• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 委員会会議録 > 質問文書

ここから本文です。

委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成20年9月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:花井 征二 議員
質疑・質問日:10/08/2008
会派名:日本共産党静岡県議会議員団


○花井委員
 まず、議案関係からお伺いします。
 議案書のまず10ページですけれども、債務負担行為の補正、産業部関係では16番の農業振興資金の利子補給、それから20番の静岡県信用保証協会に対する損失補償、21番の中小企業向け制度融資に係る利子補給の3件の補正がございますけれども、まずこの中で農業振興資金の利子補給ですけれども、1億4700万円が1億5800万円というふうに利子補給が補正されました。1100万円補正されたわけですけれども、管理局長の議案説明の中でも、この点について特に説明がありませんでしたのでお伺いをいたします。
 補正のほうの40万5000円ですか、これは委員会資料の中でも説明されておったかなと、あるいは40万5000円については農業近代化資金ということで出ていますけれども、これとどういう関係になっていくのかということも含めて、これとは関係ないのかどうか御説明いただきたい。

 それから、信用保証協会に対する損失補償、これは2億4000万円を2億5200万円ということで1200万円増額するわけですけれども、この増額がどういう意味を持っているのか、中小業者の信用補完としての信用保証協会において、この損失補償1200万円をふやすことはどういう意味合いを持っているのか、この点を伺います。

 それから、中小企業向け制度融資にかかる利子補給は3億1000万円の増というふうになるわけですけれども、この算定根拠について伺います。

 それから、議案の第114号は家畜共同育成場の設置及び管理に関する条例の一部改正ということですけれども、飼料高、肥料高というものに対応するということなんでしょうけれども、説明によれば――これは天城の放牧場だと思うんですけれど、天城の放牧場を利用される方と利用されない方との間に不均衡が生ずるから、かかる経費の6割は県が持つけれども、4割は利用者に負担してもらうんだと、こういうお話でしたよね。私はちょっとそれでいいのかなというふうに思うんですね。
 つまり、今、酪農家の皆さんというのはもうやっていけないといって静岡県内においてどんどん戸数そのものが減っているわけでしょう。テレビなんかでも悲鳴を上げている絵を何回も私も見ましたよ。そういうことを考えたときに、放牧場の利用料をまた上げるというのは、1軒当たりにすれば大した金額ではないよと言うかもしれないけれど、ずしんとくるはずだと思うんですよ。不均衡があるとするならば、むしろ利用されない方についてももっと思い切った支援を県がするということこそが本来やるべきことであって、不均衡が生じるから酪農で天城の放牧場を利用する方の利用料を上げてもいいんだというのは、これはちょっとおかしいと思うんですね。
 農家の方の、自分の不始末で経費が上がるというのは、これはしょうがないことですけれども、今回の原油高、あるいは肥料、飼料高というのは、農家の方の不始末でも何でもないわけでしょう。突発的な、ある意味では災害、天災みたいなものですよ。そういうものに対して、本当に静岡県の酪農業を守っていくんだと、あるいはもっと言うならば静岡県の農業を守っていくんだという立場に立てば、真正面から受けとめて支援をしていくということが本来あるべき姿だと思うんですけれども、どうも納得しにくいんで、その辺の考え方を御説明をいただきたいと思います。

 次に、議案の第123号、これは建設事業等に対する市町の負担額について御前崎市、牧之原市、吉田町にお願いをするということなんですね。
 沿岸漁場整備開発事業というのは別にここだけにあるわけじゃなくて、例えば舞阪沖の人工礁の漁場、これも県がやるわけですけれども、これについては負担があるのかといえば、何もないわけですよね。どうしてそういう違いが起きるんだと聞いたら、これは漁業権が設定されている区域で実施する場合には関係市町に負担をしてもらうんだと、漁業権が設定されていない区域なら別にいらないんだと、どうもわかったようなわからないような話で、漁業権の設定いかんによって負担があったりなかったりするというのはどういうことなのかと。ちょっとこの辺も御説明をいただきたいと思います。

 次に、最近の経済動向、あるいは経済見通し、今も3番委員から大変的確な御質問があって、部長もお答えになりましたけれども、先ほど昼休み、テレビを見ておりましたら、けさの午前の株価は9,700円を割って9,600円ぐらいでしたよね。これどこまでいくのかと9,000円までいっちゃうんじゃないかというふうに今言われています。
 この問題はまさに世界株安というにとどまらず、世界同時不況というところに突入する瀬戸際に立たされているというようなことをたしか日本経団連の御手洗会長が言っておられましたけれども、まさにこれまでのアメリカの絶対的な力というのはもう完全に失墜をしているというか、いわゆる新自由主義路線で95年に財務長官された方もたしか出身がアメリカでは有名な証券会社だったかと思うんですけれども、今の長官もそうだというようなことなんですね。そこで、彼らは今、銀行に対する厳しい規制を一切排除するという中でお金がどんどん入り込んで、カジノのように金融システムが進んでいって今おかしくなってしまったというようなことが言われます。
 ですから、この問題はアメリカだけではなくて、その影響がヨーロッパにも及んでいると。ヨーロッパの短期金融システムというのは、今、全く麻痺状態だということで、ここのところ次々と銀行の一部国有化みたいな話に動いています。
 本当に今の状況からすると、これから日本の経済どうなるのと。この問題の発端はむしろ日本の円高にあるというふうな新聞記事も出ていますよね。要するにドルやユーロはもう安心できないというんで、お金がどんどん日本に、円に飛び込んできているというようなことが犯人だと書く新聞もありますけれど、そのことはともかくとして、実は円高が進んでいることは、私は日本の経済にもっと大きな影響を及ぼす、それが先ほど3番委員が言われたような輸出を中心としている我が国にとってこれは大変な事態になりますよと。そうなってくることによって日本に働く雇用者に影響を及ぼす、あるいは消費マインドが冷え込んで消費が大変なことになると。あるいは株価が下がることによって資産が全く価値のないものになってくると、そのことが設備投資をおくらせるというような悪循環に今回っていくんではないかというふうなことが言われているわけです。
 そういう中で静岡県経済を考えますと、西部地域はまさに輸出産業がメジロ押しという状況のもとで、静岡県経済の責任を負っている産業部長としては、先ほども一定御答弁ありましたけれども、かなり腹を据えて事にかからないといけないんじゃないかと。そういう意味では、経済対策連絡会議も1月と6月と8月にやったと言っても、そのころの経済情勢と現在の情勢というのは全然深刻さの度合いが違うと思うんですよね。そういう受けとめ方をされるとするならば、やっぱりそこにどうするのかという情報収集とともに今後のあり方について、今、緊急に対策を進めていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思っていますので、この辺についての認識の問題と本県としてのこれに対する対応の問題、これをどういうふうにお考えになるのかお伺いいたします。
 もちろん、こういう世界同時株安、世界同時不況なんていう以前から、既に本県経済が大変深刻な状態にあるということは、私は先ほど部長が述べられた日銀の短観を引用するまでもなく、雇用情勢を見ても最近にないひどい状況に今向かっている最中にまたこんな問題が起きているという認識がおありだろうとは思うんですけれども、その辺含めて御所見をお伺いをいたします。

 そういう意味では雇用の問題、これは雇用情勢にかかわっていろんな資料が出ておりますけれども、静岡県の有効求人倍率が1.1倍を切ったというのはしばらくぶりというか3年何カ月ぶりですか、しかもその中で正規雇用の有効求人倍率は0.73というような状況ですよね。おととし、去年、そしてことしと県として正規雇用の拡大要請を各県内企業に求めてきたわけですけれども、これらは文書を送ればいいという問題では私はないだろうと思うんだけれども、実際、この効果をどういうふうに検証をされているのか。その効果についてお伺いをいたします。

 それから、若年者の就職促進対策も進められております。ヤングジョブステーションを中心に頑張っておられるということは評価できるというふうに、私は思いますけれども、しかしそれでも現実には、例えば派遣労働というのは県内8万2000人おられるんですか、前回の委員会のときに答弁があったかと思うんですけれども、それでどの程度、今、解決をされたのかということを含めて若者の雇用の、皆さんが期待をしているところ、報告を見て、きのう、きょう聞いているとかなり順調にいっているように、そういうふうにも聞こえるんですけれども、果たしてそうだろうかという点について私はちょっと気になりますので、お伺いをいたします。

 そういう点では、障害者雇用についても同様に、これ6月議会でも私、問題視して発言をいたしました。市町あるいは教育委員会など公的なところで障害者雇用を達成してないという状況があると。これらに対して働きかけをすべきだということを申し上げたわけですけれども、その後どんなふうに対応されたのか、その辺までまずお伺いいたします。

○杉山産業部長
 それでは、私から経済動向と見通し、その関連についてお答えを申し上げます。
 7番委員から今お話がありましたとおりの状況だと思います。これまでは、去年のサブプライムローン問題をきっかけにさまざまな影響が出始めてきたわけですけれども、そういった中で原油・原材料高の問題、それからアメリカの証券会社の破綻の問題、そういうことの中で先月末からは金融不安がより一層顕在化してきたという状況でございます。またここ1週間ぐらいの株、それから為替の問題で非常に急激な変化があって、これは日本、静岡県にとっても非常に影響がある状況だと、こんなふうに考えています。
 とりわけ、株安は消費マインドを冷やすとか、あるいは企業の収益を悪化させるとかいうことがございますけれども、為替については委員からの御指摘にもございましたけれども、円高に相当振れているということで、輸出型産業が多い本県にとってこれは非常に心配な状況だというふうに考えております。
 平成5年だと思いますけれども、当時も円高という話がございまして、そのときに県としても対策会議を設けて取り組んだわけです。今回、原油高につきましては、本年3回経済対策会議を開催し対応を図ったわけですけれども、今回の金融の状況の問題をとらまえて経済対策連絡会議――これは所管は企画部でございますけれども――早急に開催をするように私からも要請をしてまいりたいと考えております。
 あわせまして、今回の状況がどんなふうな影響を県内経済に与えるかということにつきましても、数字だけじゃなくて実態も承知しなきゃいかんということで、調査班といいますか、調査チームを設けましていろいろ情報収集に当たりたいと。そういうようなものを使いながら会議の場で全庁共通認識をとる、必要な対応についての検討をしていきたいと考えております。以上です。

○小泉管理局長
 債務負担行為につきまして、議案書10ページの御質問でございます。
 まず、農業振興資金の利子補給16番、それから21番の中小企業向け制度融資に係る利子補給はそれぞれ融資資金の総額、農業振興資金につきましては23億円から24億4500万円、中小企業向け制度融資に係る利子補給は1600億円から1660億円に増額するものであります。
 それから信用保証協会に対する損失補償ですが、補償限度額の2億4000万円を2億5200万円に増額するというものでございまして、詳細につきましては担当室長から御説明させていただきます。

○松下組合金融室長
 農業振興資金の利子補給にかかる債務負担の積算根拠について御説明いたします。
 農業振興資金という名称になっていますけれども、これは一般会計で農業近代化資金とか、農業経営基盤強化資金とか幾つか資金がありますので、それをまとめて農業振興資金といっておりますけれども、今回の補正はあくまでも農業近代化資金、1億4500万円の今回の補正の増額に伴う債務負担ということになります。
 中身について御説明いたします。農業近代化資金については、一応2年据え置き10年償還という形になりますので、ことし借りても最長で12年後まで利子補給が続くということです。20年度の分につきましては当年度の決算で予算措置しますし、21年の1月1日以降については次年度以降という形になります。
 この利子補給につきましては、年2回、1月1日から6月30日までと4月1日から10月31日と2回に分けて計算するものですから、1年でそれぞれ2回償還がありますので、残額が減っていく。それに対して利子補給率、これが現在1.25%でございますので、前期の残額1億4500万円が順次下がっていきますので、その残額に1.25%かけたものを12年間トータルで積算しますと1100万円になるということで今回の補正で債務負担として計上したものでございます。以上でございます。

○横山商工金融室長
 静岡県信用保証協会に対しての損失補償の関係でございますけれども、中小企業がデフォルト――資金を回収できないということになった場合に、現在の日本政策金融公庫が入っております信用補完制度によりまして8割が保険金で出ます。残りの2割を協会負担となるということになりますので、その残りの2割の分の70%を県が損失補償をするというような計画になってございます。
 今回の1200万円の増額につきましては、今回補正の増額をお願いしている60億円について過去3カ年間の代位弁済の平均発生率を乗じまして、さらに先ほどの協会の負担率20%に県の負担率70%を乗じ、さらに実際にはそれ以降に回収をするというものがございますので、回収見込額を減じて算定したものでございます。

 続いて、静岡県中小企業向け制度融資に係る利子補給の関係でございますが、これにつきましては、金融機関が融資する際に借りやすい利率ということで県が利子補給をする関係でございまして、20年から30年までの平均残高に今後10年間の利子補給率を乗じて算定したものでございます。ともに60億円の枠を算定したものでございます。

○土屋畜産振興室長
 第114号議案「家畜共同育成場の管理及び設置に関する条例の一部を改正する条例」のうち、利用者と利用者でない者の不均衡とは何かという御質問でございます。
 酪農家は、配合飼料価格安定制度というものがございまして、それにより補てん金を受け取ることによりまして、配合飼料価格の高騰が実質的に緩和されております。家畜共同育成場は畜産経営者と認められないことからその価格安定制度に入れません。そのため酪農家と家畜共同育成場で配合飼料の購入価格に差が生じます。その家畜共同育成場の購入価格をそのまま利用料に転嫁しますと利用している農家が非常に不利益を生じてしまうということになります。そこで、その是正を図ることとしまして、利用していない農家の飼料価格購入価格と同等の価格で均衡を図るということにしております。以上でございます。

○影山水産振興室長
 沿岸漁場整備開発事業の市町の負担金について、その有無の説明をお答えいたします。
 沿岸漁場整備開発事業は漁港漁場整備法に基づき、漁港と漁場の一体的な整備により水産物の安定供給、水産資源の増殖促進、豊かな海洋環境の保全、創造を目的として実施しております。
 事業を大別しますと、魚礁の設置事業、増殖場の造成事業、沿岸漁場の保全事業というふうに大きく分けられます。
 このうち、県が広域的な効果も考えて行う増殖場造成事業、漁場保全事業がございますが、県が具体的な海域として共同漁業権漁場内で実施する事業については造成された漁場の利用が漁業権を免許された漁協の組合員に制限されると、これは共同漁業権の行使に関する内容になりますので、免許された漁協の組合員に制限されるということがあるため、その漁協が所在する市町に応分の負担をお願いをしているところであります。
 現在取り組んでおります具体的な事業としましては、榛南海域の地先型増殖場造成事業はカジメの藻場を回復するということで、沿岸の共同漁業権漁場の中にブロック等を設置するものであります。関係の吉田町、牧之原市、御前崎市に負担をいただいております。
 現在行っておりますもう1つの人工礁漁場造成事業、これについては遠州灘の水深75メートルという沖合にマウンドという魚礁を設置するものでありまして、広い範囲での効果、生産性を上げるという効果をねらっております。利用についても漁業権による制限がございません。そういうようなことで、漁業権内漁場で行う事業について地元の負担をいただいております。以上です。

○松下就業支援局長
 私から、雇用問題のうち若年者に対する雇用対策、派遣労働に関しての雇用対策についてお答えいたします。
 若年者の雇用状況につきましては、その中心となる非正規雇用者が増加している状況もございますし、失業率もやはり若年層が高水準で推移しているという現状がございまして、認識としましてはやはりこの世代、他の世代と比較しましても厳しい状況にあるという認識を持っております。
 こうした認識を踏まえまして、我々県としましては、ヤングジョブステーション――先ほど委員からもお話ありましたが――ヤングジョブステーションを中心とした雇用対策を行っておりまして、昨日も担当室長から話があったかと思いますが、ヤングジョブステーションの利用状況についても年々増加をしているといったような状況になっております。
 我々としましては、今後とも引き続きヤングジョブステーションを中心として我々ができる支援策をやっていきたいと思っております。
 また、派遣労働につきましては、先般6月の議会におきまして昨年12月の県内における派遣労働者数の数、約8万2000人という形で報告をさせていただきましたが、その後の推移につきましては、まだ把握できておりませんので、その把握にも努めてまいりたいと思っております。あわせまして派遣労働、いろいろマスコミ等でもよく報道されておりますが、国におきましていろいろ派遣労働に対しての問題が出たことを踏まえて、特に日雇い派遣、国の審議会の審議の中では30日以内の短期の派遣、これも日雇い派遣といっていいかと思いますが、そういった日雇い派遣、30日未満の派遣については原則禁止するといった方向、流れが打ち出されておりますので、国で今行われている臨時国会のほうで法案も提出するという話を聞いておりますので、そういった動きも注視しながら、県としまして派遣労働の適正な制度運営等も静岡労働局と連携しながら図ってまいりたいと考えております。以上です。

○漆畑雇用推進室長
 障害者雇用の公的機関への働きかけについてお答えいたします。
 公的機関につきましては、前回も言いましたけれども、法定雇用率2.1%に対しまして実雇用率が到達しておりません。公的機関、教育委員会、市町につきましては率先して法定雇用率を達成する立場にあります。
 つきましては、県では市町に対しまして副市長、町長会において、県教育委員会につきましては文書等において障害者の雇用状況について説明をし、理解していただき、1人でも多く雇用していただくように努めているところでございます。
 また、静岡労働局が雇用率につきまして指導、監督等を行っておりますので、十分県も連携を取りまして今後とも法定雇用率達成に対しまして取り組んでまいりたいと思います。以上です。

○松下就業支援局長
 正規雇用の拡大について、県として一昨年、昨年と本年度もそうでございますが、民間事業者に対しまして、県内約5,600の事業所に対して正規雇用の拡大要請を行ったところでございます。
 この点につきまして、先ほど委員からも送りっぱなしではいけないということで話がございましたが、まず成果としましては、昨年、この拡大要請を行うことによって新たに正社員として752人の採用意向を掘り起こすなどの成果が上がったものと認識しておりまして、今後におきましても、引き続き正規雇用の拡大に向けた取り組みに努めてまいりたいと考えております。以上でございます。

○田島委員長
 ここでしばらく休憩いたします。
 再開は、2時35分再開といたします。
 よろしくお願いいたします。
( 休 憩 )
 休憩前に引き続きまして、委員会を再開いたします。
 質疑等を継続します。

○花井委員
 まず議案の関係ですけれども、御説明は御説明としてわかりましたけど、メモできませんので、先ほどのお話を確認して、数字でいただきたいというふうにお願いします。

 それから、第114号の家畜共同育成場の話もわかったようなわからないような話ですが、この間の話だと、何か家畜共同育成場を利用する人に比べて利用しない人との不均衡が生じているということだったが、利用者と未利用者の不均衡とは何か。政策として位置づけるのかという点は室長に求めるのは申しわけないので、どちらかにしっかり御答弁いただきたいというふうに思います。

 それと、第123号も漁業権を設定されたところでは漁協の組合員だけが漁ができるみたいな話を、不正確かもわからないですけど何となくそういうニュアンスの話をして、だから必要だというふうなことを言っていたと思うんだけれども、魚なんて魚礁のところにばっかりいつもいるわけじゃないでしょう。そこからだんだん育っていけば回遊する魚もあるだろうし、魚の種類によってもいろいろあると思うんだけれども。
 それと、魚礁の近くでは、例えば遊漁とかその他の人は一切そこの近寄れないかというと、少なくとも僕は三保なんかで見ている限りは魚礁の近くで釣るのがやっぱり一番釣れるから、そこら辺に行っている事例って幾らでもあると思うんですね。だから、そんなの釣り堀じゃないんだから、釣り堀か何かならここから入るときに入場料が要りますよでいいんだけど、広い海の中で魚礁がつくられたからといってそういう規制っていうのは実際は僕はないと思うんだよね。だから、やっぱり何となくこの区分けが何だろうなと。
 僕は基本的には県単事業は地元市町に負担を求めるというのは、その地域にのみ特別な便益が与えられるというものについては、これは負担等があり得ると思うけれども、そうでなければこういう負担をかけるべきではないと思います。この点は意見だけ申し上げておきます。

 経済問題について、部長もしっかり受けとめていただけていると。先ほど、最近私、人の名前とかいうのをすぐ忘れちゃうものだからあれですけど、さっき私が言おうとしたのは、ルービンという財務長官ね、これはアメリカの財務長官は95年から99年だったですね。今がポールソンという人ですけど、この2人ともいずれもゴールドマンサックスの出だということで、その方々が銀行に対する規制をどんどん緩和してなくしていっちゃったというようなことを申し上げたわけですけれども、それに加えて先ほど来部長も言っておられるようにサブプライムローンの問題が昨年来起きてきていると。ことしリーマンブラザーズの経営破綻に端を発して今回の大混乱というところにつながってきているわけですけれども、そういう中で円高が及ぼす影響というようなことも申し上げて、部長もしっかり受けとめて、この問題については県としても経済対策連絡会議を招集するように申し入れると、それなりのプロジェクトチームというんでしょうか、そういうものもつくってしっかり対応していきたいというようなニュアンスで御答弁ありましたので、要は、そういう点でしっかりと受けとめていただきたいなというふうに思います。

 今回の問題にとどまらず、その前からも本県の経済が非常に厳しい状況を県民にもたらしているということは日銀の暮らし調査、あるいは県自体がやっている県政世論調査ですか、そういう中でも生活が苦しいという人たちが非常にふえているということからもあるわけですから、そういうものをしっかりと受けとめながら対策をとっていただくように申し上げておきます。

 雇用問題について、若干加えてお聞きしたいのは、障害者雇用の問題では公的機関に対しての指導というようなことも、それなりに御答弁ありました。もうちょっと言うと、派遣労働に限りませんけれども、いわゆる非正規雇用ね、さっきも正規雇用、正社員化を求めて県内の事業所に申し入れを行ったということですけれども、事業所だけの問題じゃないんですね。足元の県庁はどうなっているのかなと。これ自治労が実際調査をやったというので、先日の29日に発表されて、9月30日付の新聞に一斉に載ったわけですけれども、これはもちろん全国の話ではありますけれども、臨時雇いや非常勤などの非正規職員が自治体労働者の全体の27.8%を占めていると。しかも非正規職員の少なくとも67%が年収200万円以下の官製ワーキングプアに該当すると見られるというふうに載っていますよね。
 やっぱり、今、労働問題というのは前回も申し上げましたように、働く人の3人に1人が非正規雇用、若者とか女性に関して言うならば2人に1人は非正規雇用で、これがワーキングプアをつくり出していると。国税庁が発表しています税務署の民間企業実態統計調査ですか――これも先月発表されたものですけれども――年収200万円以下の労働者が2年連続で1000万人を超えているというふうに報じてます。
 もう一方で格差も拡大をしているというようなことも出ておりましたけれども、いずれにしても派遣労働者といってもやむなく派遣をとっているというような状況でもありますし、そういう意味ではこの労働問題というのはかなり多面的にいろいろ取り組んでいかなきゃいけないということに、私はなると思います。日雇い派遣労働については各党ともに禁止という流れで、まだ法律はつくられていませんが、早晩つくられるというふうには思います。
 もう1つは、来年度、派遣労働者で満了になった場合はこれは直接雇用か請負ということで厚生労働省も通知を出しているようですけれども、それをうまくくぐり抜けようというようないろんな策を弄しているというふうなことを国会でも話題になりました。
 いずれにしてもいろいろ雇用をめぐっては複雑な問題があることは間違いないわけです。そういう中でも、少なくとも民間に対してあれこれ言う立場の側の県なり何なりが一体どういう状況になっているのかという認識は問われてしかるべきだというふうに思います。
 そういう点で、その辺について県としてどういうふうに認識されているのか、これは総務部の人事のほうの話だから私ら知りませんよというふうにおっしゃるとしたら、私はそれは迫力がなさすぎるというふうにも思いますので、その辺についてもあわせてお伺いをいたします。

 各委員から原油等価格高騰対策というものの御質問がありました。その中で、私、気になったことの1つは、貸しはがしとか貸し渋り――これは2番委員もあるいはどなたかもおっしゃられておりましたけれども――これは今のこういう金融危機というのものが重なり合ってから、これからもっとひどくなると思うんだけれども、これまでも貸しはがしとかあるいは貸し渋りというのがかなり蔓延をしているということを、しっかり知っておく必要があると思うんですね。
 この間も私、同級生のある男とたまたま保証協会へ行っていろいろ話もしたんですけれども、要するに僕らの年代ってもう65ですよね。そうすると、前回、私、中小企業の事業承継の話をしたと思うんだけど、なかなか後継ぎがうまく決まっていかないという状況になると、金融機関というのは若い人に貸す分にはまだ返す機会が幾らでもあるからいいんだけど、そういう年の人にはなかなか貸したがらないというのがあります。
 貸していても、今このように景気がうんと悪くなっている中で、1回でも2回でもつまずくと金融機関のほうから保証協会に送ると。保証協会のほうに送るというといかにもすぐに回収されるというふうに相手に思われちゃいけないので、保証協会に送られたって別に金融機関と同じようにいろいろ相談に乗ってくれますよと。支払い方をむしろ金融機関よりももっと丁寧に対応してくれますよというふうなうまいことを言ってそっちへ持っていくんだよね。その気になっていると、しばらくして、突然差し押さえなんていうのがくるわけですよ。まさに商売やってられない、もうお手上げだといって商売やめると。私が今言おうとした事例はこういう事例なんです。
 こういう事例って私は幾らでもあると思うんです。だから2番委員もその他の方もおっしゃっている。だからこの辺はしっかりとつかんでおく必要があるんじゃないかなと。こういうことはないんだじゃなくて、さっき財務局の集まりに県としても情報収集に出かけるとは言っていたけれども、そうじゃなくて、今、県内中小企業者がどういう状況になって商売一生懸命苦労されているかということを、しっかりつかむ必要があるんじゃないかと思います。
 だから議論としては、産業部の職員はもっと現場をしっかりつかめと、現場の実態をつかめというふうに何人の方がおっしゃられたけど、私はそのとおりだと思うんです。これまで、谷部長以来、代々部長たちは現場の状況をしっかりつかむんだと、多分、杉山部長もそういうことを言っていたと思うんだけれども、どうも最近そういうことを言わなくなったのかどうか知らないけど、もう一遍そこを、そういうことでやらなきゃいかんという点の決意を述べてもらいながら、実際県はそういう状況をわかっていて言っているとは思うんだけれども、民間金融機関あてに7月8日に中小業者に対する金融の面でしっかり応援してほしいという趣旨の要請文書を出したようですけれども、これは、その後どういうふうになったのか、その辺を検証をされているのかどうかお伺いをいたします。

 それから、農業者に対する金融支援と、それから施設園芸における重油高騰対策、あるいは肥料、飼料の高騰に対する取り組みというようなことでこの原油対策、肥料、飼料、組合対策、燃油対策というふうなことでおやりになってはいると思うんですけれども、今回の例えば融資制度にしても――先ほど来の話だとヒートポンプが150台というような話ですよね。JAのほうから、この間、田代さんたちが来たときの申し入れで――陳情書がきょう資料として出ていますけど――ヒートポンプについても融資をやってくれじゃなくて、県として直接助成をやってくれっていうたしか陳情内容だったと思うんですね、見てください。経済連が助成措置をやったって言うけども、県独自の助成措置というようなことは考えないんだろうかという点と、よしんば150台、あるいは400台にも対応できるという答弁がありましたけれども、県内農業者の中で、そういうハウスとかをやっている方が何人おられるんでしょうか。例えば花卉栽培の農家だけ見ても、皆さんがつくった資料の中で見ますと4,638戸と出ています。そういう数字からすると、これが400台あったとしても1割弱だなというようにしか受け取れません。
 林業者の問題、あるいは漁業者に対する問題でも、2件とか4台だとかという、融資の対象になる相手方の全体の数からしたらほんの一握りの人に、しかも直接助成ではなくて融資の対象になり得るというだけで、その人たちを除いたらほとんどの人は、県の原油対策としての恩恵をどの程度受けられるのか。確かに肥料、飼料のことでは技術対策指針を1万部つくるだとか、飼料用稲の作付の拡大だとかというふうなことをやっているというのはわかります。けれども、それは全体の中で言えばわずかなものですから、そのことが直接今農家の方が願っていることかなという点で言うと、私はそうじゃないんじゃないかと。やっぱり漁業も農業もそうですけれども、つくった人が値段を決められないという今の仕組みそのものを変えていかないと、自分たちはもう生活できないというようなことで今農業者も漁業者もじかに消費者につながるような手をいろいろ考えているというふうには承知しています。
 いずれにしても県の原油価格対策は県内の農業、あるいは中小企業、あるいは商工業をおやりになっている皆さんが、本当に県の施策で助かったなという人たちが大半を占めるような施策を打ち出していく必要があるんじゃないか。それがないと実際には、県はやっているよと言っても、その恩恵をほとんどの人が受けられないということになるのではないのかなと思います。その辺について所見を伺いたい。

 あわせて、漁業者の省燃油実証事業というのは、さっき国のほうが9割補助するという話ですね、燃油費の増加分の9割を国が補てんすると、これはどの程度の方が対象になったのか。これをお伺いをいたします。
 それから、18ページの下のほうに、国の19年度補正予算で創設された水産業燃油高騰緊急対策基金による事業の実施を働きかけているという県の対応が書かれておりますけれども、これの実施状況はどういう状況なんでしょうか伺います。

 それから、次に下請、中小企業対策ですけれども、これも県としては下請駆け込み寺だとか、あるいは下請取引ガイドラインの周知に係る要請文を送付したとかというようなこと、それから下請取引適正化講習会を開いたとかいうお話がありますけれども、そもそも下請の実態をしっかりとらえることが必要だということは6月議会のときにも申し上げました。国も下請実態取引調査を行うということですけれども、県独自として、この辺の下請の取引実態をつかむ努力というのはどういうふうにされているんでしょうか、お伺いをいたします。

 それから、さっきも中小企業向け制度融資の話を原油対策との絡みの中で申し上げましたけれども、静岡県の信用保証協会というのは融資承諾額が全国4位だとか、それから保証額も債務残高が5位だとか、その割に代弁のほうは下から勘定したほう早いと、非常に成績がいいというようなことを本会議答弁でもされていたかと思うんですけれども、しかし、最近代位弁済も大分急激にふえているというような、確か4−7月期で29.5%と約3割増というようなことも言われております。そういう意味で、この保証協会のあり方の問題についてちょっとお伺いしますけれども、保証協会のいろんな活動があるとは思います。BCPの関係で今回初めて受けられたところがあるとか、あるいは保証協会として中小企業診断士の資格を有する職員による夜間窓口相談を開設しているとか、単に金を貸すだけじゃなくていろいろなことをやっているのかなというのは、それなりに理解はいたしますけれども、しかし一番肝心なことは中小業者がお金を借りられるような、そのための信用補完システムというんでしょうか、機能、これを発揮しなきゃいけないんですね。
 ところが、前回も議論したかもしれませんけれども、保証協会が金融機関の安全弁になっているというようなことがよく言われます。危ないものはともかく保証協会付にすれば全部返ってくるというような、そういう使われ方をしていると。信用保証協会が中立的な機関だというようなことを保証協会のどこかの文章に出ていたような気がするんだけど、私は信用保証協会というのは中立機関ではないと思うんですね。県内中小業者を信用補完という意味でバックアップしていくというものでなければならないんじゃないか。だから代弁率が非常に低いということは、ある意味、静岡県内の利用者がまじめに返済をしてくれているというふうに当然なるわけですけれども、一方で非常に厳しい対応をしているんじゃないかというふうにも読み取れるわけで、その辺の保証協会の今の姿というものをどういうふうにとらえているのか。
 もっと言うと、最近でこそそういうふうでなくなったけれども、以前は保証協会というのは静岡銀行の保証協会かというようなことを言われたことがあるんですね。というのは、信用保証協会のプロパーが上の役職につくんじゃなくて、結構、上の役職の中に静岡銀行の出身者がいたという時代があったんですね。最近はそういうのはなくなったようですけれども。
 それでも、私調べてみてびっくりしたのは、債務残高の4割は静岡銀行なんです。しかも現在借りている人の借りている件数、保証債務残高の件数で見ますと、全体が18万件のうち6万件が静岡銀行なんですね。都市銀行に始まって地方銀行、信用金庫、そのほか商工中金だとか国民公庫だとか、あるいは県外の銀行も含めて県の保証協会を利用されていると思うんだけども、そういう中で我が静岡県の保証協会の債務残高の4割は静岡銀行だという状況――これは当然皆さんは御承知だと思うんですけれども――私はちょっとびっくりしました。もちろん、静岡銀行がそれだけ利用したから悪いというわけじゃないですけれども、その辺どうしてこういうことになったのか、それなりに同じようなことを感じられていると思いますんで、お伺いをいたします。

 それから、観光行政についてもいろいろな御議論がありました。出野局長が非常に奮闘されていることは答弁を聞いていてよくわかりますけれども、果たしてこれがどこまで成果を上げられるのかというのはまだ始まったばっかりでわかりません。
 10月からは国も国土交通省の外局ですが、観光庁を発足させましたよね。そういう中で、国との関係は観光圏という法律に基づく基本計画がつくられればいろいろバックアップしますよという制度があるようですけれども、これが本県おくれてやしないかという議論がきのうもなされたというふうに思います。静岡県というのはもともと観光県です。観光県に観光局があって悪いわけがないんで、それはそれとしていいんだけれども、観光資源がいっぱいあってこれまでも観光県だったのに、これから観光局は何を目指すのかと。落ち込みをこれ以上落ち込まないようにということを目指すのか、それとも日本一を目指すのか――日本一というのは今の知事は好きですから、多分日本一を目指すというのかもしれませんけれども――一体どこを目指しているのかという点をまずお伺いをいたします。

 それから、もう1つは、よく観光行政、最近は来年3月に空港が開港するというので、それとの兼ね合いの中でいろいろ言われます。そういう意味では唯一の海外定期便、アシアナ航空のソウル便ということで、ソウルの事務所をオープンすると――オープンしたんですかね、何か予定では9月27、28日にオープニングを行うというような話がありましたけれども、オープンはしたと思うんだけれども、要するにオープニングセレモニーはやめたという記事を見ました。今、竹島問題で雰囲気が悪いのでとてもそういうことはやってられないということだったと思うんですけれども、そういうことになると、本当に大丈夫かと。大体、空港そのものが開港するのか否かというのが、最近ここのところNHKだけでなくて、静岡第一テレビとかSBSとかいろいろとテレビ局が空港西側制限表面の立木の話からそんな話が出ています。ここは企画空港委員会ではありませんからそのこと自体には触れませんけれども、ただ観光局としてこれだけ出野局長が空港絡みで静岡県の観光をうんと盛り上げようと言っているのに水を差すような話になってきているということを踏まえて、私は本来は空港がなくてもこれをやるんだというふうに言ってもらいたいと思いますが、空港の開港がもしおくれたとすると、どういうふうになると感じておられるのか。ソウルの事務所のセレモニーを中止したということを含めてお伺いをいたします。

○堀川産業部理事(農業振興担当)(産業部長代
 理)
 畜産振興についてお答えします。
 まず、その前に飼料高騰に関係して、家畜共同育成場のことで畜産振興室長から答弁がありました。資料は資料として委員長と相談して提出させていただきますが、簡単に申し上げますと、畜産農家は家畜の飼料の高騰を受けまして、高騰した分の何割かを自分で積み立てたお金と国が基金をつくったお金で払い戻しをしていただいているということで、家畜の飼料の急激な高騰に対する緩衝材として、一応そういう制度があるわけです。
 畜産振興室長から御答弁申し上げましたように、共同育成場は農家ではありませんのでその制度が使えないということがありますので、いわゆる家畜育成場のほうで預かっている牛に必要な飼料について、農家がその制度のほうからいただいている分について県が同じ額、同じ比率で育成場に補てんをして、それで農家に迷惑がかからないようにしようというのが趣旨でございますので御理解いただきたいと思っています。
 それから、畜産全体の振興についてでございますけれども、畜産は農業産出枠全体がいま少しずつ下がっている状況の中でここ5年ぐらいの状況を見てみますと、家畜の肉とか卵の価格の変動がありまして多少は上がったり下がったりしますけれども、おおよそ420億円ぐらいで安定をしています。畜産の中でも、乳用牛と肉用牛が比較的大きいわけでございますけれども、肉用牛はかなり大型化が進んでいまして、例えば数字で申し上げますと、平成14年度で320戸あったものが平成19年では230の農家が肉用牛の子を飼っていますけれども、全体の頭数は余り変わりがなくて売上高も余り変わらないという状況にございまして、そういう意味では本県の農業の中で畜産はかなり頑張っている業というふうに考えることができると認識をしています。
 そんな中で、本県の農業産出枠の約2割を占める畜産は大変重要な業種でございますので、県の政策の農業振興の重要な柱として位置づけて、幾つかの施策を行っているわけでございます。
 1つはできるだけ低コストで効率よく畜産経営ができるように経営体質の強化を図りたいと考えておりまして、そのために必要な設備の整備に対する助成も行っていますし、それから家畜につきまして品種の改良をしまして、それで高品質の畜種を造成するということも大事でございますし、そのための飼育方法については研究機関で研究しているわけでございます。
 それから、家畜を飼育いたしますときに、環境問題が大変大きな問題でありまして、むしろ環境の問題をクリアしないと経営の拡大ができないと、あるいは移転もできないという状況でございますので、そういう面での適切な利用とか、あるいは管理の促進につきまして、これも施設整備が必要であれば助成していますし、あるいは研究開発で対応を図っているところでございます。
 BSEとか家畜の防疫につきましては当然ですけれども、いわゆる生産から高品質で付加価値の高い畜産物の提供、それから家畜衛生全般について県としても万全を期して応援をしておりますので、今後とも畜産振興については農業の重要な部分を担っているという認識で努めてまいりたいと思っています。

○瀧農林業局長
 本県の施設園芸農家の原油対策につきまして、現状と今後の方向性についてお答えしたいと思います。
 本県の施設園芸は、御存じのとおり、随分早くから技術的にも、また新しい作物、品種を導入することについても、メロン、バラは他県に先駆けて振興してきたわけですけれども、このように思いもかけないような急激な原油高騰に対しまして静岡県の農家も急な対策ということで戸惑っているところでございます。
 静岡県としましても、二、三年前から燃油高騰対策につきまして徐々に技術を研究をしてきたところでございまして、今回のヒートポンプにつきましては、従来からの研究が生きた結果だというふうに考えておりまして、特にバラについては、昨年、一昨年から具体的な技術的、経営的な実証が得られたということで急激に進めてきているところです。
 そのほかのトマト、イチゴ等につきましても、現在、現地実証を含めて資金対応をしようというふうに考えているところですが、ヒートポンプにつきましては国の事業がありますので、それをできるだけ活用をして、その上で、JAまたは県の制度資金を活用して早急に普及しようということで強力に進めているところですが、委員御指摘のとおり、県内の施設園芸農家はトマト、イチゴ、メロン、ガーベラ、バラと多岐にわたってかなりその数も多いということもありまして、一度にそう普及できないのも現実でございます。
 ただ、今後、これは農協の要請にもありますとおり、農協のほうの一番の要請事項は資材価格等の高騰に耐え得る生産体制の確立ということですので、価格対策だけではなくて、今後の施設園芸の農家の振興のために、将来、技術的に経営的に必要なものを進めていこうと、そのために当面ヒートポンプ、それから先ほど少し申し上げましたように、施設園芸につきましては施設園芸低コスト対策のプロジェクトというのを2年ほど前に立ち上げまして、その報告書もできております。これは暖房面、ヒートポンプだけではなくて、二重被覆の問題ですとか、今よりも低温で栽培できる作物の導入とか、そういういろいろな技術を複合化させて今後の施設園芸農家の方向性を示していくということでプロジェクトを立ち上げました。
 それで現在、施設園芸生産のコスト2分の1を削減するために、静岡大学と連携しまして、農林技術研究所または現場の農林事務所におきまして各作物について実証に取り組んでいるところでございます。
 いずれにいたしても、こういう形で急激な経済情勢に対応できるような、将来も対応できる、適応できるような施設園芸農家の育成を図っていかなきゃならないと思っておりますし、過去に温室メロンですとか、いろいろな施設園芸を先進的に取り入れてきた方々のそういう知識と経験をぜひ生かしていきたいと考えているところでございますので、またこの点も農協等と一緒に進めていきたいと考えております。以上でございます。

○松下就業支援局長
 委員のほうから、県庁内における職員の正規雇用の拡大について御質問がございました。まず正規雇用の拡大についての考え方でございますが、これは官であれ民であれ、やはり働く方々が安定した雇用について一定の収入を得た上で生活していく、それを実現するためには正規雇用が望ましいという、そういった正規雇用の働き方が望ましいという考え方のもとで、我々、就業支援局としましても正規雇用の拡大を民間事業者に対して行っているところでございます。
 ただ、他方で非正規雇用の働かせ方自体について問題がある、その存在自体が悪いというような認識は持っておりませんで、やはり労働者にとっても多様な働き方を求めている中で非正規雇用という働き方のニーズといったものもあると思いますし、また事業主側にとっても非正規雇用というのは働く考え方として必要としている部分もあるかと思っております。
 ただ、非正規雇用の中でやはり問題になるものとしましては、正規雇用になりたいという意思、希望を持っているのになかなか正規雇用になれないとか、あるいは正規雇用と同じ労働、同じ働かせ方、同じ労働内容なのに賃金など待遇面での格差があるといった、そういった問題があることについて、やはり県としても対応していかなきゃいけないと思っております。
 ただ、繰り返しになりますが、非正規雇用の働かせ方、働き方自体は問題があるとは思っておりませんが、先ほど委員からも指摘がございましたので、県庁内の正規雇用の拡大に向けた話があった旨は人事当局にも伝えておきたいと思っております。以上でございます。

○佐藤商工業局長
 金融機関の融資状況の話についてでございますが、先ほど3番委員の御質問にもお答えいたしましたが、県におきましては、県内各地におきまして商工企業者の方との勉強会を行っております。具体的にちょっと御紹介申し上げますと、9月2日には沼津市におきまして事業者の方23名と、それから9月5日には浜松で事業者9名の方、あるいは9月16日には清水で16名の方々との勉強会を行っております。またそれぞれのテーマに応じましてタウンミーティングという形で意見交換会等も行ってはおりますが、今後さらに部の調査プロジェクトチームの取り組みとも連携を図りながら積極的な情報の収集に取り組んでまいりたいと考えております。

 それから、信用保証協会についてでございますが、信用保証協会につきましては御案内のとおり保証協会法に基づく民間法人でございます。その法律の第1条で、協会は中小企業者に対する金融の円滑化を図ることを目的とするという規定をされております。
 県といたしましても、担保力、あるいは信用力の弱い中小企業の資金調達の円滑化を図るために保証協会が持っておりますこうした信用保証のシステムを活用して制度融資を行っているところでございます。
 また、保証協会におきましては、独自の取り組みといたしまして、原油・原材料対策として保証料の減額、あるいは無担保による融資の拡大等に努めております。そうした意味で、中小企業者の立場に立った保証制度の運用が実施されていると認識をしております。以上でございます。

○影山水産振興室長
 省燃油操業実証事業の対象となる漁業者の範囲、またその事業の利用促進への働きかけの内容についてお答えいたします。
 省燃油操業実証事業は、原則として5人以上の漁業者グループが操業の合理化によって燃油消費量10%以上削減する実証事業に取り組むということが条件になっております。実はこれ以外の事業で、国は国際漁業対策として操業の形態等が大きく異なります遠洋マグロはえ縄のような遠洋漁業、これについては別の対策を用意しておることから、それを除いた大部分の漁業が、先ほど申しました条件をクリアすれば申請の対象になるということでございます。
 県内では動力船がおおむね6,000隻ほどありまして、遠洋漁業関係はおおむね60経営体程度というふうに認識しております。そういう意味では、大部分の漁業者が対象になっていると考えております。
 また、この利用促進につきましては、事業を行う漁業協同組合、またその系統団体であります県漁業協同組合連合会と協力をしておりまして、これまでに県漁業協同組合連合会との協議を踏まえて沿海漁協の担当者や漁業者向けの事業内容についての説明会を8月から9月にかけて2回実施をしております。
 また、申請には事業実施のための省エネ型操業への転換計画というのを策定する必要があります。このために策定の協議会を設置することになっておりますが、この協議会につきまして関係団体と協力をしてこれまでに3回開催をして事業の推進に努めております。
 また、情報の周知につきましては、県の水産業普及指導員からの情報提供等も行っております。以上です。

○横山商工金融室長
 最初に、この7月に民間金融機関への要請を文書で行いましたが、それ以後の対応についてということでございます。
 7月に事業所へ要請を行った以降につきましても、原油・原材料価格が地元中小企業に及ぼす影響についての状況を把握するために保証協会が開催いたします金融機関等の集まり等に職員を派遣いたしまして、さらに資金の円滑化について要請するとともに状況について把握するということに努めております。
 また、中小企業者等に対するアンケートも実施いたしまして貸し渋り等がないかということについて今後調査をやっていくことを考えております。

 次に、保証協会の関係でございますけれども、保証協会のほうで静岡銀行の融資と債務保証残高が8月末現在でございますけれども4割近く、39.23%、実際に信用保証協会のほうといたしましては保証審査は銀行により区別しているわけではございません。実際に静岡銀行が県内の金融機関、要するに貸出金のシェアで見てみますと、静岡銀行は45.8%となっておりますので、県内の中小企業向け融資のシェアとは大差がないということで、適正な審査が行われているというふうに考えます。以上です。

○永嶋地域産業室長
 下請企業の取引適正化について、県独自の方針についてお答えします。
 県では毎年度、しずおか産業創造機構と登録企業を対象としまして、下請取引実態調査を実施しております。調査項目は受注動向、発注企業との関係、下請代金などについてでありまして、登録受注企業から1,000社を抽出し、郵送によるアンケート調査の方法で毎年11月ごろに実施しております。
 県では、本調査の結果を踏まえながら、しずおか産業創造機構と協力しまして、講習会の開催や企業訪問などによりまして下請取引適正化の徹底を発注企業側に呼びかけているところであります。以上であります。

○出野観光局長
 観光関係の御質問についてお答えいたします。
 観光産業というのは非常にすそ野の広い、一次産業から三次産業まで絡んだ21世紀の成長産業というふうにいわれているところでございます。政府におきましても、今後の経済を牽引する産業の1つとして観光の振興の重要性ということをかんがみて今回10月1日観光庁を発足したというふうに聞いておるところでございます。
 観光が地域にもたらす効果というのは、多分3つの側面があるのではないかというふうに考えております。まずダイレクトに産業振興、所得、雇用の増大という意味の経済的効果。それから訪れる人、住む人、双方にとって魅力的なまちになるという、いわゆるまちづくり。あるいは、人の活躍の場の提供等の社会的効果。そして交流を通じた形でほかのほうへの地域の理解の促進等を考える文化的効果の3つの効果があるというふうに言われております。
 そういった中で、委員御指摘の静岡県の観光、何を目指すのかということで、そういった経済的効果、あるいは社会的効果、文化的効果の非常に高い地域を目指し、満足度日本一の観光地を目指すという目標で事業を推進しているところでございます。
 そういった目標に向かって本年度4月観光局が設置されまして、観光局の設置で本年度の事業目標を大きく3つに分けてございます。
 1つは委員御存じのとおり、今までの静岡県の観光というのは、今回の資料にもございますけれども、観光交流客数1億3600万人余という数字でございますけれども、そのうちの8割が県内、または首都圏からの観光客でございます。こういった首都圏、あるいは県内、あるいは中京圏、関西圏、ここが静岡県の観光の主たる市場であるということは間違いございません。こういった地域に対して静岡県の新たな魅力をPRし、認知度を高めていくというような事業を県内全域の観光振興という形で、17年から19年まで伊豆ブランド創生事業という中で得られた成果を全県展開するというのがまず1つでございます。
 2つ目は、空港開港を契機に現在就航が決定しています北海道、九州、沖縄、あるいは先ほどお話のありました韓国、例えば九州、北海道、それぞれ、先ほどの率でいきますと、今まで0.2%ずつ、合わせても0.4%の市場でしかなかったというところでございます。こういった静岡県にとっては未開拓の市場、これを新しい市場として、静岡県をPRし静岡県に来ていただくというような目標で2つ目の事業の柱だとしております。
 3つ目の柱が、きのうの質問にもございましたけれども、やはりコンベンションというのは非常に観光にとって効果の高いものであると。こういうコンベンションの誘致を積極的に進めていくということで、三本柱で事業を開始したところでございます。

 唯一今決定しております韓国のソウル事務所自体は昨年から事業を展開しているわけでございますけれども、今回、オープニングセレモニーにつきましては、諸般の事情で行わないことになったわけですけれども、日韓交流おまつりには、それは日本と韓国全体でやった中で静岡県も出展いたしました。私も行っていろんな方にお話を聞いたわけですけれども、やはり富士山、あるいは伊豆の温泉、韓国の方にとってはゴルフ場というのも非常な魅力ということになっております。韓国のソウル市役所の前の広場で2日間にわたってお祭りを展開したわけでございますけれども、その中で非常にやはり静岡県の人気は高うございました。ソウル事務所が資料を入れておく紙袋を2,000枚用意いたしましたが、これが全部はけました。歩いている方を見ていますと、他県やいろんなところからもらう資料を全部静岡県の袋に入れて、だから歩いている方みんな静岡県の袋を持って歩いているというような状況で、やはりそれは富士山、あるいは桜というのを中心としたPRの効果ではないかなというふうに考えているところでございます。
 空港の件はマスコミ等で私も承知しておりますけれども、空港の開港を契機に国内遠隔地、あるいは海外に向かって静岡県をPR、認知度を高め、静岡県の魅力をPRするというのが観光局の本来の仕事であるというふうに考えておりますので、今後も引き続き静岡県の認知度を高めるようないろんな事業の推進に努めていくという、そういう所存でございます。以上でございます。

○杉山産業部長
 いろんな仕事をする上で現場の実態をよく把握することが重要だという御指摘がございました。私も全くそういうことでこれまで私自身もいろんな現場へ行ってまいりましたし、それから行けない場合にはいろんな関係者の方と会合を持つということで、できるだけ幅広に実態を知るように努めてきたつもりでございます。職員にもそういう指示を徹底して、いつも言っているものですから、みんなもその気になって自発的に現場へ行くような状況になっています。
 今回のお話ありました、例えば金融機関での貸し渋りですとか、あるいは下請の実態、こういったものもいろいろお話をきのう、きょう出ていますけれども、我々も直接自分たちの目で実態を把握するということは非常に大事なことだと思いますので調査をするなり現場へ行くなりして実態を把握した上で手抜かりないように今後も努めてまいりたいと考えております。以上です。

○花井委員
 しっかりやっていただきたいというふうに思います。
 そういう中で、一つ雇用の問題で今、非正規雇用について必ずしもそれを認めないという立場ではないということで、それは必要なパートだとか、時間の話だけじゃなくて、いろんな面でそのほうが都合のいいという人だっているわけですから、非正規雇用全体を否定をするわけじゃないけれども、さっき言ったように働く人の3分の1が非正規雇用だと、あるいは若い人だとか女性については2人に1人が非正規雇用だというのは私は極めて異常な事態だというふうに思うんですね。
 日本の場合にはもちろんパートタイマー法とかいろんな法律はあるにしても、例えばヨーロッパあたりでは非正規雇用、例えば派遣ですね、派遣も正規と同じ待遇にすべきだというふうにEUの閣僚理事会は合意をして、そういうふうに流れているというのと比べると、日本の場合、さっきも言いましたようにワーキングプアをつくり出す温床になっているというふうな状況だと私は思うんですね。
 そういう点で、さっきも県を含む公的な部分における非正規の実態というのは、これはいつか私、別の委員会で言いましたが、そうした方々の相談に当たる相談員というのが実は全国どこもそうなんですけれども、非常勤とか非正規なんですね。そういう人たちが結果的には自分が200万円以下の労働者になっちゃっていると、200万円前後ですけれどね。200万円を超えている場合もあるようですけれど、本県の場合、200万円をちょっと超えているのかな。ほとんど200万円前後ですよ。そういう実態になっていて本当に相談に乗れるのというふうにさえ私は思ったりもしたわけです。そういうことを含めて、やはり現状を踏まえながら、県から改善を図っていかなければ、民間は「おまえら言うばっかりじゃないか、自分のところの足元見て見ろよ」ということになりますので、その辺をしっかりやっていただきたいというふうに思います。

 それから、私の聞き方が悪かったのかもわからないけど、省燃油実証事業の問題ですけれども、6,000隻ありますよね、全体で漁業者は6,425人ということですから、沿海はそれぐらいあると思うんですね。その人たちはほとんど、今、灯油ですか、重油ですか。遠洋の場合はもちろん重油で、これは別な形だというふうな話ですけれども、要は、ここにあるような5人以上の漁業者グループが10%以上の省エネを実現するということになれば、その場合の燃油価格の9割を面倒見ますよというようなシステムになっていると思うんだけれども、去年も同じような措置がされたけれども、3番委員がさっき言っていたここの委員会として焼津の小川の漁協と話をしたときにも、制度はつくってくれたけれども、ほとんど去年なんか適用になったところないよというふうに言ってらしたんですね。それを先ほど3番委員からも言われたと思うんだけれども、だから、私はこの燃油の実証事業でそういう応援をしますよというものが、今、説明会をやっているとか協議会をやっているとかと言われていたけれども、現実、これがどの程度そうした対象になる方々に実際に応援できるということになるのかという、聞きたかったのはそちらなので、6,000隻という対象全部その人たちが受けられればいいけれども、実際そうじゃないんじゃないだろうかというふうに思ったので、その辺の確認をしたくてお聞きしたわけですけれども、その辺でお答えをいただきたいというふうに思います。

 保証協会の役目が円滑な金融供給を保証するというのはまさにそのとおりだと私も思います。でも、実際のこの流れの中では、どなたかも言っておったけれども、金融機関と保証協会のキャッチボールみたいにして、金融機関は保証協会がいいって言えば出すよと、保証協会は保証協会で金融機関がいいって言えばというようなことを言って、金融機関がちょっと危ないなというふうに思えばそういうキャッチボールの対象にされちゃうということがあるわけです。保証協会というのは、金融機関の側にも立たない、借りる方の側にも立たないというのではないと思うんです。僕は借りる側というか、中小業者を支援するという基本スタンスに保証協会が立たないといけないんじゃないかということを強調をしたいわけです。そういうことはないよと、ちゃんとやっているよというふうに多分皆さんは言うんだろうけれども、現実、私も民主商工会という業者団体の役をずっと何十年やっていますから、そういうところでいろいろ零細の人たちの話を聞くと、保証協会が盾になって貸さなかったりするというふうな、こういう事例というのは幾らでも聞くわけですよ。だから、そういう点で、保証協会のあり方というものはやっぱり本当に県内の零細を含めた中小業者を応援するんだという、そういう基本スタンスというものをしっかり指導をしていっていただきたいなというふうに思います。これも意見として申し上げておきます。

 観光行政の問題で、今、出野局長からいろいろお話がありました。本当に、観光が地域にもたらす3つの効果ということでいろいろ言われました。そして、また目標とするものはこうだというお話もありました。でも、要は私が気になるのは認知度というのが海外はもちろんのこと――海外の人はほとんど富士山を知っているんですよ、みんな。私よく言うんだけど、旧ソ連なんかでも、入管時に、例えば県の富士山のパンフレットなんかぽっと出すとにこって笑って、大体通すよ、昔の話だけどね。それは別として、それぐらいマウント・フジっていうのは通じるんだね。ところが静岡と言ってもわからないんです。静岡って言っても全然わからない。これは海外だけじゃなく国内だってそうでしょう。富士山はどこだっていったら山梨だと思っている人が結構大勢いるっていう、こういう状況にあるわけだよね。だから、観光局として静岡県を認知させる活動というのは、私はしっかりやってもらわなきゃいかんし、またやるべきだと思うんだけども、観光行政についてはもっといろんな角度から、どうしたらいいのかというのは、いろんな議論をしていく必要がある、この委員会だけの議論では済まないと思いますね。そういう意味で言うと、県の谷口さんという顧問、あの人の顔も見たことないんだけど、どんな方だか知らないけれども、非常に優秀な方のようですけれども、そういう人を交えていろいろ議論をしてみたいなというふうに思います。もちろん出野さんじゃ不足という意味ではありませんよ。出野さんで十分ですけど、そういうふうにして、観光行政っていろんな角度から議論し合わないと、いい答えは出てこないだろうというふうに思います。そういうことで、そういう機会を設けていただけるのだろうかということも含めてお答えいただけたらと思います。空港が開港しないときにどうなるという話はお答えなかったですけれども、これはちょっとないようですから、それはいいにしておきます。

 それから商店街の問題です。商店街と大店法という大きな法がらみの問題ですけれども、イオンがつい最近全国で店舗閉鎖40を60に拡大するという話ですね。しかし一方で、つい最近そのイオンが浜松の市野に物すごい大きなショッピングセンターをオープンさせました。その影響は一体どうなのかということを県として注目しなくてはいけないんじゃないかと。今、経済の混迷している中で消費自体がふえていないにもかかわらず、そこにみんながいってしまえば、まちの商店街とか商店というのは大変な状況に陥るんじゃないかということを懸念します。
 さらに来年磐田にも、「ららぽーと」という大型商業施設が開業するということもありますけれども、いずれにしても県内の商店街やあるいは商店と大型店という関係は、共存共栄という言葉では簡単ですけれども、現実は物すごい競争になって、まちの商店なり商店街が駆逐されていくという危険性が感じられます。そういうものがなくなっていけば、地域を支えてきた人たちがなくなっていくと、まちの文化とかお祭りだとか、そういうものが崩れていくと。さらには、私も部長もそうですけれど、みんなやがて高齢になれば免許証を返さなきゃならなくなり、免許証を返したけど近くに商店がないということになれば本当に困るわけですね。そういう意味では静岡県経済という、あるいは県民の暮らしという視点からもこの問題は見逃すことはできないというふうに思いますので、この点についてお伺いをいたします。

 それから、前回も県産材の木材を使った優良木材の家総合支援事業の話をしました。林野庁もこのモデル事業を実施して建築費の一部を補助するという方向を打ち出したようですね。新聞なんかを見ると、既に地域産材を使った住宅づくりを応援している自治体の例として静岡県が出てくると思ったら、静岡県は何も出てこないと。出てきているのは山形県金山町とか新潟県長岡市という名前が出ていますけれども、あるいは今、環境問題を絡めてウッドマイレージというか、遠くの外材を日本まで持ってくる燃費など環境につながるような問題を考えれば、近くの材を使えばそういう被害をもたらさない、こういう考え方に立って、例えば京都でも木材認証制度という、本県と同じようなことをやっているんだろうと思うんですけれども、こういう点で私はもっともっと県はこういう取り組みについて全国に発信をするというか、PRしていってもいいんじゃないかと思います。もちろん全国だけでなく県内の方々に利用していただくというPRが基本ですけれども。そういう点について、もう十分活用されているのか、あるいは今どういうふうにPRしているのか、その辺についてお伺いをいたします。

 最後に、労働委員会の秋田局長にお伺いします。午前中の議論を聞いていると、最近は非常に件数が多いという議論になっていると思うんだけれども、私は決してそうじゃないと。たしかにことしは34件ありましたけれども、そのうち、本来の争議、労働争議だとか不当労働行為の方は9件だったと思います。だから、例えば5年を振り返って見ても、平均はたしか8.何件かもしれないけれども、平成15年、16年ごろは10何件、その昔はもっともっと多くて何十件単位であったと思うんです。私は前回も言いましたけれども、むしろ、本県の労働委員会に対する期待が後退をしてきたという中で件数が減ったんじゃないかと思います。しかし、実際には県評やその他、国の労働局も個別的労使紛争のあっせんをやっているという中で、県の労働委員会もこれに取り組むようになってこの件数がふえていますけど、労働局だとか県評がやっている個別労使紛争あっせんの数というか労働相談の数というのは物すごく大きいんですね。労働局など確か何十件というよりも100件単位だったと思いますので、そういうものに比べるとやっぱりまだまだ少ないと。秋田事務局長以下労働委員会はまだまだやれるはずだというふうに思うんです。その辺でしっかりいつでもやれる体制があると言えるのか、あるいは、最近どんどん人間が減らされちゃって大変で、その中で一生懸命頑張っているんだと、その程度なのか。この労働委員会の存在価値が今問われているときだけに、この辺についての局長の見解をお伺いいたします。

○影山水産振興室長
 省燃油操業実証事業の対象についてお答えをいたします。この事業の制度では、燃油使用量を前年に比べ10%以上削減をして、その上で、前年をベースにした燃油費の増加分、その9割を補てんするというものであります。このような制度のため、対象期間を過ぎても省エネ操業を維持することなどが求められております。こういうような内容から、申請をするかどうかは漁業者判断によるものとなります。
 また、事業採択に当たっては、経費に占める燃油費の割合が高い事案から採択をするということになっておりまして、現在、静岡県では12件が申請をしておりますが、この採択についても現在のところまだ確定をしておりません。
 今後の申請の見込みについては、今後の経過を見守りたいと考えております。以上です。

○出野観光局長
 観光についての再質問についてお答えいたします。
 委員おっしゃるとおり、静岡という名前の認知度というのは、私もびっくりするぐらい北海道、九州では低いというのが現実でございます。この認知度を高めるために各地域に行っていろんなキャンペーンをやってみたり、あるいは、ことし観光協会につくりましたツーリズムコーディネーターが各エージェント等を回っていろんな形で静岡の認知度を高め、富士山、伊豆だけではなく、静岡ということをしっかり高めていきたいというふうに今後も頑張っていきたいと思います。
 そのためには、いろんな角度からいろんな立場の方の御意見をお伺いするというのは非常に重要なことだと思います。ことし7月から設置いたしました観光顧問でございますけれども、今、県内各地いろいろ回っていただきまして、現場の方と話をして――特に東アジア、中国、香港、その辺のJMTOの所長をやっていたという関係もありまして、非常に東アジア地域についての動向にも強い方でございます。そういった顧問にも積極的に、今、前に出ていただいて、静岡県外で認知度を高めるということと、もう1つは県内の受け入れ側の意識をどういうふうに変えていくかということが非常に重要な問題だと考えております。
 昨日から何回も申し上げて申しわけないんですけれども、やはり地域の意識が変わらない限り、従来の静岡県観光の姿が変わらないというふうに考えております。そのためにはいろんな議論を深めていくということで、いろんな機会を今後検討していきたいと考えております。

○寺田商業まちづくり室長
 浜松市等に大型ショッピングセンターができました。商店街に対する影響をどのようにとらえているかということにつきましては、大型商業施設が立地することによりまして、商業者からは大型商業施設の出店増床は脅威であるという意見を聞いております。それと中心市街地への集客力の低下が懸念されるというふうにも聞いておりますし、「ららぽーと磐田」ができるわけですが、景気低迷で市民の購買力がふえない既存店への影響は避けられないのではないかと懸念があるという声も聞いております。
 一方では、商店街の側からは大型商業施設に負けないために中心市街地のにぎわいを回復することによって集客力と高めていきたいという元気な意見も聞いておりますし、また浜松では商業委員会を立ち上げまして、中心市街地活性化のための活動が活発化しております。磐田におきましても、大型ショッピングセンターができることによって、まちの広域から集客が期待できる、中心市街地に呼び込めれば中心市街地の活性化にもつながるとの意見も聞いておりまして、それぞれ地元の市とともに連携した活動が生まれているというふうに聞いております。以上でございます。

○堀林業振興室長
 私からは静岡県産材のPRということについてお答えいたします。
 県ではしずおか木づかい県民運動というものを実施しております。三本柱ということで、まず1つは県民の皆さまに対するPR、それから公共部門での県産材の利用、それともう1つは委員御指摘のありました優良木材の利用の推進ということで実施しているところでございます。
 まず、県民の皆さまにPRをするということですが、この9月30日に静岡新聞のほうに全面広告を出しましたが、県下一斉県産材を使った住宅の一斉見学会を実施したり、各種展示会に出展をしておるところでございます。あと、木づかい県民運動の関係のホームページを設けておりまして、しずおか木づかいネットというものも運営をしておるところでございます。そちらのアクセス状況でございますが、昨年度の実績としては34万件ほどの利用がございました。
 あと、公共部門については、庁内に木材需要拡大庁内会議というものを設けまして県産材を年間1万立米を使おうということで各部局と連絡調整をしながら進めておるところでございます。
 県のこのような活動を通しまして、特に優良木材の関係でございますが、浜松市、静岡市等が地域材を使った住宅に対して助成をし始めたという状況も見られておりますので、より環境に優しいということをこれからまたもう1つの視点といたしまして県民の皆さまにPRをして県産材の利用を進めていきたいというふうに考えております。以上でございます。

○秋田労働委員会事務局長
 準司法的機関である県労働委員会の使命、役割、機能は、審査事件であれ調整事件であれ個別事件であれ、将来の良好な労使関係を見据えて公正中立にかつ円満に労使紛争を解決していくことであると認識しております。
 確かに、最近では労働組合の組織率の低下とか、非正規労働者の増加などを背景として、審査事件や調整事件が減少傾向にある一方で、個別事件が増加傾向にありますが、これは全国的な傾向でもあります。このような時代や状況の変化に対応して、労働者のいざというときの救済機関として本来の機能はきちっと果たして発揮していると、そう私どもは認識しております。
 しかし、委員御指摘のように、労働局とか県民生活センターの個別労使紛争に関する労働相談件数と比較しますとまだまだギャップがありますので、広報、PR強化を図って、さらなる利用拡大に努めていきたいと考えております。以上です。

○花井委員
 労働委員会が労働者の救済の立場に立ってこれからもしっかりやっていただきたいということを申し上げておきます。

 先ほど、影山水産振興室長から御答弁いただきましたけれども、12件の申請があって今審査中だと、これも何件採択されるのかなと思いながら、全体の中でいうと、やっぱり水産の場合も金を借りるケースも4件と、今の燃油のバックアップも残念ながらそういう状況だと。
 先ほどから、農業者、林業者、中小企業の支援を含めて原油対策等聞いてきましたけれども、なかなか実際には個々の業者や農業者、漁業者、林業者に対する施策としては決して十分なものではないなということを議論を通じて実感をいたしました。
 前回も私申し上げましたけれども、例えば農業の問題でいえば、1つは食料自給率を高めること、あるいは価格交渉、後継者づくり、食の安全と、いってみれば大場委員が委員長として提案もされ、全員一致で可決された本県の食と農の基本条例ですね、こういうものに立ってしっかりとした農業施策というものをやっていっていただきたいと思うとともに、特に、今困っている業として成り立たないという方々に対して、積極的に価格保証していくことが、私は必要だと思うんですね。
 農家所得に占める政府の支払い割合というのは、ヨーロッパでは大体7割から8割だっていうふうにいわれています。アメリカでさえ4割から5割なのに、日本ではたかだか1割か2割というように、本当に日本の農業をこれまでないがしろにしてきたといってもいいと思うんですね。企業が海外へ進出するために農業はその犠牲になってきたと。しかし、これではいけないと。農業はいってみれば国民の食を保障する、食の安全保障という言葉もありますけれども、私はまさに基幹産業として位置づけ、それをどう守り育てていくかという視点がどうしても必要だと思うんですね。
 そういう視点が国にないために、国に追随して県にもないということではいけないわけですから、もちろん県という地方自治体ですから、当然限られた資金の中でどうやりくりするかという問題はありますけれども、やはり今回の質疑の中でもどなたかが言っておられたけれども、今回の産業部の予算がわずか二千何百万とは、この数字は何だいと、余りにも少ないじゃないかというような議論もありました。そうだと思うんですね。
 県が本当にこういう厳しい中で中小業者あるいは農業従事者の暮らしを本当に守っていくという基本姿勢が映るような補正でなければ私はいけないんじゃないかということを痛感をいたしました。

 それと先ほども言いましたけれども、要は大型店というのは来るときは威勢よく出てくるけれども、地元の商店を淘汰しちゃった後、出ていくときは簡単にやめていっちゃうんだよね。これで本当に困るのは地域の人たちです。そういう点でも県の商店街対策というものもしっかりと県民の暮らしを守るという視点に立ってやっていただきたい、そんなことを申し上げて終わります。

○田島委員長
 それでは、ここでしばらく休憩いたします。
 再開は、4時25分といたします。
 よろしくお願いいたします。
( 休 憩 )

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp