委員会会議録

質問文書

平成30年６月定例会総務委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	髙田　好浩議員
	質疑・質問日：	07/03/2018
	会派名：	公明党静岡県議団

○宮城委員長
　休憩前に引き続いて、委員会を再開します。
　質疑等を継続します。
では、発言願います。

○髙田委員
　一問一答方式で、何点かお聞きしたいと思います。
　まず、総務委員会説明資料３ページ、第92号議案であります。
　今回、国の制度が改正されて地域再生法改正によって県としても対応していくということだと思います。ちょっとわからないところがあるものですから、制度そのもの、法そのものについて意味するところをまず教えていただきたいと思っております。
　まず、本社機能を移転することになっておりますが、２番の制度充実のところに従業員数が10人以上増加とあり、改正後に５人以上増加となるわけですけれども、この10人は本社に勤められる方が静岡県にみえる人数なのか、地元の雇用の人数なのか、教えていただきたいと思います。

○岩崎フロンティア推進室長
　従業員数は、対象となる企業の本社機能の移転規模について、その施設なり設備を伴う機能が移ることによって増加する人数でございます。

○髙田委員
　わかりました。
　ということは、ある意味企業そのものの力をこちらに持ってくると同時に移住・定住という意味ではそういう方々に来ていただいて生活もしっかりしていただこうということかなと思っております。
　それから、その２段下に対象区域とあり、県が指定した地方活性向上地域とありますが、どういうことを意味しているのか教えていただきたいと思います。

○岩崎フロンティア推進室長
　地域活力向上地域についてお答えいたします。
　県が法律に基づいて策定する地域再生計画で定める対象地域のことで、本県では都市計画区域内の用途地域、地区計画区域、ふじのくにのフロンティア推進区域など本社機能移転を検討する事業者が直ちに計画に取りかかれる区域を中心に設定してございます。

○髙田委員
　ありがとうございました。
すぐに活動ができる地域を限定しているということだと思います。

　それから一番根本的なことですが、その一番下に交付税措置ということで不均一課税の場合のみが対象だったものを課税免除も対象ということで移転型事業と書いてありますけれども、この大きな変化について御説明いただければと思います。

○岩崎フロンティア推進室長
　交付税措置の現行と改正後の違いについてお答えいたします。
　移転型事業につきましては、これまでの不均一課税に加えて課税免除を対象とした場合も普通交付税の減収補塡措置の対象に追加されております。同じく移転型事業につきましては減収補塡対象となる地方公共団体の財政力要件が緩和されておりますけれども、本県に影響はございません。

○髙田委員
　ありがとうございました。
そういう税制の交付税措置が今回変わるわけですけれども、現状これは動いていて実際本社機能が移ってきて雇用が発生していると思いますけれども、現状の効果はどのくらいあるのか。

もう１つは、東京から来ていただく部分と拡充型というその他の部分から来ていただく２つがありますけれども、事業数がもしわかれば教えていただければと思います。

○岩崎フロンティア推進室長
　これまでの制度を活用した雇用創出人数、そしてその効果について御説明いたします。
　これまでの２年間で、県内に13社が本社機能移転拡充をし625人の雇用が創出されております。内訳でございますが、41名が東京23区内からの移転、81名が新規雇用、残りの500名が県内での移転者となってございます。
　東京からの移転効果ですけれども、雇用創出のほか新たな資金の流れ、それから地域の周辺企業との連携による取り組み等の期待がございます。

○髙田委員
　ありがとうございます。
お聞きしたかったのは、移転型で東京23区内からこちらへ移転したのはどのぐらいあるか、教えてください。

○岩崎フロンティア推進室長
　東京から移転してきた企業は２社ございますが、そのうち１社が移転型になっております。人数は41人と申し上げましたけれども、そのうち40名が移転型の対象となっております。

○髙田委員
　ありがとうございます。
かなり効果があるという見方が私はできると思います。平成31年度まで制度延長されたことで期待ができるので、静岡県に来ていただけるような施策をしっかりお願いしたいと思います。

　次に７ページですけれども、先ほど６番委員さんからもありましたが、「平太さんと語ろう」ということで平日にやられているのがあります。主に登壇される方、あるいは参加される方は若い方というよりはそれなりの年齢の方という印象があるのですが、参加者の年齢は分析されているでしょうか、もしあれば教えていただきたいと思います。

○杉山広聴広報課長
　平成29年度のデータで、傍聴者につきましてはアンケートに回答していただいた方のみの集計になりますが、発言者と傍聴者に分けて御説明させてください。
発言者につきましては、平成29年度は30人ですが、30代が13人、40代が７人、50代が７人、60代が３人です。
それから、傍聴者は割合になりますけれども、20代が８％、30代が７％、40代が10％、50代が
31％、60代が20％、70代以上が23％となっております。

○髙田委員
　ありがとうございます。
　私は、６番委員と違って行ったことがなかったものですから、もっと高齢の方が多いのかなと思ったら、結構お若い方が積極的に参加されているということで非常によい取り組みだと思います。
　ただ１点、もう少し若いというか学生あるいは小中学生とは言いませんが高校生、大学生、そういうこれから静岡を担っていっていただける方々の御意見、こういうものを別のチャンネルがあると思いますけれども、知事としてどういう形でそういう若い方の御意見を間接的に、あるいは直接的に現在お聞きしているのか教えていただきたいと思います。

○杉山広聴広報課長
　知事広聴に関して言えば、より身近なところで市や町から発言者の情報をいただくようにしています。その中で我々もぜひ若い人の意見を聞きたいということで、若い方の情報提供もお願いしています。先ほど申し上げましたけれども、平成29年度は20代がいなかったですが、平成27年度につきましては10代が１人、それから20代がお一人発言されています。平成26年度も20代が２人、この中には静岡理工科大学の学生も入っています。

○髙田委員
　この「平太さんと語ろう」の中で若者の意見もお聞きすることができているということでよろしいでしょうかね。これからまた、ぜひそういう方にも参加していただけるように広報していただきたいなと思いますので、よろしくお願いします。

　次に11ページですが、“ふじのくに”のフロンティアを拓く取り組みの推進は地方創生を牽引する広域的な取り組みへと進化させるということで、今回“ふじのくに”のフロンティアを拓く取り組みと改称し内容も進化させていくと理解しております。
　どうしても私のイメージでは、その下の段に防災・減災と地域成長を両立する先導的モデルと書かれていますが、どちらかというと中山間地域を中心にした新たなフロンティア、開拓を主にやっている印象ですけれども、海岸地域、特に津波が想定されている地域についてどういう事業が行われているのか。今75の推進区域があると思いますけれども、細かくは結構ですが海岸・沿岸地域でフロンティアとしてやっている事例を御紹介いただければと思います。

○岩崎フロンティア推進室長
　海岸地域での具体的な取り組みについてお答えいたします。
　沿岸都市部の取り組みといたしまして、75の推進区域のうち22の地域で事業を展開しております。具体的な取り組みとしては、袋井市、掛川市での津波防災林の再生による治山事業と連携したふじのくにの森の防潮堤づくり、磐田市福田漁港周辺での津波避難タワーと一体とした食の拠点施設整備、清水港新興津地区での中部横断自動車道の開通を視野に入れた貨物誘致を促進する災害に強い物流拠点整備、富士市における地域の利便性や豊かな海浜の自然環境、富士山のすぐれた眺望を享受できるゆとりある住宅団地の整備など多彩な取り組みが進められております。
　なお、今年４月よりさらに沿岸都市部の再生を加速するために総合特区制度を活用し、沿岸21市町の企業を対象に防災・減災に資する既存施設の更新や遊休土地の有効活用を行う事業を行った場合に利子補給を行う制度を追加しております。

○髙田委員
　ありがとうございました。
この取り組みは大事なことですので、もう少し私もしっかり、また勉強させていただきたいと思います。
　いよいよ第２期ということでここに書かれておりまして、これがスタートになるわけですけれども、内容が文字だけだとちょっとわかりづらいです。地域間の共生、対流という言葉が余り出てこないですから、どういう青写真があって、75の推進区域を仕上げることもあると思いますが、どういう成果を期待し、次の第３期へどのように結びつけていくのか、その大事な５年間だと思いますので地域間の共生、対流の創出の意味について教えていただければと思います。

○岩崎フロンティア推進室長
　地域間の共生、対流の創出についてお答えいたします。
　推進区域の取り組みを点で終わらせることなく、他の推進区域との連携やそれ以外に行われているまちづくり等との連携を図り、誰もが豊かな暮らしを実感できる都市圏の形成を目指していきます。またそれに当たって、それぞれの地域がともに発展していく共生を基本に、地域が有する異なる個性、または価値の融合によって新しい価値を生み出していくこととしております。
　このため、工業団地造成や住宅地整備などを進めている、今後完成していく推進特区が相互に連携をもって相乗効果を高めていくことを見据えて必要な施策の調査検討をしてまいりたいと考えております。

○髙田委員
　なかなか難しいことだと思いますが、地域地域だけじゃなくて、その間にも地域があるわけで、そういうのも含めて、これを一つの起爆剤にして、近くにあるところは同じ傾向もあると思いますので、まちづくりみたいなイメージを持ってよろしいでしょうか。

○岩崎フロンティア推進室長
　今おっしゃっていただいたとおりでございます。周りの同じような取り組みをしているまちづくり、それから周りに個性をいろいろな形で持っている地域がございます。その推進区域、またそれらを核として融合、共生を図りながら新しい価値を生み出していきたいと考えております。

○髙田委員
　ありがとうございました。
　質問の最後で、第３期のところで対流都市圏の形成というのがまた出てきますが、それを充実、発展をさせて今まで以上にいろんな価値を、その都市都市でさらに創出していこうということで捉えていいのか、対流型都市圏の形成を説明いただきたいと思います。

○岩崎フロンティア推進室長
　第３期の構想の意味につきまして、お答えいたします。
　今、御説明いただきました内容は我々の考えといいますか、計画のもととなる考えのとおりでございます。この構想は2027年までになっておりますけれども、リニア中央新幹線や高規格幹線道路の広域交通ネットワークが概成するタイミングまでを構想期間としております。
　第３期は、第２期の取り組みの成果を生かしつつ、それぞれの地域特性を踏まえて県内外はもとより広く広域的な圏域形成と圏域相互の連携に取り組み、安全・安心で魅力ある県土づくりの実現を目指していきたいと思っております。

○髙田委員
　ありがとうございました。
総合政策課だけの話ではなくて、全庁、健康福祉も含めて全ての部局横断的な大変大きな夢のある構想であり、またこれが成功するかどうかでこれからの人口減少に対して歯どめがかかったり、あるいはもっと言えば転入がふえたりとか、魅力ある静岡県ならではの地域性が出てくると思いますので、ぜひ頑張っていただきたいなと思いますので、よろしくお願いします。

　続きまして17ページです。
第93号議案も地方税法の一部改正に伴って関連条項を改正するということで、新たに第73条の24、第３項が新設され、それに伴って関連条項を改正すると捉えていいと思いますけれども、この内容がちょっと現実的じゃないなと。
地方税法の改正ですから、県がどうこうということじゃないのかもしれないし、ここで言ってもしようがないかもしれませんが、意見というか考えを聞きたいです。耐震基準不適合の既存住宅を取得し、一定の基準を満たす耐震改修を行った場合には当該住宅の土地の取得に係る不動産取得税を減額するよと。
　私は建築をやってわかりますけど、普通は壊しますよ。更地にして売ったほうがよっぽど高く売れますから。県に言ってもしようがないですけれども、この制度の目指しているところが、意味がよくわからなくて、ものを大事にしろということなのかもしれませんが、経済効果を期待するのであれば更地にして新築住宅を建てて、家電でも買ってもらうほうが経済効果はいっぱいあるわけで、この意味するところがわからないです。所管としてどのように解釈されているのか、アドバイスをいただきたいなと思います。

○杉澤税務課長
　第93号議案に関連してお答えいたします。
　個人が自己の居住用に耐震基準を満たした中古住宅を購入した場合、その住宅の新築時点による控除が課税標準となる価格から控除される制度がもともとございます。この制度の見合いで、平成26年４月から耐震基準に適合していない住宅を取得し、６カ月以内に耐震改修を行った住宅に入居した場合も同様の措置が講じられることとなりました。
　今回の条例改正につきましては、平成26年から追加されました建物の減額措置に加えまして、土地につきましても減額措置を適用するものでございます。
　こうした中で、７番委員御指摘のとおり、中古住宅の場合につきましてはほとんど土地と住宅が同時に取得されることが多いものと認識しております。その中で例えば一部のケースにおいてでございますけれども、土地と建物の売り主が異なる場合、若干購入の時期がずれる場合がございます。あるいは資金繰りの関係で、やはり一部時期がずれる場合がございます。こういうケースを想定いたしまして、前後１年間という期間を設けているものと認識しております。

○髙田委員
　議論するつもりは全くないですが、住宅を取得した上で６カ月以内に新耐震基準に適合するための改修を行うこととありますが、耐震診断をしてからプランの打ち合わせをして改修まで終わるのに６カ月というのは本当にわけがわからないわけじゃないですが、つくった人が余りわかってないのか、こんな短期間でできることはまずまれだなと私は思っていますが、こういうことはあまりないですよね。

○杉澤税務課長
　ケースがどのぐらいあるかということでお答えをしたいと思います。
　今回の改正に伴う不動産取得税の減額の措置が仮に平成29年４月から適用があったものとしまして、平成29年度の事例に当てはめてみますと、対象につきましては２件で減税額につきましては約24万円となっております。
　今回のケースにつきましては、先ほども答弁させていただきましたように未耐震の住宅とその土地を購入して、住宅取得後６カ月以内に耐震改修を行うケースにつきましては限定的であると考えております。

○髙田委員
　ありがとうございました。
　続いて21ページでありますけれども、県有財産の売却計画は大変難しい課題というか、なかなかやりにくいことが起きてきていることはここにも書いてあるとおりでありますけれども、１つ目はこの一番下のほうの３番の売却促進のための筆界特定制度というのが書かれてあります。これを本格導入していきたいということですけれども、メリットとデメリットがあるようなことも書いてあります。これはそもそもどういう手法で、これをやることによるメリットとデメリットとしてどんなことを想定されているのか、まずお聞きしたいと思います。

○萩原管財課長
　筆界特定制度の関係でお答えします。
　まず、筆界特定制度でありますけれども、筆界とは何かというのがあります。筆界とは土地が登記されたときの隣地との境界の線をいいます。筆界特定制度とは土地所有者等が法務局に申請することによってこの登記上の筆界、隣地との境界に当たる線を特定する制度になっております。
　メリットとデメリットですけれども、メリットにつきましては、いわゆる土地の境界といった場合にお互いに言い分があったりするわけですけれども、公的判断として登記上の線はここにあるということが明確になることがメリットだと思います。
　デメリットですけれども、デメリットというよりは限界と言ったほうがいいかもしれませんけれども、筆界特定制度で土地の境界問題が全部解決できるかというと、そうではないということがあります。
　筆界特定制度は、一応法務局で一定の結論を出しますけれども、例えば隣地の方がその筆界に不満がある場合には裁判に持ち込むことができるので、完全に解決しないのが１点あります。
　もう１つは、先ほど登記上のその土地の境界線という格好で言いましたけれども、通常はこの土地の登記上の境界線と実際の所有者の境界線が一致することが多いですけれども、例えばとある隣地の方が、こっちの隣地のほうを10年以上、善意で使っていた格好になると、時効取得となりますから、場合によってはその筆界と所有権界が変わってしまうところがあるのが一応デメリットと考えております。

○髙田委員
　わかりました。
　私自身は、父が持っていた土地でえらいことに遭ったことがあるものですから、こちらはこう認識していますけれども、隣の人はそうじゃないというのは多々ありまして、それで動きができないのでは困るということで、そういう制度をしっかり活用していこうということだと思いますけれども、ぜひメリットが発揮できるようにしっかりやっていただきたいなと思います。

　それから、上の表の除外財産も売却困難な財産で無道路地とか、あるいは境界確定協議の不調の財産で、今言われた部分だと思います。本当に狭くて使いようがないところとかがあると思いますけれども、これは売却の計画から除外する、除外財産と書いてありますから除外してもう手をつけない、そのままで放っておくのか、今言った制度も使って除外しているけれども、何とかしていこうという方向性なのか教えていただきたいと思います。

○萩原管財課長
　今、７番委員から御指摘のありました除外財産につきましては、今回の売却計画は今年度から５年間における売却分ですのでそれから除外するということで、今後恒久的に売却を諦めたとは、少なくとも我々は考えておりません。現時点において売却については解決すべき問題があると考えております。
　その要因ですけれども、７番委員御指摘のとおり、境界の問題であったり、道路が接続していないところとかがあります。境界の問題につきましては、先ほど回答させてもらいましたように、まずは筆界特定制度を使った上で突破できないかと考えております。
　先ほどのことにも重複しますけれども、筆界特定制度をやる場合については、いわゆる隣地との境界線が完全に解決したわけではないという部分がありますから、そういった意味では筆界特定制度を使って売る場合にどういうリスクを考えた上で売ればいいのかが非常に大事かと思っております。
まずは、筆界特定制度を使って売る場合の要注意点を整理した上でテスト的に一遍やってみて、実際に起こった問題点を把握した上で今後本格導入ができるかどうかを考えていくと考えております。
　無道路地については、非常に難しい問題ではありますけれども、その１個の土地については道路に接続していない部分でありますので、場合によってはその土地を含めて大きな範囲でもって――開発とは言いませんけれども――そのような土地の利用があるかどうかもありますし、場合によっては隣地との土地のやりくりで解決できる問題もあるかもしれません。
　昨年度の途中から不動産業者に売却関係の委託等をやっております。不動産業者は地域の実情をよく知っておりますので、県で持っている売却困難地周辺の土地の動きを把握した上で無道路地についても何とか突破口を見出していきたいと考えております。

○髙田委員
　わかりました。
次に聞きたいことと今のが関連するかもしれませんが、売却促進のための取り組みの(1)に宅建業者への売却業務委託があります。これも今おっしゃった一団の土地としての県有地じゃなくてもうちょっと広いところで、こういう民間の業者が違う目で見るとまた売れる要素が出てくるということを含めて売却業務を委託されているのかなと思いますが、平成29年９月から始めて、この効果はどのようにお感じになっていますか。

○萩原管財課長
　御質問の売却委託の関係ですけれども、売却委託の内容を特定しなければいけないと思っております。
県から業者に委託している内容は大きく分けて２つあります。
１つは、これまでもやっておりまして現在もやっていますけれども、土地を売る場合は入札を行うのが原則でありまして、県による入札の補助作業を行ってもらっています。具体的には土地の物件調査票をつくったり、売却物件の広告を県の公務員的発想ではなくて民間業者のノウハウを使ってやってもらうとか現地説明会です。また落札契約に至る前段階で重要事項説明がありまして、従前は県職員がやっておりましたけれども、やはり一定の免許を持っているプロフェッショナルにやってもらうほうが後々の問題も少ないためやってもらいます。
　もう１つは、入札をやっても落札者がいないとか入札不調でずっと売れ残っている土地があるものですから、業者独自のネットワーク、ノウハウで土地を買ってくださる方を探してきてもらうのがありまして、この２つを委託しております。
　７番委員がおっしゃいまして、私も先ほど申し上げましたように地域の実情をよく知っているのは直接の業務委託の内容ではないですけれども、買ってくれる人を探す段階では当然業者は地域の情報も把握しているものですから、そういったものを業務に関連して我々も収集する考えでございます。
　効果でございますけれども、昨年度９月からテスト的に導入いたしました。実は東部、中部、西部と３つに区域を分けましたけれども、西部については応募者がなくて東部と中部だけでスタートしたわけです。現状は９カ月たったところでありますが、ようやく何とか軌道に乗ってきた状況であります。
特に大きな効果としては、先ほど申し上げました２つの業務のうち入札不調物件を買ってくれる人を探してきてもらうところに効果があると思っております。これまで入札不調になっていた物件の売却がまず計４件できました。つい最近申し込みがあったものを加えて計５件の入札不調物件の売却もしくは売却申し込みがあり土地売却金額が合計で約3000万円余となります。
　それに対して業者にお支払いする手数料は100万円余りですので、100万円余りを支払うことによって結果とすればこれまで売れなかった3000万円の物件が売れたことになっております。
本年度は、年度当初から県内３地域全部契約しておりますので、できるだけこれを使って新ビジョンの第１年目でありますので迅速に円滑に売っていきたいと思っております。

○髙田委員
　ありがとうございます。
一番下の達成率が75.7％になっています。毎年大変御苦労されていることだと思いますが、今おっしゃっていただいた形で民間にしっかり力をかしていただければまだ伸びしろがあると思いますので、上手に連携していただきたいと思っておりますのでよろしくお願いします。

　次に22ページでありますが、行政経営研究会の取り組みで上の概要を見ますと、県と県内市町及び県内市町同士が連携し、県、市町共有の行政課題の解決に向け取り組む実践的組織として平成26年４月に設置されたとあります。
　すらっと読んでしまうと、なぜ今までなかったのかと思うような形ですけれども、多分静岡県ならではの課題が発生したからこそ設置されたと思うんですけれども、どのようなことが生じてこういうことをお考えになり始めたのかまずお聞きしたいと思います。

○山梨県理事（地方分権・大都市制度担当）
　私は、この研究会の会長を仰せつかっておりますので、経緯につきまして答弁させていただきたいと思います。
　さかのぼるところ、平成12年４月１日に我が国で最初の地方分権一括法が施行されました。475本という膨大な法律の改正がありまして、特に地方自治法改正は機関委任事務の廃止等大変めざましく大きな改革でございました。その中で静岡県はずっと地方分権の推進という点ではトップを走ってきております。データがある限りさかのぼって過去13年間、昨年度に至るまで県から独自に条例で市町に移譲した法律の数125本は全国でトップでございます。
　ずっとトップを走り続けているのは１つの自負ではありますが、それなりに大きな課題といいますか落とし穴を発見いたしました。分権分権と我々が喧伝すればするほど、県と市町のコミュニケーションが減ってまいりました。つまり県と市町は対等、協力の関係である。この対等という部分が強調されますと、要は互いに干渉しない、独立独歩、お互い自立していきましょうということになる。そこでは自然と共同関係が薄れてきまして会話さえ減ってまいります。かつての自治局は首長の訪問が大幅に減りまして市町からの相談件数も激減いたしました。この状態で果たしていいのか。目指すべき分権の姿がこれでいいのかというところが私どもの最初の論点でございました。
　住民に身近な行政主体である市町が日々どんな課題を抱えていて、今、市町の現場で何が起きているのかを我々がよく理解していませんと県に最も有効な戦略が立てられません。やはり市町の現状をよく聞いて、市町をサポートもして、ともに課題を解決するという協働的な姿勢がありませんと市町自立の支援につながりません。結果的に分権も進まないことがよくわかってまいりましたので、全国で初めて全市町に声をかけて平成26年にこの研究会を発足させたのが経緯でございます。

○髙田委員
　ありがとうございます。
私も防災関係で各市町を回らせていただいて、担当の防災監、あるいは防災の係の方々に、例えば緊急地震・津波対策等交付金についてよく御理解をされてしっかり対応できていますかというアンケートをやらせていただいたことがございます。そうしましたところ、かなりのところで余り制度がわからないようなお話もいただいたものですから、危機管理部に、県職員がそこに行って説明して、せっかくつくった制度が進むようにしっかりやるべきですねという話はしてきたことがあります。それは一つのことかもしれませんが、やはり今おっしゃった対等とか権限移譲という言葉の裏にもう勝手にどうぞみたいな、お互いにそうなってはいけないと思っていました。実際現場にはそういうこともあり、これは課題だなと思っていましたが、この研究会が立ち上がったことでそういうことが解消され、またいい動きができてきたと。あるいは複数の市町が同じ課題を持っていて県にこういうこともあると話ができるようになってきたとお聞きしております。非常にいい動きであると思います。
　加えて、平成30年度は危機管理部のトップのほかいろんな方が行脚ということで各市町を回って、今言ったことを実際にお聞きして、どこが課題なのかをしっかり受けとめてきていただいているとお聞きしております。
　まだ始まったばかりだと思いますけれども、トップの方が現場に行かれて感じた課題やこれからやらなくてはならないと思っているところが何かあれば事情を説明していただければと思います。

○山梨県理事（地方分権・大都市制度担当）
　私も昨年度から全ての市町を訪問させていただいて、ほぼ全首長と面談がかなっております。昨年度からのことも含めてさまざまな課題を各市町のトップから提示されております。
　先ほど７番委員に御指摘いただいた緊急地震・津波対策等交付金について、本年度、危機管理監と私どもで一緒に市町にアポイントをとって押しかけて、詳細な説明をしながら御理解いただいているところでございます。これも大変好評ですが、危機管理の面はもちろん地域課題につきましても、やはり総括しますと県にもっと間に入って仲介の労をとってもらいたい、あるいは主導的役割でもいい、リーダーシップをとってほしいという要望がございました。
　例えば、オリンピック・パラリンピックへの連携対応はもちろん、それに関連して広域的な観光施策の推進であるとか、あるいは土地利用。広域的な問題もありますけれども、そうしたものに関する県の広域的な調整機能への期待。あるいは地域医療は特に医療人材が県内で偏在しているという御指摘があり、それを何とかしてほしいとか、水道は生活の基本的なインフラですが、全て老朽化がかなり進んでおり、いつどこではぜるかわからないという切羽詰まった御相談や御質問、御提案もあります。
　実は、もろもろ御意見をいただいて宿題をいっぱいもらって帰るわけですが、１つでも２つでもこれから各部局と連携して解決の道筋ができたらいいなと努力しているところでございます。

○髙田委員
　ありがとうございました。
総務省からも非常に注目されていると聞きましたので、ぜひモデルケースになるようにしっかりまた取り組んでいただきたいと思います。

　次に、飲料用自動販売機を使用許可から貸し付けによる契約に変更して、今、設置収入がかなり上がっているとお聞きしております。
過去の使用許可と今やっている貸し付け契約、入札による経済効果、収入効果を単純に比べられないかもしれませんが、あらかたどういう変化が生じているのか教えていただきたいと思います。

○萩原管財課長
　自動販売機の貸し付け収入と従前の行政財産の使用許可の比較でございます。
　平成29年度の公募台数でいきますと、貸し付け契約が約540台で貸付額は約２億2000万円に対しまして、行政財産使用許可の場合は貸付額が約
450万円ですので、行政財産使用許可でやった場合の約50倍弱で金額で言いますと約２億1500万円余が使用許可に比べて多く入っている状況でございます。

○髙田委員
　大きな効果が出ていると思います。ホームページで１台１台の図面が出てきて、今回ここを公募するというのをよく見ますが、契約できない不調の場合に自動販売機はどうなるのか。撤去するのか、それとも使用許可で継続するのか何か取り決めはありますか。

○萩原管財課長
　自動販売機の応札者がなかった場合の対応であります。非常にお答えしづらいと思っておりましたけれども、まず１回の公募で応募がなかった場合は周知期間が十分であったかどうか。例えば業者がその周知を知らなかったということも考えられるので、同じ条件で再公募をかけております。
　再公募でできなかった場合については、行政財産使用許可に移ることも１つの方法とは思いますけれども、公募条件の見直しを設置の所管と一遍やっております。例えば飲料用自動販売機といいましても、缶に入っているもの、紙コップのもの、いろんなものがあります。再公募しても応札に至らなかったのを見てみますと紙コップでとかいろいろ条件がついているところもあります。設置業者もある程度の販売数がないと難しい部分があり、缶のほうがメンテナンスフリーでできるものですから、そういった条件を設定することで今は対応しております。
　なお、貸し付けを行う場合は当然予定価格を設定するわけですけれども、予定価格は基本的には行政財産使用料と同じような金額になっているので、一者の応札であれば最低限度の金額で入れます。現在応札がないものは低い金額でもなかなか応札がない状態ですので、先ほど申しました公募の条件自体をもう一遍チェックした上で何とか打開策がないか現場と調整しております。

○髙田委員
　なかなか難しいことだと思いますけれども、またよろしくお願いします。

　次に、県の公用車のドライブレコーダー、またバックカメラの設置状況を教えていただきたいと思います。
今、公用車が何台あってどのくらいについているのか、まず教えていただきたいと思います

○宮越用度課長
　公用車についてお答えします。
　まず、県の公用車のドライブレコーダーの状況ですが、平成20年度から試行的に設置し、現在は知事部局の公用車1,058台のうち233台に設置しております。またバックカメラにつきましては、従来からマイクロバス等一部には設置してございましたが、昨年度試行的に110台の公用車に設置いたしました。

○髙田委員
　わかりました。事故が減らないですよね。私たちもそうですが、ドライブレコーダーやバックカメラをつけると、維持管理費がかかりますが、いろんな意味で無事故を目指す機運になると思いますので、経済効果を見てドライブレコーダー等の設置も積極的にお願いしたいと思います。

　次に、自動車税の納付についてお聞きします。
　いつもは５月31日、５月いっぱいに納めるということです。大変申しわけない言い方ですが、年金受給者がふえてきましてお金が入るのは御存じのように偶数月です。そうしますと非常に負担感があって、やはり先送りになってまた県から督促をもらうやりとりが発生して費用が非常にかかっているように思います。
　そういう意味では、条例の中には県が自動車税の納付は５月中において行うけれども特別の事情がある場合においてはこれと異なる納期を定めることができると書いてあって、実際秋田県と青森県は６月までとしています。なぜかというと田植えがあるからということですが、静岡県も田植えがあります。何でこれが残っているか知りませんが、とにかく特例が認められると。じゃあ静岡県の特例は何かと言われると私もつらいですが、何とか６月に納めるように１カ月延ばしてもらえないかという意見がたくさん私のもとにはありますがいかがでしょうか。

○杉澤税務課長
　自動車税の納期の延長について、お答えいたします。
　まず、地方税法第149条におきまして、自動車税の納期は５月中において当該都道府県の条例で定めるとございます。本県では地方税法に基づきまして先ほど７番委員御指摘のように条例を設置しているところでございます。
　条例の納期限につきましては、５月末としておりまして本県を含めまして45都道府県が５月末を納期限としております。６月末を納期限としているのが青森県と秋田県の２県でございます。青森県、秋田県の担当者になぜ納期を６月にしているのか電話で聞き取りをしたところ、７番委員御指摘のように明確な理由はわからないけれども５月末は農家の繁忙期と重なることなどから、これは40年以上前の話ですけれども、条例改正を行いまして６月末を納期限としたと回答がございました。
　本県におきましては、自動車税の納期限が５月末であることは広く納税者に浸透していると考えておりまして、納期内納付率につきましても平成30年度の定期課税は件数ベースで87％、税額ベースでは85.4％、毎年伸びまして過去最高を更新したところでございます。
　仮に納期限を６月に変更するとなりますと、納税者に混乱を及ぼすことも一部危惧されるのではないかと考えております。
　一方で、自動車税につきましては７番委員御指摘のとおり幅広い県民から御負担をいただいておりますことから、今後も自動車税の税制度につきましては国や他県の動向等に注視してまいりたいと考えております。

○髙田委員
　クレジットカードにすれば翌月払いになると思いますので、クレジットカードへの移行もしっかり訴えていただければと思います。
　
　県庁の喫煙室が撤去されて大変いいことだと思いますが、青葉駐車場にあるということで来庁者から非常に厳しいお言葉をいただいております。あれじゃあなくした意味がない。一番人が通るところに風が漂って一番濃い煙が来ます。駐車場の人も多分えらい迷惑を受ける。　
これは今後どうしますか。

○三倉健康指導課長
　青葉駐車場の喫煙所について、お答えいたします。
職員や来庁者の健康保持の観点から、非喫煙者の受動喫煙防止、また喫煙者の禁煙の促進に向けまして、ことしの４月１日から本庁庁舎内を全面禁煙として庁舎内の喫煙所を西館屋上と本館屋上、それから青葉駐車場に確保したところでございます。喫煙する方には屋外の喫煙スペースを用意して、まずは庁舎内の全面禁煙をしっかり根づかせたいと考えております。
しかしながら、７番委員から御指摘のありましたとおり、青葉駐車場横喫煙所につきましては来庁者から特にその見た目やにおいに関する苦情が寄せられております。
県としても問題があると考えまして、見た目への対応としましては目隠し板を設置し喫煙者の顔が見えないようにしたところであります。また混雑時にスペースをはみ出しての喫煙も見られましたことから喫煙スペースの床をペンキで着色して喫煙可の区域を明確にいたしました。また両サイドにチェーンを設置してスペースの外で喫煙することがないように対策をしたところでございます。
　あわせまして、混雑時にはスペースに余裕がある西館屋上などを利用するよう総務監会議を通して、あるいは庁内ＬＡＮの掲示板により職員に呼びかけているところでもございます。
　ただ、依然として隣接する歩道の通行人の皆様、それから駐車場の係員への受動喫煙が否定できないため、現在の喫煙所にかわるものとして青葉駐車場の２階に喫煙専用室を設けることとしまして現在、改正健康増進法が国会で審議されておりますことから、その情報を収集しつつ準備しているところでございます。

○髙田委員
　目隠ししても煙が漂うものですから、早目に移行していただいて、別にたばこを全面的にやめてくれと言っているわけではなくて受動喫煙だけしっかり考えていただきたいので、よろしくお願いします。

　最後に、女性職員の健康管理についてお伺いしたいと思います。
　がん検診の受診率は現状どうでしょうか。
また、それを引き上げなければならないと思いますけれども、何か方策をされているのか最後に１点だけお聞きします。

○三倉健康指導課長
　県女性職員のがん検診の受診率でございますが、乳がん検診、子宮頸がん検診ともに国の目標値の50％をはるかに上回りまして、平成29年度は乳がん検診が92.1％、子宮頸がん検診が90.8％でございました。この率に満足することなく、少しでも受診率が上がるように庁内ＬＡＮの掲示板などによりまして、さらに呼びかけを行ってまいりたいと思います。

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