本会議会議録
質問文書
平成22年決算特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者: | 源馬 謙太郎 議員 | |
質疑・質問日: | 11/01/2010 | |
会派名: | 平成21 |
○源馬委員
何点か質問させていただきたいと思います。
まず、歳出予算執行状況のうち、災害対策費についてなんですが、先ほど御説明いただいて、翌年度繰越額がかなりあるということで、計画がずれて次年度に繰り越しというような御説明だったと思いますが、もう一度ちょっとそこら辺を詳しく、どういう予定を立てていた計画策定が、何の原因でずれ込んで、いつまでになって、この額の予算が次年度繰り越しになったのか、ここをまず伺いたいと思います。
それから、先ほど12番委員の御質問がありまして危機管理監から御答弁があったんですが、自衛隊との連携について、先日、違う特別委員会で隊友会の方からお話を伺いました。行政が、特に市や町が自分たちの地域に災害が起こったときに、どの部隊が来るかということをしっかり把握しておくことがまず一番重要だというお話があって、危機管理監からも市や町が自衛隊と密な連携をとっておくことが必要だという御説明がありました。県として、各市や町がどのぐらい連携をとっているということを把握しているのかどうか。もし、しているんであれば、市や町によって温度差があったりするのか、県がそこに対する指導していくということがあるのかどうかを伺いたいと思います。
それから防災士の養成についてなんですが、これ多分、地域防災対策活性化事業費の中だと思うんですが、具体的に防災士の養成の予算執行状況は幾らであるのか、また、102名今回修了したということですが、そのうち県の職員は何人いらっしゃったのか、伺いたいと思います。
それから、さまざまな形で人材の育成ということに力を入れられていると思うんですけれども、例えば、この説明書の12ページにいろいろ表がありまして、地域防災指導員の研修があって、それから防災士の養成講座があって、おしゃべり防災サロンなんかもあったりして、それぞれ育成している目指す人材というのが――当然差はあると思うんですけれども――位置づけはどうなっているのか。例えば地域防災指導員と静岡県防災士の関係はどうなのかを伺いたいと思います。
それから、細かい質問で申しわけないんですが、フォローアップ研修に参加されている65人というのは、恐らく前年度や以前に防災士の資格を取っている方という意味だと思うんですが、何割程度の方たちなのか伺いたいと思います。
また、13ページに外国人への防災研修の参加者が683人になっているんですが、一方で12ページでは30人というふうになっています。この数字の関係を教えていただきたいと思います。
それから最後に、業務棚卸表の説明の中にある県民の意識度なんですけど、21年度の調査で49.8%ということで、これ非常に危機感を持たなきゃいけない数字じゃないかなと思います。半分の人が東海地震に興味を持っていないということなので、このあたりを危機管理部としてはさまざまな例えば人材を育成したり、ハードを整備したり、ソフトを整備したりということにもちろんお金を使っていくわけですけれども、県民の意識向上のために、今回のこの結果を受けてどういった部分にもう少し力を入れていかなきゃいけないと認識されているのか、またどういうふうにこの意識を高めていくという方針があるのかを伺いたいと思います。以上です。
○池田危機政策課長
済みません、先ほどの14番委員へのお答えを今からよろしいでしょうか。
先ほどの公立幼稚園・小中学校耐震補強事業費が21年度ゼロの理由でございますけれども、この事業につきましては、国のほうから市町村に対して耐震の補助金制度がございまして、これにつきまして県の単価と国の単価の単価差を県が補助するという事業でございますけれども、中国の四川大地震の関係で、あのときに学校が大分倒壊して多くの子供が亡くなったということを教訓に、国のほうが補助単価を上げまして、県との単価差がなくなったということで、県からの補助が21年度なかったということでございます。失礼しました。
○小川危機対策課長
災害対策費の繰り越しの関係でございますが、これにつきましては、中身といたしましては、まず発災という場合には、県内に4つの方面本部をつくるということになっております。具体的には賀茂、それから沼津市の東部、それから藤枝市の中部、それから磐田市の西部という4つの方面本部をつくるということになっておりますけども、その方面本部の入ります総合庁舎、ここの非常用電源、これの稼働時間を最低72時間はもたせるというような補修工事を行うというものでございます。
それからもう1つは、防災服、備蓄食糧、防災資機材――県の災害対策本部の要員用の資材でございますが――こういったものを備蓄するという、そういった事業が繰り越しになっております。事情につきましては、これは昨年度2月に国のほうの緊急経済対策、それを活用するという形で、本来でしたら平成22年度に予算計上するというものを、21年度の2月補正予算で前倒し措置をしたと、そういった事情もございまして予算が繰り越しということになっております。
それから、自衛隊との関係でございます。市町のほうの連携状況の把握はできているのかということでございますが、我々のほうもいろいろ環境づくりということは指導はしておりますが、具体的な状況というのは、申しわけございません、今現在把握はできていないということでございます。確かにそういったことをきちっと把握して、関係づくりをしていくということは大変重要であるかと思いますので、こういったところにつきましても、今後その辺の対応をしていきたいというふうに考えております。以上です。
○近藤危機情報課長
まず、防災士の養成講座でございます。昨年度240万円の事業費でございます。県の職員につきましては9人、市町村が16人ということでございます。
フォローアップ研修でございますけれども、今まで静岡県防災士の養成講座、これは県立大学で防災総合講座というのを平成8年からやっておりまして、それも合わせますと965人が養成されております。実は、県立大学で養成された方々については、かなりもう退職されている方も多うございまして、特にフォローアップ研修で御参加をいただきましたのは、まさに現役で、平成17年度から静岡県防災士養成講座という形で養成した方々を中心にやりました。特に静岡県防災士といいますのは、実際に現場でやっておられますので、それぞれの組織でその中核になってやっていただく方を養成すると。したがって、養成された後で、それぞれがそれぞれの組織、例えば事業所ですとか、行政ですとか、そちらでやるということでですね、そういったフォローアップ研修のさまざまな発表がございました。人数としては約10%でございますけれども、非常に有意義でございました。
それから、県民意識調査でございます。こちらのほうは確かに非常に県民の意識という点もございますが、私ども、1つは一般のキャンペーン、県民に対する呼びかけ、こういったものでもやっておりますが、具体的に、例えば強化月間で今回耐震補強それから家具類の固定といった個別具体的なものを特に呼びかけをしまして、なおかつ高齢者という形でターゲットを絞ってやっております。一般的な呼びかけというものもいたしますけれども、個別具体的なそういった対策というものを、顔と顔の見える関係で呼びかけをするということで、実質的な対応というのも図っております。
それから、委員御指摘のとおり、人材育成につきましてもなるべくすそ野を広げるということで、そういった人材育成のさらなる拡大に努めておりまして、知事認証でさまざまな人材を得ましたが、そういったものもその一環でございます。
関連しまして、防災士と地域防災指導員との役割の違いでございますが、地域防災指導員は自主防災組織に指導をするという形でございます。それに対しまして、防災士のほうは、もちろん自主防災組織もありますけれども、行政とか事業所、そういったそれぞれの組織で活躍をしていただくということで、地域防災指導員の自主防災組織の方は、地域防災指導員のそちらにも出れるし、それから防災士の養成講座にも出れるということがございます。特に地域防災指導員の役割としましては、それぞれの自主防災組織の指導者という形でございます。
それから、繰り越しの関係でございます。震度ネットワークの震度計の関係で、繰り越しがございました。これは、消防庁のほうで基準が変わりまして、それぞれの市町に――政令市の場合は区が入りますけれども――そういった震度情報が必ず入ってくるように設けた。それから、地盤が悪いところに建っているとか、あるいは機械が古いとか、そういった基準に満たないものについて見直しをするということで、100%国の費用でやったものでございます。
これは昨年度、かなり時期が遅くなってから出たものですから、それぞれの地域の調査をいたしまして、そのうち必要性のあるものについてやるということで、繰り越しをいたしまして、今年度既に作業を行っております。今年度中に終了するということで、国のほうの基準の変更に伴って行っております。
外国人につきましては、今調べておりますので、後ほどお答えいたします。
○小林危機管理監兼危機管理部長
済みません、課長の発言の中で、一部訂正をさせていただきます。
自衛隊との連携で市町村の状況を把握しているかということですが、実は昨年、やはり我々も投げっ放しではいけないんで、特に自衛隊側から自分たちで市町と接触していて何か県が調整役になってほしいことがあるのかというアンケート調査をやりまして、それで、おおむね市町との関係がうまくいっているというのを把握できました。何年に一遍かはそういう形でアンケート調査等をやって、うちのほうで自衛隊の要望とか、市町と調整する事項があれば、市町と自衛隊との関係が密接なものになるように、県としてそういった調整役をこれから果たしていきたいと思っています。県としてはそういうことで、一応把握の努力はしておりますので、訂正をさせていただきます。済みません。
○近藤危機情報課長
先ほどの県民意識調査についてでございます。49.8%と言いましたのは、東海地震への関心度が非常に関心があるという数字でございまして、県民自身が東海地震について関心があるというのは9割を超えております。以上です。
○源馬委員
ありがとうございました。
まず、市や町の状況を把握されているということだったので、それはぜひ把握をしていただきたいと思います。どうしても一義的には市や町が自衛隊と連携をとりながら、発災時も活動をしていかなきゃいけないと思うんですけれども、やっぱり県のほうがノウハウもありますし意識も高いと思うので、今後も引き続き、もし連携がうまくいっていないような状況を把握されていたら指導するとか、そういった方向でリードしていっていただきたいと思います。
それから、防災士関係、人材育成関係なんですが、今、防災士の方には事業所の防災担当者の方も含まれるということがあって、いろんな方がいらっしゃるということだと思うんですが、そうなると事業所の防災担当者に対する講座もあったり、いろんな人材を育成するということはいいと思うんですけど、こう見ると重複する部分もあったり、重複するんだけど講座の内容が違ったり育成内容が違ったりすると。ここをどういうふうに整理していくのか非常に難しいと思うんですが、そのあたりどうお考えになっているのか。こういう人材育成も非常に評価というのは難しいと思うんですけれども、これだけ予算をかけて人材を育成すると、たくさんの人材が出るのは非常に必要なことだと思いますけれども――費用対効果という数字だけでBバイCで図れませんけど――どのようにその効果ということを図って次年度の予算に反映されていくのか、そういう指標がもしあれば教えていただきたいと思います。
それから、先ほどの関心度なんですが、関心があるということが9割ということだったら、関心が5割ということに比べれば相当いいと思うんですけれども、それでもやっぱり非常に関心があるというのを高めていくということが目標だと思いますが、この49.8%の推移――これまでずっと危機管理部としては、いろんな事業を打たれて、意識の啓発を図ってこられたと思うんですが――この数字がどういうふうに推移しているのか、今までやってこられているこういう事業が効果があったのか、この数字にどうあらわれているのか、そして、それをまた来年度にどういうふうに予算に生かされていく方針なのか、そこを伺いたいと思います。
○岩田危機報道監
人材育成につきまして、私のほうからちょっとお答えさせていただきます。
従来、静岡県防災士等比較的特定のジャンルで県のほうでは人材育成をやってきたんですけども、昨年度22のコースに少し拡大をいたしました。これについては、特に今、少子高齢化が社会全体、地域の全体のこういった防災力の強化についても、これは非常に大きな課題です。そういった中で、何とか我々としては、ある意味では特定のプロの方々の防災に特化された人たちの育成だけではなくて、地域の中で活動できるいろんな方々に少し防災の勉強をしてもらおうということで、そういうきっかけをぜひ御提供できないかということで、昨年、大学生や、それから団塊の世代、それから少し変わったジャンルのおしゃべり防災サロンという子育て中の女性の方々であるとか、そういった方々にもぜひ接していただこうということで、防災の研修の機会を、こういうコースを広げました。
その中でも、大きな枠組みとしては、従来からの静岡県防災士養成講座というのは、かなりの期間集中的に勉強していただく専門性の高いコースということで、今年度も継続しているところです。そういった中で、少しでも地域社会の中で防災について関心を持ち、それがさらに防災士のようなある程度の資格を持った方々に発展していく、それから企業の中でもそういった防災のリーダーとなる人たちを育成するということで、そういう流れで今やっております。
今年度、実は特に静岡大学のほうで、さらに上を行く、地域のある意味では指導者となれるような方々を育成するような特定のコースを大学と県と連携して設置するということで、そういった準備を進めております。底辺の拡大といいますか、防災の力を持った人たちを地域、それから企業、我々行政の中、そういった中で育成するのは県のほうでこれまでやってきたことをやりながら、さらにそれをより専門的な知識を持ちながら指導できるような人材育成ということで、今年度、静岡大学に防災フェローという研修制度を、講座を設ける。それら全体合わせてふじのくに防災士でありますとか、ふじのくに防災フェローでありますとか、幾つかの拡充を今年度図ってきたと。そういった中で、少し試み的にいろんな形で今進めているところですけれども、全体としては底辺の拡大、それとその方々を地域であるとか職場であるとか社会の中で指導できる人材育成をする、そういった形で静岡県の防災力全体の向上を図っていきたいというふうに考えております。
ここについて、投資効果をどういうふうに見るかということについては、実は私どもまだいい案を持っておりません。ただ、これまでの経費のかけ方で比較しますと、圧倒的に少ない経費といいますか、ある意味では職員の手づくりの部分、それから昨年度結成しましたしずおか防災コンソーシアムという大学とか研究機関との連携機構、こういった中でお互いに人材と経費を出し合いながら、こういった育成作業を進めているところです。経費的には相当安価にあげているということで、一概に経費として一人頭幾らというふうに算定はしておりませんけども、一般的な研修に比べると、それこそ数十分の1の経費で育成をしているという自負を持っております。
こういった中で、先ほどの質問の中で、49.8%の方が東海地震に強い関心を持っている、それは非常に少ないじゃないかということなんですけども、実は合わせると95%の方が東海地震に高い関心を持ったり、関心を持ったりしているというのが、静岡県の県民の一般的な姿であります。経年変化につきましては、いわゆる比較的大きなイベントがあると確かに意識は上がってきます。特に阪神・淡路大震災でありますとか、最近でありますと、新潟県中越地震、中越沖地震、それから一昨年の四川大地震等が、これは県外でございますけれども、県外でそういった事案があると、やはり県民の方々の関心は数%から十数%のオーダーで強い高い関心を持つ方々の層が若干ふえます。ただ、全体として大体90%から95%ぐらいの方々が関心を持っているというところは、そう大きくはぶれてないという状況ですね。県としてのいろんな施策でありますとか、外からのいろんな刺激があると、全体として高い関心を持ち、それが結果として備蓄食糧でありますとか水の備蓄の率が若干そこで上がってくるという効果は出てきておりますけど、一概にそれがいつまでも継続するというわけじゃなくて、やはり我々としては常に情報発信をしながら、県民に意識を保っていただく努力が必要だというふうに考えています。
○近藤危機情報課長
先ほどの外国人の数字でございます。30人と申しますのは、人材育成事業の参加者でございます。683人と申しますのは、センターにいらっしゃいました外国人の方々で、その方々に館内の見学とあわせて研修、説明を行っておりますので、その数字でございます。
それから、調査結果の推移ですが、今危機報道監からもお話をいたしましたが、関心度につきまして、非常に関心があるという方は19年度が43.2%、それに対して21年度は49.8%です。それから、家具類の固定につきましては19年度62.7%が21年度には69.3%、こんな数字が出ております。以上です。
○源馬委員
ありがとうございました。
ちょっと2点だけ。御答弁は結構なので、要望と意見を述べさせていただきたいんですが、外国人への防災研修・説明、参加者683人と書いてありますけど、実際は、館内に来てちょっと説明をしたというようなことだと思うものですから、やっぱり誤解を受けるような書き方じゃなく、もう少しはっきり書いていただきたいなということ。
人材育成の件ですけど、私もこの防災士の講座に参加しまして、最後まで修了できずに、全然行けなかったんですけど、幾つかの講座には出たんです。もう3年前ぐらいになると思うんですけど、もう何やったのかほとんど覚えてません。そのときに救急救命士の資格もいただいたんですけど、それを持っていても今できる自信もありませんし――これは僕の問題かもしれませんけど――やっぱりフォローアップをしていくということはかなり重要だと思うんですね。1回やって、僕よりも意識が高い方が965人参加されて修了して、その方たちはずっと覚えているかもしれませんけど、そのうちの900人はフォローアップもせずに65人だけフォローアップをして。すそ野を広めたりするということも必要なんですけど、これからフォローアップにもぜひ力を入れて人材育成をしていっていただきたいなというふうに思います。以上です。
○近藤危機情報課長
まず、防災士のフォローアップでございます。委員おっしゃるとおりでございまして、まさに学んだことを実際にそれぞれの現場でやる。その現場の声を踏まえて、それぞれが交流をして意見交換をすると、これこそが実際の対策を進めることになりますので、フォローアップ研修のほうはさらに充実させてまいります。
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