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委員会会議録

質問文書

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平成26年12月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:塚本 大 議員
質疑・質問日:12/15/2014
会派名:自民改革会議


○塚本委員
 分割質問方式でお願いします。
 まず初めに、10月20日と21日に移動知事室ということで志太榛原地域に川勝知事が来てくれまして、その中から経済産業部に関連したところをお聞きしたいと思います。
 まず1つ目です。川勝知事が焼津市に来て、松田いちご園の方々と意見交換を行いました。そのときに、先ほど土屋経済産業部長から御説明いただいた委員会説明資料にも載っていますが、がんばる新農業人支援事業で1年間研修を受けた若手の農業者の方からの御意見として、一番困っているのは、必要な農地を借りられないことといった趣旨の発言がございました。それを受けて川勝知事からは、農地の確保については新規就農者が安心してやっていけるようにしていきたいといった前向きなコメントがございました。会場にいた皆さんは大変頼もしい発言だなと受け取っております。
 そこで、質問したいのは、この川勝知事の発言を受けて経済産業部としてはどのように対応していくのか、まずお聞きしたいと思います。

○新田農業振興課長
 それではお答えいたします。
 がんばる新農業人支援事業の特徴は、研修生を受け入れる農家の方々だけではなくて市町、農林事務所など地域全体で研修から営農に定着するまでフォローしていこうという事業でございます。
 修了者の営農定着率も90%以上ということで、非常に高いです。移動知事室の中でもお話がありましたとおり、やはり優良農地の確保というのは、私どもとして最重要課題と捉えておりまして、研修先の地域においても受け入れの農家の方、市町、農協等を初め地域が一体となって、研修を修了した方が借り受ける農地の掘り起こしから確保までについて進めているところです。
 今回、焼津地域においては、イチゴ農家を目指した2名の方が松田いちご園で研修を始めます。1年間研修が行われるわけですけれども、先日、関係機関によります連絡会議を開催いたしまして、既にこの2名の方向けに借り受ける農地の候補を幾つかピックアップして調整に入っていますので、近々、ある程度の農地の確保が見込まれると思っております。
 いずれにしましても、農地の確保につきましては、とにかく現場における情報収集や関係機関の方々の調整等が非常に重要だと思っています。私どもといたしましては、引き続き調整、掘り起こしを重点的にやりまして、就農者の方がとにかく安心して借りられ、農業が行われるよう確保に努めてまいりたいと思っております。以上でございます。

○塚本委員
 ありがとうございました。
 新たに就農される方々の農地は確保されるということですね。

 今、就農されている方で、もう少し規模を拡大したいので農地を新たに欲しいという方の分も確保できるのかどうか。この点をお聞きしたいと思います。

○新田農業振興課長
 やはり農地につきましては、新規就農者の方がある程度軌道に乗れば、当然、少し規模を拡大していきたいというお話もございます。この連絡会議では、新しく研修を受けて就農した方々だけではなくて研修後に何年かたった方々も対象にして、ニーズを聞きながら地域の皆さんで確保するという動きになっております。その辺は順次、事情に応じた対応を進めてまいりたいと思っております。

○塚本委員
 ありがとうございました。
 新規就農者の方に対して、まず土地を手当てするというのは大事だと思うんですけれども、せっかく軌道に乗って規模を拡大したいと思ったときには余り手助けをしないということでは、初めばかり手助けすることになってしまうものですから、ぜひ新規のときと同じようにその後のケアもしっかりやっていただくように要望します。

 次の質問に移ります。
 これも移動知事室の関係になりますが、かつおぶしを製造されている株式会社新丸正に川勝知事が来てくれました。そのとき、現場のかつおぶしの製造工程のところも案内をしていただいて、いろいろ見させてもらいました。向こうの従業員の方が説明してくれているときに、川勝知事の発言ではなくて、一緒に来ていただいた県の職員の方から、現状として県ではどういう取り組みをしているのか教えてもらいながら、製造工程を見させてもらって回らせてもらいました。
 そのかつおぶしの製造工程の中で、かつおぶしから骨を取り除く作業というのがあるんですけれども、これは水の中につけながらやる作業なものですから、見ていても冷たくて大変そうだなと思うような作業です。その作業を見ているところで、骨をとる作業を短縮する研究に今取り組んでいると県の職員から教えていただきました。
 その内容までは、そのときは時間がなくて教えてもらうことはできなかったものですから、骨を取り除く作業を短縮する研究の内容はどんなものなのか、教えていただきたいと思います。

○川嶋水産振興課長
 現在、かつおぶしの製造は、まず凍ったカツオを溶かしまして、3枚におろしてゆでます。その後には、塚本委員がおっしゃったように骨を手で1本1本全部抜いています。そして煙をかけながら乾燥させるという行程で、御存じのあのかつおぶしができ上っていくわけですが、実際、骨を抜くという作業が一番大変なんですね。製造コストの中でも人件費が非常に高いということで、何とかならないかという要望は、従来よりずっと業界から県に対して出されております。
 それに対しまして、県ではどんなことをしておるかということですが、多くの方々は削りぶしを食べるというイメージを持っていると思うんですが、最近はそれだけではなくて、だしをとった調味原料、抽出したものですね。だしのほうの利用が多く、かつおぶしの利用形態が若干変わってきているということがあります。
 そういうことで、削りぶしを必要とする方には従来のかつおぶしを使っていただきまして、だしの部分だけ必要な方は別に削りぶしは要らないわけですね。同じようにだしさえ抽出できればいいものですから、水骨抜きという作業を軽減する研究に平成25年から取り組んでおります。
 どういう内容かといいますと、削りぶしにする必要があるときには、かつおぶしの形が必要なんですが、そうでなければ骨ごと全部ミンチにしてしまいまして、そのままお湯につけて固めてしまい、煙をかけながら乾燥するということで、1工程抜くことができます。調味をとっている製造業者のうちある程度の方は、その技術を使いまして製造しているという現状でございます。

○塚本委員
 今のお話だと、だしに使うときにはいいかもしれないですけれども、焼津市の地元からすれば、やっぱり伝統的な技法として、かつおぶし自体も残していきたいよ、アピールして売り込んでいきたいよという気持ちがあります。だしに使うときにはいいですが、だしで使わない場合には、まだ苦労する作業をしなければならない。今言った作業を短縮する研究というのは、かつおぶしとしてつくる場合には、役に立たないと言ったら悪いですが、余り効果がないという解釈でよろしいでしょうか。

○川嶋水産振興課長
 確かに今おっしゃいましたように、だしをとるためにつくる場合には使えますが、削りぶしをつくるためのかつおぶしには使えません。ただ魚というのはおぶし、めぶしと言いまして背中側、腹側があります。普通かつおは4つに割りまして、背中側が2つ、腹側が2つになるんですが、腹側に骨があります。背中側には骨がありませんので、そのまま従来のかつおぶしに使えるということで、削りぶしを必要とされる方には背中側を使っていただき、だしを必要とされる方にはミンチにしたほうということで使い分けをしていただければいいのではないかと思います。

○塚本委員
 今のお話だと、これからかつおぶしは片方の側しかなくなってしまうような話になってしまうんですが、そういうわけにはいかないと思うんですよね。今いろいろ研究をしてくれているということですから、これ以上聞いてもこの場で研究してくれるわけではないでしょうけれども、苦労される工程はいろいろあります。作業を短縮をしてほしいよとか、経費節減してほしいよとか、いろいろな依頼があったときには、ぜひ今後も研究を進めていただいて、削りぶしにするかつおぶしにも効果があるような研究を探していただけたらということで、要望をしておきます。

 次の質問に移ります。
 次は、本会議で当会派の鈴木利幸議員が取り上げた内容で、自分からも少しお聞きしたいということで質問させていただきます。
 鈴木利幸議員から、本県の第1次産業の活性化について質問がございました。その内容について自分の解釈と鈴木利幸議員の解釈とで違う部分があるのかないのかわかりませんが、自分が聞いた感じでは、第1次産業から第3次産業まで産業全般の振興を担う経済産業部という組織に対して、この組織でいいのかという感じで鈴木利幸議員は質問されたと受け取りました。
 鈴木利幸議員は、第1次産業の振興にとっては、今のようにソフトは経済産業部、ハードは交通基盤部という体制ではなくて、両方の機能を1つの組織で担う方法がいいのではないかと言ったと私は解釈していますし、私もそのように感じています。
 その質問に対する答弁で、交通基盤部と十分に連携をとりながらという答弁がございました。これは、例えば第1次産業の部署があって、そこでハードとソフトを両方やることができれば連携を図らなくてもいいものですから、このほうが第1次産業にとってはスムーズにいろいろな振興ができるだろうと私は感じています。多分、鈴木利幸議員の質問の趣旨もそういった意味だと私は解釈しています。
 これは縦割り、横割りの解釈の違いだと思うんですよね。組織はどのようにしたらいいか、それぞれメリット、デメリットがあると思うんですね。ですから、今言っているように、1つの部署の中でハード・ソフト両方をできるような組織にしたほうがこういう面ではいいよとか、その面はいいかもしれないけれども、ほかの面では悪いよということで、縦割り、横割りにした場合のそれぞれのメリット、デメリットをどのように認識されているのか、まずお聞きしたいと思います。

○渥美総務監
 現在の組織につきましては、平成19年度の本庁組織再編におけるものでございますが、この再編は、多様な行政課題に対して施策を迅速かつ的確に展開するために、国の省庁に対応する縦割りの組織を改め、行政サービスの受け手の県民や市町の視点に立って施策の目的別に組織を大くくり化したものでございます。
 この再編によりまして、経済産業部では産業全般に対する支援施策を一元的に担い、マーケティング、研究開発、人材の育成など各産業に共通する課題を一体的、総合的に支援する体制が整い、農水商工連携による6次産業化の推進などが図られているところでございます。また交通基盤部におきましては、生活や産業を支える県道や農道、林道を初めとする社会基盤整備を一体的に所管することで効率的な整備が行われております。
 一方で、ソフト事業とハード事業が経済産業部と交通基盤部に分かれておりますので、ソフトとハードの両面から取り組むべき施策につきましては、庁内に農業・農地連絡会議や森林・林業部門連絡調整会議、水産関係部署連絡調整会議を設け、両部が共通認識を持った上で効果的な施策展開を図っております。
 また、具体的に事業を実施いたします出先機関におきましては、本庁組織、所管部局にかかわらず、農林事務所等におきまして従前どおりの一元的な対応を行い、農林水産業の振興に取り組んでいるところでございます。以上でございます。

○塚本委員
 御答弁ありがとうございました。
 今のお話のとおりだと思うんですよね。今の組織は交通基盤部はいいと思うんですよ。例えば市だと、水路と道路があるとすると、あちら側は河川課、そちら側は農政課で調整しなきゃいけないとか、こちらの道路は道路課で、足並みそろえてやってくださいよというと、向こう側の事情もあって、あちらを先にやってからこちらに来るのでちょっと待たなきゃいけないよと、こういうぐずぐずしたことがあるんですが、その点県は交通基盤部が一気にやればいいと思うんですよね。だから今の組織は交通基盤部にとってはいいということです。経済産業部ですと、先ほど言った6次産業化、この点はいいと思うんですよ。
 出先機関はまだ国の組織と同じような形でやっていて、本庁だけが違うわけです。国との連携や出先機関との連携をとる上では、県だけが違っているので、余りいい組織じゃないんじゃないかなと感じるのが1点です。
 あとは、例えば漁業と農業をきちんと振興していこうという気持ちがある場合には、今の組織だと交通基盤部に一々お伺いを立てながら、先ほど言った連絡会議などで連携をとらなきゃいけないわけですね。会合を持たなければいけない。そうすると、やっぱり一手間かかっちゃうわけですよね。自分たちの中だけで決められませんよ、相手に相談しなければできませんよとなって、時間もかかるし効率も悪い。
 ですから、第1次産業のことを思うのなら農業、漁業など農林水産業で1つにまとめて、ハードとソフトの両方をそこに入れてくれたほうがやりやすいと思いますが、どうですかね。6次産業化のほうに重きを置くので、第1次産業のほうはちょっと手間がかかるけれども連絡会議でやっていくということなのか。今後は見直す必要があると思っているよとか、今後の考え方としてはどうでしょう。第1次産業のことを考えて、組織のあり方についても検討していくという考えがあるのか、ないのか。その辺を含めて御答弁をいただきたいと思います。

○岩城管理局長
 組織についての御質問でありました。
 これは、県だけではなくて、第1次産業を取り巻く環境、特に農業につきましては、よいものをつくれば必ず市場が評価して高く売れるだろうというようなプロダクトアウトという形の考え方でやってまいりました。それが時代の流れもございまして、消費者に受け入れられるマーケットインの志向の農業を目指したほうがいいのではないかということで、国も農商工連携であるとか、6次産業化法など法律も整備いたしました。また企業の農業参入も進めていくということで、これは国もそうですし、民間からも農業を未来志向型の産業にしていったらどうだという考えも出てまいりました。
 県は、時代背景や全体を見てそういうものを取り入れたことで、先ほどおっしゃいましたように、大きなくくりとして経済産業部ではソフト、交通基盤部ではハードという流れがこれからとるべき方向ではないかということで、こういう組織にしたわけであります。
 両部の連携につきましては、渥美総務監からも御説明を申し上げましたし、塚本委員にも十分御理解をいただいているとは思いますが、両部でしっかり連携をとってやるというような形をとっております。
 また、総合計画の後期アクションプランの実施計画であります経済産業ビジョンの中でも、どちらの部がどうこうというわけではなくて、経済産業部と交通基盤部の農地局、森林局のそれぞれの施策をまとめた形で出しております。どちらの縦割りがいいのか、あるいは横串を刺した組織がいいのかということではなくて、どちらもしっかりとやる体制をとっているということで現時点ではお答えをさせていただきたいと思います。以上です。

○塚本委員
 御答弁ありがとうございました。
 それぞれメリット、デメリットがあるものですから、それがきちんとわかっています。要は今の組織でいくと、農業や漁業については連携をとらなければいけないということで、不向きな組織になっているということを承知の上でやっているわけです。ここの部分が若干デメリットだというのはわかっているものですから、逆に言うと、そこの部分をフォローするかのように積極的に農業、漁業に対して交通基盤部と連携をとりながら支援していただく、一層手厚くやっていくという気持ちをもって対応していただきたいと思います。要望しておきます。

 次の質問に入ります。
 先ほど土屋経済産業部長に御説明いただいた委員会説明資料37ページの最後のところの中小企業向け制度融資の利用状況です。
 要旨のところに書いてありますけれども、制度融資が前年同期と比べて減少している要因の1つとして、リーマンショック後の景気低迷に対応するため積極的に制度融資の利用を進めた結果、一定程度の資金が中小企業に貸し出されていると書かれていますよね。これだけ見ると、必要な資金が十分に企業サイドに行き渡っていると受け取れますが、実際は信用保証枠がいっぱいで借りたくても借りられない企業もあるんじゃないかという心配もあります。この辺の実情をどのように把握されているのか御答弁をいただきたいと思います。

○内藤商工金融課長
 本年10月末時点の制度融資の利用状況については、先ほど土屋経済産業部長から御説明申し上げたとおり3,915件、260億円ということで、前年に比べて大きく減少しております。
 その要因の1つとして、リーマンショック以降の経済変動に対応するため、経済変動対策貸付を中心に積極的に利用を進めてきました。
 この結果、リーマンショック前、いわゆる経済が非常に右肩上がりだったころの平成20年3月末の時点で、制度融資の融資残高が約2142億円、1企業当たり約997万円となっております。本年の10月末の債務融資残高は約3595億円、1企業当たり約1233万円となっていて、リーマンショック前の当時に比べまして、融資残高ベースでございますが約1.68倍となっております。
 こういった数字から、中小企業がこの制度融資に対して御要望いただいている金額については一定程度の資金支援ができていると考えて、こういった理由を記載させていただきました。
 信用保証協会も同様でございまして、リーマンショック後の非常に大きな経済変動に対応するため、積極的に保証制度の利用を促した結果、同じように平成20年3月末の時点の保証債務残高が約1兆4498億円、1企業当たり約2404万円となっておりましたものが、平成26年3月末時点――昨年度末時点でございますが、約1兆5596億円、1企業当たり約2747億円とふえております。この平常ベースの制度融資と保証については、必要とする中小企業の要望には応えているのではないかと思います。
 こういったことから、必要な資金が一定程度、中小企業に行き渡っているものと考えております。以上でございます。

○塚本委員
 御答弁ありがとうございました。
 今の御答弁の中でいろいろな数字を出してくれましたが、個々の企業の実態を把握するために個別に企業を訪問したり、実情を把握するという作業を全くやっていないような感じがするんですが、その辺はどうなんですか。
 新しい産業成長戦略会議の中では、いろいろ個別に回ってアンケート調査を実施したというお話もあると思います。恐らく借り入れについてもどういう状況なのか個別に回られて、必要としている人がいるのか、いないのかというニーズを把握されていると思うんですよね。
 例えば、うちらも借りたいと思うけども、保証枠がいっぱいになっちゃって借りられないというような個別のお話をお聞きしたいと思うんですよ。今の答弁は、いろいろな数字が出てきて、こういうふうに推測されますという答弁だったと思うんですけれども、その個別の実態はどうなのか。この辺を教えてください。

○内藤商工金融課長
 個別の利用実態につきましては、今年度、全ての金融機関等々を回らせていただいて、県制度融資と保証の利用実態等について聞かせていただきました。その中で確かに保証という観点というよりも、なかなか中小企業が借りられないという実態があるという話はお聞きしております。
 ただ、現実問題として、その場合に信用保証協会が無担保で保証するような枠が約8000万円ございます。そうした中で実態として、先ほど御説明したように、保証債務残高が約2747万円という形でその枠から見ても非常に大きく下回っております。
 それでは、どうしてその枠が利用されないのかということですが、これは金融機関にもいろいろお聞きしたんですが、これについては保証枠というよりも、資金の貸し出しを行っている金融機関の与信枠等々さまざまな要因があるものですから、一概に保証や制度融資が伸びないということから中小企業が借りられないという実態にはないと商工金融課としては考えております。以上でございます。

○土屋経済産業部長
 制度融資の利用実態が落ちているというのは、ここ二、三年同じような傾向が続いていまして、塚本委員がおっしゃるように、担保の保証枠を超えてしまった企業もあると思っています。
 もう1つは、委員会説明資料にも書いてありますけれども、金融機関の預貸率、与信枠の問題があって、プロパー資金を貸したいという傾向もございまして、たまたま制度融資が使いにくいという批判もございます。それも含めてこの4月から商工金融課では各金融機関を回って、こういう制度があるんですよと、中小企業にとっては有利だということを、もう1回説明しているという実態がございます。
 ただ、実際に金利状況を踏まえると、今の中小企業の制度融資というのが、本当に企業にとっていいものなのかどうか、それも含めての議論をこの夏から金融機関とさせていただいております。それを含めたものを今、産業成長戦略会議の別の部会で検討をさせていただいております。その結果を踏まえた対応を来年度以降考えていきたいと思っていますけれども、本県の信用保証協会はかなり高いリスクもしょっているということもございまして、なかなか無担保で貸し切れないという状況がございますので、各中小企業の状況によって、その状況が変わっていくと思います。その分析を含めて今作業を進めているところであります。以上であります。

○塚本委員
 御答弁ありがとうございました。
 制度融資ではなくても、プロパー資金でも何でも借りたいと思っている人たちがきちんと借りられていればいいと思うんですね。返済能力のない人にまで貸せと言っているわけではなくて、必要としている人たちにきちんと資金が行き渡るようにするための制度融資だと思います。
 借りたい人にきちんと貸すことができる制度にしていっていただきたいと思いますし、金融機関との話し合いの中でも借りたい人、返済能力のある人にはきちんと貸してあげるようにお話をしていただきたいと思います。要望しておきます。

 次の質問に入ります。
 総合計画後期アクションプラン評価書案の250ページの真ん中のところですけれども、サクラエビの記載が少しあります。イワシ類、サバ類及びサクラエビなどの資源評価研究ということです。サクラエビというと有名なのが焼津市の大井川港産ということでよく知られております。
 地元の人間としてちょっとお聞きしたいと思いますが、地元の方々とお話をしますと、資源状況が悪化しているというお話をよく聞きます。ここのところでは、資源評価研究と書いてあるものですから、まず研究がどんな内容なのか教えていただきたいと思います。

○嶌本水産資源課長
 お答えいたします。
 まず、本県のサクラエビ漁業でございますけれども、60カ統、120隻の船が県桜海老組合という組織をつくりまして、水揚げ金額を均等に分配する方法で漁業活動を行っております。我々はこれを完全プール制と呼んでおるわけでございますけれども、これは無駄な漁業の競争を排除しまして乱獲を防止する仕組みでございます。全国でもお手本となる存在になっています。
 こうした中、水産技術研究所がさらなる資源管理の高度化に向けまして、サクラエビ資源を正確に推定する方法の開発を現在続けております。この研究は、駿河湾のサクラエビの資源量を推定しまして、最終的には漁期前に資源を痛めない程度の漁獲量はどれくらいなのかということを提示しまして、漁業者はこれを参考に漁業を行いながら資源回復を図るとともに、将来にわたってサクラエビの漁業が継続できるようにすることを目的としております。
 昼は深海におりまして、夜に浮上してきて漁獲されるサクラエビでございますので、資源量の推定は難しいところもありますけれども、現在、駿河湾の中の卵の数から親の資源量を推定する方法や、一定面積のエビの数から全体の資源量を推定するような研究をしております。以上でございます。

○塚本委員
 御答弁ありがとうございました。
 今、サクラエビをとる時期の前にいろいろ調査して、どのぐらいとったらいいか推定しているというお話がありました。漁業者とお話をすると、その人たちは研究しているわけではなくて、現場の人は感覚的なものが強いと思うんですけれども、サクラエビのとれる量が減ってきている理由は温暖化の影響があるんじゃないかとか、とれる場所も、とれる時期も変わってきているんじゃないかと言うんですね。例えば温暖化の影響でとれる時期が変わったから、今の時期よりももうちょっと後にしたほうがいいんじゃないかとか、前にしたほうがいいんじゃないかといったことも、漁業者は何か感じているみたいなんですね。今のお話だと、サクラエビをとる時期の前にということですが、その研究している時期も合っているかどうかもわからないと思うんですよね。
 それを含めて、やはり現場で実際にとっている人たちの意見を聞くのも研究にすごく生かされると思うんですけれども、研究していく上での現場の漁業者との連携についてどのようにお考えなのかお聞きしたいと思います。

○嶌本水産資源課長
 サクラエビの資源管理に関しまして、業界と県とのかかわりについてお答えいたします。
 今、水産技術研究所と県桜海老組合は、まず第1に共同で産卵調査、水温調査を行っております。
 それから第2にですが、まず漁期が春漁と秋漁とあるわけですけれども、その直前、あるいは漁期中に資源状況や駿河湾の環境、あるいは黒潮等の影響などの情報につきまして研修会などを開催しております。この研修会は年間10回ほど行っております。
 また、第3に水産技術研究所は、サクラエビ60カ統全ての毎日の漁獲情報を得るようなシステムを持っております。常にサクラエビの漁業現場の情報を共有化しているところであります。このように日々一体となって資源管理に取り組んでおります。以上でございます。

○塚本委員
 御答弁ありがとうございました。
 やはり研究も現場の人たちと連携をとりながらやることで実りのある研究になると思いますので、ぜひ今後も連携をとって進めていただきたいと思います。
 今の時点でも、先ほどお話があったように、かなり資源管理には力を入れていますから、今後も連携をとっていただいて実りのある研究成果を出していただきたいと思います。要望です。

 最後の質問項目になります。
 委員会説明資料の30ページの駿河湾深層水の利活用に向けた取り組みについてです。
 過去2回、産業委員会で取り上げまして、やはり言ってみるものだなということで、やっと委員会説明資料に載りました。せっかく取り上げてくれたものですから、これはもう質問をしてくれと言わんばかりに用意してくれた資料だと思います。
 ここにも書いてあるんですが、今までも藤田水産業局長が直接現場に来てくれて、駿河湾深層水利用者協議会の人たちと意見交換をしてくれているのを私も見ているものですから、委員会説明資料に載っていなかっただけで、今までも一生懸命やってくれていることは十分承知をしています。
 せっかく載ったものですから、今後さらに利用促進が図られればいいなというところから質問させてもらいます。
 委員会説明資料30ページの下段の表のところに利用者が期待することが書いてあります。この第1回駿河湾深層水利用者協議会のときの3の深層水研究開発の推進、多分ここがかなり期待度が高いんですよね。というのは、この研究はずっとやっていると思いますが、期待するような結果が出てきません。いい結果が出ればそれをうまく活用して商品開発に結びつけられるということになるんですが、今の時点でもいろいろ研究してくれていると思うんですけれども、現時点で出ている研究の成果としてどんなものがあるのか、まずそこをお聞きしたいと思います。
 委員会説明資料の上のほうの要旨にも書いてあるんですけども、平成13年に取水を開始しているんですよね。もうかなり年数がたっています。日本の研究する能力からすれば、ある程度のお金をつぎ込めば、10年もたてばそれなりの成果が出てくるんじゃないかというのが一般的な感覚です。研究が必要だとわかっているけれども、大して一生懸命やっていないんじゃないのかと思われる可能性がありますよね。もう10年もたっているものですから。ですから、今までどれぐらい力を入れて取り組んで、どんな研究結果が出たのか、その辺の御説明をいただきたいと思います。

○藤田水産業局長
 今までの深層水関係の研究成果ということであります。
 数として上げますとかなり多いので、重立ったものを申し上げますと、深層水を使って加工の分野に生かせないかという研究が多いです。
 例えば、シラスの釜揚げをつくるときに深層水を使うと効能はないかということで調べましたところ、深層水を使うと釜揚げシラスの白い色が普通のものに比べて長く保たれるとか、納豆をつくるときに深層水を使ってみると甘みが従来のものより感じられたということで、実際に商品化された実例もあります。
 ほかにも、例えばサクラエビの釜揚げをつくるときに発色が向上するとか、野菜をゆでるときに発色がよくなるといったような研究成果はたくさんあります。
 委員会説明資料に基づきますと、11月20日の第2回駿河湾深層水利用者協議会の中でも、過去の研究の成果の普及が今もって少し足りない部分がありましたので、そういった情報をもう一度出しまして、一通りの説明をして、もう一度再認識をしていただくという取り組みをやったところでございます。

○塚本委員
 ありがとうございます。
 今、研究の内容を紹介していただいたんですが、最初に取水したときに、この駿河湾深層水が余りにもみんなに知られていないときだったものですから、自分も大学教授のような方が講演するところに行って勉強してこいということで行かせてもらってお話を聞きました。当時、今言ったような研究内容もあったんですが、医療で使えるかのような話があったと思うんです。まだ医学的な根拠は見つからないという中でのお話ですけれどもね。
 例えば、アトピーの人が深層水を使うことで、アトピーが改善したという人が10人中7人ぐらい、2割ぐらいの人が変化なし、残りの1人は逆に悪化したという統計的なことを説明して、今後研究して医学的な根拠がきちんと見つかれば、医療面でも役に立つのではないかというような話を10年ぐらい前に聞いています。研究を進めてきて、そちらの医学的な研究についてはどんな状況なのか教えていただきたいと思います。

○藤田水産業局長
 先ほど加工を中心に申し上げましたけれども、今までやった研究結果の中では、深層水を電気透析して成分を濃縮させるようなことをやっています。それをマウスに与えたところ、便秘の改善効果が見られるとか、血中コレステロールの低減効果が見られるとか、そうした成果自体はあります。
 これは、加工の話と同じでして、まだ実用化に至っていない現状がありますので、そこは同じ課題として、今後取り組まなければいけないと認識しています。

○塚本委員
 ありがとうございます。
 加工のほうでも、統計的なものは出ていても医学的な根拠とか、科学的な根拠がないとラベルにこうなんですということが書けない。誇大広告みたいなものになってしまうので書けないなどPRする上での問題点もあるものですから、研究を進めていただきながら、できるならばそういったラベルに深層水を使用しているとこういう効果ありみたいなものをどんと書けるような、そういう表示ができるぐらいの研究成果を上げてもらえるように、研究にも力を入れていただきたいということを要望して私の質問を終わらせていただきます。

○大池委員長
 ここでしばらく休憩いたします。
 再開は13時15分といたします。

( 休 憩 )

○大池委員長
 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
 質疑等を継続いたします。
 では発言願います。

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