成24年の登録を目指して鋭意頑張っているという状況でございます。
 2点目の国際専門家会議で指摘されました、たぐいまれなる自然美が信仰等の基盤になったのではないか。そのためには、たぐいまれな自然美の評価基準であるZを使って、新しい形での文化遺産登録を目指してはどうか。こういう助言がありました。
 それに対して県のとらえ方はということでございます。評価基準Zの適用ということになりますと、国の関係でいきますと、環境省、それからユネスコの関係でいきますと、イコモスというのが文化遺産の審査をする機関になります。自然遺産となりますと、IUCNと、国際自然保護連合が自然遺産の審査を行っておりまして、評価基準Zというのは自然遺産にこれまで適用されてきた基準ということになりますので、今後このIUCNとの調整が必要ということでございます。
 現在、文化庁を通して複数のチャンネルでIUCNの意向を確認しておりますが、現在いただいた回答では、IUCNは評価基準のZを使っての文化遺産というのは難しいという回答をいただいているところでございます。今後も文化庁等から、そういった情報収集を行いまして、学術委員会にお諮りした上で、3月までには評価基準Zを適用するか、しないかの結論を出していきたいと考えております。
 ただ、評価基準Zを適用しない場合でも、たぐいまれなる自然美が、信仰、芸術の基盤になっている。これはまさにそのとおりでございますので、現在作成を進めております推薦書原案のコンセプトにそれを盛り込むという形で取り組んでおりまして、去る6日にも推薦書原案検討会議というのを開催いたしました。ここにもお諮りをして了承をいただいたというところでございます。
 それから3点目の文化財指定の拡大に対する対応でございます。今回指摘をされた中で、富士山の登録する範囲が狭いのではないかということでしたが、私どもは当初、いわゆるお中道から上、標高で言いますと、2600メートル以上を富士山山体として登録をしようと考えておりました。今回のたぐいまれなる自然美ということを考えますと、それでは範囲が狭いという指摘を受けました。そこで文化庁、山梨県とも現在のところ自然公園法の適用で対応できないかということを協議しているところでございます。自然公園法になりますと、文化庁だけではなくて、環境省との協議が必要になってまいりますが、今後、環境省とも調整をしながら、範囲の拡大について検討してまいりたいと考えているところでございます。
 それから、4点目の包括的に富士山を監督する組織が必要ではないか。今回の指摘に対してどう対応するかということでございますが、本日お配りした資料の中にもございますが、富士山につきましては2県にまたがる包括的な保存管理計画の策定を現在進めておりまして、この検討部会の中には国土交通省、それから林野庁、環境省の方々にも出席をいただいて保存管理計画を策定しておりますので、今後はこの組織をさらに発展、拡大するような形で新たな組織をつくってまいりたいというふうに考えております。
 それから、演習場の問題で国とのかかわりはどうかということでございます。演習場についての今回の指摘で、演習場は富士山の緩衝地帯、いわゆるバッファゾーン等に加えて現状を維持していくということが条件だという指摘をいただきました。しかしそのための新しい法規制等は必要ないという助言もいただいております。現在、文化庁と防衛省が緩衝地帯、あるいはそれに近い形での位置づけが可能かどうかということを数回にわたって協議を進めていただいておりまして、これにつきましてもなるべく早く方向性を出していただくように、要請をしているところでございます。以上でございます。

○堀県民部自然保護室長
 私からは、ビジターセンターの見通しはどうか。それから米国のレーニア山との姉妹関係はどうなっているのか。それから最後のトイレやごみ問題は解決できたのか。三つについてお答えいたします。
 まずビジターセンターでございますが、富士箱根伊豆国立公園の公園計画におきましては、現在で施設計画というものが4カ所ございます。そのうち、一つは山梨県の富士ビジターセンター、それからもう一つは国の方へ要望いたしまして、田貫湖のところにできました、田貫湖ふれあい自然塾という2カ所が富士ビジターセンターというものになってございます。それで残り2カ所についてはどうかというところでございますが、環境省の方では現段階では建設等の計画はないという状況になっております。
 次に、レーニア山との姉妹山の関係でございますが、多分これは富士山クラブというNPOがございまして、そちらの方が2003年2月23日に、富士山姉妹山交流計画というものをレーニア山の関係者と調印をされたということではないかと想定いたします。この富士山クラブは私たちのところで所管しております富士山ネットワークの会員でございます。そちらの会員が、姉妹山の調印を結んだというところで、県とのかかわりというところで言いますと、富士山ネットワークの会員というところになろうかと思います。知事はその富士山クラブのシンポジウム等では、あいさつ文等を寄せて賛意を送っているという状況でございます。
 次に、富士山のトイレ、ごみ問題の件でございますが、まずトイレにつきましては、現在の登山者数であればトイレの処理能力というのは大丈夫でございますが、しかしながら一日当たりの登山者数が集中いたしますと、処理能力の限界を超えてしまうような状況が出始めているというところもございますので、その辺につきましては、万全だという状況ではございません。ごみにつきましても、五合目以上、ごみは大分減ったわけでございますが、各種団体の方等と清掃登山等をやってみますと、まだごみというものは拾えるわけでございますので、完全ではございません。
 それから、富士山ろくを見てみましても、富士の国道の周辺のところにはまだポイ捨てごみが多々見られるという状況、あと産業廃棄物の問題等もございまして、まだ解決しなければ問題がいろいろあるという認識でおります。以上でございます。

○池谷産業部観光政策室長
 私の方から富士登山の安全の関係と、それから富士山のビューポイントについてお答えさせていただきます。まず、富士登山の関係でございますが、委員御指摘のように、片山右京のパーティが冬山で遭難したという悲劇的な事件がございましたけれども、実際に私として非常に重要視しているのは、登山期間以外の期間日よりむしろ7月より8月の夏山シーズンに、いかに安全に皆様に登っていただくかということでございまして、富士山の特異性として3000メートルを超える山で、皆さん夏については、比較的に簡単に登れると判断されて割合軽装で登られたりしております。
 ことしも県警の地域課からの情報ですと、全部で34件、7月から8月の間に事故がございまして、そのうち死亡が4件と。そのうちの2件につきましては、心不全ということで本人の体調管理の問題もございますが、残りの2件につきましては、7月の山が開いてすぐの悪天候の中、山頂付近で道に迷ってしまい、軽装ということもありまして、低体温症で亡くなっています。そういうことも考えますと、私たちとしては富士山が安全とも危険とも言えない。山小屋の方々にとっても危険と呼ばれてしまってはお客が来ないので困るというのもございます。
 そういう中で、やはり無理な登山をしない。特に高山病というのが非常に怖いわけでございますので、山に登る前の注意や呼びかけ等々、来年度以降、特に外国の方もたくさん登るということが予想されますので、安全に登っていただく注意、呼びかけに努めていきたいと思っております。
 それからビューポイントについてでございますが、富士市が富士山の百景というようなものをつくられたり、あるいは御殿場市が市内の10カ所のビューポイントに看板のような施設整備をされたという話は伺っておりますが、県全体としてまとまったものはございません。
 ただ、富士山の観光資源として使えるビューポイントというのは富士山周辺以外にも例えば、日本平もそうですし、三保の松原もそうですが、非常に静岡県内は多岐にわたっておりますので、そういうものについて、これからますます観光客のふえる中で、積極的に活用して情報発信していきたいと思っております。以上です。

○水野県民部政策監(富士山総合調整担当)
 私からは、ふるさと富士との交流についてお答え申し上げます。
 本年度につきましては、先ほど申し上げましたように、ふるさと富士の写真展を開催してまいりたいということでございますが、これを契機といたしまして、来年度についてはとりあえず就航先のふるさと富士といったようなところとの交流会みたいなものを検討しているところでございます。
 そういう中では、本県の富士山に関する取り組みをアピールするとともに、それぞれの大事に思っておられる富士山、――みたて富士というか、ふるさと富士でございますが、――そうした取り組みなどの情報交換とか情報提供ということをしながら、あわせて私どもが今進めております世界遺産登録に向けた情報を発信しまして、ある意味で共感、共有していただくような場になればと思っております。
 そうしたものを踏まえながら、今後の連携や拡大等について検討してまいりたいと思っております。以上でございます。

○渡邉建設部道路企画室長
 ぐるり富士山ロングトレイルについてお答えいたします。
 この12月21日にぐるり富士山の風景街道の行政連絡会議のメンバーによりまして、ロングトレイルルートの案について現地調査を行いました。その調査におきましては、いろいろなところから富士山が見えるので、それ自体が売りになるという意見ですとか、あるいは地域の見所は今回のルートからはわき道に入ったところに多くあるので、サブルートも必要かもしれないというような意見が出たところであります。
 御質問の中にございましたように、出発を静岡、あるいは静岡に帰ってくるようにという案でございますが、現時点におきましては、基本ルートをまだ静岡県内で確認しただけであります。山梨県側は現時点で乗り切れないというようなお話もありまして、ぐるりという形では案がまだ固まっていないような状況です。今年度はそういう段階で終わりになるのですが、来年度以降、地域の活動団体ですとか、住民の方々にも声をかけまして、もう少し詳細なルート調査を行って、トイレや宿泊情報などを精査していきますが、あわせて山梨県側と連携をうまくとりたいというようなことで考えております。以上でございます。

○出野産業部観光局長
 私からは、富士山は知っていても静岡県は知らないということを、今後どういう形で積極的にやっていくかという点についてお答えいたします。
 委員御指摘の通り、富士山というのは非常に世界的にも有名な名勝になっております。それとともに、世界に通用する観光地としては富士山、伊豆、箱根というのはその名称だけで通用する地域でございます。ただ、その静岡県、静岡プリフェクチャーというのがどこにあるのかというのが余りわからないということもございまして、海外向けのいろんなPR、特にマップでございます。今まで静岡県全図の中に入れてあったんですけれども、静岡県そのものがわからない以上は、その地図は余り有効ではないだろうということで、――観光局ができて、――海外向けのマップ、あるいは国内のマップもそうですが、成田からセントレアまでも入れた形のマップを作成いたしまして、当然、成田やセントレアというのは海外の方は来日するときに使う空港でもございます。
 そういう中で、富士山のすぐ近くに伊豆半島もある、箱根も隣接している。しかも、富士山静岡空港はちょうど成田、セントレアの真ん中にあるというような売り方をしてきております。そういう中で日本に訪れる方は、やはり富士山を見たいという要望が非常に強いわけでございますので、富士山静岡空港は富士山を見ながら離着陸できる唯一空港であるし、富士山とこれだけ近い空港であると。泊まるところも伊豆半島の温泉を使った宿泊というのが、――先ほど加藤振興室長からも答弁いたしましたけれども、――中国、韓国、台湾、特に富裕層の方は富士山、それとラグジュアリーな形での和風旅館に泊まりたいというような要望も非常に強いようでございます。
 こういった要望も踏まえまして、ターゲット別、年代別な商品をいろいろ開発いたしまして、旅行業者と一緒になりまして、資料にございますような形で観光展等でのPRに努めているところでございます。それに加えまして、昨年、上海メディアグループというところが、「ドゥーラーラ」という中国でベストヒットになりました本のテレビドラマ化のロケ地を日本で唯一、静岡県でやっていただいたわけです。この中でもやはり静岡県を前面に出しまして、富士山を見る、あるいは富士山と温泉、あるいは富士山とSLみたいな形で静岡県をPRしているわけでございます。
 今後も富士山、伊豆という二つの大きな観光資源を持っている静岡県、これに最近、台湾等で一部人気のある中部地域のSL、あるいは食の宝庫である浜名湖等を含めまして、静岡県全体がとにかく観光資源にあふれる地域である。静岡プリフェクチャーというのは、富士山だけではなくて、多様な観光資源を持った地域であると。日本に観光でお見えになるお客様が静岡に来ればすべてを楽しめるという、そういう地域であるということを積極的にPRしていきたいと考えております。以上です。

○堀県民部自然保護室長
 先ほどのビジターセンターの答弁で、補足をさせていただきます。田貫湖ふれあい自然塾の建設は環境省でございまして、山梨県にあります富士ビジターセンターは、山梨県が建設をしたものでございます。以上でございます。

○森委員長
 ちょっと待ってください。まだごみの産業廃棄物の関係はこれで一応よろしいのか。トイレの方は答弁があったけどいいのかな。

○花井委員
 富士山世界遺産の問題というのは、時間的にも大分切迫している中で、非常に微妙な問題をいろいろ議論しているということは、今のお話でわかりました。これが本当に実現できるかどうかということについては、私は率直に言って、なかなか微妙な問題があるのではないかというのは今の答弁からもとれたわけです。やはり県民の期待にこたえるということで、頑張っていただくということとあわせて、世界遺産になるということは、地元の人たちにとっては必ずしもプラスになるというか、期待と違ってくる場合も当然覚悟しなければならないと思うんですね。だからこそ地元の理解というものが前提になるんだということになるのだと思います。
 いわゆるプレジャーツーリズムからエコツーリズムというふうに変わってくる、あるいはカルチャーツーリズム、そういうふうに変わってくるということは収入を産むには、むしろ効率が悪いというようなことになるわけです。しかし、富士山を富士山として、次代の人たちに残していくということは本当に世界遺産に登録されようがされまいが、私は大事なことだと思いますので、そういう点での一層の努力を期待したいと思います。
 演習場の問題なんかも今の景観をあれこれするのに、法規定が必要だから話にならないということだけであって、これが本当に今の形がいいのかという点は、当然私は問われているようなところだろうなというふうにも思います。
 この話をすると長くなりますので、そういう御意見だけ申し上げておきます。
 ビジターセンターの話も最後に、自然保護室長からのお話のように、山梨県はみずからビジターセンターをつくられたということですが、私は国がもっと積極的にそういうものを紹介していく上でも、力を入れる必要があるのかなと。レンジャーの話も以前させていただきましたが、それを保護していくためのスタッフ、あるいは紹介をするスタッフの数からいっても、何十倍というような違いに例えばアメリカと比べるとなってしまっているわけですから、そういう人的な配置ももちろんですし、また富士山のすばらしさというのを、どこから見ても富士山が見えるよということではないと思うんですね。やはりさっきも少しお話ししましたように、ビューポイントというのはビジターセンターをつくる際にも、どこにつくるのかということになれば、ここがいいということを具体的な話として出していかないといけないわけです。さっきからの話ですと、富士市、御殿場市でそういうことをやっているよというお話ではなくて、私は県としてここはしっかりやる必要があるのかなと思います。
 例えば、できるだけ近くで見たい。要するに日本平から見る富士山、あるいは三保の松原から見る富士山は、私は自分がそこに住む人間だから一番いいと思いますけれども、しかしそれは一定の距離があるわけです。本当にすぐそばまで行きたい。かといって、五合目につくっても冬は行けないというのでは、ビジターセンターをつくっても、やはり効率的ではないと思うんですね。
 やはりある意味、いつでも行けて、しかも身近に冬を感じられる。富士山についてもいろいろな資料、材料が提供できるというようなものでなかったら、ビジターセンターは生きてこないし、またそこには、既定のスタッフがちゃんといるというようなもの。そういうことをいろいろ加味してみても、県内を訪れる方々にそういうビューポイントをお示しできるということが必要だし、またそういうビジターセンターなりを国に要求していくうえでも、こういうところがあるんだ。こういうところがあるからここにつくったら、もっと国民の理解、あるいはお客様の理解を得ることができるんだという具体的な提案をできるのではないかと思うんです。
 そういう意味で、現状はこうだというお話は、田貫湖のところにふれあい自然塾があるというお話はありましたが、私は積極的に県として国に対して、そういうビジターセンターをつくれと。あるいはこれを本当に包括的監督組織として、富士山を守っていくための人的な配置を行えというようなことを私は要求していく必要があるのではないかと思うんです。その点での決意の方をお伺いするとともに、ビューポイントの面でも県としてどうするのか。県として積極的にやるべきではないかと思いますが、その辺についての御意見をお伺いしておきます。
 それから、ロングトレイルの話は、12月21日に行政連絡会議をやって、案についての現地調査を行ったと。サブルートも必要だというようなことにもなったというお話は、それはそれとしてわかりますけど。私はもっとそれを生かした方がいいんじゃないか。いろいろなコースを紹介するだけではなくて、それを使って何か大きく注目を集めるようなことができるのではないのという意味合いで、国際的な形になっている長距離マラソンですか、モンブラン一周マラソンみたいな、ああいうスケールでやられたらどうかと、そんな意味も含めて、提案も含めて質問させていただいたわけですので、この辺についてはどなたがお答えになるのがいいのかわかりませんが、多分、出野さんがお答えになるのがいいと思いますので、その辺をお伺いしておきます。
 それから、松浦県民部長はなられたばかりで、ちょっとこんなことを聞いていいのかと思いながら、聞いた方がいいなと思って、きょうは富士山の日の話を先ほどいろいろ説明してくれましたが、一つ報告が漏れているのではないかと思っているのは、富士山の日を休日にするという話が新聞に出ていましたよね。何の報告もないんだけど、何の報告もないということは、あなたのところで全然話の一かけらもないのか。しかも2月議会に出すと。「富士山の日、知事休日に」というのが出ていました。2月定例会で条例案を提出する考えだというふう出ています。
 富士山の日を決めるときにも何か議会でほとんど話し合わなかったんですが、当局も余り話は聞いていない間に、知事はどんどん進めていったというような経緯だったと思うんですけど、今度もまたそういうことなのかと。あるいは知っていたけれども黙っていたと。きょうは、あえて報告しなかったということなのか、この辺についての状況を聞かせてください。

○森委員長
 大体3点ではなかったかと思います。世界文化遺産に対する課題解消と決意のほど。それから観光にかかわる問題、それからただいま富士山の日の休日にかかわる考え方、これについての御答弁をお願いしたいと思います。

○大野県民部世界遺産推進室長
 富士山の世界文化遺産登録の決意ということでございます。私どもとしましては、もちろん県民の皆さんの理解もいただきながら、平成24年の登録を目指して頑張ってまいります。

○松浦県民部長
 先ほどビューポイントの関係から国の方に対して、ビジターセンターをしっかりということでありました。それで、田貫湖のところに国のビジターセンターができたというのは、ダイヤモンド富士を見ることができる本当に貴重なビューポイントだということがありまして、それから富士山ろくの動植物などの自然に触れながら、また、美しい富士山を見ながら子供たちも意識を高めていくという、そういうところで観光庁もつくったと思います。これについては、機能そのものは充実していると思いますが、それ以外の話として、これからの世界遺産登録ということになってまいりますと、そういった点での情報を県としてもどういうふうに発信していくかということを踏まえながら、これは国というのが文部科学省も関係してきますし、従前の自然公園ということですと、環境省も関係しますので、そこらにもいろいろ相談をかけながら、検討はしてまいりたいと考えております。
 それで、次に富士山の日を休日にするということで、知事は、今、国が新成長戦略の中で、ローカルホリデーというものを進めようということで、これは観光庁が主体となって、学校を休みにして、ただ学校が休むだけでは生徒が家で一人いるというわけにはいかないから、それを親の有休と組み合わせるような形で、休日を分散化しながらそれによって経済の活性化を図るというような流れの中で、ローカルホリデーといっているわけですが、そのローカルホリデーを本県でも2月23日ということを念頭に置いてということで、私どももその発言の場の話の中で知事が発言されたということも聞いておりますので、それで制度をちょっと調べて今の観光庁の関係の制度はそういったこと。それから、休日というものにつきましては、県として条例で定めているのが県の休日を定める条例というのがございまして、これは県の機関が休みをとるということで、土曜、日曜、それからあと国民の祝日、それに年末年始の休みです。
 それから、これ以外に地方自治法の規定で、地方公共団体が特別な歴史的・社会的意義を有し、住民がこぞって記念する日が定着している日で、当該地方公共団体の休日とすることが定着してきている日ということで、その地方公共団体の休日とすることについて、広く国民の理解を得られるものは、その地方公共団体の休日と定めることができるという規定がございます。この場合には、あらかじめ総務大臣に協議するということになっておりまして、全国的には広島市の平和記念日、沖縄県の慰霊の日という二つ例がございます。ローカルホリデーということで、学校の休校を春休みや冬休みとの調整の中でやっていくことにつきましては、教育委員会のこともございますので、そういったところとも話をしながら、どういった方法がとれるのか。また、県民の皆様の理解を得られながら、なおかつ県議会の御理解をいただくというのが肝心かなめのことでございますので、どういった方法をとるのかというのをまだこれから至急考えていかなければいけないと思っております。以上でございます。

○出野産業部観光局長
 富士山ロングトレイルを世界的なイベントいうことで、委員の先ほどの質問の中にもございましたモンブランのテレビでございます。私も偶然それを見ました。本当に世界中から、老若男女、いろんな方が集まってかなり厳しい状況の中、1晩、24時間かけてモンブランを1周するというイベントでございました。中には奥さんがずっとついてかなり高齢の方も挑戦する。富士山というのもそういう意味で、先ほど申し上げたように、世界的にも非常に有名なスポットということで、そういったイベントも考えられると思います。
 ただ、今の時点で、コースをどうするのか。あるいはそれに関してどういう問題があるのかというのを先ほど道路企画室長がお答えしましたように、いろんな問題がございます。せっかくやるならやはりいい一周ということになると、山梨県側の理解も当然必要になってきます。以前に富士山一周のウオーキングというのをやったことがございます。これは既存の道路を使ってやったものでございますが、こういったものも結構人気がございました。ですから、今の既存の道路や施設を使ってそういうものができないのか。あるいは新しい道をつくっていくのか。いろんな問題がございます。そういったものも含めて、今後富士山を売っていくための一つの手段として検討してまいりたいと思います。

○花井委員
 今お答えはどちらかというと、私はビューポイントもむしろ局長の方に答えてもらいたかったのですが、確かに世界遺産の構成資産を見ますと、富士山山体など、静岡県と山梨県にまたがっているものは別として、構成資産がどこに所在するかというと、たしかAにランクされるのは県という単位を除いたものが全部で29あるんですね。そのうち、12が静岡県側で17が山梨県側で、それ以外にBとCのものがあるけどこれは全部山梨県側です。それ以外に評価基準Zがどうなってくるかわからないので、今回構成資産の中から除くと言われたのは全部静岡県側なんですよ。
 そういう意味では、富士山は世界遺産といっても構成資産で見ると圧倒的に山梨県側という今の状況。先ほど来言われているように、下手をすると、富士山はどこにあるというと山梨県だと。静岡県と思っていないというような話も前にも出てきましたが、現実、なかなか富士山のよく見えるところという点は、必ずしも静岡県側となっていないんです。東京から、向こうを通って山梨県側から――僕らに言わせれば明らかに裏富士でが、――裏富士の方を一生懸命見て富士山がいいと言っているわけです。表富士の側から見てどこがいいのかということについて、余り県が直接的な努力をしてこなかったのではないか。僕らに言わせれば、日本国じゅうの風呂屋の壁画はほとんど清水の日本平あたりからの富士山。そうでないと、ああいうふうには宝永山は出てこないわけだから。それは表富士と昔から言われているように、本当に見るビューポイントというのは、静岡県側にたくさんあるはずなんです。それが必ずしも十分知られていないというようなことになれば、私は観光局長、観光を所管するセクションとしては、そのポイントをどう見つけ出して、どう皆さんに訴えていくかということは大事なことだと思うんですね。
 だから、そういう意味で、私は出野局長にその辺の決意というものを求めたいというふうに思って発言をしたわけです。今の松浦部長の話だと、ビジターセンターの話になってもう一遍触れるのかと思ったら触れませんでしたので、その点も含めて、あなたの方にその回答を求めたい。それはおれの仕事じゃないよというのだったら、県民部長でいいですが、その辺は求めておきたい。
 最後に、松浦部長、なられたばかりで余り言っては悪いが、あなたと知事との間にコミュニケーションがとれているのかという点が気になるんです。こういう2月議会に出してくるような話が、あなたの方では、たまたまローカルホリデーという民主党の成長戦略の話の中から飛び出てきた話だということのようですが、こういうことになれば、それはまさしく県民の理解、国民の理解、議会の理解というのは前提にならなきゃいけないはずだということは、あなたがおっしゃったことです。その辺がなしに、ぽんと出てくるというのはいかがかなと私は思うので、その辺の連携状態、あなた自身は事前に聞いていたのか、全くあなた自身も含めて突然出てきた話なのか、それはどっちなのか。そこだけ確認しておきます。

○出野産業部観光局長
 富士山ビューポイントについてでございますが、確かに富士山を見るポイントというのはもう極端に言うと日本国じゅう、富士山が見える範囲では幾らでもあるわけです。従前、富岳百景という形で、写真集を出したこともございます。ビューポイントを委員おっしゃるように富士山を訪れる方、日本平から見る富士山がすばらしいという方もいらっしゃいますでしょうし、あるいは朝霧から見る雄大な富士山というのはすばらしいという方もいらっしゃると思います。そういったポイントをお見えになるお客様方に紹介していくというのはもう観光局も本来業務と考えておりますので、そういう面については積極的にこれからも情報提供していきたいと考えております。以上です。

○松浦県民部長
 富士山の日のローカルホリデーということにつきましては、私は副知事経由でその日についての検討をということで聞いております。その場合にローカルホリデーのやり方というのは観光庁が来年度試行でやるやり方もございますし、それから他県によっては県民の日を学校の休校日とするような扱いを取っているところもございます。公立学校が主体ですがありますので、そのあたりについて教育委員会サイドの検討も必要になりますので、教育委員会にも話をしながら、どんなものになるのか今話し合いを始めたところでございます。以上でございます。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp