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委員会会議録

質問文書

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平成27年6月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:平賀 高成 議員
質疑・質問日:07/06/2015
会派名:日本共産党静岡県議会議員団


○平賀委員
 よろしくお願いします。日本共産党の平賀高成です。
 きょうは、産業委員会の最初の質問ですので、まだ十分頭の中に入っているわけではありませんけれども、よろしくお願いします。
 それでは最初に、いただいた産業委員会の提出案件の概要及び報告事項の資料について伺います。
 私は、分割質問方式で行わせていただきます。よろしくお願いします。
 最初に、耕作放棄地の再生と農業集積について、委員会説明資料17ページでは、平成26年末までに累計目標2,600ヘクタールに対して2,613ヘクタールを再生したとあります。これは耕作放棄地を目標を上回って克服できたということだと思っていましたら、そうではなくて、みずから立てた目標に対して達成できたということでした。この資料では、現在の県内の耕作放棄地がどれだけあって、どれだけ克服をすれば耕作放棄地をなくしていくことができるのかがわかりません。
 少し調べてみると、県内の全耕地面積は4万9084ヘクタールでありまして、耕作放棄地は1万2494ヘクタールで25%を占めております。内訳は、農家によるものが6,031ヘクタール、農家ではない土地持ちが6,463ヘクタールありまして、合計では1万2494ヘクタールとなっています。そうしますと、委員会説明資料17ページでは、平成25年から平成26年の1年間で、耕作放棄地再生目標600ヘクタールに対して291ヘクタールの再生ですから、目標の半分以下ということになります。このテンポで耕作放棄地をなくそうと思えば、単純計算で42年かかることになります。しかし同時に、耕作放棄地がさらにふえる可能性もあるわけですから、そういうことになれば、下りのエスカレーターを駆け上がっていくような状況にもなりかねません。
 耕作放棄地がふえれば、鳥獣被害もふえていくということになります。県内の耕作放棄地をなくすために、どういう見通しを持っているのか伺います。

 そして2つ目に、今耕作放棄地を集約しているわけですが、実際にこの耕作放棄地を集約して、どういうふうなことをやろうとしているのか、例えばどういうものを生産しようとしているのかこれについて伺います。

 そして3つ目に、今の規模拡大をやって農業を何とか続けていこうということで、そういう対策を打たれていると思いますが、しかし実際に今、世界で言えば、アメリカとの競争をすれば規模は100倍の違いがありますね。オーストラリアとの関係で言いましたら、規模1,000倍ということになるわけで、こういう状況の中でどういうふうな見通しがあるのかこれについて伺います。

 それから、4つ目に、今、耕作放棄地に対して課税をもっと強化するべきだという、こういうふうな議論もあって、けさの朝日新聞の記事でも報道されておりました。この耕作放棄地に対する課税の問題をどのように考えているのかを伺います。

 それから、同じ農業関係の質問ですが、平成28年度の静岡県の提案と、こういう。これは国に対する提案ですね。静岡県の国に対する提案。この冊子を見ておりましたら、41ページに農業経営安定化のためのセーフティーネットの創設というページがありました。現状認識の部分で、農業経営の安定化のために、自然災害などによる収量減収を補償する農業災害補償制度がありますが、対象品目が水稲や麦、大豆などに限定されており、農業経営全体をカバーしていないと書かれています。
 課題のところでは、本県では主要な品目であるお茶やミカンなどにおいても、米と同様に農家の収入の安定対策が求められます。新たに創設が検討されている収入保険については、災害や農産物市況等による収量や販売価格の低下のほか、生産資材費の高騰にも対応するなど、経営を支える万全なセーフティーネットとするとともに、農業者負担の軽減など加入しやすい制度を構築することが必要というふうなことが書かれてあります。
 そして、提案事項としてお茶やミカンなど地域で生産されるさまざまな作物を将来にわたり安定的に生産していくためのセーフティーネットの創設ということが書かれておりまして、私はこういう提案こそ農業者にとって一番求められている制度だと思いました。
 そこで質問ですが、このセーフティーネットは、具体的にどういうふうに県は考えているのかそのことをちょっと伺いたいと思います。

 私は以前、農業をやっている方にいろいろお話を聞いたときに、これはやっぱり保険の問題を言われていたんです。いろんなものをつくっても、豊作で逆に値が大幅に下がったりだとか、いろんな風水害の事故などもありまして、いろいろ保険に入ろうと思っても、やっぱり問題になるのは保険料の問題が大きな鍵を握るんだというふうに言われておりました。これらの点についても、どういうふうなことを考えていらっしゃるのか伺いたいと思います。以上です。

○佐藤農林業局技監
 耕作放棄地対策の進め方についてお答えをいたします。
 耕作放棄地対策の当初の目標設定につきましては、平成20年度からの農林業センサスのデータでありますとか、市町等が行っております全体調査の結果に基づきまして、再生可能な耕作放棄地3,500ヘクタールのうち、草刈りとか耕起などを実施すれば再生可能であるという2,000ヘクタールにつきましてを第一の目標にいたしまして、現在はそのうち3,500ヘクタールの解消を目指して取り組んでいるところでございます。
 6番委員御指摘のとおり、耕作放棄地につきましては、圃場条件が悪い農地でありますとか、中山間地の傾斜地等において新たに発生する傾向もございます。全体2,600ヘクタールの再生を図ってきておりますけれども、国のデータでありますとか、県で実施しております全体調査から推測いたしますと、これまでに平成21年度から平成26年度ぐらいの間に、新たにやはり1,200ヘクタール程度の耕作放棄地については再生がされていると認識しております。
 県といたしましては、このような条件の悪い耕作放棄地もございますので、基盤整備や作物の転換などにより、その農業利用を進めていくとともに、再生利用が著しく困難な農地につきましては、市であるとか農業委員会さんと連携をしまして、森に戻す、非農地化のような取り組みも含めて、耕作放棄地の再生に努めていきたいと考えております。

○細谷農業振興課長
 再生した耕作放棄地をどのように活用して農業振興につなげていくかということについてお答えいたします。
 昨年度末までに2,613ヘクタールの耕作放棄地を再生してまいりましたが、このうち実際に農業が再生、再開された耕作放棄地はおよそ半分の1,300ヘクタールほどになっております。こういった農地が、どのような形で活用されたかと言いますと、新規就農者が利用して経営を始めたものが30ヘクタールほどございます。さらに新しく農業に参入しようとして耕作放棄地を活用していただいた企業が87社で64ヘクタールほどございます。さらに市民農園等で一般の方が農業に親しめるように、そういった利用の仕方が19カ所で10ヘクタールほどございます。さらに学校農園などで22カ所で使っていただいておりますので、耕作放棄地は再生すると多様な使い方をされて、本県全体の農業振興につながっていくと考えております。

○佐藤農林業局技監
 耕作放棄地における課税強化に対してどのように考えるかという点についてお答えいたします。
 耕作放棄地における課税強化につきましては、やはり先ほど土地持ち非農家の耕作放棄地がふえているというお話もありましたけれども、土地持ち非農家が農地の売却や貸すことを考える機会となりまして、一定程度、担い手への農地集積には効果があるのではないかなと考えております。
 しかし、中山間地域の茶畑等、耕作放棄地など貸したくても容易に借り手の見つからないような農地も多数存在すると思いますので、そういった面におきましては、地域の実情に応じた慎重な対応が必要ではないかと考えております。
 また、高い税金を払ったから耕作放棄地にしてもよいというような風潮にならないように、その農地の持つ意義等についても、しっかりその所有者に説明をしていくことが重要になると考えております。以上です。

○細谷農業振興課長
 質問のありました規模拡大、諸外国に比べてどのような農業を展開していくのかということについてお答えいたします。
 本県では、ビジネス経営体を育成するということでこれまで取り組んでおりますが、このビジネス経営体というのはいたずらに規模を求めるものではなく、一定程度の売り上げを達成しなければ経営の安定は望めませんが、このような中、諸外国のような土地利用型のものも含めて、生産性を高めていくということで6次産業化であるとか、あるいは農家の直売ですとか、そういったものも含めて、産出額に加えて農ビジネス額、いわゆる6次産業化の部分で売り上げを伸ばしていく、そういう経営体を目指して展開しているところでございます。

○内藤組合金融課長
 セーフティーネットの創設についてお答えいたします。
 農業共済組合制度については、水稲、家畜、果樹、畑作物、園芸施設と限定して、自然災害等で農作物がとれないということを想定した共済制度になっております。
 これに対して、収入保険制度というものは、これ今、農林水産省が考えている制度でございまして、まさにそういった災害等があった場合、または価格変動によって大きく減収になった場合について、それを保険で賄うという制度でございます。現在農林水産省のほうで、平成27年度、全国の1,000経営体の協力を得て、やはり実証実験という形で制度の設計を検討してございます。その検討の中で、課題等が明らかになってきたということで、それを踏まえまして、政府のほうでは、平成29年1月の通常国会に法案を提出して、制度を導入していこうと考えております。これにつきまして、県としては、まずは情報収集というような形でどのような制度設計になっていくか、またはその運営についてどうなっていくかということを国等からの情報収集に積極的に努めていくとともに、こうした情報を農業共済団体のほうに流させていただいて、連携してその対応を考えていきたいと考えております。

 続きまして、農業共済制度の保険料につきましては、これは農家からの掛け金に一応国のほうから約半額の助成がございまして、保険金を徴収するというような形でやっております。この保険金につきましては、国のほうで定めておりまして、その定めに従いまして、農業共済の団体のほうで農家から徴収しているというような形になっております。

○平賀委員
 ありがとうございました。
 説明を伺いまして、いろいろこの耕作放棄地を再生して、いろんな事業を展開されているということはわかりましたけれども、実際にこの中身で、今の県の農業を回復するというふうな、この辺の見通しというのはどうなんでしょうかね。さっきは耕作放棄地を回復させるというので、42年ぐらいかかるんじゃないかと、今のテンポで言うと。今のいろんな事業のメニューで、この関係が改善が図られていくのかどうなのか、その辺はちょっとどうでしょうか。

○中村農林業局長
 今の御質問にお答えいたします。
 耕作放棄地については耕地面積の中にある農地をいかに効率よく使っていくかということがやはり食料の安定供給とか農業振興上、大変必要なことでございますので、再生できるところについては、これまでどおり目標3,500ヘクタールの再生に向けて、いろんな形で再生をしていく、そういうふうに考えてございます。
 農業構造全体につきましては、農地の面で言えば、3万3500ヘクタールをビジネス経営体、それからいわゆる認定農業者、こういった方々に集積をしていくということで、6次産業化も含めた生産性の高い、うちの県が得意としますいわゆる品質が高いと消費者に支持される経営体をつくっていくことで、全体の安定した農業構造をつくっていこうと考えておりますので、御理解をいただけたらと思います。

○平賀委員
 ありがとうございました。
 ぜひ、農家の皆さんが、本当に農業を続ける意欲が持てるような対策で、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

 それでは次に、企業数の99%を占め、雇用の7割を担う中小企業対策について伺います。
 まず最初に、安倍内閣の進めるアベノミクスへの展開を質問します。
 安倍内閣による経済情勢の特徴の1つは、昨年4月の消費税率の引き上げによって、深刻な景気の悪化が生じていることです。政府は、消費税増税の影響について、増税前に駆け込み需要が発生して、その反動で4月から6月期は景気が落ち込むが、それは一時的なものにすぎず、7月から9月期には消費が回復して景気が上向くと想定しておりました。ところが、実際には消費税増税の影響は政府の想定をはるかに超える深刻なものとなりまして、今後一層の増税による購買力低下が予想される中で消費はさらに冷え込む結果となっています。
 経済情勢の特徴の2つ目に、安倍首相の経済政策、いわゆるアベノミクスが大企業や一部の富裕層には大きな恩恵をもたらしたものの、国民には恩恵どころか苦しみを強いるものでありまして、格差をますます広げるだけになっております。アベノミクスの第1の矢とされた金融緩和によって、円安と株高が進行しました。大企業と富裕層には大きな利益をもたらす一方で、労働者の賃金の増加はわずかで、物価上昇にも追いついていきません。物価を差し引いた実質賃金は、一昨年7月以降25カ月連続して、前年同月比でマイナスとなっています。
 こうしたもとで、今年度予算では、医療、介護を中心に、社会保障給付について、いわゆる自然増も含め聖域なく見直して、徹底的に効率化、適正化をしていく必要があるとして、さらに先月30日の骨太方針で、新たな成長戦略の閣議決定を行いました。そこでは、この3年間で社会保障の自然増を9000億円から1兆5000億円に抑える姿勢を明らかにしてきまして、1年当たり3000億円から5000億円も削るもので、小泉政権の年2200億円削減を大きく上回る社会保障切り捨てとなります。
 年金についても、マクロ経済スライドが今年度から初めて発動されます。医療、介護の分野でも大幅な削減が実施されて、昨年度から70歳から74歳までのお年寄りの窓口負担が1割から2割に引き上げられ、入院時の給食代も1食260円から460円に値上げが予定されています。介護保険も使用料の2割負担への引き上げが今年度から行われています。
 そうした予算の2つ目の特徴としても、大規模には2年間で1.6兆円の大減税を行う予定ですし、そして3つ目には、戦争する国への道を推進する大軍拡予算、軍事費は史上最高を更新して5兆円に迫るという状況です。
 こうした安倍内閣のアベノミクスでは、景気も経済も財政もよくならないのではないのかと私は思いますが、この点で、篠原経済産業部長のお考えを伺いたいと思います。

○篠原経済産業部長
 アベノミクスへの評価の問題であります。
 私は、経済産業部での勤務が長いですけれども、リーマンショック後のあの悲惨な状況から今の状況を見ますと、かなりいろんな面で改善をしてきていると思っております。生産もそうですし、雇用もたしか、有効求人倍率が0.4、そのくらいになっていたと思います。あのころはですね。それが今1.15になっております。それから新卒者の就職の状況もかなり改善をしてきていると考えております。
 一部、6番委員から御指摘のあったように、株価の高騰と円安等の影響、賃金とか、いろいろな御意見が出ていることは承知をしておりますけれども、我々としては、地方でも恩恵が得られるような施策を組んでいきながら、県の経済を強くしていくというような考え方で進めていきたいと思っております。

○平賀委員
 ありがとうございました。
 それとの関係で、次に質問しますけれども、どうしたらその景気をよくすることができるのかを考えた場合に、企業数の99%を占め、雇用の7割を担う中小企業が元気にならないと、県内の経済も財政もよくなっていかないことは明らかだと思います。
 そこで、県内の黒字法人、赤字法人を調べてみますと、赤字法人が67%、黒字法人が33%となっています。県内の従業員4人以下の中小零細企業の割合は、総務省がつくった資料だと思いますが、統計で見る都道府県のすがたを見ると、60%を占めております。
 よくシャッター通りとか買い物難民とか言われて久しいわけですが、郊外にイオンなどの巨大スーパーができて、消費税の大増税や社会保障の改悪などで一層消費が冷え込んで、町なかのスーパーなどが倒産をして、買い物に行くためにタクシーを使わないと買い物に行けない、そういうお年寄りがふえているわけです。
 私の住んでいる浜松市中区の町内でも、毎回タクシーというわけにはいかないもんですから、自治会の役員が知り合いのお年寄りを車に乗せて、スーパーに買い物に連れ出すというふうなことを善意でやっている、そういう人たちも今広がっているわけです。
 町なかの商店街のほとんどは、御承知のように従業員4人以下の商店で、この中小零細企業が県民の皆さんの暮らしを守り、県の経済を底辺で支えているわけです。中小零細企業が元気になってこそ、県の経済も活力が出てくるわけです。この点で、経済産業部長の認識を伺いたいと思います。

○渡辺商工業局長
 県といたしましては、本県のまさしく99.8%、小規模事業者でいうと県における企業の中におよそ9割を占めているわけでございます。まさしくこうした企業が元気になることが、本県経済を支えていくだろうということでございまして、これまでの商店街振興も含めて、小規模企業が抱えているお金の問題である資金繰りとか、それから経営問題に対して幅広く経営指導などをやってきたところでございまして、今後もこういう県内の厳しい状況が続いていく中で、小規模企業者を中心に支援策を継続していくという形を考えております。またそのために、いろいろな議論をしまして、商店街振興、それから中小企業振興の施策を展開していきたいと考えております。

○平賀委員
 ありがとうございました。
 私たちもいろいろつながりのある全商連といいますか、県の商工団体連合会ですね。あの方たちといろいろ話をしましても、やっぱり中小零細企業の皆さんが一番困っている問題を5つ挙げますと、1つは仕事やお客さん、顧客の減少です。2つ目に消費税の負担が重いこと。3つ目に競争の激化。4つ目に低い下請単価で、5つ目が経費の増大ということでした。こういう困っている実態にかみ合って、何か県として具体化を考えているような問題があったら伺いたいと思います。

○野村経営支援課長
 本県経済の回復を図るため、小規模企業の活性化を図ることが大変重要だと考えます。県はこれまで課題を抱える小規模企業に対しまして、県制度融資による金融支援や商工会議所に配置した経営指導員の巡回指導や窓口相談などにより支援を行っております。
 加えまして、今年度は商工会議所と金融機関が連携して、早い段階から支援する企業の掘り起こしを行いまして、専門家を派遣し、小規模企業に対して持続的発展が行えるような支援を行っております。
 また、本年度から県内4つの産業支援機関に大手企業のOBをものづくり専門支援員として配置し、小規模企業の経営革新を促進しているところでございます。

○平賀委員
 ありがとうございました。
 中小零細企業の皆さんの大変な苦悩に、本当に応える力になるような、そういう対策をぜひお願いしたいと思います。

 それでは、大きな3つ目に小規模企業振興基本法に基づく具体的対策について聞きたいと思います。
 昨年6月20日に第186回国会で小規模企業振興基本法が成立をしまして、国と全ての自治体に小規模企業への支援が責務として明確化されました。県は小規模企業振興基本法をどのように具体化をしていこうと考えているのか伺います。

 それから、2つ目に地域の経済を元気にしていく1つの方策として、これは我が県でも取り組んできました住宅リフォーム助成制度があります。今年度から廃止されてしまったわけですけれども、改めて経済産業部として地元経済を元気にさせる産業政策として取り組むべきではないのかということを聞きたいと思います。
 この住宅リフォーム助成制度は、どんなリフォームも対象にし、県産材を使った場合は上乗せで支援をして、県内に住所を持つ個人業者、または県内に本店もしくは主たる事務所を持つ法人とするなど、県内業者を支援する産業政策としての制度の復活を求めたいと思いますが、この点について考えを伺いたいと思います。

○野村経営支援課長
 小規模企業振興基本法は昨年6月に成立し、基本原則として小企業を含む小規模企業について、成長発展のみならず事業の継続的な発展を図ることとされました。この法の中で、地方公共団体の責務としては、小規模企業の振興に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の自然的、経済的諸条件に応じた施策を策定し、実施するとされました。
 これに対して、県の取り組みでございますが、これは先ほど申し上げました、金融機関と商工団体が連携して、専門家を小規模企業に派遣するという制度でございます。金融機関と連携するというのは、金融機関が一番その企業の情報を持っているということで、早い段階からその小規模企業の支援に力を発揮できるということでございます。

○長谷川林業振興課長
 住宅リフォーム助成制度についてお答えします。
 住宅リフォームへの支援については、昨年度はくらし・環境部で、省エネ効果を高めるリフォーム工事への助成に加え、リフォームの際に県産材を使用する場合は助成金額を割り増しして支援してきました。しかし本年度は国が省エネ住宅エコポイント事業を始めたことに伴い、くらし・環境部所管のリフォーム支援事業は見送られたところであります。
 そこで、経済産業部では、これまで県産材を使った新築、増築のみを対象としていた住んでよし静岡木の家推進事業に、本年度から新たに県産材を使用したリフォームを助成の対象に加えることとしました。この説明会を下田市、沼津市、静岡市、浜松市の4カ所で開催をしまして、地場の工務店など270社ほどが参加しています。こういったことも間接的には、地場の工務店等への支援にもつながっていくものと考えています。

○平賀委員
 この小規模企業振興基本法の問題では、やっぱりなぜこの小規模の人たちを支援するようなこの制度をつくる必要があるのかということが議論になったときに、大体これまでの中小企業対策というのは、やる気のある、力のある、そういうところに支援をするというのが中心だったと思うんですね。しかしそうではなくて、自分たちの身の回りの商店街や地域を守るという点で、小さな中小零細企業に、そこで営業を続けること自身が非常に大事なんだというふうな角度で支援をする必要があるんじゃないのかということが出されたと思うんですね。ですからその辺のところをよく検討していただいて、中小零細企業、そして町の商店街が維持することができるような対策をぜひ強めていただきたいと思います。

 それから、住宅リフォーム助成制度は、今まだ県産材を使うということで、くらし・環境部のほうでやられているということですか。そういうことでいいんですね。

○長谷川林業振興課長
 県産材を使ったリフォーム事業につきましては、今年度から経済産業部のほうで担当してやっております。
 あと、そのほかのリフォームについては、国のほうの住宅エコポイントということで取り組んでいます。

○平賀委員
 やはり、この県産材を使うというのが大事なことですので、これはこれとしてやりながら、もっと使い勝手のいい、どんなリフォームに対しても支援をするというような制度にぜひ拡充を図っていただきたいと思うんです。
 この点では、全国的に言いますと秋田県が有名で、いろいろ秋田県の経験ということが出されておりまして、私もちょっと見ました。これを見ますと、秋田県では50万円以上の工事に対して10%の補助で、上限は現在15万円となっています。県の制度創設前にリフォーム事業を実施していたのは、25自治体の中でわずか3市町でした。3つの市と町でした。県の制度創設とともに、一気にこれが20自治体に広がっていきまして、県の制度に各市や町の助成制度が上乗せされる2階建ての構成になっています。県の担当者も、県の制度創設が市町村でリフォーム助成をつくる大きな力になったのは間違いないと強調しておりました。
 秋田県がまとめた4年間の事業効果によりますと、制度の活用件数は5万1000件超で、補助金総額では68億6200万円超、工事費総額は約1032億5000万円に上っています。産業連関表を使って試算した経済波及効果は約1626億円で、投資した補助金の24倍に相当するという経験が出されておりました。
 この住宅リフォーム助成制度というのは、リフォームをやることによっていろんなところに影響が広がっているというか、関連事業が非常に大きいということがあって、例えば屋根の張りかえや塗装、それから台所、浴室の水回りの改修、トイレの水洗化、内装工事、非常に幅が広いというのが大きな特徴だと思います。そして、受注内訳を見ますと、個人の事業者が29%を占めるなど、小企業、家族経営の業者が住宅リフォームを支えているということがこの秋田県の経験では明らかになっておりまして、まさにこういう小規模の企業や家族経営をやっている事業者の皆さんのところにこそ経済的な支援をやっていただけたらと思っております。
 この点で、もう1つリフォームの問題で言いますと、岩手県宮古市で三・一一の大震災の前から住宅リフォーム助成制度をやっておりまして、これは非常に使いやすいリフォームの制度であって、地元の大工さんたちを育てていたわけです。これが三・一一のあの大震災で被害を受けて、復興をやっていく上でこういう大工さんを育ててきたということが、復興にとっても大きな力になったんだということが言われております。
 それから、建設業者の皆さんについて言いますと、これは阪神・淡路大震災の10年後に、兵庫県の検証委員会が出した報告書では、2つの点が強調されていました。復興事業で10年間で14兆円を投下しましたが、そのうち地元の受注は1割にすぎず、もし地元で受注できていたら復興は早まったというのが1点です。
 もう1点は、震災直後の水、食料品不足に対応したのは地元の小売店であり、瓦れきの撤去でも地元の建設業者がいたことに注目をして、平時から地元に中小企業を育成していくことが大事ではないかという問題提起をしています。
 こういう視点で、これから東海地震も想定されている静岡県でこそ、地元の中小業者の皆さんを本当に育てて、支援をすることが必要ではないのかと思いますが、この点について考えを聞かせていただきたいと思います。

○長田管理局政策監
 中小の建設事業者、大工さんたちを育てていくことが地域の経済に重要だというお話だったと思います。
 確かに住宅リフォーム、住宅会社、大きな会社が多いわけですけれども、実際の現場では小さなところもいっぱい入っていますし、特に高齢者のためのリフォームも盛んに今行われていると。最近のニュースでも、大手の住宅メーカーがリフォームのほうに主な人員を割いているということで、そういったものが地域の経済の役に立っていけばいいなと私たちも期待をしております。また県の制度を御利用いただく、活用いただくための広報を進める必要があると思っています。

○平賀委員
 ありがとうございました。
 要望ですが、大手の住宅メーカーなどがやるリフォームとはまた別に、地元の地域の経済を支えている中小零細の人たちにも仕事が回るようなリフォーム制度とされることを要望しておきたいと思います。

 それでは最後になりますけれども、やっぱり地域の中小零細企業の経営実態や商売の実態をつかむについても、これまで県の実態調査というのは、商工会議所や商工会が中心だったと思うんですね。この点で、ぜひそういう中小零細といいますと、県の商工団体連合会などもその一番大きな中心を担っていると私は思っているんですが、こういうところにも直接調査や実態などを聞きに行くというか、そういうふうな実態調査などを要請もして、県としてもいろんな細かい実態をつかんでいけたらいいのかなと思いますが、この点で御意見を聞きたいと思います。

○渡辺商工業局長
 中小零細企業の訪問調査なんですけれども、実は先ほど言った商工会議所とか商工会の話以外に、県独自でも、実は下請企業中心になるんですけれども、年間500社調査しておりまして、その中で景況を聞いたり意見を聞いたりしておりまして、そういう意味で県独自でもやっているということをまず報告させていただきます。
 それから、6番委員からお話があったような、ほかの団体にもなるべく声を聞くという機会をぜひ設けて、企業の皆さんの声を正確に県政に反映していきたいと思っております。

○平賀委員
 いろいろ聞かせていただきまして、本当にありがとうございました。
 引き続き、地場産業や中小零細業者の皆さんの暮らしや営業を守るためにぜひ力を貸していただけたらと思います。以上で終わります。ありがとうございました。

○田形委員長
 ここでしばらく休憩します。
 再開は13時30分とします。

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電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

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