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委員会会議録

質問文書

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平成25年9月定例会企画文化観光委員会 質疑・質問
質疑・質問者:天野 進吾 議員
質疑・質問日:10/08/2013
会派名:自民改革会議


○天野(進)委員
 私からは1点だけ。静岡型飛び入学のことについて、最初に下山部長にお尋ねします。
 飛び入学制度は有馬朗人静岡文化芸術大学理事長から川勝知事に1つの提案として、意見として出された。それを川勝知事はすばらしいことだということで、ひとつこれを具体的な政策に移していこうということで今回これが出てきたと考えます。
 ところで、知事が言ったことに対し、下山部長はそのときどう理解し、どう対処すべきと考えたか、それについてお尋ねします。

○下山文化・観光部長
 お答えいたします。
 正直言いまして、飛び入学ということ自体についての知識が十分にございませんでしたので、さてどうしたものだろうかということは正直なところでございました。ただ、その後勉強をしていきますと、かつての日本の教育制度の中には、年齢に拘束されない比較的自由な進学の仕方があったということも聞き及びましたし、それから、教育の中で選択肢が広がるということであるならば、飛び入学を子供たち一人一人に決して強制するわけでもありませんし、それから、その飛び入学に向いていない方をここに誘導しようというものでもありません。年齢にかかわらず、能力があって、あるいは強い志があって、早い時期に高等教育を受けたいという人に対して進学の選択の幅を持たせるという観点であれば、これは議論を深めていくべきだなとそのように感じました。以上でございます。

○天野(進)委員
 正直今、下山部長は言われたとおりに疑問に思った。私は、それは率直な気持ちだろうと思うんですね。そして恐らくは、きょうここにいらっしゃる皆さんも、これに対しては大いなる疑問を抱いているんじゃないのかなと私は思っております。それは、実は我々自民党の議員団は圧倒的にこれに対しては批判的でありますし、納得できないという姿勢を持っているからであります。だから私は今ここで申し上げているんです。
 飛び入学、かつてまだまだ日本の教育制度が本格的になっていない時代には、そういうものは曖昧模糊としていて、すぐれた者の人材を大いに利用しようと社会が要求をし若くして大学を出ていくという時代もあったでしょう。しかし、現在の日本の中で飛び入学なんていうのはまずあり得ないんですね。外国ではあります。中国なんかではあるようでありますけれども、しかしそれも、何億人という中の1人、2人、それだけじゃありませんか。
 今、私たち静岡の県議会が、県政がこの飛び入学を決めて、そしてその結果、大学へ飛び入学をする静岡県内の子供たちが静岡県内の大学でいいんですか。飛び入学をできるということは恐らくは将来はノーベル賞もとれるような逸材としか考えられません。
 こうやって具体的に提案してきたことは、言うなれば当局側の皆さんの気持ちとして出されたものと私は考えます。
 私自身、かつて首長をやったことがあります。1つの試みをしようとするときには、担当職員あるいはその他のいろいろな意見を聞かせていただきました。知事であるからワンマンであっては絶対にいけない。私はそう思っております。多くの皆様方の理解があって初めてこういうものが生まれてくるわけであります。
 そこで、じゃあここにせっかく書いていただいた資料の中で理解のできない言葉がたくさんあります。例えば、新しい実学とは一体何なのか。
 さらにまた入学者選抜や受け入れ体制について十分配慮する必要があると書いてありますけれども、この趣旨は一体何なのか。その2点をまずお聞きしておきたいと思います。これは下山部長でなくても担当のほうでも結構でございます。以上です。

○平野大学課長
 まず、新しい実学についての意味でございます。
 いろいろな捉え方があろうかと思いますけれど、芸術、スポーツ、あるいは農業、工業、商業といった中で、職業に直結する可能性のある学問分野を実学というふうに指しているということでございます。
 それから、入学の配慮ということでございます。
 これは、普通高校の学生と実業高校の学生がおりますけれども、実業高校のすぐれた資質を持った人間の飛び入学を考えた場合に、カリキュラムが違っておりますので、普通高校と同じ入学試験科目で判定することが妥当かどうかという観点から配慮が必要だという意味で記載されております。以上でございます。

○天野(進)委員
 問われれば答弁しなきゃならないので、大変苦しいことだと思っております。今言われました例えば芸術やあるいは商業は実学だからということでありますけれども、飛び入学はどういう尺度でできるんですか。現実にそんなこと不可能じゃありませんか。
 また、受け入れ体制について十分配慮する必要があると言葉としては書いてありますけれども、実際上、それを理解することはほとんどできません。さらにまた裏のページを見れば、教育委員会や関係者の意見、こういうものについても聞いたことがあるのか。ついでにお尋ねしたいのは、全国的にこういう飛び入学制度というのは今本当に行われているのか。私はないと思っておりますけれども、お尋ねをします。

○平野大学課長
 国側の飛び入学制度はあると思います。全国では現在6校が取り組んでいるということで、その中でも盛んなところとそうではないところがございますが、千葉大学が一番その中の典型的な事例で飛び入学が行われております。

○天野(進)委員
 大学側がそれを受け入れているということですね、今言ったのは。そうですね。
(「はい」と言う者あり)
 じゃあ、高等学校からそこへどういう形で入るのか、高校2年から大学へ入るということは、教育委員会でも全て納得しているんですか。これについてお伺いします。

○平野大学課長
 国が定めた制度にのっとってやっておりますので、問題が起きているということは伺っておりません。

○天野(進)委員
 そこで、今度は大学課長にあえて聞きます。
 大学課長、本当に静岡県でこの飛び入学制度、そういうようなものを実施すべきだと思いますか、あなたは。あなた自身の気持ちとして教えてください。

○平野大学課長
 私個人としましては、制度としてはあってもよろしいのではないかと思っております。というのは、やはり能力というのは年齢で縛られるものではないと考えるからです。そういう希望があった場合に、能力さえあれば進級させてもいいのではないかと、それを奨励するとかという意味ではなくて、それを希望したときにかなえられるという意味での制度は必要だと個人的には考えます。

○天野(進)委員
 個人的にはそう思うけれどもと言うけれども、まず前提として静岡県内の大学ということになっているんですが、静岡県内の大学へ行くために飛び入学をするような生徒が現実にいるだろうか。静岡県内の大学であれば、例えば県立大学だとか、今言ったように文化芸術大学は行政としては対応しやすいかもわかりません。
 しかし、有馬理事長の言うところの意図は全然違うところにあるだろうと思うんですね。もっと言うと、川勝知事がそう言ったけれども、本来担当する職員の皆さんは、もっともっと誠実にこの問題について私は善処してほしいと思っております。我々、恐らく自民党の県議たちはこれに対してはほとんど理解しないだろうと思っております。だから私は申し上げているわけであります。それについて下山部長はどう思いますか。

○下山文化・観光部長
 飛び入学制度について県内で実際に適用できるのかという御指摘でございます。
 この高校と大学の連携・接続のあり方検討会の中間とりまとめの中でも触れられておりますけれども、従来の千葉大学方式、若くして天才、秀才、一刻も早く高等教育を受けさせて早く研究者に仕立ててしまいたいという魅力のある方を対象に、なおかつ大学側でも特別な体制をとって受け入れて、言ってみますと少人数教育を施し研究者にしていくということで、千葉大学の方式というのは、ある意味で成果を上げたと思います。そんなに数が多いわけではありませんが、成果を上げてきたんだと思います。このことを県内でそのまま実現できるかというと、そう多い数の成果が上がるとは考えておりません。
 ただ、今回のその中間取りまとめにあります2番目の実学の分野でということについて言いますならば、今県内の工業高校でありますとか、農業高校で大変高い志を持って勉学に励んでいる方たちがいて、その方たちが社会にとって大変貢献していると。そういった方に早い時期で高等教育を受けさせる手法としては、高校と大学がカリキュラムの面で連携していくといった環境整備ができれば可能性としてあるんではないかなと考えております。
 いずれにいたしましても、県で決めて、じゃあやることに決めたからやりましょうという話にはならないと思います。大学はもとより学生を送り出す高校、それから行政が一緒になって、静岡ならではの可能性を検討していくというのが現在の状況でございます。
 なお、先ほど私、最初の答弁で疑問に思ったという答弁をしたかどうかはっきり記憶しませんが、飛び入学について疑問を持ったということではなくて、制度に対して当初は理解していなかったと、千葉大学等で行われているこれまでの制度について十分な知識、理解がなかったということを申し上げたつもりでございますので、訂正させていただきます。

○天野(進)委員
 意見として、恐らくこれを提案する段階で千葉大学のこれまでの経過、あるいはその効果、価値、そうしたものを十分に熟知した上で提言してきたというよりも、むしろ上から来た意見だから、仕方なしにやってきたと思われても仕方がないんじゃないか。そのほうが正解じゃないかと思うんですね。そのことが私はさまざまな分野で今静岡県議会の一番大きな問題だと思っております。ぜひそういう点で、今後県政はもっともっと県民のためにあってほしい。地につけた行政であってほしいと願っております。以上、意見を申し上げます。

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