本会議会議録
質問文書
令和4年10月28日逢初川土石流災害検証・被災者支援特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者: | 西原 明美 議員 | |
質疑・質問日: | 10/28/2022 | |
会派名: | 自民改革会議 |
○西原委員
どうやら、皆さんが重要案件じゃないということで、ここまで来て、全体的に行政の失敗ではあったけれども、もともとの見誤りから始まって、危険を認識していない。だから、しょうがないとしか、私には聞こえてこないんですね。
何を言いたいかと言いますと、さきほど、7番委員がおっしゃったところの熱海土木事務所の職員にヒアリングしたところで、みんなこれは問題じゃない、上に報告しないって言っている中で、1人だけ、歴代の所長には経緯を説明している。熱海土木事務所管内全体の視察の一部として、2009年には本庁港湾局長、道路局長、2010年には本庁河川局長、2011年には本庁の部長を現場に案内しているのです。なおかつ経緯の説明をしています。
ここで、危険の認識がないとか、問題意識がない、重要案件じゃないと言い張ることのほうが、私には不自然なんです。
皆さんが危険ではないことを基に、行政全体の失敗ではあったけれども、実際スタートが違ったからだとしか聞こえないんですね。
この発言にあるように、最初は2011年、本庁の部長が現場を視察されて、経緯を聞いているのか、説明を受けているのか、それを確認させてください。
○難波県理事
はい、当時の職員にヒアリングをしました。その1名の方だけが、かなり危険の可能性を感じておられました。その人は、その現場の危険性を取り除くべく、相当の努力をされています。ただし、その方ですら、まさか全体が崩壊するとは思っていなかったというのは事実です。
それで言い訳するつもりは全くありません。つまり、その崩壊を防げなかったんですから、だから反省をして、やっていかないといけないわけです。行政単位の失敗だったのです。
したがって、それでよかったなんてことは、全く思っていません。ですから、徹底的に、我々は、その行政改革をしていかないといけないと思っております。
重要案件と思っていたかどうかですけれども、その案内された方は、そこを通りかかっただけなのです。通りかかっただけで、一応説明は受けますが、危険性は全く認識していないです。
最初、初動全力と言いましたが、盛土が上まで上がった状態で、あそこを通りがかったときに、その前にどういう造成の仕方がされていたのかを知らなかったら、見ても危険性は分かりません。
私自身が、例えば、2021年7月2日にあの場所を通って、あの盛土を見たときに、危険性が認識できたかと言うと、認識できません。それは、しっかりと施工されているだろうという前提でものを考えるからです。
ですから、その2011年の頃の人は、もうある程度安定状態になっているので、ほぼ認識がありません。したがって、もっとやらないといけなかったのは、2008年とか2009年とか2010年に、現場でぐしゃぐしゃのことがやられているときに、しっかりと事務所でやらないといけなかったと、それが実体と私は思います。
○西原委員
それも、多分見る角度、聞く角度によって、若干違うと思うんですけれども、2011年の本庁の部長が、そこを見てどう判断したか、次の2012年につないだか、つながないか、そこも見えてはいないので分かりませんが、先ほど来言っているように、危険を感じなかったからここまで来てしまった。そこには、そのときの判断には問題はなかったけれども、全体を通して、行政の失敗だったと。そのような形に聞こえてきたので質問させていただきました。
最初に質問させていただいた土砂法の件で、2005年から調査が始まったということですけれども、かなり長い間の調査、7年かかって区域を指定していますが、大体7年くらいかかるものなんでしょうか、この区域指定に対して。かなり危険な地域だと思うんですけれども。
○杉本交通基盤部参事兼砂防課長
土砂災害防止法の関係で、今回の場合、土石流がその現象に当たるのですけれども、土石流の場合は、やはり危険範囲が相当広いということもございます。ですので、同じ保全対象でも、伊豆山地区という1つの地区に関して言いますと、いろんな土石流が関わってくることになります。
今回で言うと、逢初川の場合は、今回土石流が起こったところと、その南側に寺山という、そこも土石流危険渓流なんですが、そのような形で、同じ保全対象でも、対象とする土石流がたくさんあることもございまして、ある程度、地区を単位とした形で指定していくためには、それなりの時間をかけて、危険渓流を調査していく必要が出てきます。
ここ伊豆山地区においては7か所、土石流危険渓流がございました。その中で、2005年に4か所、2007年に2か所、2011年に1か所やっているんですけれども、そのような形で、どうしても時間をかけざるを得ない場所でもあったことが1つあるかと思います。
○西原委員
それだけたくさんの、逆にいろいろな関連があるということは、被害も大きくなることが想定できますが、本来であれば、危険だということであれば、すぐにでもかけるべきだと思うのです。
それで気になったのが、この土地取得の前から調査を始めて、ここまで7年間、調査だけで終わっていて、その間にずっとこうやって盛られてきているということで、今のお話の中では2005年に4か所とおっしゃいましたか。
○杉本交通基盤部参事兼砂防課長
はい。
○西原委員
ここが遅れた理由は、本当に調査の範囲が広いから遅れているのか、こういった土地の改変に関わることが始まっていて、何らかのことで規制が遅れたのか。そこが少し見えないので、伺います。
○杉本交通基盤部参事兼砂防課長
伊豆山地区の場合で言いますと、やはりそこの地区の人にとって見れば、どうしても自分の土地が危険であることが知られてしまうと、土地の単価が下がるとか、そういうこともございまして、なかなか指定についての理解を得るのに時間がかかることが、一般的にあります。
そういうことで、地元に理解を得るために努力する時間もかなりかかってしまったのかと考えております。
○西原委員
そうは言っても、最終的にこういう大きな事故になってしまっていることを考えると、その人たちの財産権もありますけれども、本来はかけるべきところに速やかにかけておけば、また対応が違ったのかなと思うので、ちょうどこの土地取得の前に調査が始まって、取得して、そして、申請して、完了している間、ずっと調査をしていて、なおかつ進んでしまった後に、指定がされたというところに、非常に違和感を感じたので質問させていただきました。
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