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委員会会議録

質問文書

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平成26年9月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:天野 一 議員
質疑・質問日:10/08/2014
会派名:自民改革会議


○天野(一)委員
 数点、分割質問方式でお伺いします。
 最初に、茶の都構想とよく言われます。それから花の都構想と言われるんですけれども、都という漢字をひもとくと、人、物、文化が集中しているところなんですね。今、静岡県では県全体をお茶の都と言っているんですけれども、本当に茶の都しずおかということで物流から生産、文化について、日本全体に胸を張ってPRできる状況であるか。
 今、福島第一原発の事故の後、風評被害で非常にお茶が売れなくなって、毎年4月にお茶の初取引をやる茶市場が、ピーク時に180億円あった取扱高が65億円と3分の1に激減している。しかし、そういったことを無視してのお茶の都構想、さらにお茶の生産現場の畑がここ数年、500ヘクタール以上減少している現状です。さらにお茶工場、十数年前は華々しくお茶工場の集積、そういった指導をしてきて、結果的にお茶工場が成り立たなくなってきている現状の中で、茶の都として今のような施策だけで本当にいいのか。世界お茶まつりも生産、流通の人たちが本格的にかかわって喜んで参画しているのかどうか。そういったことを含めて、お茶の都構想についてどう考えるか、まず伺いたい。

 さらに花博。確かに浜名湖花博2014は成功してよかったと思うんです。しかし花の都という構想の中で、それでは花の生産、流通はどこにあるんですか。そして先ほど言いましたように、石原和幸さんという世界的に有名な造園家がやることは結構なんです。しかし、生産と流通の人たちがこの花の都の構想の中に見えない。そのことについて2点伺いたいなと思っております。

○小澤経済産業部理事(茶と食の振興担当)
 まず、私からは茶の都に関することについてお答えをしたいと思います。
 天野委員御指摘のように、本県の茶業をめぐる情勢は大変厳しいという認識を持っております。冒頭の土屋部長の説明、あるいはきょうの委員会の中での委員の方々の質問にもありましたように、大変厳しいという認識は持っております。このままでは日本一というキャッチフレーズが危なくなってきているなという認識は持っております。
 そういう中で、これまで我々はお茶の産業という視点を中心にやってきたんですけれども、お茶というものは産業だけではなくて文化とか茶の湯とか、そういうことも含めましてやはりいろんな生活の中に深くかかわっております。
 そういう点でもう少し、お茶の振興という点を含め、お茶というものを幅広く捉えていくということが必要じゃないかと思っております。もちろんお茶の産業振興が主でありますけれども、産業振興だけではなくて、本県の茶を産業以外の文化、学術、観光といったものとあわせて引き上げていこうとするものが、ふじのくに茶の都しずおか構想というものであります。これからはそういうことで、産業振興以外のいろいろな分野も引き上げていくことによって、産業が結果として回復してくることを期待しているわけであります。
 一方では、世界に目を向けますと、日本とは違ってかなり緑茶の生産、消費がふえてきています。そういう点で、世界に向けて静岡のお茶を情報発信して、お茶を世界に向けていこうとする取り組みを、世界お茶まつりというイベントを契機として、これまでも取り組んできたわけです。
 そういう点で、世界お茶まつりにつきましても、当初はやはり天野委員の御指摘のように、一部の人たちのお祭りだったというような印象もあったんですけれども、回を重ねるごとに生産側からも茶商からも積極的に参加していただけるようになってきましたし、県外からも参加がふえてきているという状況になっております。そういう点では、生産、流通、販売に関しても非常に効果があったかなということを感じているところであります。
 特に生産側にとってというお話ですけれども、今、こういう厳しいお茶の状況の中、頑張っている生産者はいろいろな商品をつくって、いろいろな解決策を見出し、いろいろなものにチャレンジしていくときでありまして、そういうことを実行している生産者は大変多いです。世界お茶まつりは、そういう人たちの発言、PRの場、あるいはビジネスの場にもなってきております。
 去年やりまして3年に1回やりますので、あと2年後に開催する次回の世界お茶まつりについても、生産側にとって本当にビジネスとして海外にお茶を進出できるような世界お茶まつりにしていきたいと取り組んでおります。

○吉田農林業局長
 花の都についてであります。
 花の都と言うけれども、人、物、文化が集まるところが都であるのに、花の生産がどこにあるのか、あるいは流通がどこにあるのか、あるいは進めていく上で生産、流通の人たちはどのようにかかわっているのか、そこが見えないという御質問でございました。
 花の生産は、正直言いますとお茶のように日本一である、国内生産量の4割を占めているとまではなかなか言えないわけですが、それでも大体全国ベスト5にずっと入ってございます。ベスト5というのは、大体2位から5位が横一線で並んで、その間を行き来するというところでありまして、そういう意味では静岡県は全国の中でも非常に花の生産の盛んなところだと言えるのではないかと思っております。
 それともう1つ、静岡県は温暖な気候に恵まれて、今回花博を浜名湖ガーデンパークと同時に開催しましたはままつフラワーパークもそうでございますし、県下あちこちに、掛川市にも菖蒲園があったり、あるいは可睡斎というユリ園があったり、東のほうにも熱海市に梅園があったりということで、花の見どころが非常に多いところでございます。
 そんなこともあって、かつて静岡県は花を使うほうは余りないじゃないかと言われてきたんですけれども、最近の調査では――これは県庁所在地と政令指定都市だけの総務省の調査ですので何とも言えませんが――花を買う金額も全国順位が比較的上位に上がりつつあるということがございます。ぜひそういう花に恵まれたいろんな資源があるこの静岡県で花の都づくりをしていきたいということでございます。
 花の都づくりを進めていく上で、ふじのくに花の都づくりしずおか推進協議会をつくってございますが、そこには生産、あるいは花の文化を担っていただきます華道、それから流通、市場、花屋さん、そういった方たちに入っていただいて、花の都の推進を図っていきたいと考えております。そういうことで真の意味の花の都になるように生産、流通も入り、また文化も入った中で進めていきたいと考えております。以上でございます。

○天野(一)委員
 そんなに深く突っ込むつもりはないんですけれども、お茶も生産者と流通の人が主役です。文化や観光はもちろん重点的な施策ですけれども、結局静岡県のお茶が今苦戦しているのは、リーフ茶にこだわり過ぎた。消費者がペットボトルやいろんな形でお茶のことをやってきたのに、やはり政策的なミスもあったんじゃないかなと。リーフ茶を飲むのは60歳以上の方ですね。リーフ茶は若手は飲まないんですね。だから、そういう政策的な問題もある。
 やはり私は、お茶の立て直しをするときに静岡県の歴史をひもとくと、清水港からお茶を輸出してきた。横浜港が過去お茶の輸出をしてきた分も、清水港へ持ってきた。そして静岡鉄道が茶町から茶箱を清水の港に持ってきた。海野孝三郎という人がいて流通が栄えたわけですね。輸出も静岡県が一番になった。さらに杉山彦三郎という人がやぶきた茶を発見して、お茶の生産で日本のシェアの8割以上になって、静岡県が生産、流通の中心だったんですね。だから、今は大変だけれども、もう一遍原点に返るべきじゃないかなと僕は思うんですね。
 もう1つ、お茶は今、政策的にやっている八十八夜キャンペーンではなくて、中山間地域のお茶が独特のお茶であるわけですね。ですから、その中山間地域のお茶畑をどうするかといったときに、徳川家康が熟成茶の蔵を静岡市井川に建てて、そして夏を越してきた歴史をひもとくと、熟成茶とは5月の八十八夜のお茶ではなくて、秋から冬にかけてのお茶です。もう一度そういった、今までの静岡のお茶の歴史文化をひもとくことも大事じゃないかなと思っています。

 花も、生産、流通をどう育てるかということがすごく大事じゃないかなと、そのことを要望しておきます。

 次に、先ほど3番委員から大工の話がありました。私は今、ものづくりの人材として、若手をじっくり育てるときだと思うんですね。ところが、大工とか建具屋とか、そういった官公需の適格組合をつくったにもかかわらず、県の交通基盤部の入札にその適格組合の組合員が参加しにくい。そしてある意味ではその大工も本当に仕事をしたくても仕事ができないという仕組みになっています。私は、やはり経済産業部と交通基盤部とが横断的にものづくりの人を育てるという仕組みをつくらないと、今のまま幾らものづくりの人を育てようといってもだめだと思うんですね。
 私は、経済産業部では緊急雇用対策事業が一番悪い政策だと思っている。当面のことだけしかやっていないんですね。もう一遍じっくり、若い人たちが3年、5年かけて技術を覚える仕組みに予算をつけるべきなんですね。1年で技術は覚えられないんです。3年、5年かけて覚えられる。
 先ほど宮大工の話がありましたけれども、石川県金沢市は大工を育てるために他県の人を使わないという仕組みをつくっています。公平、公正じゃないんです。自分たちの県のものづくりの人を育てるという意味で大胆にやっているんです。ところが静岡県は公平公正って、自分たちの責任を逃れて、ものづくりの人たちが仕事をできない状況になっているんです。経済産業部はそういった問題について、本気でやる気があるかどうかお伺いしたいと思います。

○石川就業支援局長
 今、緊急雇用のお話も伺いまして、確かに交通基盤部でやっております契約とか入札の問題も絡んできますので、今、他県の例も天野委員から御紹介いただいたものですから、そういったことも参考にしながら、我々も当事者意識を持ちまして交通基盤部とよく話し合いをしていきたいと思います。

○天野(一)委員
 ありがとうございました。
 ぜひそういった形でやってもらいたいと思います。僕は今、経済活性化はすぐ目先のことじゃなくて、人材教育だと思うんです。ものづくりで人を育てることが最重点だと思うんですね。人が育てば経済がよくなるんですね。そういう視点でぜひやってほしいなと思います。

 もう1点、最後に伺います。10年ぐらい前にデザインセンターをつぶしました。鴨志田さんという最後の所長さんがいなくなった。デザインは文化芸術大学とかそういったところでやると言ったんですね。工業技術研究所とかそういったところで、デザインは10年前より静岡県では人も育っているか、デザインについての意識は向上しているか、その点についてお伺いしたいと思います。

○木野地域産業課長兼商業まちづくり室長
 デザインセンターにつきましては、確かに廃止した後、現在は工業技術研究所に窓口があり、事業者の相談等に乗っております。
 確かに工芸科とかユニバーサルデザイン科がありまして、そちらの担当が家具とか伝統工芸品等の方の相談に乗ってはいるんですけれども、なかなか敷居が高いという意見もあります。今、相談件数につきましては、毎年2,000件を計画の目標にしており、そこに達しないんですけれども、年間1,800件以上の相談が工業技術研究所に来ています。来年度以降は逆に出ていって、事業者と相談をして、あとは具体的にはデザイナーと工芸家の方とマッチングする機会を設けるようなこともやっていきたいということで、今話し合っているところです。
 デザインセンターにつきましては、もともとは中小企業者が自分でデザインをできない場合のためにデザインセンターを設けて支援をしたんですけれども、実際にはかなり民間のデザイナーもいます。今、県の工業技術研究所にはデザイナーバンクということで、100余名のデザイナーの人材バンクを設けて活躍できる方の紹介をしています。もう少し具体的にそういう方と工業技術研究所とも話し合って、事業者の方がデザインを活用していただきたい環境の整備をもう少し進めていきたいと考えております。

○天野(一)委員
 今、土屋部長も着ている浜松の繊維のシャツは、伝統的な技術というものに新しいデザインを使っています。いいかどうかあんまりわからないですけどね、そのデザイン。これから新しい産業を育成するときに、デザインが非常に大きな役目を果たすわけですね。そのデザインをつぶしたから、静岡県は経済が停滞しているんです。伝統的な工芸、家具、いろんなものがありましたが、現実は伝統的なデザインをやる人たちの指導とかそういった人材を工業技術研究所は減らしたんです。新しい自動車とか新しいものに持っていった。もう一度ここも原点に返るべき。静岡県の伝統的な工芸の中に新しいデザインという息吹を与える。
 そのためには、もう一度思い切って工業技術研究所にデザイン部門を置く。本当にこれでいいのかと。
 さっきデザイナーバンクがあると言いましたが、ただバンクがあるだけじゃだめなんですね。本当に積極的にやろうというところに支援する。お金を出してやらなければ。今の工業技術研究所は本当に陰の形になっている。もっと前に工業技術研究所をクローズアップして予算の問題も人の問題もやらなければならないわけであります。しかし、そのところをけちってきたから、ここ十数年、静岡県の地場産業の衰退もあったと思うんですけれども、その点について最後に土屋部長に御意見を伺いたい。

○土屋経済産業部長
 本当にいろいろな御示唆をいただきまして、私も知らない部分がいっぱいありますので、また研究させていただきたいと思います。デザインに関しては、伝統工芸品だけではなくて、本当に最先端の産業までわたってデザインの占める位置はすごく大きいかと思っています。ただ個人的に思うのは、静岡県にデザインコンテンツとしてもともと残ってるものはどれだけあるのかという疑問を持っております。
 先ほど天野委員がおっしゃったように、どうやって養成できるのか、かつ外からの問題になると、外のものをいかに活用するか、デザインだけじゃなくて目ききの者をどうやって養成していくかというのはかなり重要かと思っています。最後を決めるのは見た目、これならいいよね、気持ちいいよねと、最後はデザインで決める部分が人間としてかなりあります。その感性の部分も大事にしながら物を考えていかなければ、確かに全体の産業育成にはつながっていかないと思います。そこは申しわけありませんが、私も知らない部分が多いものですから、また勉強させていただきたいと思います。ありがとうございます。

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